クラウドソーシングを使った業務委託契約のメリットやデメリットを解説

公開日: 2022.07.18
更新日: 2024.01.06
クラウドソーシング-業務委託

「仕事を外注したいけど、クラウドソーシングってどんなサービス?」
「業務委託と雇用契約って何が違うの?」

と思うことはありませんか?

業務委託契約ならクラウドソーシングが良いといわれても、本当にクラウドソーシングで良いのか不安になりますよね。

では、クラウドソーシングにはどんな特徴があって、どのような場合に使うと良いのでしょうか?

そこで今回は、

  • 業務委託契約とは?業務委託契約を締結する方法は?
  • クラウドソーシングを使うメリット・デメリット
  • おすすめのクラウドソーシングサービス

について詳しく解説します。

この記事を読めば、どんなときにクラウドソーシングを使うべきなのかが理解できます。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

業務委託とは何か簡単に解説

アウトソーシング

業務委託とは、特定の業務を社外の事業者や個人に委託することをいいます。

専門性の高い業務や期間限定の業務など、自社社員の割り当てが難しい場合に、社外に任せる方法です。

社員と結ぶ雇用契約とは違い、業務委託契約により、業務の委託がなされます。

こちらでは業務委託契約について、以下の2点を説明していきます。

  1. 業務委託契約には2種類ある
  2. 雇用契約との違いは?

業務委託契約はどんなもので、雇用契約とどんなところが違うのかを理解しましょう。

1.業務委託契約には2種類ある

業務委託契約には、2種類の形態が存在します。

  • 請負契約
  • (準)委任契約

請負契約は、業務の成果と引き換えに報酬が発生する形態です。

ホームページ制作やソフトウェア制作がこれにあたります。

委任契約と準委任契約は、契約期間中の業務に対して報酬が発生する形態です。

例えば、弁護士・税理士など士業の顧問契約や、コンサルティング契約などが委任契約にあたります。

成果に対しての報酬なのか、業務自体に対して報酬なのかで、種類を判断してください。

2.雇用契約との違いは?

仕事上の契約では、会社と社員で交わされる雇用契約が一般的です。

業務委託契約と雇用契約はこれらの2つは、使用従属関係の有無によって区別されます。

使用従属関係が、あるなら雇用契約で、なければ業務委託契約です。

例えば、以下の要素で「はい」となる場合は、使用従属関係があるため、雇用契約と判断されます。

  • 仕事の依頼や指示に対して断れない
  • 業務内容や遂行方法に対して指揮命令がある
  • 勤務時間や場所が拘束されている
  • 予定されている以外の業務がある
  • 報酬の基準が時間基準である

こちらはほんの一例です。

詳しくはこちら(労働基準法研究会報告|厚生労働省)で確認できます。

結論としては、ワーカーの働き方がより自由な形態が業務委託契約といえるでしょう。

業務委託契約の結ぶ4つの方法

契約

会社にお勤めの方であれば雇用契約の交わし方はなんとなくでもわかると思いますが、業務委託契約はいかがでしょうか?

わからないまま契約へ進んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります

業務委託の結び方は、

  1. 契約内容の協議
  2. 業務委託契約書の作成
  3. 契約内容の確認と修正
  4. 合意のもと、業務委託契約の締結

の4ステップです。

流れをしっかりと理解して、正しい業務委託契約の結び方を知っておきましょう。

1.契約内容の協議

契約内容については、依頼主とワーカーの双方で協議のうえ、決めましょう。

協議する内容は、

  • 業務の内容
  • 期間
  • 報酬

などになります。

ここで認識をすり合わせておけば、のちのトラブルが起きにくく、変更が必要な際にも確認しやすいというメリットがあります。

2.業務委託契約書の作成

協議により内容が決まりましたら、契約書の作成です。

契約に含む項目は以下を参考にしてください。

  • 契約形態
  • 業務の内容
  • 契約の期間・更新・解除
  • 報酬の支払いや経費の取り扱い
  • 著作権・成果物の所有者
  • 機密保持
  • 損害賠償
  • 裁判の際の管轄裁判所

さまざまなケースを想定して、できるだけ細かく書いておくことがおすすめです。

想定するのがどうしても難しいときは、弁護士にリーガルチェックを依頼しても良いでしょう。

作成後には雛形として取っておけば、次回以降の手間や時間の削減につながります。

3.契約内容の確認と修正

作成が完了しましたら、必ず双方で確認をしてください。

とくに作成していない側は、全てに目を通すことが必要です。

なぜなら契約締結後の修正は、大きな手間となるだけでなく、相手方の印象も悪くなってしまうからです。

気になったことがあったら、この段階でしっかりと話し合いましょう。

4.合意のもと、業務委託契約の締結

双方が合意できたら、業務委託契約を締結しましょう。

紙の場合であれば、同じ契約書を2部用意し、それぞれに署名・捺印のうえ、依頼主とワーカーで一部ずつ保管してください。

書面による契約が義務付けられていなければ、コストや手間を考えて電子契約で進めるのもおすすめです。

クラウドソーシングで業務委託契約をするクライアント側のメリット3つ

費用の削減

どの企業でも、必ずクラウドソーシングを使うべきというわけではありません。

クラウドソーシングを使うことで、きちんとメリットを享受できるのかが大切です。

以下3つのメリットをご覧ください。

  • 費用の削減ができる
  • 案件ごとでの契約ができる
  • 専門性の高い分野を補える

これらでメリットを感じられれば、前向きにクラウドソーシングを検討しましょう。

1.費用の削減ができる

クラウドソーシングを使った業務委託では、一般の雇用と比較して、企業側の負担が少なくなります。

具体的には、

  • 採用費用(媒体掲載費用・広告宣伝費)
  • 人材育成費用
  • 交通費
  • 社員のために用意する消耗品や備品の費用
  • 社会保険料

など、社員を雇うためにかかる費用が節約できます。

採用や教育などの費用を節約しながらも、即戦力の人材を確保したいのであれば、クラウドソーシングの選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

2.案件ごとでの契約ができる

案件やプロジェクトごとに人材が確保できるのは、クラウドソーシングを使うメリットです。

なぜなら一番忙しい時期合わせて、社員を確保しておく必要がないからです。

クラウドソーシングでは、タイミングや期間を限定して、業務に適した人材が確保できます。

もし忙しさにムラがある業界にいるのであれば、クラウドソーシングは有効な解決策の一つといえるでしょう。

3.専門性の高い分野を補える

クラウドソーシングを使えば、専門性の高い業務のために社員を雇う必要がなくなります。

専門性の高い業務とは、ホームページ制作や経理関係、法律関係の業務など、会社の本業ではないけれど、重要な仕事のことをいいます。

なぜ雇う必要がないかというと、クラウドソーシングには、自分の強みや資格を活かしながら仕事がしたい専門家が登録しているからです。

特定の業務を外部に委託することで、社員が本業に専念できることや、コストをかけて採用の必要がないことは大きなメリットではないでしょうか。

クラウドソーシング-事例クラウドソーシングの活用事例4選を紹介|よくある6つの業務例も徹底解説

クラウドソーシングで業務委託契約をするワーカー側のメリット3つ

選ぶ手

業務委託契約より、やっぱり雇用契約の方が安定してて良いとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

雇用契約にも良さがあるのはもちろんですが、業務委託では働き方や報酬面でのメリットが存在します。

こちらでは、業務委託のメリットについて、以下の3つをご紹介していきます。

  1. 業務内容を選べる
  2. 時間や場所に縛りがない
  3. 収入に上限がない

これらでメリットを感じるようであれば、クラウドソーシングを使った働き方も検討されると良いかもしれません。

1.業務内容を選べる

業務委託契約では、雇用契約と違って、業務内容を自由に選べます。

例えば、報酬が見合わない場合や自分の強みを活かして働きたい場合など、内容によって業務を断ることが可能です。

自分の生き方や目標にまっすぐ進んでいけるのは、業務委託ならではの働き方といえるでしょう。

2.時間や場所に縛りがない

業務委託契約では、依頼者側が、ワーカーの業務時間や業務場所を、決めつけることができません。

もし決めつけてしまうと、雇用契約と見なされてしまう可能性があるからです。

雇用契約である社員と比べて、働き方が自由であるのは大きなメリットといえるでしょう。

3.収入に上限がない

業務委託契約では、業務そのものや成果に対して報酬が発生します。

やればやるだけ報酬を得られるのが、給与が決まっている社員との違いです。

仕事を断るのも受けるのも、自分次第であることは大きなメリットです。

クラウドソーシングで業務委託契約をするクライアント側のデメリット3つ

品質保証

クラウドソーシングで業務委託契約をする際には、知っておくべきデメリットも存在します。

こちらでは依頼主側のデメリットとして、以下の3つをご紹介します。

  1. 業務の質が担保されない
  2. 社内にノウハウが蓄積されない
  3. 人が見つかるかわからない

必ずデメリットを把握し、対策を考えたうえで業務委託契約を進めることをおすすめします。

1.業務の質が担保されない

クラウドソーシングでは、同じワーカーが繰り返し業務を受けてくれるとは限りません

なぜなら業務委託契約は、案件ごとに結ばれる形態だからです。

当然既存のワーカーが断れば、新たなワーカーを探す必要が出てきます。

入れ替わりで委託したワーカーが、基準値を満たしているかが保証されていないのは、クラウドソーシングのデメリットといえるでしょう。

2.社内にノウハウが蓄積されない

クラウドソーシングは、一部の業務を切り取って、社外に任せる仕組みです。

社外に任せるので、その業務を把握したり、知識を蓄えたりする人が育たないのは当然ともいえるでしょう。

ノウハウがたまっていかないリスクも考えて、クラウドソーシングを使うことをおすすめします。

3.人が見つかるかわからない

クラウドソーシングのメリットとして、スポットで適切な人材に業務を任せられることをあげました。

ただし必ずしも、必要なタイミングで必要な人材と契約できるかはわかりません。

専門性が高ければ高いほど、必要としている事業者も多いからです。

対策として、

  • 早めに人材を探し始めること
  • 一度依頼した良い人材と関係を構築しておくこと

などがおすすめの方法です。

クラウドソーシングで業務委託契約をするワーカー側のデメリット3つ

確定申告

「クラウドソーシングは自由に働ける」「会社員より良い生活ができそう」と思って、いきなり会社を辞めると、後悔するケースもあります。

こちらでは、3つのクラウドソーシングを使うデメリットをご紹介します。

  1. 収入が不安定
  2. 営業活動が必要である
  3. 確定申告が必要

これらのデメリットをご覧いただいて、問題がないようであれば次のステップへ進むことをおすすめします。

1.収入が不安定

クラウドソーシングによる業務委託契約は、案件ごとに報酬が発生する形態です。

継続して任せてもらえれば良いですが、ワーカーの頑張りに関わらず、依頼主側の都合で終わりとなる案件も存在します。

新たな仕事を獲得したくても、高単価であればあるほど、ライバルが多いので、受注するのが難しくなります。

仕事を受注できるのか、いつ契約が終わってしまうか、これらは、大きなデメリットといえるでしょう。

2.営業活動が必須である

業務委託で働くためには、案件を自分で獲得していく必要があります。

なぜなら魅力的な案件ほど応募が多く、わざわざ依頼主からワーカーを探しに行く必要がないからです。

自分のやりたいことをやるのはもちろんですが、良い依頼主と良い仕事をするには能動的に営業活動をしていくことも必要です。

3.確定申告が必要

業務委託で働くということは、雇用関係を抜けて、個人事業主となることを意味します。

社員となり給与所得をもらっていれば、年末調整など会社がおこなってくれることでしょう。

しかし個人事業主は、売上や経費の申告をするために、確定申告が必要です。

あまりにも負担となってしまう場合には、オンラインサービスを使うことや税理士に全て任せることで本業に専念できる環境を作ることをおすすめします。

雇用契約との線引きに注意しよう

残業中

依頼主とワーカーで合意し、締結する業務委託契約ですが、業務の進め方を間違えると雇用契約と判断されてしまう場合があります。

雇用契約と判断されてしまうと、労働基準法が適用になり、予期せぬトラブルの元となるので注意が必要です。

例えば、労働基準法が適用されると、依頼主には以下の義務が発生します。

  • 残業代の支払い
  • 年次有給休暇の割当
  • 健康保険の届け出

社員に対してと同じ義務を負うことになります。

雇用契約と判断されないためには、使用従属性がポイントです。

  • ワーカーは業務内容を断れるか
  • ワーカー側で働く場所や時間を決められるか
  • 報酬額が時間ではなく、業務自体や成果に基づいているか

これらに当てはまれば使用従属性はなく、労働基準法の適用はありません。

両者で合意した業務委託契約でも、業務中のやり取りで雇用契約となってしまう可能性もありますので、お互い充分に注意する必要があるでしょう。

業務委託におすすめのクラウドソーシング5選

サムズアップ

クラウドソーシングを使うメリットやデメリット、注意点を確認してきました。

業務委託契約で業務を進める方があっていると感じるのなら、クラウドソーシングサービスへの登録が次のステップです。

こちらでは、登録すべきおすすめのクラウドソーシングサービス5つをご紹介していきます。

  1. クラウドワークス
  2. ランサーズ
  3. クラウディア
  4. サグーワークス
  5. シュフティ

1.クラウドワークス

クラウドワークス(CrowdWorks)は、初心者から専門性の高い人材まで、実績豊富な日本最大級のクラウドソーシングサービスです。

全国78万社からの豊富な案件と480万人のワーカーをマッチングしています。(2022年6月8日調べ)

秘密保持契約や報酬雨の仮払制度など、依頼主にもワーカーにも安心できる仕組みが使われているのが特徴です。

2.ランサーズ

ランサーズ(Lancers)は、2008年創業で、日本最古のクラウドソーシングサービスです。

登録者数や案件も多いので、クラウドワークスと並んで人気のあるサービスです。

デザイン業やシステム開発、ライティングなど豊富な案件が揃っています。

ワーカーをランサーと呼び、ランサーの表彰制度や相談サポートが充実しているのも特徴です。

3.クラウディア

クラウディア(Craudia)は、株式会社エムフロが運営するクラウドソーシングサービスです。

フリーランスの方から隙間時間に副業をしたい方など、約100万人のワーカーが登録しています

初心者の方でも始めやすいライティングやWeb制作系の仕事が豊富にあることもポイントです。

4.サグーワークス

サグーワークスは、株式会社ウィルゲートが運営する記事代行に特化したクラウドソーシングサービスです。

2022年5月時点では、発注企業数が約3,800社、総ライター数が約29万人となっています。(2022年6月8日調べ)

業務の契約が完了すれば、サグーワークスが依頼主とライターの間に入り、業務の進捗を管理します。

ライティングの仕事に特化して、業務を発注したい・受注したい方々にはおすすめのサービスです。

5.シュフティ

シュフティは、在宅で働きたい主婦の方向けのクラウドソーシングサービスです。

特徴としては、

  • スキル不要な案件が多い
  • 短時間でできるタスク系業務多数
  • 仮払い制度を導入している

など、隙間時間に働きやすい仕事や制度があげられます。

約42万人が登録している、大手サービスのひとつです。(2022年6月8日調べ)

まとめ:クラウドソーシングでの業務委託は自由な働き方ができる

本記事では、業務委託契約やそのメリット・デメリットについての解説をしてきました。

  • 業務委託契約は、雇用契約と比べて依頼者・ワーカー双方にとって自由度が高い
  • クラウドソーシングは、メリット・デメリットをきちんと検討して利用するかを考えよう
  • 業務委託を考えているなら、クラウドソーシングに登録してみるのがおすすめ

業務委託契約には、雇用契約とは違うメリットやデメリットが存在します。

仕事の任せ方や働き方が自由なのは、業務委託契約です。

自由度の高さを重要視するのであれば、クラウドソーシングを使って業務委託契約がおすすめです。

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