エンジニアの6つの評価基準とは。評価制度の作り方や気を付ける点も紹介

公開日: 2022.11.27
更新日: 2024.01.11
エンジニアの6つの評価基準とは。

「エンジニアの評価方法がわからない」
「エンジニアの評価基準を設けて、企業の生産性を高めたい」

と思うことはありませんか?

エンジニアを評価したくても、業務内容や経験が人それぞれ違うので、どのように評価していいのか迷ってしまいますよね。

では、どのエンジニアを評価するにしても、押さえておくべき評価項目はあるのでしょうか?

そこで今回は、

  • エンジニアを評価する目的とは
  • エンジニアの評価基準で押さえておくべきポイント
  • 評価制度を作る上で必要な評価項目

について詳しく解説します。

この記事を読めば、エンジニアの評価をおこなうポイントがわかります

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

エンジニア評価の目的とは

エンジニアを評価する人事

エンジニアの評価は、エンジニアの給与や昇進が適切におこなわれるために実施されます。

前提知識として、人事評価制度には3つの構成があり、

  • 等級制度
  • 賃金制度
  • 評価制度

といった要素をリンクさせることでおこなうのです。

エンジニアを評価する項目は、会社が求める人物像に沿って作成される傾向があるので、評価制度を導入することで企業の生産性が高まるでしょう。

エンジニアにとっても技術力が評価されると仕事のモチベーションに繋がります。

会社もエンジニアの評価基準があると「どんなエンジニアが必要か」採用においても役立つ指標になるのです。

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エンジニアの6つの評価基準

エンジニアの評価基準を決める

エンジニアの技術を、客観的に評価するのは難しいと言われています

ここでは、エンジニアの技術力を測る上で必要な評価基準について解説します。

  1. 技術的項目
  2. コミュニケーション能力
  3. マネジメント能力
  4. 業界知識
  5. プロジェクトの経験
  6. 語学力

それぞれの項目を見ていきましょう。

1.技術的項目

技術的項目を測るポイントは、過去にどのような業務に携わってきて、今何ができるかがわかる指標といえます。

客観的に評価できる、

  • 使用可能な言語は何か
  • 開発スキルの程度(〇〇言語において、上司の指示がなくても開発できるなど)
  • 特殊な業務知識や経験(クラウドや金融業界の知識など)

といった、具体的な内容がわかることが大切です。

エンジニアの評価は、使えるか使えないかが重要なので、ただ知識を有しているだけでは、評価になりにくいといえます。

2.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、プロジェクトを成功させるために必要な要素です。

そのため、プロジェクトチーム内で役割を遂行するために、円滑におこなわれているかが評価の対象となります。

コミュニケーション能力は、上司も意識するポイントです。

好感の持てない上司から適切な評価をもらえないとエンジニアは不満に感じるため、評価する上司も適度なコミュニケーションを取るようにしましょう。

3.マネジメント能力

マネジメント能力も評価の対象となります。

マネジメント力のあるエンジニアがいると、部下の働きやすさに繋がり会社の生産性が高まるからです。

  • 具体的な役職は何か
  • プロジェクトチーム内でどのような役割を果たしたのか
  • 過去に何名くらいのマネジメント経験があるか

マネジメントスキルには、業務遂行能力やコミュニケーション能力が含まれるため、これまでの経験も評価されるでしょう。

4.業界知識

業界知識は、IT業界の動向やトレンドを把握する力といえます。

IT技術はスピードで進化していくため、エンジニアは知識を深める必要があります。

例えば、新しい技術の習得に意欲のあるエンジニアは、ポテンシャルの高さが評価されるでしょう。

エンジニアは、技術を磨き続けることが求められるので、業界知識を迅速に把握できる人は優秀なエンジニアといえます。

5.プロジェクトの経験

プロジェクトの経験は、評価対象となります。

なぜなら、プロジェクトの経験は客観的にわかるので、評価しやすいからです。

  • どんなプロジェクトに関わったことがあるか
  • プロジェクトの規模はどの程度か
  • 使用経験のあるテクノロジーはあるか

プロジェクトの経験は、どのような業務をおこない、どのくらいプロジェクトに貢献したかが評価項目となるでしょう。

6.語学力

語学力もエンジニアに求められるので、評価できるスキルといえます。

なぜなら、レベルの高いエンジニアになると、海外を視野に入れ活躍するから。

プログラミング言語は世界共通なので、語学力があると海外と協働でシステム開発をおこなうことも可能です。

最新技術は、英語で書かれた読み物が多いので、翻訳できると業務に活かせるため、さらにスキルが高まるでしょう。

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エンジニアの評価制度の作り方3選

エンジニアの評価制度を作る女性

エンジニアの評価をおこなう基準は、どのように作成すればいいのでしょうか

ここでは、エンジニアの評価制度の作り方について紹介します。

  1. 自社の評価目的を決める
  2. 評価基準を設ける
  3. 細かい評価項目を挙げる

それぞれの要点を押さえていきましょう。

1.自社の評価目的を決める

まずどのようなエンジニアが必要なのか洗い出し、自社の評価目的を決めることが大切。

評価目的は、必ずエンジニアに伝える必要があります

  • 会社がどのような観点で評価するのかわかる
  • 適切な報酬をもらえる
  • 離職を防げる

エンジニアに伝えることで、上記のようなメリットを提供できます。

2.評価基準を設ける

評価基準は、会社によりさまざまですが、経済産業省によって策定されたITSSに照らし合わせるとスキルを客観的に捉えられます。

ITSSとは「ITスキル標準」とも呼ばれるIT人材に対するスキル体系のことで「IT Skill Standard」の頭文字を取った略称です。

レベル区分 ITSSを参考にした評価基準
レベル1
  • エンジニアとして必要最低限のスキルを有する状態
  • 職種としては、テストエンジニア
レベル2
  • 上司の指示のもと、要求された作業ができる
  • 基本情報技術者試験の合格に対応している
レベル3
  • エンジニアとして応用的な知識を習得した状態
  • 要求された作業は独力で遂行できる
レベル4
  • エンジニアとして高度な技術を習得した状態
  • 高度情報技術者試験の合格に対応している
レベル5
  • 高い作業遂行能力を持ち、マネジメントもできる
  • 自他ともに認める実務経験で会社に貢献する
レベル6
  • 日本国内においてハイエンド技術者となる状態
  • 自分のイメージするプロジェクトを制作できる
レベル7
  • 海外でも通用するスキルを持った状態
  • 新しい技術を創造する力が求められる

ITSSでは、エンジニアをレベル1からレベル7までの等級に分けているので参考になる指標です。

評価基準は、具体的な行動目標を挙げることが推奨されますが、導入事例は企業によって多種多様といえます。

3.細かい評価項目を挙げる

細かい評価項目は、職種によって変わるので、職種に対応した成果目標を挙げると良いでしょう。

  • システムエンジニア・・・・・・技術的スキルや資格、ITSSに準ずる内容
  • プロジェクトマネージャー・・・マネジメントスキル

評価項目は、企業がどのエンジニアを育成したいかによって変わってくる項目でもあります。

そのため、マネジメント職とエンジニア職のふたつのパターンが考えられるのです。

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エンジニアの評価制度で気を付けるポイント5選

エンジニアの評価ポイントを話す男性

ここでは、エンジニアの評価制度を作る上で確認することを解説します。

やみくもに作成すると、会社の求める人物像とならないため注意が必要です。

  1. プロジェクト内の役割を明確にする
  2. 第三者の意見も参考にする
  3. 取り組む姿勢も評価する
  4. 自己評価とも照らし合わせる
  5. 自社の目的に合った評価基準にする

ひとつずつ見ていきましょう。

1.プロジェクト内の役割を明確にする

プロジェクト内の役割を明確にすることで、適切な評価に繋がります。

プロジェクト全体の評価と、個人の評価は異なるので、プロジェクト内でどの役割を果たしたのかを測る必要があるのです。

  • 自分がおこなった作業は何か
  • プロジェクトへの貢献度合

ITSSの指標においても、レベル区分に応じて求められるスキルが変わってきます。

なので、プロジェクト全体と個人を分けて評価すると良いでしょう。

2.第三者の意見も参考にする

担当が変わると、評価にばらつきがあるケースがあります。

そのため、第三者の意見も参考に評価を進めることは大切。

エンジニアの評価は、給料にも影響するため、多面的な視点で考察する必要があります

ですので、複数名の意見を取り入れながら進めていきましょう。

3.取り組む姿勢も評価する

技術力以外に評価できる点には、仕事に対する姿勢が挙げられます。

なぜなら、エンジニアはプロジェクトチームで仕事をおこなうため、怠慢な姿勢はチームの活気を乱してしまうからです。

取り組む姿勢が評価されるエンジニアは、作業効率が良く、ケアレスミスも少ない特徴があります。

とはいえ、エンジニアは実力社会なので積極的な姿勢だけでは評価とならないことも。

常に「プロジェクトに貢献しているか」という視点で考えることが大切です。

4.自己評価とも照らし合わせる

エンジニアの自己評価と会社の評価に大きな違いがある場合は、エンジニアが不満に感じる場合があります。

エンジニアが過大評価や過小評価を取っている場合もあるので、ヒアリングをおこなうことが大切です。

  • どのくらい目標を達成できたか
  • プロジェクトでの役割について

きちんと認識を合わせることで、疑問を解消できるので、自己評価との照らし合わせは必要でしょう。

5.自社の目的に合った評価基準にする

評価制度を決める前提には、自社が求めるエンジニア像があります。

自社に合ったエンジニアに向かって評価基準を設定する必要があるので、会社の目的は前もって確認しましょう。

  • どういったエンジニアを育成するのか
  • 自社のエンジニアに必要なスキルとは

評価基準は、他社の基準を参考にするのは推奨できません。

自社が求める職種やエンジニアのポジションは、他社と異なるので、目的に合わせて評価基準は改める必要があります

エンジニアの評価に関する2つの質問

チームでエンジニアの評価を考える

こちらでは、エンジニアの評価に関する質問に答えていきます。

疑問点を解消して、エンジニア評価の理解を深めましょう

  1. エンジニアの評価シートとは
  2. エンジニアとして評価を上げる方法

それぞれ解説していきます。

1.エンジニアの評価シートとは

エンジニアの評価シートとは、社内の業務を客観的にどのくらい達成したのか評価するシートです。

社員を管理する重要なシートなため、管理職や人事担当者によって記入がおこなわれます

評価項目として、

  • 能力の評価・・・担当分野の専門性を理解しているか、貢献を評価する
  • 業績の評価・・・求められるノルマを達成できたか、役割を評価する
  • 情意の評価・・・最後まで業務を遂行できたか、態度を評価する

といった、3つの観点が挙げられます。

2.エンジニアとして評価を上げる方法

エンジニアの評価を上げるには、具体的に示せる実績を作る必要があります

なぜなら、ひとつ上のスキルを習得することで、エンジニアとして評価されるからです。

  • 複数のプログラミング言語で開発できる
  • プロジェクトマネージャーに昇格した
  • 語学力向上のためTOEICで〇〇点を取った

このような、客観的指標があるとエンジニアの評価シートで評価対象となるでしょう。

まとめ:エンジニアの評価基準を明確にして適切に能力を評価できるようにしよう

本記事では、エンジニアの評価方法がわからない管理職に向けて、エンジニアの評価基準や、評価制度の作り方について解説しました。

  • エンジニアを評価する目的は、エンジニアの給与や昇進が適切におこなわれるために必要
  • エンジニアの評価制度は、職種によって評価項目が変わってくる
  • エンジニアを評価する際は、エンジニアの自己評価も確認しながらおこなう

エンジニアの評価で大切なことは、自社の目的を明確にして客観的に評価することです。

そのため、評価制度の作成は、ITSSなどのスキル標準と照らし合わせながらおこないましょう

エンジニアにとっては、モチベーションに関わる重要な要素でもあります。

企業の生産性を高められるメリットでもあるので、評価基準を適切に活用していきましょう。

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