IT教育のとは?日本のIT教育の現状から導入する目的を徹底解説
「IT教育って具体的に何をするの?」
「IT教育にメリットはあるの?」
と思うことはありませんか?
昨今、小学校の授業でもプログラミングなどITに関わる授業が必須科目となりました。
では、このようなIT教育にはどのような目的があるのでしょうか。
そこで今回は、
- IT教育とは何か
- IT教育を導入するメリット・デメリット
- IT教育の導入事例
について詳しく解説します。
この記事を見ればIT教育の重要性が理解できます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
IT教育とは
IT教育とは、情報技術(IT)に関連する知識の学習や育成を指す総称です。
実習からコンピュータを使った指導まで、さまざまな教育方法で使われています。
そんなIT教育を以下の項目に沿って詳し解説していきます。
- IT教育が重視される理由
- ITとICTの違い
- IT教育の現状
IT教育が重視される理由
デジタルトランスフォーメーションが広く現実のものとなった世界では、これまで以上に強力なIT教育が不可欠であるからです。
競争力を維持し、将来の雇用機会を増やすために、コンピュータ技術に関する必須知識を若い頭脳に身につけなければなりません。
また、特定の技術分野をより深く探求する機会を提供するこで、
- 新しい世代のエンジニア
- 発明家
- ビジネスリーダー
を生み出す可能性があります。
つまりIT教育は、変化する市場の中で優位に立てる人材育成の一歩となるのです。
ITとICTの違い
ITはInformation Technologyの略で、日本では「情報技術」と訳されます。
具体的には、
- 仮想現実や拡張現実
- ビッグデータ操作のアルゴリズム
- クラウドコンピューティング
- データ分析のためのスマートデバイス
- アプリケーション開発
まで幅広い技術のことを指します。
反対に、ICTはInformation and Communication Technologyの略で、日本では「情報通信技術」と訳されます。
- 音声やビデオ通話
- 遠隔監視
- ウェブサービス
- ゲームアプリ
- 動画配信
など、日常生活における情報技術の活用に関するものです。
IT教育の現状
IT教育は、ここ数十年で急成長を遂げました。
テクノロジーが私たちの生活のあらゆる側面に織り込まれるようになったからです。
今では、小学校の必須授業として取り入られています。
また、雇用市場では時代の最先端を行くスキルと経験を持った従業員が求められています。
しかし実際には、実地体験の不足、新しい技術の活用不足など、現在のIT教育にはまだ埋めるべき多くのギャップもあるのが現状です。
そこで、一部の大学では業界リーダーとの提携を開始し、学生に実社会の技術やアプリケーションに触れさせることで、就職に有利になるような準備を進めています。
このような取り組みは、現代社会で成功するために必要な知識と能力を備えていることを保証するための重要な鍵となるでしょう。
ITリテラシーが低い会社の特徴3つ|自社のITリテラシーを高める方法も解説IT教育を導入するメリット
刻々と変化し、急速に進化するIT教育。
そんなIT教育には以下のような4つのメリットがあります。
- 学習の効率化が図れる
- 教師の負担を減らせる
- 幼少期にITリテラシーを構築できる
- リモート学習が可能になる
学習の効率化が図れる
IT教育のメリットは、一人ひとりに合わせた学習が可能なことです。
従来の教室での授業は、クラス全員を対象に一斉に行われるのが一般的で、生徒一人ひとりの個別のニーズに合わせることが困難でした。
また、飽きっぽい性格の生徒や、他の生徒についていくのが難しい生徒には、十分な指導ができません。
一方、IT教育では、学習者の習熟度に合わせて内容を調整し、自分の理解度に応じたペースで学習を進められます。
そのため、学習者の理解や習得のスピードが上がり、学習効果が高まるのです。
教師の負担を減らせる
IT教育は教員の負担を劇的に軽減します。
なぜなら、教材をより効率的に提供できたり、試験や課題の作成や、採点に頭を悩ませたりする必要がなくなるからです。
また、ITツールを活用することで、授業へのアプローチをカスタマイズすることも可能です。
つまりIT教育の導入は、教育システムをより良いものにするために、絶対に必要なことなのです。
幼少期にITリテラシーを構築できる
2020年に小学校でプログラミングの授業が必修になりました。
「デジタルネイティブ」と呼ばれる子どもたちが幼少期からプログラミングを学ぶことで、ITリテラシーの向上や将来のIT人材不足を補うことが期待されています。
具体的には、以下のような取り組みが始まっています。
- コンピュータの専門科目やプログラミングの授業
- コンピュータプログラムの書き方を学ぶための個別指導
また、IT技術を学ぶことは、プログラミング技術だけでなく、問題解決能力、論理的思考力、創造性など、デジタル社会で活躍するために必要な幅広い能力を身につけることにもつながります。
IT人材のニーズが高まる中、このようなプログラムや取り組みが、子どもたちの未来に貢献しています。
リモート学習が可能になる
IT教育の進歩により、教師は遠隔地にいる生徒と関われるようになりました。
例えば、教師がオンラインで完了できる課題や評価を作成し、タイムリーに採点することも可能です。
これにより、生徒と教師は、知識、スキル、理解に取り組むためのより多くの時間と柔軟性を得られます。
IT教育を通じて、以前は不可能だった遠隔教育の機能と機会が開かれ、すべての人がより平等で利用しやすい教育を受けられるようになったといえるでしょう。
ITリテラシーが低い?危険性や知っておくべき4つの改善方法も解説IT教育を導入するデメリット
IT教育には沢山のメリットがありましたが、デメリットも理解する必要があります。
万が一、デメリットを知らずに導入すると大きな損失をもたらします。
- IT機材の導入コストがかかる
- 教員のIT教育に時間がかかる
それぞれ解説していきます。
IT機材の導入コストがかかる
ITトレーニング導入のデメリットは、導入コストが高いということです。
さらにコストは、希望するIT教育の複雑さによって大きく異なり、また、教育にリソースと資金を投資しても、望ましい結果が得られるという保証はありません。
この投資を無駄にしないために、雇用主は自社のニーズと目標を満たすプログラムであることを確認するために、調査と配慮が必要です。
適切なIT教育を実施できれば、創造性を育み、データ・セキュリティーを確保し、効率を高めることができるでしょう。
教員のIT教育に時間がかかる
IT教育を学校に導入することのデメリットは、このような分野の教員を適切に訓練するのに膨大な時間がかかることです。
また、教員に十分な教育時間を与えなければ、効果的な教育ができない可能性もあります。
そのため教員へのトレーニングが不可欠ですが、時間がかかると、新しいテクノロジーをカリキュラムに導入するメリットが薄れてしまいます。
このような理由から、IT教育の導入は諸刃の剣とみなされることが多いのです。
潜在的なメリットは無視できませんが、教員研修にかかるコストは高くつくでしょう。
IT教育の導入事例を紹介
昨今、日本に及ばず世界中でIT教育の導入が進んでいます。
- 日本
- 海外(アメリカ・イギリス・ベトナム)
それぞれみていきましょう。
日本
日本では、小学校から大学まで、コンピュータサイエンスの基礎を学び、今日の世界を動かすテクノロジーの基礎を身につけられます。
小学校では通常、アプリケーションの開き方、インターネットの使い方、さまざまなファイルシステムの理解など、コンピュータを動かすための基本的なことを教わります。
中学生になると、プログラミングの論理やさまざまなコーディング言語の使い方など、より複雑なコンピューターサイエンスのトピックを学ぶことになります。
高校では、ロボット工学、人工知能、機械学習など、さらに高度なITコースが用意されています。
これらの概念に秀(ひい)でた生徒は、この分野でより高度な教育を受けることも少なくありません。
日本の学校におけるIT教育は、非常に重要視されているのです。
海外
アメリカ
近年、アメリカのIT産業は目覚ましい成長を遂げ、数多くの巨大IT企業が誕生し、IT教育も新たな高みに到達しています。
例えば、Apple、Microsoft、Googleという業界を代表する3社が協力して、全米でプログラミング教育を推進するWebサイト「Code.org」を立ち上げました。
「Code Studio」は、全国の小学校で活用されています。
この画期的な取り組みにより、アメリがの学生のIT業界の未来が切り開かれたのです。
イギリス
英国で行われた調査によると、約78%の保護者が学校でのIT教育に賛成していることが明らかになりました。
政府もまた、経済成長と雇用機会の促進におけるIT教育の重要性を認識し、IT分野への参入を表明しています。
デジタルスキルのギャップを埋めることを目的とした「Your Future, Your Choice」というイニシアチブの導入がその証拠と言えるでしょう。
具体的には、4歳から7歳の生徒を対象に、コーディングとコンピューティングをカリキュラムの一部に組み込みこんだ制作のことです。
今後も、英国におけるIT教育は数年のうちに学問体系に不可欠な存在となることが予想されます。
ベトナム
ベトナムは国策としてIT産業の育成を進めており、IT分野に特化した大学や学部が数多く設立されています。
官民一体となった取り組みと相まって、グローバル市場で競争するために必要なITスキルを身につけつつあるのです。
オフショア開発で有名な日本企業だけでなく、他のグローバル企業も優秀なIT人材を確保するために注目しています。
このような流れの中で、ベトナムのIT産業のポテンシャルは計り知れなく、この分野では急速に最先端を行く存在になりつつあるのです。
エンジニア不足は本当に起こっているのか?IT業界の将来性と今後の展開について解説IT教育を導入する際におすすめの教材4選
ここでは、ITまたはICT教育におすすめの本を紹介します。
- 子どもも教師も元気になる「これからの教室」のつくりかた
- 教科のプロもおすすめする活用術
- ICTで変える国語授業
- 教室へのICT活用入門
どんなレベルの方でも利用しやすいこの4冊は、勉強を始めるのに最適な本です。
子どもも教師も元気になる「これからの教室」のつくりかた
本書は、教育工学、授業マネジメント、ICT教育という3つのテーマについて、日本を代表する教育学者たちが徹底分析。
新学習指導要領に対応するために、先生方が必要とする情報を、関連する研究結果も含め、まとめた一冊です。
多くの読者から「これから教員を目指すものは、必ずと読むべき」と絶賛の声が寄せられています。
教科のプロもおすすめする活用術
各教科の授業でICTの特性がどのように生かされているのか、実践例を多数紹介。
教科学習の本質を追求することで見えてきた、「ICTのための授業」から「授業のためのICT」への発想の転換を促す一冊です。
さらに、ICTを授業に導入することで、この技術が学習支援に活用できることを生徒に示し、教科への興味を持たせるために不可欠なものになるでしょう。
ICTで変える国語授業
本書は「ICT」と「国語」という一見、相性が悪そうな組み合わせを解いた一冊です。
情報端末の普及にともない、言語教育に携わる日本語教師には、ツールとしてのICTのメリット・デメリットを見極めることが求められます。
そんな教員にぜひ読んでいただきたい本です。
また、コラムによるアドバイスも豊富なため、国語に関わらない教員にもおすすめです。
教室へのICT活用入門
本書は、対面授業やオンライン授業を最適化するためのヒントを提供しています。
具体的には、反転授業など、さまざまな授業形態に対応する方法を詳しく紹介し、対面授業とオンライン授業の両方に活用できる便利なツールを紹介しています。
授業体験を豊かにする方法をより深く理解したいと願う先生方にとって、貴重な一冊となることでしょう。
まとめ:IT教育を取り入れることで、学生や社会人の将来性が広がる
本記事では、IT教育について詳しく解説しました。
- IT教育とは、情報技術(IT)に関連する知識の学習や育成を指す総称である。
- IT教育は沢山のメリットをもたらす。
- IT教育は日本だけではなく、世界中で実施されている。
ここまで日本のIT教育を重点的に置いてきましたが、海外に比べるとまだ怠っています。
この現状を打破するには、指導者側がITの知識をさらに身に付けなければなりません。
さらなる高みを目指して、積極的にIT技術に触れていきましょう。