プログラミングでAIは作れる!【初心者向け学習方法、プログラミング言語を解説】
技術革新によって様々な技術が注目されていますが、その中でも特に注目度が高いのが人工知能(AI)。
AIエンジニアは高い増加傾向にあり、今後10~20年の未来を左右する技術であることはほぼ間違いないでしょう。
しかし、AIプログラミングで何ができるか理解できていない方も多く、「プログラミング技術も取って代わられてしまうのでは?」という不安を持った方もいるかと思います。
今回は、AIプログラミングでどんなことができるのか、プログラミングはAIに取って代わられるのか、そしてAIを扱える側になるメリットと方法について見ていきましょう。
AIでできること
それでは早速、人工知能(AI)でどんなことができるのか見ていきましょう。
活用事例と一緒に紹介していきます。
・回帰分析
・画像解析
・自然言語処理
過去のデータから予測する回帰分析
回帰分析は統計学の用語ですが、これまでに与えられたデータから将来のデータを予測するものです。
もちろん、AI以前にも回帰分析は可能でしたが、AIを利用することでより精度の高いデータ分析が可能になりました。
代表サービス
最近ではウェルスナビやTHEO(テオ)などのAI資産運用サービスや株価予測ツールなど、いわゆるフィンテック分野でよく活用されるようになりました。
その他機能でもベースとなる技術ですので、多少語弊を恐れずにいうと「統計学に近い技術」であることを覚えておきましょう。
機械で画像を認識できる画像解析
画像解析はAIが進歩することで精度が著しく向上した分野の1つです。
後ほど紹介するディープラーニングを応用することで、画像の画質を向上したり、新しい画像を生成したりすることもできるようになっています。
代表サービス
自動運転の技術や、メルカリでは写真を撮るだけで商品を予測してくれる機能もあります。
コミュニケーションを可能にする自然言語処理(NLP)
自然言語処理は人間が発する言葉を扱う領域です。
人間が発する言葉は曖昧な部分が大きくコンピューターが理解するのは難しいとされていました。
しかし、利用できる言語データが増加し、AIに学習させることができるようになったことで、高い精度で処理することができるようになりました。
代表サービス
iPhoneお馴染みのSiriであったり、最近ではLINEのチャットボットを導入する企業も増えてきました。
ホットな話題でいうと、サイバーエージェントから約8.5億円の資金調達をした株式会社ZEALSでは、AIを活用したチャットボット広告をサービス展開しています。
他にもテキストの音声入力やコールセンターでの自動対応など、今後ロボット文化が浸透していく際にも、非常に重要になってくる技術です。
プログラミングでAIを開発する方法
プログラミング技術が完全に代替される可能性は低く、可能でもまだ遠い将来だという説明をしましたが、逆にAIエンジニアを目指すのも良い選択肢です。
今後の人工知能(AI)の市場は、2018年~2023年で平均成長率46.4%になるという調査結果も出ています。
市場規模が大きくなるということは、必然的に作り手の需要も増えるということ。
今からAIエンジニアとして人工知能を扱えるようになると、市場価値の高いキャリアを歩んでいくことも可能になるでしょう。
もし「市場価値の高い職につきたい」かつ「最新技術を用いて社会貢献がしたい」と思う場合は、AIプログラミングを学ぶ選択肢をオススメします。
AI開発のためのプログラミング言語
AIを開発するにあたって、数種類のプログラミング言語を用いることができますがどの言語を学ぶべきなのでしょうか。
AI開発に便利なフレームワークなどがあるプログラミング言語もある為、効率的に学習するためにはどの言語で開発するのか慎重に選択しなければいけません。
下記にAI開発のためのプログラミング言語についてまとめているのにご確認ください。
AI プログラミング言語の種類についての記事はこちら
AIのプログラミング言語は何がオススメ?選び方と言語ごとの評価解説AIプログラミングの学習ステップ
では、どのようにAIプログラミングを学習すればいいのでしょうか?
ここでは基本的なロードマップを紹介します。
AIプログラミングをするためには、何よりもまずプログラミングの基礎を身につけていないといけません。
AIプログラミングでよく利用されるのはPythonと呼ばれるプログラミング言語ですが、クラスや関数、構文といった基本的な部分を学んでおく必要があります。
また、モジュールやパッケージといった考え方にも慣れておく必要があります。
これらは第三者が作ったプログラムを利用するためのものですが、AIプログラミングにおいてこれらは必須です。
Pythonの独学を考えている方はこちらの記事がオススメです。
機械学習に優れた言語「Python」を独学で習得する方法を紹介!AIの種類を解説した部分を見ていただければ分かる通り、AIには数学、特に統計学の知見が欠かせません。
基本的な統計学の基礎を固めることで、AIプログラミングの理解度や吸収速度に違いが出てくることは間違いありません。
AIプログラミングに求められる数学は線形代数と微分積分の分野が挙げられます。
いづれも深追いすると難しい分野ではありますが、ベクトルや行列、偏微分などといったテーマはAIプログラミングに頻出なので理解しておくことに越したことはないでしょう。
これだけ聞くと「高校数学の中でも理解しなかった分野で不安・・・」と考えてしまいますよね。
しかし、プログラミング学習の中での数学は活用方法が明確です。
数式を用いると何が達成されるのかを意識して学習していけば、自ずと理解が進んでいくはずですよ。
プログラミングと数学の基礎を固めたら、いよいよAIについての学習です。
AIには複数の種類があるため、どれを学ぶべきか迷うかも知れません。
そんな時は、自身の解決したい課題や周りのニーズを基準に選ぶといいでしょう。
例えば、「画像を分析したい」とか「チャットボットを作りたい」であればディープラーニングでしょうし、「ドローンを制御したい」なら群知能がふさわしいでしょう。
特に思い当たらないという方は、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングから始めてみるといいでしょう。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、他の手法と比べて参考書などの学習用のリソースが充実しているという点です。
もう1つは、ディープラーニングに特化したフレームワークをプログラミングする上で利用できることです。
フレームワークとはさまざまな機能を簡単に利用できるようにあらかじめ整理されたもののことで、開発における手間と時間を省略することができます。
フレームワークを理解しておくと、高いレベルで人工知能の活用ができるようになり、プロダクト作成時にも大きな手助けになります。
AIプログラミングがある程度分かってきたら、自分でオリジナルのアプリを作成したり、分析を行ってみることがおすすめです。
初心者を脱する方法は、自分で試行錯誤しながらオリジナルの作品を作ることです。
これにより、今まで学んできたことを確認しつつ定着させられるとともに、実践的な学びや気づきを得ることができます。
実際に作ったら、自分の周りで使ってもらえるといいでしょう。
また、SNSやブログなどでどんどん発信してみるのもオススメです。
④までのステップで一通りの習得は可能ですが、一歩先を目指すのであれば、腕試しをしてみることをおすすめします。
例えば、Kaggleというプラットフォームを利用してみましょう。
Kaggleでは、データサイエンスに関するコンペティションが行われていたり、他の人が実施した分析結果が共有されていたりしています。
コンペティションに参加することで世界の技術者と競争したり、他者の技術を学んだりすることで自分の技術力を一段上に引き上げることができるでしょう。
また、aiXivというサイトでは人工知能に関する最新の論文が発表されています。
ここで発表されている論文の技術を自分で再現してみるというのも腕試しとして最適でしょう。
最新技術をキャッチアップしていくことで第一人者を目指すことも可能です。
オススメ学習本
Pythonスタートブック
Pythonスタートブック[増補改訂版]
Pythonの入門書の中でも最も初級の参考書です。
プログラミング未経験者でも予備知識なく読み進めることができます。
逆に他の言語の経験者の場合には別の入門書の方が読みやすいかもしれません。
プログラミング未経験者におすすめしたい一冊です。
みんなのPython 第4版
みんなのPython 第4版
Pythonの基本的な文法が網羅的に記述されています。
前におすすめしたPythonスタートブックを読み、こちらを読むとPythonの基礎知識がすんなり身についていきます。
もっと網羅的に基礎を学び、ステップアップをするための準備をしたいという方におすすめしたい一冊です。
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AIプログラミングは難しい?
AIプログラミングについて紹介し、学習方法にも触れてきましたが、初心者にとってAI開発は適切な難易度なのか気になりますよね。
すでに紹介した通り、AIをプログラミングするためには、基本的なプログラミング技術から統計学の知識まで幅広い知見が求められます。
また、具体的なサービスを作るにはドメイン知識と呼ばれる業界やユーザーに関する深い理解が必要です。
ここで重要な点は、どの程度までカバーをするかを明確にすることでしょう。
上記の範囲を全てクリアするのは、研究者や専門家でも難しいことです。
しかしフレームワークを駆使して、特定の課題を解決するアプリケーションを開発するといったことであれば、初心者からでも十二分に可能です。
特に最近では学習コストが大きく下がっているため、初心者であっても始めることができるでしょう。
プログラミング技術はAIに取って代わられる?
結論をいうと、AIに取って代わられる部分は残念ながら存在します。
しかし、戦略的に代替されない技術を身につけていれば、仕事を奪われることはないでしょう。
その理由を順に追って説明していきます。
AIによる自動化は現在進行形で進んでいる
マイクロソフト社ではケンブリッジ大学と協力し、自動プログラミング生成ツールを開発しています。
多かれ少なかれ、AI開発によってプログラミング技術が代替され始めているのは確かです。
今後AIの発達によっては、プログラマーの仕事が奪われることは十分考えられます。
人の判断が必要とされる場合も多い
とはいえ、プログラミング技術はかなり複雑です。
40年後にコーディング技術が代替される可能性は考えられますが、10~20年後に完全に仕事が奪われるのはほぼ不可能です。
プログラムの設計図である仕様書にしても、プログラム作成をAIに任せた場合、書いた本人が求めていない内容になることも十分考えられるでしょう。
もしそのような時代がきた時には、正しくコーディングされているか確認するフローが必要になりますよね。
そうなれば、確認する側に回れるような知識を身につけておけばいいのです。
技術進化は激しいため、完全な予測は不可能です。
しかし、ITエンジニアの仕事はそう簡単に代替されません。
もし自動化される時代がきた時でも、AIを扱えるエンジニアになれるようスキルアップすることが大切です。
まとめ
今回は、AIプログラミングについてその種類と学習方法を解説しました。
AIは社会を大きく変えてしまうポテンシャルを持っています。
そのため、AIプログラミングをマスターすることはその最前線に立つことを意味します。
そんなエキサイティングな世界に向けて、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。