「ゼロからの起業と事業売却」〜20代で知っておきたいファイナンス〜
2019年5月15日、明治大学でインフラトップ創業者の大島が、現役の大学生に向けて講義をしました。
会場は300名+立ち見席という満員状態。
講義のテーマは「ゼロからの起業」。
「もし今自由な時間と10億円が手元にあったら何をする?」「起業するなら何をする?」「その事業を伸ばすにはどうやって資金調達する?」などという質問を、Twitterのハッシュダグで回答してもらう、全員参加型の授業。学生たちの様々な意見を聞きながら講義を進めていきました。もともとベンチャーキャピタルのアソシエイト経験を持つ大島は、ファイナンス周りを中心に、企業のファイナンス戦略や実体験からの学びをお話させていただきました。
起業は目的でなく手段
大島:みなさんは自由な時間と10億円が手元にあったらなにをしますか?
大島の問いにそれまで穏やかだった会場が騒然としました。
隣同士で相談したり、真剣な表情で考えたり、奥の方では笑いも起きながらも生徒は思い思いの意見をtwitterへ投稿。
大島:みなさん多くの回答をありがとういございます。かなり幅広い回答がありますね。
中でも「10億円を運用してもっとお金を増やす」という様な意見が多いのは面白いですね。実は、この質問で聞きたかったことは、自由な時間と潤沢な資金がある状態でも、それでも「成し遂げたい」、「挑戦したい」と思うことはなんなのか、ということです。起業はあくまでも手段にすぎません。世界旅行をしたい、親に自由な生活をさせてあげたい、人に貢献したい、ということが目的だとすると、それを達成する為の一つの手段として「起業」があるのです。ダイエットでもそうだと思うのですが、「とりあえず痩せたい」という理由ではなかなか続かないですよね。でも振られた彼を見返したい、こうなりたい、という想いが強ければ強いだけ、成し遂げることができると思います。起業においても、「起業すること」が目的でなく、「なぜやるのか?」という動機や想いが明確であることが重要だと思います。
ビジネスモデルとファイナンスの関係
大島:みなさんに質問です。もし自分が機関投資家、銀行だったら、この2つのビジネスのどちらに投資をしますか?①は投資後、着実に収益を伸ばして成長していくビジネス、②は最初の期間、投資後2~3年はずっと赤字で、あるタイミングから収益を伸ばしていくビジネスモデルです。
大島:銀行のビジネスモデルは”ローリスクローリターン”です。銀行は、投資したお金の金利で成り立っているので、自分が投資したビジネスがいきなりずっと赤字を出してしまってはビジネスが成り立たちません。つまり①のように、投資後、着実に収益をあげられるビジネスに投資したいと考えます。
大島:ではVC(venture capital)はどうでしょうか。実はVCは銀行とは逆に”ハイリスクハイリターン”です。VCは、事業の成長角度を重要視しています。最初にいくら赤字を出すのか、ではなく、その後どれだけそのビジネスが成長するのかを基準にしています。もちろん投資した全ての事業が損益分岐点を超える訳ではありませんが、それも踏まえてリターンの大きいビジネスに投資をします。着実に売上を伸ばしていく必要がある積み上げモデルと、最初は赤字を掘り続けても、一気に損益分岐点を突破できるビジネスモデルとでは資金調達の方法も変わってきます。
では、こちらのツイート。
大島:このビジネスを最も拡大できるファイナンス戦略はなんでしょう…?自己資金、借入、増資、売却、上場….
飲食店など店舗を作っていくモデルでは、座席数などの制約条件であるため、ある日突然に、売り上げが10倍・100倍になることは考えづらいですよね。でも、お店を開店していれば少しずつでも売上が上がっていきます。店舗運営型のビジネスは確実性の高いもので、積み上げ式に利益をあげていくモデルなので銀行からの借入の方が相性が良いと考えられます。
逆にinstagramはどうでしょう?メディアサービスは、ユーザー数が増えることで初めて広告としての価値が上がっていきます。ユーザー数が少ないままであれば、誰にも見られることはないので企業も広告を出してくれません。ですので、まず初期投資として最初は赤字を出してでもユーザー獲得のためのプロモーションを積極的にしていく。そしてある一定のユーザー数が獲得できたタイミングで一気にマネタイズしていきます。Facebookがインスタグラムを買収した時は大赤字のタイミングでした。決してこれでなくてはいけない、これが正解、というものではありませんが、知っているのと知らないのとでは大きな差が出るということは間違いないです。
学生へのメッセージ「バイト代で小銭を稼ぐな!」
大島:学生時代のアルバイトは楽しいです。友達もできるし、たくさん思い出もできますし、僕自身も経験しました。
ただ僕は気がつきました。20代のうちにどれだけ多くバイト代を稼いでも、たかが知れているなと。時給1,000円、2,000円で同い年の人より少しでも多く稼ぐことに注力よりも、経験やスキルに自己投資した方が圧倒的に価値があります。20代で一番大切にするべきなのは財務三表でいうとBSの部分です。
会社経営の財務三表
・PL:Profit and Loss statement(損益計算書)
・BS:Balance Sheet(貸借対照表)
・CF:Cash Flow statement(キャッシュフロー計算書)
BS…企業の資産や負債がどれ程あるのかを示す残高一覧表。
資産…現金とすぐにでも現金化できる価値のあるもの。
大島:どれだけアルバイトに時間を費やしても稼げる金額はには限度があります。自分が、「今財布にいくら持っているのか」という考え方ではなく、将来の資産となる経験や学びをたくさん得ることが重要だと思います。20代はどんどん自己投資をして自分を磨いていく、その経験が資産となって30代、40代と歳を重ねるごとに必ず大きな価値を生むことができると思っています。
大島社長自身も現役の20代。挑戦し続けている大島の言葉は多くの大学生の関心を集めていました。「そもそも正解なんてない。ただ選んだその道を正解にしていく」。
100分間、まっすぐと自分自身の想いを伝えたあとは、廊下で大学生に質問責めにされていました。
twitterを使った講義は、大学のゲスト講師としては斬新な取り組みとのことで、先生からも「ぜひ明日から真似をしたい」との称賛の声をいただきました。
「諦めるをなくしたい」
大島は講義という機会をお借りして現役大学生にエールを送りました。
【明治大学経営学部 担当の先生より】
先日は貴重なご講演をいただきまして、大変ありがとうございました。
講義後、参加学生から「面白かった」という感想を聞きました。やはり実務を経験されている方のお話は、惹きつけるものがあると感じます。講義の後、質問に伺ったのは、起業を既にしている、あるいは検討している学生が中心でした。既に起業していながらも悩みを抱えていた学生の質問に対しては、「そこまで身を削って辛い思いをしているなら、辞めても良いのでは」と、起業の目的を再確認させるような答えを返していたり、起業を検討している学生に対しては、そのビジネスモデルをすぐに理解し、収益源をどこに置き、消費者に訴求するにはどうしたらよいか、等についてのアドバイスをされていました。大島社長が、即座に、適切に、物事の本質を捉えて返答されている姿が非常に印象的でした。
広報よりお知らせ
現在弊社では、登壇機会を募集しております。イベントの大小に関わらず、大島または、インフラトップメンバーにご興味を持っていただけるようであればぜひご連絡ください。
メール:marketing@infratop.jp
【大島礼頌(おおしまあやのぶ)】
茨城県ひたちなか市出身。法政大学2年からベンチャー企業で営業を経験し、大学3年でドバイ留学した際に現地企業からスポンサー契約を得てCSRを担う一般財団法人SGF財団を立ち上げる。2014年にサイバーエージェントベンチャーズにアソシエイトとしてジョイン。seed期に特化したファンド立ち上げを経験。同年11月より株式会社インフラトップを本格的に始動させる。元リクルートIT戦略室/マーケティングGに所属。2018年11月にDMMにグループイン。
登壇実績:
・Startup GRIND TOKYO
・日本最大級の起業イベントTERACOYA「サービスを生み出す方法」
・茨城県立日立第一高等学校「キャリアについて考えよう」登壇
・明治大学「ベンチャー起業論」登壇
・明治大学リバティーアカデミー「ベンチャー起業論」登壇
・スカイランドベンチャーズ主催イベント
・東京大学サークルTNK
・ブランディングエンジニアの開催する起業家登壇イベント
・DMM.comによるスタートアップ買収、その現場と未来への成長戦略。
他
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