正社員とは?派遣・契約・非正規との違いとそのメリットを徹底解説
先行きがわからない世の中、安定して働きたいという方は多いでしょう。
そんななか、
「正社員って、ほかの雇用形態とどう違うの?」
「どうすれば正社員になれる?」
と疑問に感じていませんか。
正社員は会社のあらゆる仕組みに守られ、会社の名前を背負って働くことのできる雇用形態です。
安定した収入や福利厚生を受けたいという人にとって、正社員という働き方は魅力ですよね。
今回は、
- 正社員とほかの働き方との違い
- 正社員のメリット・デメリット
- 正社員になるための5つの方法
についてご紹介します。
「正社員について詳しく知りたい!」という方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
正社員とは?意味やほかの働き方との違いについて解説
さっそく、正社員の意味やほかの働き方との違いについて見ていきましょう。
比較するのは、次の4つです。
- 派遣社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
- フリーランス
それぞれの働き方や違いを理解することで、あなたにあった働き方を見つけられるかもしれません。
それでは解説していきます。
1.正社員の意味は「正社員として企業と契約している労働者」
正社員は厳密には「正社員として企業と契約している労働者」です。
ただし、正社員には法律などによる公的な定義はありません。
次の3つの条件を満たしている働き方を「正社員」と定義する企業が大多数です。
- ①労働契約に期間の定めがない
- ②従業規則に明記されている所定労働時間がフルタイムである
- ③直接雇用である
企業の求人では「正社員」と明記されて募集や採用が行われ、契約することで正社員になることができます。
つまり「正社員」とは、企業が定める正規雇用の職員のことなのです。
特徴として、労働基準法36条に基づき残業をすることや、非正規雇用の場合と比較して雇用側から契約を切ることが難しいという点があります。
正社員以外の「非正規雇用」は主に次の3つです。
- 派遣社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
また、「フリーランス」は企業に雇用されない働き方のことを指します。
正社員とそれぞれの違いについて見ていきましょう。
2.正社員と派遣社員の違いは「直接契約ではない」こと
派遣社員とは「派遣会社と契約し、紹介された企業に配属されて働く労働者」のことです。
特徴として、企業との直接契約ではなく、労働者と企業の間に派遣会社が入っています。
正社員との主な違いは、次のとおりです。
- 企業との直接契約ではない
- 残業が少ない
- 転勤がない
- 紹介先の企業との契約期間がある
- 契約が切れると次の企業を紹介してもらえる
パート・アルバイトと比較して給料は高い傾向で、条件次第では正社員より高くなることもあります。
プライベートとのバランスも取りやすく、柔軟に働ける雇用形態です。
ただし、1つの会社で長く働き続けたい人や、福利厚生を受けたい人には向いていないので注意しましょう。
3.正社員と契約社員の違いは「契約期間に定めがある」こと
契約社員とは「期間に定めがある契約で働く労働者」のことです。
基本的には1年契約で働き、契約期間が終わるタイミングで契約終了か契約更新になります。
正社員との主な違いは、次のとおりです。
- 契約期間に定めがある
- 残業が少ない
- 責任が問われる業務を任されにくい
- 時短で働けることもある
- 正社員登用制度がある
正社員ほどの給料は期待できませんが、パート・アルバイトと比較すると高い傾向にあります。
パート・アルバイトと正社員の中間のような立ち位置と言えるでしょう。
ただし契約終了のリスクがあることや、正社員ほどの待遇ではない場合もあるので注意が必要です。
4.正社員とパート・アルバイトの違いは「勤務時間や曜日の自由度」
パート・アルバイトとは、「勤務時間や曜日を選んで働く労働者」のことです。
パートもアルバイトも法律上は同じものになります。
正社員との主な違いは、次のとおりです。
- 働く時間や曜日が自由
- 未経験でも働ける
- 給料が少ない
- 時給制であることが多い
- 責任が問われる業務を任されにくい
パートやアルバイトは、勤務の自由度の高さが特徴です。
多くは月ごとに希望の勤務予定を提出し、希望に沿って勤務日が決まるという柔軟性があります。
給料は少ないことが多いですが、残業はなく決まった時間のみの労働です。
また、非正規雇用労働者の待遇については、2020年4月に「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されました。
これにより、正社員と派遣社員、契約社員、パート・アルバイトにおいて、同じ責任・仕事を担う場合は待遇の違いがありません。(出典:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第八条)
「パートタイム・有期雇用労働法」の正式名称は「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」であることに注意しましょう。
5.正社員とフリーランスの違いは「雇用されていない」こと
フリーランスとは「仕事に応じて自由に契約して働く人」です。
企業に雇用されずに個人で仕事をする人を指す場合が多く、柔軟な働き方といえます。
正社員との主な違いは、次のとおりです。
- 雇用されていない
- 仕事ごとに契約する
- 自分で仕事を選べる
- 働く時間や量が決まっていない
- 収入が変動する
- 労働法規が適用されない
自分の能力や知識を生かして働くフリーランスは、収入にも大きな幅があります。
柔軟に働きながら、正社員より高い収入を得ることも可能です。
一方で、フリーランスは企業に雇用されない働き方なので、労働基準法などの労働法規が適用されません。
つまり、最低賃金・休日・有給休暇など、働く人を保護する規定の対象外になるということです。
ただし自由度が高く理想の働き方に近づきやすい分、自己責任が重くなります。
「今の働き方に不満はあるけど、日々の業務が忙しくてゆっくり考える時間がない…」
そんな悩みを持つ方に向けて【DMM WEBCAMP】では無料のキャリア相談を実施しています。
ビデオ通話で相談をすることができるため、仕事で忙しい方でもスキマ時間に気軽にカウンセリングを受けることも可能です!
プロのキャリアカウンセラーと一緒に、今後のキャリアについて考えてみませんか?
正社員になるメリットを7つ紹介
ここからは、正社員のメリットについて、詳しくご紹介します。
- 基本的には終身雇用が前提
- ほかの雇用形態よりも給料が高くなりやすい
- 福利厚生が手厚い
- 税金の一部を会社が負担してくれる
- 社会的な信用が高い
- 転職時に有利になりやすい
- 出世のチャンスがある
一つずつ見ていきましょう。
1.基本的には終身雇用が前提
「できることなら仕事がなくなる心配をせずに長く働き続けたい」と思うことはありますよね。
正社員は、終身雇用を前提としている会社が多いです。
一度正社員として就職できれば、失業する可能性はほかの働き方に比べてかなり低くなります。
仕事を失うリスクが低い状態で働けるのは、正社員ならではのメリットといえるでしょう。
2.ほかの雇用形態よりも給料が高くなりやすい
働き方を選ぶ上で給料は大事なポイントではないでしょうか。
ほかの雇用形態に比べて、正社員は給料が高くなりやすいです。
その理由は、正社員は会社のなかでも責任あるポジションを任せられる可能性が高く、重要な仕事に携わりやすいため。
安定して高い給料を得たいと感じているなら、正社員は適した働き方です。
3.福利厚生が手厚い
職場を選ぶ際に、福利厚生が充実しているかどうかは気になりますよね。
正社員は「保険」「住宅手当」「交通費」「有給休暇」など、福利厚生が充実しています。
働けなくなったときや、育児や介護があるときなど、保障があり守ってもらえるのです。
また、スキルアップのための自主学習教材や、スポーツ施設などの割引が受けられることもあります。
安心して働ける体制が整っているので、福利厚生を受けたい人には正社員は合っているでしょう。
4.保険料の一部を会社が負担してくれる
正社員の大きなメリットの一つは、保険料の一部を会社が負担してくれる点です。
社会保険料は主に次の4つ。
- 健康保険料(会社が半額負担)
- 介護保険料(会社が半額負担)
- 厚生年金保険料(会社が半額負担)
- 雇用保険料(年度と会社の事業により負担額が変動)
いずれも、会社が一部負担します。
非正規雇用でも、一定の条件を満たせば社会保険に加入できますが、必ず入れるわけではありません。
また、フリーランスの場合はあらゆる保険料や税金を全額自己負担します。
正社員は会社が負担してくれるぶん、自己負担額がおさえられるのです。
5.社会的な信用が高い
正社員はほかの働き方に比べて、社会的信用が高いです。
社会的信用とは、事業情報の公開や、安定した収入などから得られる社会的な信用を指します。
正社員の社会的信用が高いのは、給料として安定した収入があることから返済が見込めると判断されるためです。
社会的信用が高いと、クレジットカートをつくるとき、住宅や車のローンを組むときに審査に通りやすくなります。
一方で、非正規雇用者やフリーランスは収入が安定していないため、社会的信用が低いとされがちです。
生活に信用力が関わる場面は多いので、信用されやすい正社員のメリットは大きいでしょう。
6.転職時に有利になりやすい
「転職したい!」と思ったとき、正社員ならほかの雇用形態と比べて有利に進めやすいといえます。
なぜなら、正社員はほかの雇用形態よりも就職する難易度が高いためです。
パート・アルバイトや派遣などより、正社員のほうが信頼性や評価が高く、会社から求められやすくなります。
正社員として、責任ある仕事の経験や会社への貢献性の高さが、転職に有利に働くのです。
7.出世のチャンスがある
正社員は期間の定めがなく長期的に働くことが前提となっているため、出世のチャンスが大きいです。
積極的な姿勢で長く働き続け、成果を出していると、昇給や昇進ができます。
正社員は責任ある仕事を任される機会も多く、遂行するとキャリアアップにつながることも。
ほかの雇用形態では、キャリアアップにつながるような責任ある仕事を任される機会が少ないです。
一つの会社のなかでキャリアを高めていけることは、正社員ならではのメリットと言えます。
正社員になるデメリットを5つ紹介
正社員はメリットの大きい働き方ですが、デメリットも存在します。
ご紹介するのは、次の5つです。
- 長期の休暇が取りづらい
- 部署異動などでやりたい仕事ができなくなる
- ずっと同じ人と仕事をする可能性が高い
- 残業で勤務時間が長くなる可能性がある
- 仕事へのプレッシャーが高まる
さっそく見ていきましょう。
1.長期の休暇が取りにくい
正社員の場合、柔軟に休みをとったり、勤務日数を変えたりすることは難しく、長期の休暇を取りにくいというデメリットがあります。
正社員の休日は基本的に完全週休2日、祝日、夏季休暇や年末休暇があり、年間休日はおよそ110〜120日程度です。
うまくいけばGWなど、祝日が連なるタイミングに有給休暇を組み合わせることで、10日程度の休暇を取れるかもしれません。
しかし、好きなタイミングでの休暇や、2週間以上の長期休暇を取ることはほぼできないでしょう。
さらに祝日は休みの人が多く、旅行などの料金が高いというデメリットも存在します。
長期の休暇が自由に取りにくいのは、正社員にとって辛いポイントです。
2.部署異動などでやりたい仕事ができなくなる
正社員として働いていると、会社側の都合で部署異動され、やりたい仕事ができなくなることがあります。
会社は社員育成や適切な人材配置のために、社員に転勤や移動を命じることがあるのです。
多くの場合、会社の就業規則の定めにより、転勤や異動を断ることはできません。
組織のなかで働く以上、やりたい仕事ができなくなる可能性は常にあるでしょう。
3.ずっと同じ人と仕事をする可能性が高い
正社員として働く場合、転勤や異動がない限り、職場環境が大きく変わることはありません。
よって、仕事で関わる相手もずっと同じ人である可能性が高くなります。
相性がいい相手なら問題ないですが、自分とは合わない人だとストレスになってしまうでしょう。
それでもよほどのことがない限り、同じ人と仕事をすることになるので、人によってはデメリットと感じてしまいます。
4.残業で勤務時間が長くなる可能性がある
仕事は決まった勤務時間のなかで働きたいもの。
しかし、正社員の場合は残業によって勤務時間が長くなる可能性があります。
労働基準法では、会社は原則として1日8時間、週40時間を超えて労働させることはできません。(出典:労働基準法 第三二条)
ただし、会社は「労使協定(36協定)」を締結し、その上限内なら正社員に対して残業させられるのです。
36協定における残業時間の上限は、原則として「月45時間」「年360時間」を超えることはできません。(出典:労働基準法 第三六条)
とはいえ、勤務時間が倍以上になる可能性があるという点は大きなデメリットでしょう。
5.仕事へのプレッシャーが高まる
責任の大きな仕事ができて出世につながるのは、正社員だからこそです。
しかし、それだけ仕事へのプレッシャーも高まります。
失敗したときのリスクや責任は大きく、精神的な負担が重くのしかかることもあるでしょう。
もし失敗すれば、会社に大きな損害を与えたり、上司から叱られたり、減給などの処分が下る可能性もあります。
度が過ぎるプレッシャーは、心身ともにダメージを受けてしまう可能性があるのです。
「今の働き方に不満はあるけど、日々の業務が忙しくてゆっくり考える時間がない…」
そんな悩みを持つ方に向けて【DMM WEBCAMP】では無料のキャリア相談を実施しています。
ビデオ通話で相談をすることができるため、仕事で忙しい方でもスキマ時間に気軽にカウンセリングを受けることも可能です!
プロのキャリアカウンセラーと一緒に、今後のキャリアについて考えてみませんか?
正社員になるための5つの方法
正社員は自由度に制限はありますが、保障を受けながら安定して働けます。
安定を求めて「正社員になりたい!」「正社員を目指したい!」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこちらでは、正社員になるための5つの方法をご紹介します。
1.求人サイトなどで応募する
まずは、人材紹介会社が運営する求人サイトなどから応募する方法です。
自分で掲載されている求人を選び、応募して選考に進みます。
会社の情報を自分で調べて選ぶので、好きな会社に応募できる方法です。
ただし、未経験から正社員の仕事に応募する場合は、それなりにスキルや実績を持っておくことが必要になります。
2.転職エージェントを利用する
「自分に合った仕事が見つけられない」「転職活動に不安がある」という方は、転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは、あらゆる業界や職種に精通しているので、あなたに合った仕事を客観的に判断して紹介してくれます。
また、面接練習や履歴書添削など、転職に必要なサポートをしてくれるため、自信を持って選考にのぞめるでしょう。
正社員として働きたいという希望を伝えれば、親身になって手助けしてくれますよ。
3.派遣や契約社員から目指す
派遣や契約社員から正社員を目指すことも可能です。
まずは、現在働いている会社に「正社員登用制度」があるかを確認しましょう。
正社員登用制度がある場合、仕事への積極的な姿勢や高い成果、あるいは正社員採用試験での成績によって、正社員への道がひらけます。
また、派遣社員の場合は「紹介予定派遣」という制度を利用する方法もあります。
紹介予定派遣とは、派遣先で最長6か月勤務した後、本人、派遣会社、派遣先企業で合意となれば正社員になれる制度のこと。
いずれにせよ、熱心に仕事に取り組み、会社にとって必要な人材になることが重要です。
4.知人の紹介を受ける
仕事で知り合った人から「うちの会社で働かない?」と声がかかり、紹介を受けて就職先が見つかる場合もあります。
知人の紹介では、雇用条件などを相談しながら就職するかどうかを決められ、希望に近い形で働けるケースも多いです。
一方で、紹介だとプレッシャーを感じたり、知人との関係性への影響に不安を感じたりする人もいるでしょう。
紹介で正社員として働く場合、トラブルのないようによく話し合うことが必要です。
5.転職保証のあるスクールに通う
正社員になるにはある程度のスキルが求められます。
転職保証のあるスクールに通えば、自分自身のスキルアップをしながら転職できますよ。
スキルを身につけることは転職で有利になるだけでなく、正社員として働き始めた後に成果を出して出世することにもつながります。
また、転職保証があるスクールは転職成功率が高く、もし希望通りの就職先が見つからなければスクール代のキャッシュバックがあることも。
たとえばDMM WEBCAMPでは、転職できない場合に全額の返金保証がついています。
うまく活用すれば、スキルと正社員の両方を得ることができるでしょう。
まとめ:正社員は安定した働き方。目指すなら自身のスキルを磨こう
今回は、正社員についてお伝えしました。
正社員は、給料や雇用が安定した働き方なので「長く働き続けたい」「福利厚生を受けて安心して働きたい」という方には適していると言えるでしょう。
正社員を目指すには、会社から求められる人材になることが重要です。
そのためには、日々の仕事に熱心に取り組み、スキルを磨くことが必要になります。
今回の記事を参考に、正社員として理想の働き方を叶えてくださいね。