ベンチャー企業への投資とは?メリットやデメリット・やり方をわかりやすく解説
最近では日本国内においても勢いのあるベンチャー企業が増えています。
その中で、
「将来有望なベンチャー企業に投資してみたい」
「クラウドファンディングを始める方法が知りたい」
「ベンチャー投資ってどうやって始めるの?」
と、疑問に感じている方も少なくないのではないでしょうか?
これまでは、富裕層や機関投資家など限られた人にしか投資の機会がありませんでした。
しかし、フィンテック技術が進んでいる現代では、個人でも企業への投資が可能になってきています。
そういった背景から、ベンチャー企業への投資を考えている人も増えているのでしょう。
そこでこの記事では、
- ベンチャー投資の概要
- ベンチャー投資を始めるメリット・デメリット
- ベンチャー企業に投資する具体的な方法
- ベンチャー投資を始める前に知っておくべきこと
などについてくわしくご紹介していきます。
この記事を読めば、ベンチャー企業への投資を始めるまでのイメージが掴めますよ。
これからベンチャー投資を始めようと考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
また、今もっとも勢いのあるベンチャー企業についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
注目のベンチャー企業20社を一覧で紹介!スタートアップとの違いも解説ベンチャー投資とは
ベンチャー投資とは、今後急成長が見込めるベンチャー企業に投資を行うビジネスのことです。
ただし、ベンチャー投資を行うには1つ高いハードルがあります。
それは未上場企業の株式が、基本的に株を持っている人との「直接交渉でしか購入できない」ということ。
ベンチャー企業のほとんどは未上場企業であるため、市場では株を購入できないのです。
では、個人投資家はどうやってベンチャー投資を始めればよいのでしょうか?
具体的な方法については、次項でくわしくお伝えします。
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ベンチャー企業に投資するメリット5つ
ベンチャー投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
投資は、具体的なメリットをきちんと知ったうえで始めたいですよね。
そこでここでは、ベンチャー企業に投資する5つメリットについてご紹介していきます。
解説する内容は以下の通りです。
- 大きなリターンが期待できる
- 少額の出資でも可能
- 税制上の優遇がある
- 経営に関与できる
- 社会貢献につながる
それでは順番に見ていきましょう!
1.大きなリターンが期待できる
ベンチャー企業に投資を行う最大のメリットは、将来的に大きなリターンが期待できることでしょう。
ベンチャー企業は、革新的なサービスやビジネスを提供しています。
そのため、設立当初は経営が不安定になるなどのリスクを伴う恐れもあるでしょう。
ですがその反面、事業が軌道にのれば大きな収益が得られる可能性も秘めています。
さらに事業が順調に拡大していけば、株式上場も夢ではありません。
そうなれば、企業の知名度や社会的信用も高まっていくでしょう。
このように、ベンチャー企業は将来的な成長力を秘めています。
投資家は今後急成長するであろう企業をいち早く見つけ投資を行うことで、後々大きなリターンを期待できるのです。
2.少額の出資でも可能
個人がベンチャー投資を始めようと考える際に気になるのが、その投資額ではないでしょうか?
ベンチャー企業への投資というと、驚くほどの高額を用意しなくてはいけないイメージを持つかもしれません。
とはいえ実際には、200万円〜300万円程度の資金でも十分投資が可能です。
ベンチャー企業は多くの場合、ベンチャーキャピタルから資金調達を行います。
ベンチャーキャピタルによる出資額も、創業したばかりの段階では500万円程度が相場です。
さらに、ベンチャーキャピタルは早い段階でのリターンを求める傾向があるため、出資を行うのは急成長が期待できるベンチャー企業のみとなります。
ベンチャーキャピタルよりも個人投資家の方が投資額は低くなることは、ベンチャー企業も理解しているもの。
もちろんベンチャー企業にもよりますが、多くの場合は少額の資金でも十分に投資を始められるのです。
3.税制上の優遇がある
スタートアップ企業に投資を行うと、「ベンチャー投資促進税制(エンジェル税制)」という税制上の優遇措置を受けられるメリットもあります。
ベンチャー投資促進税制とは、創業間もない中小企業を応援するために、その企業に投資を行った人が受けられる税制優遇措置です。
投資を行った年に、以下のどちらかの優遇措置を受けられます。
- その年の総所得金額から、対象企業への投資額-2,000円を控除(上限あり)
- その年の他の株式譲渡益から、対象企業への投資額全額を控除(上限なし)
なお、ベンチャー投資促進税制の対象となる企業にはそれぞれ条件があるので注意しましょう。
くわしいベンチャー投資促進税制の内容については、中小企業庁が公表しているサイトをご覧ください。
4.経営に関与できる
ベンチャー企業の株主になれば、企業の一員として経営に関与できるのも大きなメリットでしょう。
場合によっては自分が持っている人脈や知識、専門性などを提供することでベンチャー企業を直接応援することもできます。
まだ世の中にない革新的なビジネスの開発に取り組むベンチャー企業を直接応援しながら、将来的にリターンを狙えるのはベンチャー投資の醍醐味の1つといえるのではないでしょうか。
5.社会貢献につながる
ベンチャー企業は、社会的な課題の解決や技術的な進歩に取り組む企業が多いもの。
そんなベンチャー企業に投資をするということは、間接的に社会貢献にもつながるのです。
どれだけ世の中の役にたつ可能性のある事業でも、資金力がなければ本来の力を発揮できない可能性もあります。
ベンチャー企業への投資は、そういった事業の後押しとなる大切な役割を持つのです。
ベンチャー企業に投資するデメリット3つ
メリットがあればデメリットもあるのが現実。
メリットもデメリットもきちんと知ったうえで、投資を始めることが大切です。
ではベンチャー投資には、どういったデメリットがあるのでしょうか?
ここでは、以下の3つのデメリットについてくわしく解説していきます。
- 事業リスクが高い
- 流動性リスクが高い
- 経営に関する知識が必要
1.事業リスクが高い
ベンチャー企業への投資額は、元本が保証されるわけではありません。
とくにベンチャー企業は会社の規模も小さく、まだ経営基盤が強固ではありません。
そこでもしも、投資したベンチャー企業の経営が悪化すれば株式の価値が低下し、元本割れを起こす可能性があります。
このようにベンチャー投資は、事業リスクが高いことも知っておく必要があります。
2.流動性リスクが高い
ベンチャー企業への投資によって保有する株式は、未上場株式です。
未上場株式は、上場株式と比べて換金性や流動性が劣ります。
上場株式は株式市場の価格で価値が判断され、いつでも売買が可能です。
一方で、非上場株式は市場の相場価格がありません。
そのため、売却しようとしてもスムーズに売れるという保証がないのです。
さまざまなリスクに備えるためにも、ベンチャー企業への投資は当面使用する予定のない余裕資金で行うようにしましょう。
3.経営に関する知識が必要
ベンチャー投資で成功するためには、経営の知識やセンスが必要不可欠。
なぜなら経営の知識がなければ、将来性の高い企業の目利きや判断ができないからです。
とくにベンチャー企業は革新的な事業に挑戦していることが多く、事業内容を正当に判断するのは難しい傾向があります。
その中で、最低限の経営の知識がなければ投資は難しいといえるでしょう。
もしも企業やプロジェクトの評価に不安があるなら、ベンチャーキャピタルや株式投資型クラウドファンディングサービスを利用するのも1つの方法ですよ。
各サービスの内容については、次項でくわしくお伝えします。
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ベンチャー企業に投資する方法3つ
ここからはいよいよ個人がベンチャー企業に投資する具体的な方法をご紹介していきます。
解説していく内容は以下の通りです。
- 自分で投資先を探す
- ベンチャーキャピタルを経由する
- 株式投資型クラウドファンディングを利用する
それでは順番に見ていきましょう!
1.自分で投資先を探す
1つ目は、自分でベンチャー企業やスタートアップ企業を探し、直接企業に投資を持ちかける方法です。
起業家や経営者のネットワークにおいては盛んに行われています。
また、中には自身の人脈を活かして投資をするベンチャー企業を見つける人も。
とはいえ、一般的な個人投資家にはどちらも現実的ではないかもしれません。
2.ベンチャーキャピタルを経由する
投資の専門家であるベンチャーキャピタルを経由するのも1つの方法でしょう。
ベンチャーキャピタルは、ベンチャー投資のためのファンドの組成・運営を専門に行っている会社です。
投資のプロであるため、ベンチャーキャピタルの投資先はそれだけ成功の可能性が高い企業といえるでしょう。
しかし、ベンチャーキャピタルが募集するファンドは、最低投資資金額が非常に高く設定されていることも少なくありません。
また、個人では投資に参加できないことも多くあるのが現実です。
3.株式投資型クラウドファンディングを利用する
株式投資型クラウドファンディングは、個人投資家がリターンとして非上場企業の株式を取得できる仕組みです。
海外ではすでに始まっていたものの、日本では2017年以降にようやく開始されました。
株式投資型のクラウドファンディングでは、企業が資金調達のためにプラットフォーム上で株式を購入してくれる投資家を募集しています。
そして、投資家は出資比率にしたがって、その企業の株式を手に入れることができる、という仕組みです。
有名な株式投資型クラウドファンディングには、
などがあります。
自分で投資先を見つけたり、ベンチャーキャピタルの経由が難しいという方は、株式投資型クラウドファンディングを利用してみるとよいでしょう。
株式投資型クラウドファンディングを利用する際の注意点3つ
株式投資型クラウドファンディングは、個人投資家にとってとても魅力的ですよね。
しかし、利用する際には事前に知っておくべきポイントがあるので注意しましょう。
ここでは、株式投資型クラウドファンディングを利用する際の3つの注意点について以下の通りにご紹介していきます。
- 投資金額に制限がある
- 長い目で見守る
- 企業の将来性を判断する材料が少ない
それではさっそく見ていきましょう。
1.投資金額に制限がある
投資家は1社に対する年間投資額が50万円まで。
また、資金調達をしたい企業は年間に1億円未満といったルールが定められています。
高額の投資をしたいと考えている投資家にとってはデメリットに感じてしまうでしょう。
2.長い目で見守る
ベンチャー企業に投資をしても、すぐにリターンが期待できるわけではありません。
短い期間でのリターンを期待するのではなく、ある程度長い目で見守ることも大切です。
いくら革新的なサービスを展開している企業でも、経営規模の拡大には時間がかかります。
また、株式の新規上場や大手企業の買収・合併といったイベントも、いつまでに実現できるかは誰にもわかりません。
そのため、株式投資型クラウドファンディングによる投資は余裕資金で行うことが非常に重要です。
大切な生活費の一部を充てたり、借金をしないように心がけましょう。
3.企業の将来性を判断する材料が少ない
ベンチャー企業への投資は、その企業の将来性や成長性を見極めることが非常に重要です。
しかし、未公開株の場合は過去の実績が乏しく、参考になる書類がどうしても少なくなります。
企業の将来性を判断する材料が少ないことから、投資判断の難易度が高いといえます。
株式投資型クラウドファンディングサービスおすすめ2選
ここまでで、株式投資型クラウドファンディングサービスを利用してみたいと思った方も少なくないのではないでしょうか?
とはいえ、「どんなサービスを使えばいいのかわからない」という方もいるでしょう。
そこでここからは、おすすめの株式投資型クラウドファンディングサービスを2社ご紹介します。
ぜひ活用してみてくださいね。
1.ファンディーノ
(出典:ファンディーノ)
「ファンディーノ」は2017年にリリースされた国内初の株式投資型クラウドファンディングサイトです。
累計成約額45億7,854万円、ユーザー数55,945人など、株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームとして国内No.1の実績を誇っています。
バラエティに富んだ企業が数多く紹介されているのもファンディーノの魅力。
厳選な事前審査を通過した企業のみが掲載されているため、初心者でも安心して投資を始めやすいでしょう。
さらに、ファンディーノなら、10万円程度の投資額から始められます。
まずは安心して使えるサービスで少額からの投資を始めてみてはいかがでしょうか。
2.ユニコーン
(出典:ユニコーン)
「ユニコーン」は、株式会社ユニコーンが運営する株式投資型のクラウドファンディングプラットフォームです。
企業成長のための多様なニーズに対応できるプロフェッショナルネットワークが充実しているのが大きな特徴です。
また、将来性が高いとして人気があるAI関連の案件も多いのも魅力的なポイントです。
未上場の成長企業に投資できるサービスとしても注目を集めています。
AI(人工知能)の基礎知識や歴史などについてくわしく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
AIとは何か|人工知能についての基礎知識をわかりやすく解説ベンチャー企業と投資家のマッチングサービスおすすめ2選
中には、ベンチャー企業と直接やりとりを行いたいと考える投資家もいるかもしれません。
そこで最後に、ベンチャー企業と投資家をマッチングさせるおすすめのサービスをご紹介していきます。
1.スタートアップリスト
(出典:スタートアップリスト)
「スタートアップリスト」は、プロトスター株式会社が運営する起業家と投資家マッチングサービスです。
起業家と投資家のそれぞれが詳細情報を見れるため、より最適な出会いが実現します。
運営会社のプロトスターがスタートアップ支援の事業を行っていることもあり、起業家や投資家からの認知度が高いサービスです。
2.エンジェルポート
(出典:エンジェルポート)
「エンジェルポート」は、起業家とエンジェル投資家をつなぐコミュニティサイトです。
サービスを提供しているのは、個人投資家で、フリマアプリ『FRIL』を創業した堀井翔太氏。
利用は無料で、facebookによる個人認証で登録利用できます。
本田圭佑氏などの著名なエンジェル投資家が数多く登録しているのもエンジェルポートの大きな特徴です。
まとめ:ベンチャー企業への投資は慎重に
今回はベンチャー企業への投資についてさまざまな内容をご紹介していきました。
ベンチャー企業への投資は、社会貢献にもつながる素晴らしいことです。
最近では大きな資金を持たない個人でも、株式投資型のクラウドファンディングなどを利用することで少額から投資を始められます。
ですが、ベンチャー企業へ投資は大きなリターンが期待できる一方で、投資判断の難易度が高いのも事実です。
これからベンチャー企業への投資を始めるなら、まずは無理のない範囲で自身に合った投資方法を試してみてくださいね。