【人間関係の心理学】覚えておくべき7つのメリットと実際に使えるテクニックを紹介

公開日: 2021.03.26
更新日: 2024.01.06
人間関係 心理学

「心理学を使って、もっと人間関係を円滑にしたい」
「人間関係の心理学を実生活で上手く活用したい」

と思うことはありませんか?

心理学を実生活の人間関係に当てはめようと考えても、一体どんなものが利用できるのかわからないですよね。

では、人間関係で利用できる心理学にはどのようなものがあるのでしょうか?

そこで今回は、

  • 人間関係で利用できる心理学の分類や種類
  • 心理学の人間関係への活用法
  • ビジネスや恋愛で使える心理学のテクニック

について詳しく解説します。

この記事を見れば人間関係に使える心理学が理解でき、人間関係が円滑になります。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

人間関係における心理学とは?分類と種類について紹介

人間関係における心理学

心理学とは、人間の心や行動について、反応の仕方を科学的な手法で研究する学問です。

人間関係における心理学には、主に以下の2種類があります。

  1. 基礎心理学:人間の心理や行動を分析
  2. 応用心理学:基礎をもとに実社会で活用する

1つずつ見ていきます。

1.基礎心理学:人間の心理や行動を分析

基礎心理学は、人間の心の法則を研究し、一般的な人間に見られる行動や感情の傾向を解明する学問です。

基礎心理学にはさまざまな種類がありますが、代表的な研究内容は以下のとおりです。

  • 生理心理学…行動と心理が脳波とどのような関連性があるか
  • 発達心理学…生涯の間に起こる心理変化を追い、情緒や人間関係にどう影響するか
  • 学習心理学…経験により行動や身体にどのような変化があるか
  • 社会心理学…社会と個人の関係がどのように個人に影響するか
  • 人格心理学…人格、性格の発達、成長の解明と、感情と性質の仕組み

基礎心理学では人間の一般的な行動を実験などで分析し、法則を発見して知識をためて理論が形づくられています。

2.応用心理学:基礎をもとに実社会で活用する

応用心理学とは、基礎心理学をもとに、実社会で心理学を役立てるための学問です。

代表例として、以下があります。

  • 臨床心理学…精神疾患、不適応行動、心身症、精神障害などのサポート、回復、予防をする
  • スポーツ心理学…スポーツにおける指導やメンタル面の向上を目的とする
  • 犯罪心理学…犯罪者の心理、動機などを明らかにすることを目的とする
  • 教育心理学…効率的な教育をする
  • 災害心理学…災害後の心理のサポートや、人的二次災害を防止する

ほかにも、応用心理学は、政治、経済、産業、恋愛など幅広い分野で研究がなされています。


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心理学を学ぶと人間関係が上手くいく!7つのメリットを紹介

心理学を学ぶメリット

心理学を学ぶと、人間関係が円滑になります。

具体的に得られるメリットを見ていきましょう。

ここでは7つのメリットを紹介します。

  1. 自分の考えをコントロールできる
  2. ストレスの対処法がわかる
  3. コミュニケーションの方法が身につく
  4. モチベーションを維持しやすい
  5. 自分自身のことがわかる
  6. ビジネスで成功しやすい
  7. コーチングのスキルが身につく

1つずつ見ていきます。

1.自分の考えをコントロールできる

自分の考えをコントロールするのは難しいものです。

心理学を学べば、その自分の心理をコントロールできるようになります。

あなたは、下記のような経験はないでしょうか。

  • 失敗して酷く落ち込んでしまい、立ち直れない
  • くよくよと同じことを考えこんでしまう
  • 失敗することが怖くて、一歩を踏み出せない

心理学は、上記のように必要以上にネガティブになってしまう気持ちを変えられます。

2.ストレスの対処法がわかる

現代社会はストレスだらけです。

そのストレスも、心理学を学べば軽減することができます。

ストレスが生じた結果、起こることには以下のようなものがあります。

  • つい、後輩を大声で叱ってしまう
  • ストレスが原因で体調を崩す
  • イライラが募り、家族にあたってしまう

心理学を学べば、上記のようになる前にストレスをコントロールできます。

結果、周りの人間との関係も良好にすることができます。

3.コミュニケーションの方法が身につく

心理学を知ることは、コミュニケーションの方法を知ることでもあります。

コミュニケーションを他人ととるにあたり、理解すべきことを知れば、人間関係を円滑にできるのです。

  • 部下をどう育てればよいかわからない
  • 何においても自分と同僚を比較してしまい、劣等感が募って辛い
  • 他人との関係が何においてもうまくいかないと感じる

このようなコミュニケーションの問題に悩む人は、心理学を学ぶことで人間関係を改善できる可能性があります。

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4.モチベーションを維持しやすい

心理学は、モチベーションの維持にも有効です。

何かに取り組まなければならないとき、このように感じることはないでしょうか。

  • なんのためにこれをやるのだろう?
  • どうして私には生産性が無いんだろう?
  • 仕事に取り組むのが面倒

心理学を学ぶと、自身のモチベーションが湧く要因や、自分への心理的な負担の軽減方法がわかるようになります。

5.自分自身のことがわかる

心理学を学ぶと、自分自身の理解に繋がります。

「自分自身を知る」というのは、自分自身で癖づいている無意識の行動様式を知ることを意味しています。

例えば、このように感じることはないでしょうか。

  • 大事な場面で必ず失敗してしまう
  • 人前でうまく話すことができない
  • ほかの人と距離を縮められない

実は、こうした考えは、自分の中に持っている無意識のパターンにより生じている可能性があります。

このようなパターンは、無意識に自分の行動に反映され同じことを繰り返すのです。

心理学を知り「自分自身の無意識のパターン」を知ることで、自分自身の行動の方向性を見直せます。

6.ビジネスで成功しやすい

心理学を知ることは、ビジネスでの成功にも繋がります。

なぜなら、心理学を学ぶと、人にどのような影響を与えれば次の行動をするかを知れるためです。

  • どう説明すれば商品が売れるか
  • 雇用している人間のモチベーションをどう高められるか
  • 自分の説得力をあげるには何をすべきか

上記のような状況で心理学を使うことで、自分のビジネスを成功に導くことができます。

7.コーチングのスキルが身につく

心理学は、コーチングのスキルにも応用が可能です。

例えば、以下のような悩みを持つ人がいるとします。

  • どうしてもやる気が出ない人
  • 落ち込んで次のアクションに移れない人

心理学を学べば、このような心理を読み解き、問題解決の糸口を見つけ出すことが可能になります。

結果、対象者の気持ちに変化をもたらすコーチングができるようになるのです。

人間関係改善で覚えておきたい「アドラーの心理学」

人間関係改善で覚えておくべきアドラーの心理学

アドラーの心理学とは、オーストリアの精神科医だったアルフレッド・アドラーが提唱した心理学です。

通常心理学は人間の心理を分析することに重きを置くのに対し、アドラーの心理学は人間関係に重きを置いています。

アドラーの心理学を学ぶことで、自分を受け入れ正しく行動するための知恵が得られ、あなたの生活を幸せな状態を保てます。

アドラー心理学の中でも、下記3点は人間関係改善のために覚えておきたい考え方です。

  1. 過去は過去、これからどうするのかが大切
  2. 対人関係の悩みが改善すれば、すべてが楽になる
  3. 自分の課題と相手の課題は分けて考える

それぞれの項目を1つずつ見ていきましょう。

1.過去は過去、これからどうするのかが大切

アドラー心理学では、過去のことを原因とする原因論を根拠として現在の行動が起こるとは考えません。

現在の行動は、現在の「目的」があるために発生していると考え、これを目的論といいます。

一例として、学校に行けない子供の例を見てみましょう。

これを原因論と目的論で比較した場合は、以下のようになります。

  • 原因論:学校でいじめにあったため、学校に行かない
  • 目的論:誰かに傷つけられるのを避け、安全に過ごすために家にいる

この観点とともに、アドラー心理学では、現在の行動を起こすにあたっては目的に沿った行動を選択すべきと説いています。

目的に沿った行動をするという点に重きをおくことで、建設的な行動がとれるのです。

2.対人関係の悩みが改善すれば、すべてが楽になる

アドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」という考えが基本です。

そして一般的に対人関係で発生する悩みを、下記のように考え方を変えて切り捨てるべきと説いています。

  • 劣等感   :自分にとっての短所は、長所になりえる特徴
  • 他人との競争:他者と競争せず、自分が過去と比較しどれだけできたかに基準をおく
  • 承認欲求  :人に褒められることを目標とする人生は、他者の目を気にして生き続けることになる

これらの悩みから解き放たれることで、対人関係のとらえ方が大きく変わります。

3.自分の課題と相手の課題は分けて考える

アドラーの心理学では「自分の課題」と「相手の課題」は分離すべきものと考えます

この考えに含まれるのは以下の概念です。

  • 相手の課題、自分の課題は分けてとらえる。お互いの課題には踏み込まない。
  • あなたに対し、他者がどのように評価するかは相手の課題。

対人関係における問題の発生は「互いの課題にいずれか一方が踏み込んだ」ときに発生すると考えます。

そのため、課題が誰のものなのか明確にし「双方の課題を分離」するのが重要と説きます。


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一般的な人間関係で役に立つ心理学の4つの活用法

人間関係で役立つ心理学

心理学は、人間関係で実際に活用できます。

具体的なものを4つ紹介します。

  1. 類似性の法則  :共通点をみつける
  2. ラベリング効果 :相手に暗示をかける
  3. ミラーリング効果:相手との信頼関係を築く
  4. メラビアンの法則:言葉よりも表情や動きが大事

1つずつ見ていきます。

1.類似性の法則:共通点をみつける

類似性の法則とは、好意を互いに持つ人々や協力し合う人々は、類似する点があるという法則です。

類似の項目には、出身地や仕事、共通言語、仕草などがあります。

相手と共通の点を見つけ、さりげなくその点を相手に理解させることで、相手はあなたに親近感を抱きます。

実践的な応用としては、親近感を持たせるため以下を相手に合わせることが有効と考えられています。

  • 言葉
  • 仕草
  • 声の調子

これらの行動を近づけることで、相手にさらに共通点を示すことができます。

2.ラベリング効果:相手に暗示をかける

人間は、ラベルを貼られると、そのラベルに合わせた人間を演じようとするという原則があります。

ラベルの内容は「相手にそうあってほしい」像となります。

例えば、以下のようなものです。

  • 仕事が早い
  • 丁寧にものごとをこなす
  • いつも身の周りを整理整頓している

機会をとらえ相手に繰り返し伝えると、相手はそのとおりの人間を演じようとします。

これは、人間関係だけでなく、恋愛やビジネスにおいても利用できるテクニックです。

3.ミラーリング効果:相手との信頼関係を築く

ミラーリングとは、相手の行動パターンを観察し、自分の行動パターンをそれに合わせることを指します。

例えば、次のような行動です。

  • 視覚的なもの:目線、仕草、身振り、表情
  • 音声的なもの:話す速度、トーン、選択する言葉、リズム

人間は、自分と同じような行動をほかの人間に見ると、親近感を覚えます。

この法則を利用しているのがミラーリング効果です。

相手の行動を模倣すれば、相手に自分への信頼観を生み、信頼関係を築くことができます。

4.メラビアンの法則:言葉よりも表情や動きが大事

メラビアンの法則とは、言葉使い、表情、声の調子などのボディランゲージの影響の度合いを示すものです。

メラビアンの法則では、発する言葉よりもそれを伝えるときの表情や動きの影響度が大きくなっています。

比率は以下のとおりです。

  • 表情などのボディランゲージ:55%
  • 声の調子         :38%
  • 言葉づかい        :7%

要するに、誰かに言葉を伝えるときは、その内容よりも「表情や動きなどのボディランゲージが重要」ということになります。

恋愛にも応用できる人間関係の心理学テクニックを7つ紹介

恋愛に応用できる心理学

心理学は、恋愛にも応用が可能です。

ここでは、実際に恋愛に利用できるテクニックを7つ紹介します。

  1. 初頭効果:第一印象はとても大事
  2. ウィンザー効果:恋のキューピットが決め手
  3. ミラーリング:同じ仕草で好感度アップ
  4. 吊り橋効果:ドキドキを一緒に共有
  5. パーソナルスペース:物理的に距離をつめる
  6. ジョハリの窓:自分で気がついていないことを褒める
  7. ゲイン・ロス効果:ギャップが最高

1つずつ見ていきます。

1.初頭効果:第一印象はとても大事

初頭効果とは「第一印象はずっと残る」とされる効果のことです。

心理学において「最初に与えらえた印象・情報は、その後もずっとその人の評価に影響する」とされています。

例えば何か失敗をしたときなど、よい第一印象を与えることができていれば大目に見てもらえたりします。

第一印象さえよく残すことができれば、周りの人間の自分の取り扱い方が変わりえるという点を理解しておきましょう。

2.ウインザー効果:恋のキューピットが決め手

ウインザー効果とは「本人から何かを聞くよりも第三者を介して間接的に知る情報の方が信頼が増す」効果のことをいいます。

これは「何かを売り込む本人はよいことのみを発言する」のに対し、利害関係のない他人は「損得がないために信頼できる発言をする」と考えられるためです。

恋愛でウィンザー効果を応用するなら、あなたのことを恋のキューピットである第三者を介し相手に伝えてもらうことになります。

恋のキューピットに「あなたについてのよいこと」をさりげなく相手に伝えてもらうことで、相手はあなたに対しよい印象を抱きます。

3.ミラーリング:同じ仕草で高感度アップ

ミラーリングとは、相手の仕草や言動を真似ることで、相手に親近感を持たせるテクニックです。

人は、自分と似たものや行動に親近感を持つ傾向にあり、これを類似性の法則といいます。

この類似性の法則をテクニックとして反映したものが、ミラーリングです。

相手の仕草や話し方などを研究し、自分の行動を相手に合わせると、相手に好感を持たせることができます。

4.吊り橋効果:ドキドキを一緒に共有

吊り橋効果とは「心拍数が上がったときのドキドキ」を「恋」と勘違いする効果をいいます。

吊り橋効果を起こすには、吊り橋を渡るときのようにドキドキを一緒に共有できる場所に行くのがおすすめです。

以下は、ドキドキが共有できるアクティビティの例です。

  • お化け屋敷
  • ジェットコースター

ドキドキを共有できるものは、遊園地やテーマパークに多く存在します。

5. パーソナルスペース:物理的に距離をつめる

パーソナルスペースとは、個人の縄張りのようなものです。

異性がこのパーソナルスペースに違和感なく入り込むと、相手が好意を持つ可能性が高くなるという研究結果があります。

一方で、相手が自分に対して親密さを感じていない場合は、パーソナルスペースに入ることで警戒心も生じえるのです。

そのため、パーソナルスペースを縮める際は、自然に距離をつめていく必要があります。

6.ジョハリの窓:自分で気がついていないことを褒める

ジョハリの窓とは、心理学における以下の4つの面のことを指します。

  • 誰もが知っている面
  • 誰も知らない面
  • 自分は知らないけれど、他人は知っている面
  • 自分は知っているけれど、他人は知らない面

この中で、指摘されて本人が嬉しくなるのは、3番目の「自分は知らないけれど、他人は知っている面」です。

相手が気が付いていないことを指摘し、褒めることで相手は嬉しさを感じます。

結果、あなたを特別な存在になれるのです。

7.ゲイン・ロス効果:ギャップが最高

ゲイン・ロス効果とは「よい印象」と「悪い印象」の振れ幅が大きいと、相手の心に「後で与えられた印象」が大きく残る効果のことを指します。

例えば、以下のようなケースがあります。

  • 普段カジュアルな服を着ている人が、スーツを着こなしていた。
  • 厳しく叱ってばかりいる上司が、子どもに対し微笑んでいた。
  • いつもニコニコしている人が、怒り狂い恐ろしかった。
  • かっこよくてスタイルのよい男性が、ものすごく運動音痴。

いわゆる「ギャップ萌え」などという言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。

このゲイン・ロス効果を利用すれば、ただ単によい印象を与えた場合よりも、自分のよい印象をさらに強く相手に残せるのです。

ビジネスで使える人間関係の心理学!身近な例を7つ紹介

ビジネスシーンで使える心理学

心理学はビジネスへの応用も可能です。

実際に利用できる心理学を、ここでは7つ紹介します。

  1. フット・イン・ザ・ドア:小さなYESを積み上げる
  2. ドア・イン・ザ・フェイス:最初に驚くような提示をする
  3. 返報性の法則:こちらからのギブが大事
  4. 単純接触効果:会えば会うほど好意をもたれる
  5. 両面提示:相手から信頼される
  6. ピグマリオン効果:期待されると答えようとする
  7. プロスペクト理論:人は損をしたくない心理をつく

1つずつ見ていきます。

1.フット・イン・ザ・ドア:小さなYESを積み上げる

フット・イン・ザ・ドアとは、一度YESというと、その後NOを答えにくくなるという心理を利用したテクニックです。

「人の行動は一貫性がある方が信頼がおける」と無意識に思い込み、一貫性のある回答をしようとする人間の特性を利用しています。

フット・イン・ザ・ドアのテクニックをビジネスに応用した場合に一例を紹介します。

STEP.1
STEP.1
3分だけいただけませんか?と聞かれる
顧客:「3分だけなら…」とYESと答える
STEP.2
STEP.2
無料のセミナーに出てみませんか?と聞かれる
顧客: 「無料なら…」とYESと答える
STEP.3
STEP.3
セミナーで見た商品、本当によい商品ですよね。買いませんか?と聞かれる
顧客: YESと答える

フット・イン・ザ・ドアは、相手への提示内容を小さなものから大きなものに少しずつ繋げることで、成功する確率が高くなります。

2.ドア・イン・ザ・フェイス:最初に驚くような提示をする

ドア・イン・ザ・フェイスとは、到底受け入れられない頼みごとをし、相手が断ることで罪悪感を覚えさせ、その次の頼みごとを受け入れさせる心理学テクニックです。

以下のようにさまざまなシーンで利用が可能です。

  • この商品を1万円で売ります→「ムリ」→50%offの5,000円で売ります
  • 10万円貸してほしい→「ムリ」→それなら1万円でも貸してほしい
  • 夕飯を作ってほしい→「ムリ」→それなら片づけはしてほしい

ドア・イン・ザ・フェイスを利用するにあたり重要なポイントは、頼みごとを少しずつハードルの低いものに変えていくことです。

相手は何度も断るうちに、罪悪感が膨らみ、断ることにプレッシャーを感じるようになります。

そのプレッシャーにより、最終的には「相手が受け入れられる範囲のこちらの要求」を受け入れてもらうことができます。

3.返報性の原理:こちらからのギブが大事

返報性の法則とは「人が何かしてもらったら、お返しをしなければと感じる」法則を指します。

返報性が利用されているビジネスの例は、以下のとおりです。

  • 食品店の試食コーナー
  • ショッピングモールの試着コーナーの丁寧な接客

試食コーナーで味見をすると「試食させてもらったし、買わないと悪いな」という心理が働き、購入の可能性が高まります。

試着コーナーでは、丁寧な接客やアドバイスを受け「接客してもらったのに何も買わないのは悪いな」と購入する傾向があがるのです。

相手に何かを与えて「お返しをしなくてはならない」と思わせることは、結果、相手に対するあなたの影響力をあげることにつながります。

4.単純接触効果:会えば会うほど好意をもたれる

単純接触効果とは、あるものに対し接触すれば接触するほど好感度があがることを指します。

関心を持たないものや人物でも、何度も目にするうちに親近感を覚えるようになると考えられています。

テレビのコマーシャルやメールマガジンなどは、単純接触効果を活用した例です。

積極的に顧客のもとに足を運んだり、電話やメールで連絡をすることも単純接触効果をもたらすと考えられます。

5.両面提示:相手から信頼される

両面提示とは、相手によい面、悪い面の両方を伝えることで、相手を説得する心理学の考え方です。

人は、ものごとについてよい面だけを聞くと「悪い面もあるのでは?」と思う傾向にあります。

最初から悪い面も相手に提示することで、以下のような効果が得られます。

  • 相手は、聞いた内容について、悪い面も含めての判断材料を得たと考えられる
  • 悪い面を知ることができ、親近感を覚える
  • 相手は、論理的に判断できると感じられる

両面提示は、とくに論理的にものごとを判断する人に効果があります。

6.ピグマリオン効果:期待されると答えようとする

ピグマリオン効果とは「期待をされた人間が、期待に応える行動を無意識にする」効果のことを指します。

人は「褒められて持ち上げられると自分に期待される像を保とうとする心理が働く」ため効果が生じるのです。

ビジネスにおいてピグマリオン効果が使えるのが、マネジメント分野です。

上司が部下に対し、期待をこめた扱いをすることで、部下を自分の育てたい方向に育てることができます。

  • 作る資料が丁寧で見やすい。これからさらに洗練された資料作りに励んでほしい。
  • 他人の信頼を得る素質がある。これからもさらに信頼感を得られる人物として歩みを進めてほしい。

このように相手を褒めつつ、自分が相手に期待し伸ばしたい方向性を明確に示すことで、相手をその方向性に行動させることができます。

7.プロスペクト理論:人は損をしたくない心理をつく

プロスペクト理論とは「何かを決めるとき、人は損をするか否かに基づいて意志決定をする」という理論です。

人は「利益を得ることよりも損をすること」の方が大きく感情が動くため、意思決定の際には損失を回避しようとする心理が働きます。

プロスペクト理論を利用したビジネスには以下のようなものがあります。

  • ポイントサービス  :顧客は、ポイントの期限がある間に利用しないと損と考え、買うつもりのなかった商品を購入する
  • 期間限定キャンペーン:顧客は、期間限定中にサービスを利用しなくては損、と考えサービスを利用する
  • 返金キャンペーン  :顧客は「満足しなかったら返金」という文言を見て、損することがないから購入しようと考える

このように「購入しないと損失が生じる」と思わせることで、顧客をサービス利用の方向に導くことができます。

心理学でも人間関係がよくならないなら転職も視野に

転職してステップアップする様子

心理学を有効に活用することで、人間関係を自分の思う方向に改善していくことは可能といえます。

他方で、関わる人間に問題があれば、心理学を利用したところで人間関係が解決できないということもあるでしょう。

人間関係がどうしてもうまくいかないのなら、人と関わらなくてもいい仕事に転職するのも1つの手です。

今は、プログラマー、WEBデザイナーなど、在宅でおこなえる仕事も増えています。

まとめ:心理学で人間の心理や習性を知れば人間関係は怖くない

心理学を学ぶことで、人間関係を自分の思う方向に変えていくことが可能になります。

心理学を活用して得られる効果は、よいことのみです。

  • 自分自身:自分を知る/考えをコントロールできる/ストレスに対処できる/コミュニケーションが円滑になる
  • 人間関係:ビジネスで成功/コーチング

人間関係に心理学を試し、その効果を見てみてください。

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