プログラミングに数学は必要ない?それ以上にプログラマーが培うべき4つの要素を解説
「数学が苦手でもプログラミングはできるのだろうか」
「数学以外でプログラマーに必要な能力はなんだろう?」
と思うことはありませんか?
苦手な数学を勉強しようとしても、ほかの要素を伸ばしたほうが効果があるのではないかと迷ってしまいますよね。
では、数学以外にプログラマーが培うべき要素はどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- プログラミングに数学の勉強が必須ではない理由
- プログラミングを扱う仕事の中で数学が特に必要な職種
- プログラマーが数学以外で求められる要素
について詳しく解説します。
この記事を見れば、プログラミングにおいて自分が伸ばすべき能力が必ずわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
文系で苦手でもOK!プログラミングに数学の勉強が必須ではない3つの理由
プログラミングに数学の勉強が必須なわけではありません。
しかしながら、プログラミングと数学は考え方の面で共通点があるのは事実です。
そのため、プログラミングに数学の勉強が必須と思われがちですが、数学の難しい知識を使う場面はほとんどありません。
- 本質的に関わっているのは数学の基礎的部分のみだから
- 実際に文系のプログラマーが活躍しているから
- コンピューターサイエンスの背景がなくてもコードは書けるから
数学の勉強が必須ではない理由を、1つずつ見ていきましょう。
1.本質的に関わっているのは数学の基礎的部分のみだから
プログラミングに関わる数学の要素は、「論理的な考え方」など数学の基礎的部分だけです。
特別な分野以外で数学の難しい計算式を使う場面はありません。
基礎的な部分とは具体的に次のようなものです。
- 小学校・中学校レベルの算数の力
- 適切な場面でしかるべき判断がとれる力
このようにプログラミングに難しい計算式は不要です。
上の例のような数学の基礎力を養うことを意識しましょう。
2.実際に文系のプログラマーが活躍しているから
IT業界で働いている人のおよそ3割は文系出身者です。
(出典:IT人材白書)
企業によっては理系よりも文系出身者のほうが多いことも珍しいことではありません。
- 顧客のニーズを把握する力、質問する力
- 仕様書や設計書を作る際の文章作成力
- 企画をクライアントに提案する際のプレゼンテーション力
文系出身でもこのような能力を活かすことは可能です。
数学の勉強が必須でないことは、文系のプログラマーが多いことからもわかります。
3.コンピューターサイエンスの背景がなくてもコードは書けるから
コンピューターサイエンスの知識がなくても、プログラミングはできます。
以前はコンピューターサイエンスの知識を使って、コードの書き方を考える必要がありました。
しかしながら、最近は技術の進歩により、意識することなくコードを書けるようになっています。
- 計算量が少なくなる効率化を自動で行える
- メモリの効率的な使い方を自動で最適化してくれる
このように昔は人が計算によっていたことをAI技術が代用する場面が増えています。
時代の変化によってプログラミングに取り組みやすくなっているのです。
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プログラマーで数学が必要になる4つの場面
プログラミングに数学は必須ではありませんが、数学が必要になる場面はあります。
下で示すような特殊な分野では一般的な数学の知識は使うことが多いです。
- 座標を表す
- 時間に関する計算をする
- 条件式を立てる
- 機械学習やAIに関する分野
数学が得意でなくても問題はありませんが、それでも「数学に苦手意識が強いと難しい分野」がこちらの項目になりえます。
それぞれの内容を、1つ1つ具体的に見ていきましょう。
1.座標を表す
座標を示さなければならない時には数学の知識が必要です。
3Dなどの座標を示す場面では、関数の知識がなければ表現できないこともあります。
- ゲーミングプログラムをおこなうとき
- 3Dで物体の動きを扱うとき
- 医療関係のシステムや機械を開発するとき
上のような例で座標を表す場面がでてきます。
座標を表すときに、3D技術を中心に三角関数など数学の知識が必要となるのです。
2.時間に関する計算をする
プログラミングにおいて時間の計算をする場合も数学の知識が必要になります。
時間の計算をするには、時間換算の知識が前提になるからです。
プログラミング内において基準となる「ミリ秒」に「時間」「分」「秒」を換算しなければなりません。
- 大規模なプログラムの計算量を考えるとき
- 処理時間を短縮させるために、それぞれの処理の時間を計算するとき
このようにプログラミングにおいて時間の概念は重要です。
時間の計算において数学の知識が必要な場面は出てきます。
3.条件式を立てる
条件式を立てるときも数学の知識が必要になります。
条件式においては不等号を用いた数式が必要不可欠なのです。
- もし〇〇ならばXXせよ
- もし〇〇とXXが等しければ△△せよ
- 〇〇という条件を満たすまでXXという計算を繰り返せ
上の例は「条件分岐」「反復処理」といい、数式を用いなければなりません。
このようなプログラミングには数学の知識が役に立ちます。
4.機械学習やAIに関する分野
機械学習やAIの分野においても数学の知識が必要です。
AIの分野は微分積分や数理統計学などの理論をベースにしています。
- 機械学習を用いた株価の予想
- AIを用いた画像認識・画像分析
- 大量のデータからAIによって必要な情報を取り出す
こういった時には数学の知識を応用して考えなければなりません。
機械学習やAIの分野を目指すのであれば、数学の学習は避けて通れないのです。
プログラミングを扱う仕事の中で数学がとくに必要な3つの職種
プログラミングを扱う仕事の中には数学の知識がなければ難しいものがあります。
とくに次の3つの職種で働くためには数学の知識を応用しなければなりません。
- AIエンジニア
- ゲームプログラマー
- データサイエンティスト
これらの職種は数学を頻繁に使うため、苦手意識がある方には難しい職種といえるでしょう。
それぞれの仕事内容と「なぜ数学がないと難しいのか」を解説していきます。
1.AIエンジニア
AIエンジニアは数学の知識を駆使して仕事をしています。
AIの分野は大量のデータを処理しなければならないのです。
- AIを使用したデータ解析、システム開発
- 大量のデータを分析し、状況改善のための立案をおこなう
- ユーザーの動向をデータから読み取り、将来ニーズを予測する
AIエンジニアはこのような役割を求められています。
膨大なデータを読み取るためには数学の知識が必要なのです。
2.ゲームプログラマー
ゲームプログラマーにも数学の知識は必要です。
最近のゲームは複雑化しているため、数学の知識が要求される場面が増えています。
- ゲーム内で敵に弾があたったか判定するのに使うピタゴラスの定理
- キャラクターの成長曲線を決めるのに用いる微分
- ゲームに欠かせない確率の計算
このようにゲームプログラムと数学は密接に関わっているのです。
ゲームプログラミングは年々高度化しているため、数学の必要性は高まっています。
ゲームプログラマーの年収は業界で変わる。実際の年収を紹介!3.データサイエンティスト
データサイエンティストにも数学は必要となります。
統計学を中心にデータ分析をする職業がデータサイエンティストなのです。
- 平均・分散・標準偏差を使って将来を予測する
- 最適化数学を使って仮設・分析・検証を繰り返す
仕事内容によってはある程度高レベルの数学の知識が求められます。
よってデータサイエンティストと数学は切っても切れない関係にあるといえるのです。
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プログラマーが数学を勉強する際におすすめの本4選
プログラマーが数学を勉強する際におすすめの本を紹介します。
本は体系的に数学を学べるので、自分に適した本で勉強することはスキルアップに効果的です。
- プログラマの数学
- ゲーム開発のための数学・物理学入門
- プログラミングのための線形代数
- 最短コースでわかるディープラーニングの数学
自分に合った本はどれなのか、1冊ずつ内容を見ていきましょう。
1.プログラマの数学
数学の知識を前提とせず、数学の考え方をわかりやすく解説しています。
- 機械学習への第一歩をクイズを通してやさしく解説している
- 読者が読み飛ばしたくなる数式をできるだけ取り除いている
- 定義・定理・証明といった難しいものはなるべく書かないようにしている
このように図やパズルを用いることでわかりやすく書かれています。
プログラミングの初心者や数学が苦手な人におすすめです。
2.ゲーム開発のための数学・物理学入門
ゲーム開発に必要な数学が中学教科書レベルから高度な3次元処理まで解説されています。
- ゲーム開発にテーマを絞ったことで基礎から高度なレベルまで網羅されている
- 豊富な練習問題でスムーズに学べる
- iPhone用サンプルコードで実践的なコードの書き方が学べる
例題とサンプルコードで、効果的な学習が理解できるようになっています。
数学が苦手だけれども、ゲーム開発のスキルアップを目指す人におすすめです。
3.プログラミングのための線形代数
プログラミングをする人に的を絞り、独学が難しい線形代数をわかりやすく説明しています。
- ベクトルや行列を扱う線形代数を数学のプロでない読者向けに解説
- 抽象的な線形代数のイメージを丁寧に解説
このように線形代数の書き方の解説ではなく、線形代数の本音を語ることを狙った本です。
コンピューターサイエンスに携わる人におすすめの本です。
4.最短コースでわかる ディープラーニングの数学
ディープラーニングに必要な数学を高校1年生レベルから解説しています。
- 解説する数学の分野を必要最低限に絞っている
- 学習する分野の相関係数がマップにまとめられている
- ファイルをダウンロードして実際に仕組みを体感しながら学べる
このように最短コースで学べる工夫が徹底されています。
ディープラーニングの動作原理を勉強したい人におすすめです。
プログラマーが数学以外で求められる4つの要素
プログラマーには数学以外に求められる要素があります。
特定の分野以外では数学の知識は必須ではないので、次にあげる4つの要素が重要です。
- 論理的思考力
- 英語力
- コミュニケーション力
- ITに関する興味・関心
どの分野のプログラマーになるにも上の要素は重要です。
具体的に1つずつ見ていきましょう。
1.論理的思考力
プログラミングにおいて論理的思考力は常に求められます。
プログラミング自体が論理的な構造なので、理解するために必須の要素です。
- どのような手順で問題が解決できるか論理的に考える
- 作業効率を上げるために、物事の順番や単純化を論理的に組み立てる
- 情報を正確に伝えるために、情報を論理的に整える
このようにさまざまな場面で論理的思考力は役立ちます。
プログラミングにとって論理的思考力は最重要と言っても過言ではありません。
2.英語力
英語力もプログラミングには必要な能力です。
プログラミングのコードはすべて英語で表されています。
- コードでつかう「if」や「for」といった英単語を理解する力
- コードを英語で書くための力
- 英語の資料や最新情報を読む力
高度な英語力ではなくこういった力があると、プログラミングのスキルアップにつながります。
英単語を理解することはプログラミングにとって重要です。
3.コミュニケーション力
コミュニケーション力もプログラマーに必須の要素です。
プログラミングの技術・能力があるだけでは、プログラマーとして能力が高いとはいえません。
- 仕事を受けた顧客とのコミュニケーション
- プロジェクトチーム内でのコミュニケーション
- わからないことを人に聞く時のコミュニケーション
このようにプログラミングの仕事は1人では成り立ちません。
コミュニケーション力はプログラマーとして働くうえで重要です。
仕事上のコミュニケーション上手とは!求められる3つの能力や10個の改善方法を紹介4.ITに関する興味・関心
ITに関する興味・関心を持つことは当然のことです。
IT業界は日進月歩で変貌しているので、興味や関心を持っていないと業界から取り残されてしまいます。
- SNSでITの最新ニュースをキャッチする
- 自分でアプリを作ってみる
- IT系のコミュニティに参加し、継続的に勉強会に参加する
このように常に新しい情報を仕入れておかなければなりません。
ITに関する興味や関心を持ち続けることが大切です。
数学が苦手ならこれをやるべき!プログラマーが扱うスキルの勉強法
数学が苦手なプログラマー向けにも効果的な勉強法があります。
プログラマーとしてスキルアップするためには、数学の勉強は効果的です。
数学が苦手でも始められる勉強法を3つ紹介します。
- アプリを活用し、実際に手を動かしてみる
- ソースコードの成り立ちを思考しながら写経する
- プログラミングスクールに参加する
これらの中から、自分の状況に合ったものをみつけていくことをおすすめします。
いろいろな勉強スタイルがありますので、適した勉強法を探しましょう。
1.アプリを活用し、実際に手を動かしてみる
数学が苦手であればアプリを使って実際に手を動かしてみるのがよいです。
アプリであれば隙間時間にも効率的に勉強できます。
上に挙げた以外にもさまざまなアプリがありますので、自分の学びたい分野に合わせて活用しましょう。
基本的には無料で、気軽に学べるため、アプリでの学習はおすすめです。
2.ソースコードの成り立ちを思考しながら写経する
考えながら写経することも効果的です。
何も考えずに写経するより、ソースコードの意味を考えながら行うことで理解が進みます。
- このコードはこのような場面でつかえるのだな
- このコードはこの順番で使うと効果的なんだな
- このコードは前のものより〇〇の点で優れているな
このようにコードの成り立ちを意識しながら学習する必要があります。
今目の前に書かれているコードが作られている意味を考えながら、写経しましょう。
3.プログラミングスクールに参加する
プログラミングスクールに参加することも選択肢の1つです。
お金はかかりますが、独学では得られないメリットがあります。
すべての分野でスクールに参加するのは現実的ではないので、部分的に参加するのもよいでしょう。
- 必要な知識を選んで体系的に学習する
- 苦手なところに絞って参加する
- 意図的に期間を区切って最低限必要な部分を学ぶ
漠然と何も考えずにスクールに参加しても効果が上がりません。
このようにうまくプログラミングスクールを使って学習効果を高めましょう。
まとめ:プログラミングに数学はいらないが「数学的思考」はあったほうがいい
プログラミングに数学は必須ではありませんが、数学の知識はあって困ることはありません。
数学的な論理的思考を中心に、数学が役に立つ分野もたくさんあります。
- 自分がなりたいプログラマー像に数学は必要なのか
- どこまで数学の知識を習得して仕事をしたいのか
- 数学的思考を伸ばすことで数学が苦手なことを克服できるのか
この点をきちんと整理し、自分に適した数学との付き合い方を見つけましょう。
数学的思考力が高まれば、プログラマーにとって大きな武器になるでしょう。