ディープラーニングを用いた動画編集・動画解析の実例から将来性まで
「ディープラーニングで動画解析は可能なの?」
「ディープラーニングで動画を編集・制作することはできるのかな?」
と思うことはありませんか?
ディープラーニングで動画解析を学ぼうとしても、何ができるのか、どうやってやるのかで迷ってしまいますよね。
では、ディープラーニングで行う動画解析はどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- ディープラーニングと動画でできること
- 動画を扱うために覚えておきたいディープラーニング用語
- 動画解析におけるディープラーニングの役割
- 動画を扱うためのディープラーニングにおける課題
- ディープラーニングと動画(映像)の将来性
について詳しく解説します。
この記事を見ればディープラーニングと動画についての現状と将来性が理解できます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ディープラーニングで動画編集・動画解析の事例
ディープラーニングの動画解析について学ぶ前に、実際の事例を4つご紹介します。
今回ご紹介するのは下記の4つです。
- 写真から映像を作成
- 製造現場での異常検知
- ディープフェイク
- 動く肖像画
それぞれ見ていきましょう。
1.写真から映像を作成
ワシントン大学のコンピューターサイエンス工学学科で、水が映る写真から水の流れる動画を生成するプログラムが発表されました。
出典:2021年6月14日ワシントン大学ニュースより https://www.washington.edu/news/2021/06/14/uw-researchers-turn-single-photo-into-video/
このプログラムは、ディープラーニングによって水の動きを学習し、水が映っている写真を元に、水の流れを再現します。
特徴的な技術は、symmetric splattering(対照的な飛散)と呼ばれるテクニックです。
水が流れていくさまを再現するのと同時に、流れる前の過去の状態を合成することで、流れ続ける水を再現しています。
2.製造現場での異常検知
製造現場での異常を検知するために、ディープラーニングの技術が使われています。
代表的なものは、外観検査です。
外観検査とは、ディープラーニング技術を使い、リアルタイムの映像から製品や部品表面のキズや汚れがないか品質の確認をする検査のことをいいます。
外観検査のためのサービスは、Google Cloudが提供するVisual Inspection AIなどが有名です。
3.ディープフェイク
ディープフェイクとは、ディープラーニングの技術を使い、偽物の動画を作る技術です。
GANと呼ばれる技術を使い、偽物ながらまるで本物のような動画を生成できる特徴があります。
主に顔画像処理と音声処理で構成される合成技術で、動画内の顔を入れ替え、元の動画と同じように動かせます。
偽物と判断するのが難しく、クオリティの高さゆえ、SNSなどの拡散が混乱を招いているケースもあるほどです。
動く肖像画
Deep Nostalgia(ディープノスタルジア)というディープラーニング技術を使ったサービスで、肖像画などの古い写真に、動きを加えた動画を生成できます。
古いモノクロ写真を鮮明なカラー写真に変換する技術を応用しており、解像度の低い写真からでもリアリティのある動きを作り出すことが可能です。
写真をアップロードすればだれでも利用できるので、一度試してみることをおすすめします。
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動画を扱うために覚えておきたいディープラーニング用語4選
こちらでは、ディープラーニングで動画を扱うのに必要な用語を解説します。
どんな分野の動画を扱うにせよ、必ず覚えておきたい用語ですのでそれぞれどんなものかの概要を理解しましょう。
- スカラ
- ベクトル
- 行列
- テンソル
1.スカラ
スカラとは、単一のデータを表します。
例えば、「1」や「5」、「体温36度」など、以下で出てくるベクトルや行列を構成するための単一の要素のことになります。
動画を扱う場合だけでなく、ディープラーニングでは頻繁に出てくる用語ですので覚えておきましょう。
2.ベクトル
ベクトルとは、矢印の印象を持っている人も多いと思いますが、ディープラーニングでは、数値を縦か横に並べたかたまり、のことをいいます。
スカラとの違いは、複数の要素で構成されていることで、スカラを縦か横に並べたかたまりをベクトルと認識しておけば良いでしょう。
また、並べる方向が横の場合は行ベクトル、縦の場合は列ベクトルという呼称もありますので併せて覚えてください。
縦か横の一次元の配列を、ベクトルと呼びます。
3.行列
行列とは、スカラを縦横2方向に並べた集合の呼称です。
行ベクトルを縦方向に、列ベクトルを横方向に並べたもの、ともいえるでしょう。
縦×横の2次元配列を行列と呼びます。
4.テンソル
テンソルとは、スカラを含めたすべてのデータの集まりの総称です。
ただし、0次元から2次元までは前述のとおり名前があることから、3次元以上の配列で使うことが一般的です。
また、高次元のテンソルのことを高階のテンソルデータといい、主にディープラーニングモデルで使われるのはこの高階のテンソルデータです。
動画編集・解析におけるディープラーニングの役割
用語をある程度理解したところで、動画編集や動画解析を行う際のディープラーニングの役割を見ていきます。
ディープラーニングの役割は、
- 分類
- 認識
- 物体検出
の3つです。
自動運転における映像認識を例にそれぞれがどんなことをしているか見ていきます。
分類
分類とは、画像や映像に何が映っているかを判断する手法です。
英語ではClassificationといわれます。
具体的には、対象物の特徴を見わけて、人や標識などのカテゴリーに分類します。
認識
認識とは、全体として何を表しているのかを判断する手法です。
英語では、Recognitionといわれます。
具体的には、対象物の特徴を抽出し、人や標識であることを判断・認識する役割です。
物体検出
物体検出とは、何がどこに映っているかを抽出するための手法です。
英語では、Detectionといわれます。
具体的には、映像の中の人の顔や標識などを抽出します。
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動画を扱うためのディープラーニングの課題
ここでは、動画を扱うための課題を見ておきます。
主にディープラーニングの課題として、
- プライバシー問題
- ブラックボックス
- データの確保
の3つがあげられます。
1.プライバシー問題
データの取得やデータを学習させる際に、目的以外で個人情報を利用することに気をつけなければなりません。
なぜならディープラーニングには、機械に学習させるためのデータが大量に必要で、データの漏洩や差別的な判断のリスクが非常に高いからです。
ディープラーニングを活用する事業者はプライバシー保護に正しく取り組む必要があります。
2.ブラックボックス
ブラックボックス問題とは、ディープラーニングにより出された結論の理由や根拠が明確でないことをいいます。
とくに、人の生命に関わる判断や、人生を大きく左右するような判断の場合は、理由や根拠を示すことができないことで信頼の損失につながる可能性があります。
問題がどこまで大きくなる可能性があるかを事前に検証したうえで、ディープラーニング技術を活用する必要があります。
3.データの確保
ディープラーニング技術を使う機械学習には、大量のデータが必要です。
なぜなら、プログラムによる判断の精度は、データ量に大きく左右されるためです。
また、同じような動画や画像だけでなく、さまざまなケースを想定した種類も必要になります。
データの収集は間違いなくディープラーニング技術における課題の一つといえるでしょう。
ディープラーニングと動画の将来性
ここでは、ディープラーニング技術と動画についての将来性を見ていきます。
どんなことが実現できるのかを解説します。
- オフィスやアミューズメントパークに顔パスで入場
- 駅のホームで危険を自動検知
- 顔認証による勤怠管理
アミューズメントパークに顔パスで入場
富士急ハイランドは2018年の入園無料化と同時に、アトラクション搭乗ゲートでの顔認証システムを導入しました。
今回導入したのは、パナソニックよって作られたシステムで、チケットレスを実現することでの来園者の利便性向上が主な目的です。
さらには、入場者の属性や滞在時間などを正確にデータとして残すことができるので、今後の商品開発やサービス向上に役立ちます。
駅のホームでの危険を自動検知
東京急行電鉄は、2018年8月に鷺沼駅で、ホームから人の転落を検知するシステムの運用を開始しました。
設置済みカメラでの実証実験を2017年から行っており、さまざまな状況下においての成功を確認できたことが運用開始の要因です。
検知後には、駅事務室など離れた場所にある監視端末に映像を送るとともにアラームを鳴らし、駅員へ緊急を知らせる仕組みとなっています。
何を検知したかが画像によりわかる点が従来の仕組みからの改善点となりました。
事故の特徴が早い段階でわかり、対策ができるのが特徴です。
顔認証による勤怠管理
バックオフィスでの顔認証技術は、入退館や勤怠の管理にも活用されています。
例えば、パソコンやデジタル機器の総合メーカーロジテックでは、顔認証での入退館管理と勤怠管理システムを連携するサービスを提供しています。
入退館時の顔認証では、個人の特定だけでなく体温測定なども兼ねているので健康状態も確認できるのが特徴です。
システムと連携することで自動でデータの保存まで可能です。
社員にとってもタイムカード打刻などの手間が省け、負担の軽減に繋がります。
ディープラーニングの画像認識の仕組みを徹底解説|4つの活用事例も紹介まとめ:ディープラーニングでの動画解析はまだまだこれから
本記事では、動画編集・解析におけるディープラーニングの役割や将来性について解説してきました。
- ディープラーニング技術を活用してさまざまな動画を扱うサービスが存在している
- 動画解析において、分類・認識・物体検出が主な役割になる
- プライバシーやブラックボックス問題への対応が必要である
- ディープラーニング技術を活用した動画編集や解析にはまだまだ可能性がいっぱいある
ディープラーニングにおける動画編集・解析はたくさんの可能性を秘めています。
ディープラーニングを学習に取り入れて、できることなら自分でもいろいろと作ってみることをおすすめします。