ディープラーニングのブラックボックス問題と解決方法を徹底考察
「ディープラーニングにおける今後の課題って何だろう」
「ディープラーニングのブラックボックス問題について知りたい」
と思うことはありませんか?
ディープラーニングのブラックボックス問題を調べようとしても、どんな課題を、どのように解決すべきなのかで迷ってしまいますよね。
では、ブラックボックス問題の見通しや解決策はどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- ディープラーニングのブラックボックス問題とは
- ディープラーニングのブラックボックス問題に対する解決策
- ディープラーニングのブラックボックス問題を詳しく知る方法
について詳しく解説します。
この記事を見ればディープラーニングのブラックボックス問題についての知識が身につきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ディープラーニングとは
ブラックボックス問題を考えていくうえで、ディープラーニングの基本を見ていく必要があります。
こちらでは、
- ディープラーニングとは
- ディープラーニングの活用事例
について解説していきます。
1.ディープラーニングとは
ディープラーニングとは、コンピューターに学習させる機械学習方法の一つです。
機械学習では、対象物の特徴を人が定義し、その定義に基づいて機械が対象物を分類・認識・理解していきます。
対して、ディープラーニングでは、対象物の特徴も機械が自ら定義をし、対象物を分類・認識・理解していく方法となります。
2.ディープラーニングの活用事例
そのディープラーニングですが、さまざまな分野で活用されています。
事例をいくつかあげると下記のとおりです。
- 自動運転技術において、標識や信号を認識する
- 医療業界において、レントゲンなどの画像から悪性腫瘍を検出する
- 宇宙技術において、衛生からの物体を検出する
ディープラーニング技術によって、機械が人間よりも早く、正確に判断できる分野も増えてきました。
ディープラーニング技術が役に立つ反面、本記事でご紹介していくブラックボックス問題は大きな課題として注目されてきています。
次章では、そのブラックボックス問題とはどのようなものかを見ていきます。
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ディープラーニングのブラックボックス問題とは
ディープラーニングのブラックボックス問題とは、簡単にいうと入力と出力の過程がわからない、という問題です。
つまり、ある出力(結果)に対して、なぜそのような結果を導き出したのかがわからないということです。
これは、膨大なデータを元に、対象物の特徴を定義することから機械がおこなっているために起こります。
具体的な事例を次章でご紹介していきます。
ディープラーニングのブラックボックス事例 3選
ディープラーニングのブラックボックス問題の事例は下記の通りです。
- Googleの画像認識システムのゴリラ問題
- Google翻訳の誤訳
- 犯罪予測システム
ブラックボックス問題を理解するためにそれぞれ見ていきましょう。
Googleの画像認識システムのゴリラ問題
これは、AIが人をゴリラと自動で認識してしまったという問題です。
具体的には、2015年にGoogleフォトが、あるアフリカ系の米国人2人をゴリラとタグ付けしていることがSNSで拡散されてしまったという内容です。
Googleはこれに対して、ゴリラのタグを一斉に使用停止することで、対応しました。
原因追求はしていたものの、2年後でもゴリラなど霊長類のタグ付けは使用停止のままで、なぜAIが人とゴリラをタグ付けしてしまったかの原因はわかりませんでした。
原因がわからず、対処ができないブラックボックス問題が顕著に出てしまった例と言えるでしょう。
Google翻訳がロシア人を占領者と誤訳
ゴリラ問題の翌年2016年には、Googleが実施するサービス、Google翻訳でウクライナ語からロシア語で翻訳する際に、ロシア人が占領者と翻訳されてしまうエラーが発生しました。
Googleは、これをGoogle翻訳の自動性によるものと表明しましたが、新たなブラックボックス問題の一例となりました。
犯罪予測システム
別の例は、ある都市の犯罪予測システムについてです。
ディープラーニングにより犯罪マップの学習をさせた結果、特定のエリアで犯罪が起こることを予測し、検挙につながりました。
これは成功例としての事例です。
ただ、検挙できたとしても、できなかったとしても、なぜその結果になったのかは誰にもわからないのは、ブラックボックス問題であると言えるでしょう。
出典:https://www.intellilink.co.jp/column/ai/2019/041100.aspx
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ブラックボックス問題から見えるディープラーニングの課題
以上のブラックボックス問題から見えてくる課題をまとめていきます。
下記の3つを見てきます。
- AIの間違いが問題にならないケース
- AIの間違いが問題になるケース
- ディープラーニングの課題
これらの課題を解決できなければ、ディープラーニングを活用できる範囲は狭まります。
それぞれ解説していきます。
AIの間違いが問題にならないケース
ディープラーニングのブラックボックス問題は、AIの間違いが説明できないことでおこる問題です。
ただし、AIが仮に間違えても問題とまではならないケースがあります。
例えば、ECサイトのレコメンデーション機能や通販における画像検索技術での間違いです。
ちょっとした判断のミスが起きたとしても、なぜなのかという疑問はでてくるものの、ディープラーニング技術を遠ざけてしまうほどの問題とまではなりません。
AIの間違いが問題になるケース
対して、AIの間違いが問題になるケースは下記のような技術におけるミスになります。
- 医療診断
- 自動運転
- 人材採用による差別
- その他人の命や人的尊厳を傷つけること
主に人の命が関わる際の判断や、人としての尊厳に関わる際の判断においては、判断の根拠が必要な場合があります。
医療ミスが起きたのに理由がわからないことや、事故を起こして改善方法がわからないことなどは、人々の不安を煽る結果となってしまうでしょう。
ディープラーニングの課題
以上により見えてくる課題は、下記の2つです。
- 間違いが問題になりそうなものはAIに任せない
- 可能性のあるものは任せ続けて、ブラックボックス問題自体に立ち向かう
早い解決が望めるのは、1つ目の間違いが問題になりそうなものはAIに任せない、ことです。
ただしこの方法では、将来的にディープラーニングがもたらす可能性がある、多くの利点を放棄しているのと同じです。
次章では、ブラックボックス問題と向き合いながら、さまざまな分野でディープラーニングを活躍させることを課題と考え、解決策を探ります。
ディープラーニングについて徹底解説|4つの手法や活用した導入事例も紹介ディープラーニングのブラックボックス問題の解決策
少しでもブラックボックス問題を解決するために、5つのポイントから解決策を探っていきます。
- ブラックボックスが問題になるケースへの理解
- ディープラーニングにおける信頼性の構築
- 説明可能なAIの開発
- ホワイトボックス化
- グレイボックス化
1.ブラックボックスが問題になるケースへの理解
最初のステップとして、ブラックボックスが問題になるケースを理解することが大切です。
なぜなら、ブラックボックス問題の中でも問題になるものとならないものの2種類が存在し、問題になるケースに目を向けて解決していく必要があるからです。
具体的には、医療診断や自動運転、人の命や尊厳を傷つける可能性がある判断を任せることです。
まずは、何が問題かをしっかりと認識し解決へ向かう必要があります。
2.ディープラーニングにおける信頼性の構築
ブラックボックス問題を防ぐのはもちろんですが、人の信頼を損ねてしまうと有益なサービスでも利用者が減り、衰退してしまう可能性があります。
世界的な動きでもあり、日本の総務省は2019年8月9日にAI利活用ガイドラインを公表し、AI 利活用原則を定めました。
- 適正利用の原則
- 適正学習の原則
- 連携の原則
- 安全の原則
- セキュリティの原則
- プライバシーの原則
- 尊厳・自律の原則
- 公平性の原則
- 透明性の原則
- アカウンタビリティの原則
各AIに関わる事業者の取り組みとして、このAI利活用ガイドラインなどを参考に指針・ガイドラインをそれぞれが策定することを推奨しています。
人々の信頼を失わないようにAIの開発に取り組む必要があります。
3.説明可能なAIの開発
ブラックボックス化したプロセスを説明できるAIの開発は一つの解決策です。
プロセスを説明できるAIとは、出力した結果の理由と根拠が説明できるAIです。
日本の企業では富士通がその実用化に向けて研究を進めています。
具体的には、DeepTensorとナレッジグラフという2つの技術を組み合わせ、DeepTensorで理由、ナレッジグラフで根拠を人に向けてわかりやすく説明するための開発しています。
説明可能なAIができれば、多くのブラックボックス問題は解決できるのは間違いありません。
4.ホワイトボックス化
ホワイトボックス化とは、ホワイトボックステストを用いて、ロジックや制御が正しいかをテストすることです。
ホワイトボックステストとは具体的に、下記の2つです。
- プログラム内の条件ルートにより、正しい判断ができたかを確認する制御フローテスト
- データ処理や変数換算処理などが正しく実行されているかを確認するデータフローテスト
これらの方法は、プログラムやモジュール単位でおこなうことはできますが、システム全体ではまだ実用性に欠けるのが難点です。
5.グレーボックステスト
グレーボックステストとは、ホワイトボックステストとブラックボックステストを組み合わせる方法です。
ホワイトボックステストで内部構造をテストしつつ、ブラックボックステストで出力結果である外部仕様を確認します。
それぞれで単体でテストをおこなうよりも効率的であるものの、細かくカバーするのが非常に難しく、多くのテスト工数を必要とするのが難点です。
ブラックボックス問題についてのおすすめ書籍
こちらでは、ブラックボックス問題をより深く理解するための書籍をご紹介します。
- 異なる声に耳を澄ませる
- 機械学習を解釈する技術
- 教養としてのAI講義
それぞれ詳しくご説明します。
1.異なる声に耳を澄ませる
こちらの書籍は、東京大学教養学部主催の講座をまとめたものになります。
その中で、鏡としての人工知能という章で、ディープラーニングの倫理的、社会的な問題に触れています。
高校生、大学生向けの講座をまとめているので初心者にも読みやすいのがおすすめのポイントです。
2.機械学習を解釈する技術
機械学習を解釈する技術は、機械学習エンジニアやデータ分析者向けに書かれた、予測精度と解釈性の手法について解説した書籍です。
ブラックボックス問題となっているモデルの解釈性が低いという欠点と、高い予測精度をどのように組み立てるのかを解説しています。
ディープラーニングや機械学習に知見のある人におすすめします。
3.教養としてのAI講義
教養としてのAI講義は、一般のビジネスパーソンでも知っておくべきAIの知識をわかりやすく教えてくれる書籍です。
現在のAIではどのようなことができるのか、今後はどうなっているかを人工知能の仕組みとともにわかりやすく解説しています。
初心者の方で、AIやディープラーニングに興味がある方におすすめの書籍です。
まとめ:ブラックボックス問題と正しく向き合うことが未来に繋がる
本記事では、ディープラーニングのブラックボックス問題について解説をしてきました。
- ブラックボックス問題とは、出力した結果の理由や根拠がわからないという問題
- ブラックボックス問題を解決する一歩として、何が実際に問題なのかを明確にする必要がある
- ブラックボックス問題を詳しく知りたい方は、自分の知識レベルに合う書籍などを使って学習するのがおすすめ
ディープラーニングにおいて、ブラックボックス問題は今後も向き合うべき課題であることは間違いありません。
ただ、ディープラーニング技術が、今後の発展に多大に貢献することも事実です。
現状で抱えている課題を理解したうえで学習に臨むことをおすすめします。