自衛官を辞めたい方必見|辞めたい理由やその手順を一挙に解説
「自衛官の仕事が大変」
「自衛官を辞めて、転職したい」
と思うことはありませんか?
自衛官を辞めようとしても、本当に辞めて大丈夫なのかと迷ってしまいますよね。
では、自衛官を辞める理由や、辞めたあとの行き先にはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- 自衛官を辞めたいと思うよくある理由
- 自衛官を辞めるときの手順や注意点
- 自衛官を辞めたあとの転職先
について詳しく解説します。
この記事を見れば自衛官を辞めるときに気をつけるべきことが明確になります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
【自衛官を辞める人が続出】多くの人が辞めたい理由7選
自衛官として働くと大変なことがたくさんあります。
多くの方はどのような悩みを抱えて、辞めたいと思うのでしょうか?
こちらでは、自衛官を辞めたいと思う方に共通した理由を7つご紹介します。
- 上司や同僚との関係が良くないから
- 古い体制に馴染めないから
- 労働環境が良くないから
- 家族に負担をかけてしまうから
- 成長が感じられないから
- 体がもたないから
- 将来に不安を感じるから
あなたは何にお悩みですか?
自分の考えを整理するためにも、ぜひご覧ください。
1.上司や同僚との関係が良くないから
人間関係が原因で、自衛官を辞める方がいらっしゃいます。
理由としては以下のとおりです。
- 上下関係に厳しい
- 寮での生活なので集団生活で気を使う
- 先輩や幹部からの指導がキツイ
ほかの仕事と比べて、体育会系出身の人が多く、上下関係が厳しい環境です。
職場だけでなく、寮での生活でも衣食住をともにするため、一度関係が崩れてしまうと、修復も難しくなってしまいます。
このように、人間関係の悪化が原因となり、辞めたいと思う方は多くいます。
2.古い体制に馴染めないから
自衛官は公務員なので、年功序列の給与体系です。
古い方ほど退職しない傾向にあるため、組織として高齢化が進んでいます。
そのため、業務の効率化などが新しいことに取り組む機会が少なく、無駄と感じる会議や残業がまだまだ存在しています。
そうした古い体制を変えようとする人も出てこないので、現状の環境で働き続けることに耐えきれず、辞めたいと思う若い方が出てきてしまいます。
3.労働環境が良くないから
労働環境の悪さが理由で、自衛官を辞めたいという方もいらっしゃいます。
例をあげると以下のとおりです。
- 残業の多さの割に給与が低い
- 飲み会などに誘われて断りにくい
- 体育会系の雰囲気があり、ハラスメントが横行している
もちろん部署などにもよりますが、民間の企業と比べると、労働環境の改善スピードは遅いといえるでしょう。
労働環境の悪さがストレスの原因となり、辞めたいと思う人が増えてしまいます。
4.家族に負担をかけてしまうから
独り身であれば気にならないことも、家族ができれば我慢できないこともあるでしょう。
例えば自衛官として働いていると、以下のようなことで家族に負担をかけてしまうことがあります。
- 異動による引っ越しが多い
- 訓練で不在になる
- 災害時などの緊急時には出勤しなければならない
国民や国土を守るのが役目なので、不測の事態で出勤となります。
誰かを守るためとはいえ、不測の事態に家族をおいていくのが辛いのは当然です。
家族に負担をかけないためにも辞めたいと思う原因となっています。
5.成長が感じられないから
自分の成長を感じられないのも、自衛官を辞めたい理由の一つとしてあげられます。
自衛官の仕事で成長しにくいと感じさせてしまうのは、以下の理由によるものです。
- 仕事を上司の指示通りにおこなわなければならない環境だから
- 前例のないことをやれない環境だから
- 大きな成果をあげなくても年功序列で給料が上がるから
組織としての法律や規則で動くのが絶対です。
個々のアイディアやスキルを発揮する場面が少ないのを不満に感じる方も多いでしょう。
6.体がもたないから
自衛官の業務や訓練が厳しくて、肉体的についていけないと辞めてしまう人もいます。
拘束時間が長いことに加えて、基礎体力の向上を目的とする訓練や模擬戦闘なども繰り返しおこなわれます。
慣れるまではとてもハードです。
身体が辛くなってしまうと精神的にも追い込まれ、仕事をしたくない気持ちになってしまいます。
7.将来に不安を感じるから
自衛官の仕事で、将来に不安を感じる方もいます。
理由は以下のとおりです。
- 個々の成長が感じられないこと
- 体制が古く、発展が遅いこと
- 年功序列なので、上司が辞めずに、上のポストが空かないこと
上司たちのポストがなかなかあかないので、このままでは出世の可能性が低いと、諦めて辞めてしまいます。
自衛官を辞めるための手順を一から解説
自衛官を辞めたいと思っている方へ、辞めるための手順をお伝えします。
民間の企業とは多少異なる点もありますので、しっかりと確認しておきましょう。
- 直属の上司へ退職の意思を伝える
- 部隊長との面談後、上申書類を作成する
- 退職の準備を進める
- 退職当日に挨拶と身分証の返却をする
民間企業のように退職届を出して終わりではありません。
手順を間違えないように注意しながら、お読みください。
1.直属の上司へ退職の意思を伝える
退職を決意したら、まずは直属の上司に時間をもらい、退職の意思を伝える面談の場を作ってください。
退職の意思を伝える際は、相談ではなく決意を明確にすることが大切です。
以下の3点を整理して臨みましょう。
- 辞める理由は何か
- 今どのような仕事・役割を担っているか
- 今後の決められている予定
退職の日付などは自分で決められないため、希望としては考えながらも、まずは面談で上司の同意を得る必要があります。
2.部隊長との面談後、上申書類を作成する
直属の上司の同意を得たら、さらに上の上司との面談です。
これを繰り返して、部隊長との面談が最後となります。
部隊長との面談時には、上申書類(退職届や退職者調書)を用意のうえ臨んでください。
その際に、転職先が決まっているのなら内定通知書も提出しましょう。
なぜなら防衛省と利害関係のある企業への転職は法律で禁止されているため、転職先を知らせる必要があるからです。
3.退職の準備を進める
上申書類を提出してから、最低でも30日は勤務しなければなりません。
この期間を使って以下を参考に準備を進めましょう。
- 支給品は全て返却したか
- 共済組合を解約したか
- 教範は破棄したか
以上を終わらせておけば、退職日当日におこなうことが最低限になり、周りに迷惑がかからないで済みます。
4.退職当日に挨拶と身分証の返却をする
退職日当日には、上司へ最後の挨拶と身分証の返却をする必要があります。
そのほか片付けなどが終わってないものがあれば、きちんと残り物がないようにしてください。
ここからが新しいキャリアへのスタートです。
「自衛隊を辞めたい…」辞める前に確認しておきたい規則とおすすめ転職先5選を紹介自衛官を辞めるときに起こりうる問題とその対処法
あなたが自衛官を辞めるときに起こるかもしれない問題とその対処法をお伝えします。
起こりうる問題は以下の3つです。
- 問題1:退職を引き止められる
- 問題2:任用一時金の返還
- 問題3:不安定な生活
問題の内容とその対処法を理解して、辞めたあとに「こんなはずじゃなかった」とならないようにしましょう。
問題1:退職を引き止められる
上司との面談では、必ず退職を引き止められると覚悟しておいたほうが良いでしょう。
なぜなら部下の退職が上司自身の評価に関わるからです。
せっかく決めたことも、心が揺らいでしまってはいけません。
以下の準備をして退職の面談に臨んでください。
- 退職に関する法律や規則を調べておく
- なぜ退職するのかを明確にしておく
- 退職すると固く決意する
あなたが固く決心さえしていれば、上司の言葉に心が揺らぐことはないでしょう。
問題2:任用一時金の返還
過去に支給された任用一時金を返還しなければならない場合があります。
それは、任用後の1年3ヶ月未満に退職した場合です。
返還する金額は任用からの期間により異なり、以下のとおりです。
- 任用から3ヶ月未満で退職の場合は、全額返還
- 3ヶ月から7ヶ月未満で退職の場合は、75%を返還
- 7ヶ月から11ヶ月未満で退職の場合は、50%を返還
- 11ヶ月から1年3ヶ月未満で退職の場合は、25%を返還
該当する場合は、返還金も用意しておく必要があるのを覚えておきましょう。
問題3:不安定な生活
今すぐにでも辞めたい自衛官の仕事ですが、実はたくさんの恩恵を受けているのも知っておくべきです。
例えば、
- 無料で住める宿舎
- 食事や衣服など生活用品の支給
- 医療費が無料
などがあげられます。
辞めるということはこれらの恩恵を受けれないことを今一度確認する必要があるでしょう。
また公務員の立場を退任するため、失業保険は受け取れないことも頭に入れておいてください。
今と比べると生活が不安定になってしまうので、必ず転職先が決まってから退職へ動き出すことをおすすめします。
自衛官を辞めるときの4つのポイント
自衛官の立場を今すぐに辞めたいと思っても、30日勤務しなければならない規則や、上司からの引き止めにより、なかなか辞められません。
ただその中でもスムーズに辞めるために知っておくべきことを以下の通りお伝えします。
- 民間企業へ行くなら、若いほうが有利
- 前向きな退職理由を考える
- 最初は待遇にこだわりすぎない
- 事前に情報収集をする
以下のポイントを押さえれば、問題を起こすことなく、スムーズに辞められるでしょう。
1.民間企業へ行くなら、若いほうが有利
自衛官を辞めようかなと迷っているのなら、転職するなら早いほうが有利である、ことを知っておくべきです。
理由は以下のとおり。
- 若ければ、経験を問われず、人柄やコミュニケーション力で採用される可能性があるから
- 失敗しても次の行き先が探しやすいから
- 対象となる求人数が圧倒的に多いから
若ければ若いほど、選択肢や採用の確率、失敗のリスクのすべてにおいて有利になります。
辞めることを決意しているのであれば、できるだけ若いうちに動き出すのが良いでしょう。
2.前向きな退職理由を考える
嘘をついて退職することはよくありませんが、全て正直に不平・不満を伝えるのもおすすめの方法ではありません。
なぜならネガティブな理由で辞められると、上司の立場が悪くなってしまうからです。
上司の立場が悪くなれば、あなたを退職させないよう強く反対される可能性があります。
結果として退職するまでに時間がかかり、転職先が決まっているのであれば、転職先に迷惑をかけてしまうかもしれません。
退職の理由はできるだけ、誰も傷つけない前向きなものにするのがおすすめです。
3.最初は待遇にこだわりすぎない
もし転職先を探しているのなら、最初は待遇にこだわりすぎない方が良いでしょう。
なぜなら未経験での転職はそもそも求人が多いわけではないからです。
待遇にこだわりすぎてしまうと、選択肢が狭まり、なかなか見つからない可能性があります。
まずはキャリアアップの第一歩と考えて、待遇にこだわりすぎず会社選びをしてください。
4.事前に情報収集をする
自衛官を辞めることを決心しているのであれば、まずは早めに情報収集を始めましょう。
転職先を探すのであれば、以下の情報を整理して書き出しておくことをおすすめします。
- 自分の強みや経験を分析する
- 転職や人生の目標を決める
- やりたいことは何か
- 行きたい業界はどこか
今の自分にできることや将来向かうべき方向を明確にしたうえで転職先を探しましょう。
なぜならむやみやたらと転職をしてしまうと、キャリアを傷つけ、その後のキャリアップが難しなっていくからです。
現時点の考えで構いませんので、明確な自己分析のうえ、的確な転職先を探すようにしてください。
自衛官を辞めて民間企業へ|未経験でもOKなおすすめの業界5選
「自衛官を辞めたい」と考えている方から、「自衛官を辞める」と固く決意された方までに向けて、おすすめの業界をご紹介していきます。
収入や将来性などを考えて、未経験でも転職できる業界を5つピックアップしました。
- 不動産業
- 土木業
- 製造業
- 福祉業
- IT業
転職先の業界はあなた自身の考えや目標によって選ぶべきです。
以下を参考にして、お考えに合うものを探してください。
1.不動産業
不動産業は、土地や建物の売買・賃貸を仲介する仕事です。
未経験でも、人柄やコミュニケーション、体力に自信がある方は成功できる確率が高いです。
成果を出せば、勤務年数に関わらず、収入もアップします。
営業として優秀な人も集まっているので、自己成長にも繋がるでしょう。
コミュニケーションに自信があり、未経験でもある程度の収入を確保したいのなら、不動産業はおすすめの業界です。
2.土木業
土木業も、未経験で転職ができるおすすめの業界です。
ほかの仕事と比べると体力的にキツイと言われていますが、自衛官で培った体力をもってすれば、難なくできるはず。
国や自治体から発注される仕事もあるので、安定した収入を得られるのがメリットです。
若手不足で困っている土木業であれば、未経験でも充分に会社を選べます。
キャリアップの第一歩として、土木業もおすすめです。
3.製造業
製造業の中でも、工場勤務などの仕事であれば40代でも未経験で転職可能です。
自衛官で培った体力があれば、採用してくれる可能性は高いでしょう。
勤め上げれば、専門的な技術や製造系の資格も取得できるほどの知識を得られます。
ものづくりが好き、安定した収入を得たいという方におすすめの業界です。
4.福祉業
福祉業は、これからも需要が拡大していく、未経験でも転職できる業界です。
福祉業に必要なスキルや性格は以下のとおりです。
- 体力に自信がある
- 人の役に立つことで喜びを感じる
- コミュニケーション力が高い
自分でノウハウを身につければ、自分が経営者となり、施設を運営することも考えられます。
社会貢献をしながら、安定した収入を得ていきたいのなら、これからも伸び続ける福祉業をおすすめします。
5.IT業
実はIT業界も、未経験者にチャンスが多い業界の一つです。
なぜなら、深刻な人手不足により、未経験者を育てる環境が整っているからです。
一度スキルさえ身につければ、好きな業界をエンジニアやプログラマーとして支えられます。
パソコンを触ったり、新しく学ぶのが好きな方には、おすすめできる業界です。
まとめ:自衛官を辞めるのであれば、リスクも正しく理解しておくべき
本記事では、自衛官を辞めたい方へ向けて、自衛官を辞めるべき理由やその手順をお伝えしてきました。
- 自衛官を辞めたい理由は、古い体制が原因となっていることが多い
- 自衛官を辞めるのにはリスクがあることも理解すべき
- 自衛官を辞めて転職するなら、若いうちが有利である
もし自衛官を辞めたいと考えているのであれば、今受けている恩恵もきちんと理解しましょう。
その恩恵がなくなることを把握したうえでも、辞めたいですか?
もし辞めたいのであれば、すぐにでも転職先を探して、有利なうちに動き出しましょう。
自衛官で頑張ってきた方なら、新たな業界でも必ず成功できます。