機械設計エンジニアとは。仕事やスキル、おすすめの資格について徹底解説
「機械設計エンジニアはどんな仕事をするのかな」
「年収や必要なスキル、やりがいが知りたい」
と思うことはありませんか?
機械設計エンジニアの名前を聞いても、実際の仕事内容については具体的には分かりませんよね。
では、機械設計エンジニアは実際にどのような業務をおこなっているのでしょうか?
そこで今回は、
- 機械設計エンジニアの仕事内容・年収
- 必要なスキルやおすすめの資格
- 機械設計エンジニアのやりがい・厳しさ
について詳しく解説します。
この記事を読めば、機械設計エンジニアについて具体的にわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
機械設計エンジニアの仕事内容
機械設計エンジニアは、機械が動くメカニズムや仕組みの設計をおこなう仕事です。
私たちが当たり前に使っている、スマートフォンやコンピューター、家電製品だけでなく、自動車や航空費なども機械にも関わっている業種になります。
具体的には、仕事は下記の4つに分類されています。
- 機械のコンセプトを考える「概念設計」
- 設計図を書き、解析やシミュレーションで検証をおこなう「基本設計」
- 概念設計と基本設計のすり合わせや細かい修正をする「詳細設計」
- 詳細設計後、量産を実行するための設計図を作成する「生産設計」
つまり、機械設計エンジニアは、ものづくりに関する設計をおこなう重要な技術者なのです。
機械設計エンジニアの年収
機械設計エンジニアの年収は、約450万〜約550万円と言われています。
大手企業や中小企業によって、ボーナスの額が大きく変わる事例も挙げられます。
スキルを培うことでキャリアアップも可能な職業のため、努力と収入が比例する業種です。
機械系エンジニアに必要なスキル7つとは?仕事内容から年収や資格についても解説機械設計エンジニアに必要な3つのスキル
ここでは、機械設計エンジニアが求められる知識や技術について解説していきます。
-
新しいアイデアを生み出す力
- 四力学に関する知識
- コミュニケーション能力
どのようなスキルがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
1.新しいアイデアを生み出す力
機械設計エンジニアに必要なスキルとして、発想力や想像力があります。
新商品を考える際に、すでに存在する技術で考えるのではなく、新しい設計を考えることが常に求められるからです。
そのため、
- 業界の動向
- 最新技術の情報
- 流行のトレンド
など、幅広い情報量をインプットして、想像力を伸ばすことが重要。
このように常に学びながら、アイデアを生まなければいけないため、機械設計エンジニアには発想力・想像力が大切なのです。
2.四力学に関する知識
複雑な設計をおこなうために必要なのは、四力学に関するスキルです。
なぜかというと、機械工学に関連する基礎知識として必要不可欠だから。
具体的に必要な基礎知識として、
- 機械の動作に関する力を理解する「機械力学」
- 構造の各部分で発生する内側の力を解析して証明する「材料力学」
- 流体の動きを論理的に分析する「流体力学」
- 熱が力学的な仕事に携わる「熱力学」
といった、四力学を身につけましょう。
基礎知識を習得しておくことで、機械設計エンジニアの仕事を柔軟におこなえます。
3.コミュニケーション能力
機械設計エンジニアに求められるスキルとして、人と円滑な会話ができるコミュニケーション能力が挙げられます。
その理由は、ひとつの商品を作るために、多くの人たちと協力しながら取り組まなければいけないからです。
例えば、報告・連絡・相談が少しでも遅れてしまうと、納期が守れないアクシデントが発生することも。
このようなミスを防ぐためにも、円滑に業務をおこなえるコミュニケーション能力は必須です。
仕事上のコミュニケーション上手とは!求められる3つの能力や10個の改善方法を紹介機械設計エンジニアにおすすめの資格
機械設計エンジニアになるためには、資格は必ず必要というわけではありません。
なぜなら、現場での経験がエンジニアの業界では重要視されるからです。
しかし、今後キャリアアップや独立を考えている方には、資格がスキルの証明となるため、おすすめでしょう。
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機械設計技術者試験
- CAD利用技術者試験
ここでは、機械設計エンジニアの知識や技術の証明ができる、おすすめの資格について紹介していきます。
1.機械設計技術者試験
機械設計エンジニアにおすすめの資格として、機械設計技術者試験が挙げられます。
「日本の機械産業の発展に貢献する」といった目的で、技術者のスキルや社会的地位を上げることも目標としているから。
機械設計技術者試験では、3種類に難易度が振り分けられており、マークシート方式や記述式で約4時間以上おこなわれます。
資格を取得することで、就職や転職に有利になるため、自分のレベル感に合わせて勉学に励んでみるのもおすすめです。
試験の種類 | 実務経験の有無 | 出題範囲 |
---|---|---|
機械設計技術者試験3級 | とくになし |
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機械設計技術者試験2級 |
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機械設計技術者試験1級 |
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2.CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、機械設計エンジニアにおすすめの資格です。
なぜなら、製図ソフトと言われるCAD(Computer Aided Design)を使いこなせる証明となる試験だから。
具体的には、
- 建築
- 機械
- 土木
- 電気業界
- アパレルメーカー
といった、幅広い企業がCADシステムを活用しているので、需要は高いです。
「3次元CAD利用技術者試験」と「2次元CAD利用技術者試験」の2種類が存在するため、将来どのような設計をしたいか考えた上で選ぶと良いでしょう。
試験の種類 | 試験の時間 | 受講資格 | 試験内容 |
---|---|---|---|
2次元CAD利用技術者試験基礎 | 50分 | とくになし |
|
2次元CAD利用技術者試験2級 | 60分 | とくになし |
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2次元CAD利用技術者試験1級(建築) | 80分 | CADシステムを利用し、1年以上の実務経験・就学経験を持っている人 |
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2次元CAD利用技術者試験1級(機械) | 80分 | CADシステムを利用し、1年以上の実務経験・就学経験を持っている人 |
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2次元CAD利用技術者試験1級(トレース) | 80分 | CADシステムを利用し、1年以上の実務経験・就学経験を持っている人 |
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3次元CAD利用技術者試験2級 | 60分 | とくになし |
|
3次元CAD利用技術者試験準1級 | 120分 | 3次元CAD利用技術者試験2級の合格 |
|
3次元CAD利用技術者試験1級 | 120分 | 3次元CAD利用技術者試験2級の合格 |
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機械設計エンジニアのやりがい
ここでは、機械設計エンジニアの仕事の楽しさについて解説していきます。
- ものづくりに一から取り組める
- 自分の仕事に自信が持てる
どのようなやりがいを得られるのか、順番に解説していきます。
1.ものづくりに一から取り組める
機械設計エンジニアのやりがいは、ものづくりに最初から関われることです。
その理由は、ひとつの製品に対して一から携われることで、大きな達成感を得られるから。
ものづくりに一から関わることは大変な業務ではありますが、やり遂げたことによって自身の成長に繋がります。
このようなことから、機械設計エンジニアの仕事は楽しいと感じるでしょう。
2.自分の仕事に自信が持てる
機械設計エンジニアの仕事の楽しさは、自分が取り組んでいる業務に自信が持てることです。
なぜなら、設計した製品が世に出回ることで、社会貢献できたと実感できるから。
自分が取り組んだ製品が、多くの人に役立つことによって、喜びを感じるケースは多いでしょう。
仕事に自信が持てることによって、さらなる技術の向上や仕事に対して前向きな考えで取り組めます。
機械設計エンジニアの厳しさ3選
ここでは、機械設計エンジニアの仕事の大変さについて、紹介していきます。
- 社内環境に左右される事例がある
- 安全面への高い意識が重要
- 納期に追われる
実際の現場は、どのような大変なことが待ち受けているのか、確認していきましょう。
1.社内環境に左右される事例がある
機械設計エンジニアの厳しさとして、職場の環境で業務が楽しめるかに関係することです。
なぜかというと、チームで業務をおこなうため、メンバーの能力値やコミュニケーションが重要になるから。
例えば、1人だけ仕事が遅い方や報告ができない人がいると、仕事の進捗に大きく影響します。
ですので、職場の人間関係や社員のスキルによって、スムーズに業務がおこなえるのか変わってしまうでしょう。
2.安全面への高い意識が重要
仕事の厳しさとして、責任感を強く持たなければいけないことです。
設計をひとつミスしてしまうことで、大きな問題のきっかけになってしまう事例があります。
具体的には、下記のトラブルが挙げられます。
- 納品が遅れて、クライアントの信頼に関わる
- 材料が足りない、余り過ぎてしまう問題が発生する
- 製品の量産完了後にミスが発覚し、撤退作業をせざる得なくなる
このような問題を避けるために、常に安全面を確認することが求められるので大変な業務になります。
3.納期に追われる
機械設計エンジニアの大変さとして、締め切りに追われやすいことです。
機械の設計は、確認と安全面を重要視しなければいけません。
慎重な検証と改善が求められるので、納期を守るために残業をしたり、持ち帰って仕事をしたりするケースもあります。
そのため、機械設計エンジニアの厳しさとして、納期に追われることです。
「仕事を辞めたい…」ストレスで限界がきたときの7つの症状や対処法を解説機械設計エンジニアに関するよくある3つの質問
ここでは、機械設計エンジニアに関連する質問について、解説していきます。
- 機械設計エンジニアの需要は高まっているのか
- 未経験から機械設計エンジニアになる方法とは
- 機械設計の仕事はグローバルに活躍できるのか
気になる質問がないか、見ていきましょう。
1.機械設計エンジニアの需要は高まっているのか
機械設計エンジニアの将来性や需要は、今後も高いと言われています。
なぜかというと、機械設計エンジニアによる社会的貢献が今後も期待されているからです。
インターネットに関連するIoT(Internet of Things)の分野が発展していることから、
- 自動車
- 医療機器
- 家電製品
など、生活に欠かせないものが大きく影響されると予測されています。
ですので、機械設計エンジニアとしての知識や技術をしっかり身につけることで、年収アップも期待できるでしょう。
2.未経験から機械設計エンジニアになる方法とは
機械設計エンジニアは、未経験や初心者はハードルが高いと挙げられます。
その理由は、大学や専門学校で知識を習得した上で、専門性の高い仕事をおこなう仕事だからです。
しかし、近年ではIT人材不足により、エンジニア経験がある方は未経験でも採用されるケースはあります。
- 面接の際に、エンジニアとしてどのような結果を出したのか
- 機械設計を学習する際に、どんな努力をしてきたか
など、自身の経験をまとめ、足りない知識を習得することで機械設計エンジニアになれる道を切り拓けるでしょう。
3.機械設計の仕事はグローバルに活躍できるのか
最新の整備や技術が揃っている外資系企業に転職後、機械設計エンジニアとして世界的に活躍することは可能です。
ですが、日本の働き方と海外の働き方は違う点があるので気をつけましょう。
なぜなら海外の企業は、自由な働き方ができる分、結果と積極性が求められるからです。
成果が出せない場合は、以下のような可能性も0ではありません。
- 減収
- 降格
- 最悪の場合、解雇
そのため、外資系企業の働き方を熟知した上で、グローバルに活躍したエンジニアになりたいのか考えると良いでしょう。
まとめ:機械設計エンジニアの今後の将来性は高い
本記事では、機械設計エンジニアの仕事内容や必要なスキル、やりがいについて解説しました。
- 機械設計エンジニアは、仕組みの設計を考える重要な仕事をしている
- 知識だけでなく発想力や、コミュニケーション能力が必須
- 社会的貢献ができる仕事のため、達成感や充実感が大きい
機械設計エンジニアによる、社会的な問題解決を多くの方から期待されているため、需要が高い仕事です。
安全面への高い意識や納品厳守が重要になりますが、やりがいも大きい仕事でしょう。