【意外にホワイト?】IT業界の離職率の実体を紹介
IT業界は終電まで働かないといけない、休みがなかなか取れないなど、ブラックなイメージがある業界です。
しかし業界全体では離職率はそれほど高くなく、むしろ低い方という結果もあります。
今回はIT業界は本当にブラックな業界なのか、またIT業界で働く人はどのような働き方をしているのかといったことをお伝えしていきます。
IT業界の離職率は低い
IT業界は仕事が長時間におよび、休みも取りにくいブラック企業が多いようなイメージも一部で存在します。
しかし、IT業界全体がブラックというわけではありません。
以下のグラフを見てください。
厚生労働省の雇用動向調査の産業別入職と離職のグラフを参考にしてみると、IT業界つまり情報通信業の離職率は11.8%となっています。
11%という離職率が高いか低いかというのは、さまざまな基準によって変わるので一概には言い切れませんが、他の産業、例えば飲食業が離職率27%であること、一番低い離職率が9.2%であることを考えるとそれほど高いほうの数値ではないと言えます。
つまりIT業界は、イメージほど離職率は高くないのです。
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IT業界の離職率が高いと思われてしまう3つの理由
上記で説明したようにIT業界の離職率は、他業種に比べてそれほど高くありません。
ではなぜ、離職率が高いと思われてしまうのでしょうか。
この項目では、IT業界の離職率が高いと思われてしまう3つの理由を解説します。
- IT業界は「ピラミッド構造」の業界だから
- スキルが身に付くと他の仕事を見つけやすくなるから
- 仕事内容によって勤務時間がそれぞれだから
❶IT業界は「ピラミッド構造」の業界だから
IT業界は、大手企業が下請け企業に業務を委託していく「ピラミッド構造」になっています。
例えば大手企業が仕事を受注した場合、自分のところでは大元の指示書だけを作り他の作業は下請けの企業に任せることがあります。
下請けに仕事を委託する際、利益を十分確保したうえで業務を委託します。
そのため、下請け企業になるほど賃金が低くなってしまいます。
3次請け以降の会社が実際の開発業務を行うことが多いので、
- 仕事内容が限られておりキャリアアップを図りずらい
- 給料が低いのに、業務が多い
といったような不満を抱える人が多いです。
下請け企業で働いている人は、より良い待遇を求めて大手企業へ転職するということが一般的です。
そのため、ある程度の離職率があることは業界構造的に当たり前な事といえるでしょう。
❷スキルが身に付くと他の仕事を見つけやすくなるから
IT企業では、プログラミングやWebマーケティングといった特殊なスキルが身に付きます。
これらのスキルは、誰でも持っているわけではないので他の業種・業界でも即戦力として使えるものです。
そのため、転職先が見つかりやすくなります。
スキルが身に付いたら、他の会社に転職する人ももちろん多いですが、個人でフリーランスとして独立する人もいます。
自分の次のステップに移る方がたくさんいると捉えてもらえればいいと思います。
❸仕事内容によって勤務時間がそれぞれだから
IT業界の仕事内容は多岐に渡っており、仕事内容によって勤務時間も左右されます。
システム開発を担当する下請け会社は、クライアントの急な要請や変更に対応しなければならないため、納期付近になるとかなり忙しくなる傾向があります。
またインフラエンジニアなどの設備に関わるエンジニアは、夜勤のシフトを組む会社もあります。
納期付近の不規則な労働時間や夜勤シフトがあることから、きつい仕事というイメージが生まれ、離職率も高いと思われている原因になっています。
IT業界には、様々な職種があり仕事内容もばらばらです。
以下の見出しでは、IT業界の職種について詳しく見ていきます。
離職率よりも知っておきたい!IT業界にはこんな職種がある
上記で説明したように、IT業界にはさまざまな職種があります。
以下では、IT業界の主な職種について紹介していきます。
❶ITコンサルタント
企業や官公庁などのシステムインフラの問題解決方法を提案し、実現します。
クライアントの課題を分析し、問題点を報告することで、クライアントの業績をアップさせていく仕事です。
課題の解決のために多くの知識や経験が必要とされ、労働時間が長くなることもあります。
しかしクライアントの課題解決を通じて、相手の話を聞く力・プレゼン能力といったビジネスマンとして必要な素養を身につけられるため、自分の市場価値を高めることが出来ます。
収入はかなり高収入が得られ、トップコンサルになると平均年収が1000万円を超えます。
❷Webディレクター・プロデューサー
Webサイトやシステムを構築するプロジェクトの進行するのが主な仕事です。
スタッフやスケジュールを調整したり、予算を組んだり、サイトのコンセプトを決定したり、プロジェクトの上流工程を担当します。
年収の平均レンジは400万~800万円と幅があり、個人差や務める企業によっても変わってきます。
自分が担当するプロジェクト次第で仕事内容や忙しさは変わりますが、帰宅時間が遅くなったり長時間労働になる時もあります。
❸システムエンジニア・プログラマー
実際にプログラミングをしたり、設計書を書いたりするのが主な仕事です。
SIerなど企業の業務システムを中心に作っている会社の場合は、システムエンジニアは主にドキュメントを作ったり設計書を書いたりしていますが、Web系のシステムを作っている企業の場合は、ドキュメント作成、設計、プログラミングなどすべての工程に携わることが多いです。
仕事の内容は勤務する企業や業種によっても異なりますが、大手SIerのシステムエンジニアが一番年収が高く、安定しています。
また、自分が関わるプロジェクトの大きさによって忙しさは変わってきます。
規模の大きなプロジェクトになればなるほど、激務になるようです。
一方でWeb系のシステムエンジニアは大手のSIerに比べて年収は低い傾向がありますが、最新の技術を使うことも多いので最新技術を習得できる機会も多く、また広い範囲の仕事を自分の裁量で行えるので、幅広いキャリアが積めるという利点があります。
❹Webデザイナー
Webサイトやスマホやタブレットのアプリのデザインを行います。
デザインだけで仕事をしているWebデザイナーは少なく、多くの場合HTMLやCSS、JavaScriptといったマークアップ言語やプログラミング言語を使って仕事をします。
年収は上記であげた職種に比べて低く、平均年収は300万~400万ほどです。
デザインだけでなくプログラミングの領域もカバーしているフルスタックプレイヤーが近年需要が高まっており、デザイナーの求められる役割が多様化しています。
最新の技術に触れることができ、任される範囲の仕事が広いので、キャリアアップはしやすい職種です。
一般的には激務と言われている職業ですが、自社のWebサイト等のデザインを手掛けるインハウスデザイナーやフリーランスとして働くことが出来れば比較的ワークライフバランスが良いようです。
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離職率にも大きく関わる!IT業界の働き方の特徴
IT業界はほかの業種とは異なる働き方の特徴があります。
以下にIT業界の特徴的な働き方をあげていきます。
終身雇用はほとんどない
IT業界で働くとキャリアアップをするために転職をするということが多くあります。
ひとつの企業で得られるキャリアが限定的な場合、そのまま同じ会社にいつづけるといつまでも新しいキャリアが形成できません。
IT業界の場合、特に技術系の職種の場合、スキルが積みあがっていかないと新しい仕事を獲得していくことが難しくなります。
漫然と同じ環境でぬるま湯につかったまま仕事をしていると、数年後市場価値がない人材になってしまう可能性もあり得ます。
IT業界で働く人で終身雇用を意識している人は、金融業や製造業などに比べて著しく低い傾向があります。
フリーランスという選択もできる
IT業界は自分でキャリアを積み、スキルや仕事を獲得していく業界です。
蓄積されたスキルは自分に帰属していくので、実力さえあれば会社を離れても仕事を獲得し続けることができます。
優秀な実績とキャリアがあれば、サラリーマン時代以上の年収を稼ぐことも難しいことではありません。
また子育てをしながら在宅で働くという選択も可能で、在宅勤務をしたい場合にもIT業界で培ったキャリアは役立ちます。
IT業界に向いているタイプとは?
IT業界にも残業代を支払わない、残業時間が月100時間超というブラック企業が存在するのも確かです。
しかしほとんどの企業では残業代もきちんと出ますし、近年は働き方改革の一環で残業時間も減少している企業がほとんどです。
ブラック企業を避けて通れば、給与水準は比較的高めなうえ、独立可能なスキルも身に着きます。
IT業界は新しい技術がどんどん生まれて、そして消えていきます。
技術の流れがはやいので、IT業界で仕事を獲得し続けるには勉強し続ける姿勢が欠かせません。
IT業界に向いているタイプは以下のようなタイプです。
- 真面目にコツコツと仕事ができる
- 新しいサービスや技術に興味があり勉強する姿勢がある
- 独立してもやっていけるスキルを身につけたい
- モノを作り上げていくのが好き
ものづくりが好きで、コツコツと仕事をし、新しい技術に触れるのが好きというタイプがIT業界には向いているでしょう。
まとめ:IT業界の離職率は高くない。転職も視野に!
今回「DMM WEBCAMP MEDIA」では、IT業界の離職率やIT業界の働きかたなどについてお伝えしてきました。
IT業界全体の離職率は約10%と、それほど高いものではありません。
多くの企業では残業代もきちんと出ますし、働きすぎないよう労働時間も調整されます。
IT業界はたしかに技術の移り変わりが速く常に勉強をし続ける必要があるうえ、サービスをリリースする時期には労働時間が長くなることもあります。
しかしものづくりが好き、新しい技術に触るのが好きといったIT業界に適性がある人であれば、それほど苦痛に感じないかもしれません。