ITスペシャリストの仕事内容は?向いている人の特徴やおすすめの資格10選を紹介

公開日: 2022.12.13
更新日: 2024.01.03
ITスペシャリストの仕事内容は?

「ITスペシャリストの仕事内容を知りたい」
「どのような人が向いているのだろう」

と思うことはありませんか?

ITスペシャリストに興味があっても、具体的な内容が分からず迷ってしまいますよね。

では、ITスペシャリストはどんな仕事をするのでしょうか?

そこで今回は、

  • ITスペシャリストの仕事内容・向いている人の特徴
  • ITスペシャリストになりたい人向けの資格
  • ITスペシャリストになるメリット・デメリット

について詳しく解説します。

この記事を読めば、ITスペシャリストの仕事内容を把握でき、どんな資格取得を目指せばいいのかわかります

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ITスペシャリストとは

ITスペシャリストの男性

ITスペシャリストとは、現代のビジネスの成功にかかせない存在といえます。

ITと特定の専門分野について、高い専門知識やスキルをもつ人材のことを指すからです。

ITスペシャリストについて、経済産業省がつくった指標(ITSS)によると以下のように書かれています。

  • ITスペシャリストの専門分野は6つに分類
  • それぞれのレベルは最大7段階
  • いずれかひとつの分野で、レベル3(要求された作業をすべて遂行できる)以上のスキルをもつ人をITスペシャリストと定義

つまりITスペシャリストとは、ある分野において一定以上のスキルをもち、プロジェクトをひっぱる存在、サポートする存在といえるでしょう。

ITスペシャリストに向いている人

ITスペシャリストに向いている男性

ひとつの分野を深くまで追求できる性格の人に向いています。

ITスペシャリストには、専門的なスキルを発揮することや、さらに高いレベルを目指していけることが求められるからです。

具体的には、

  • 興味のある分野に集中する能力
  • 興味のある分野を掘り下げて理解しようとする好奇心
  • キャリアアップへの意欲

などの素質をもっている人が向いているでしょう。

必要なスキルを身につけるための集中力・実案件に応用するための努力を続けられる人こそが、ITスペシャリストとして成功できるのです。

ITスペシャリストとITゼネラリストの違い

ITスペシャリストを解説する女性

ITスペシャリストとITゼネラリストはよく対比の意味で使われますが、どちらも企業にとって必要不可欠な存在といえます。

担当する分野の範囲と、その分野に対する知識の深さが異なるからです。

簡単にいうと、以下のようなイメージです。

  • ITスペシャリスト:ある分野の専門家
  • ITゼネラリスト:全体像を理解する総合的な専門家

ITスペシャリストはプロジェクトを成功に導くために必要な深い専門知識をもっているのに対し、ITゼネラリストは全体像を把握し指示する役割があります。

お互いが作用しあうことでプロジェクトが効率的に進むのです。

ITスペシャリストの専門分野

ITスペシャリストの専門分野

ITスペシャリストの専門分野は6つに分類されています。

ここでは、その言葉の意味や仕事内容を紹介します。

  1. プラットフォーム
  2. データベース
  3. システム管理
  4. ネットワーク
  5. アプリケーション共通基盤
  6. セキュリティ

それではひとつずつ見ていきましょう。

1.プラットフォーム

プラットフォームとは、ソフトウェアやシステムなどの開発・運営に使われる土台(基盤)のことです。

プラットフォームスペシャリストとは、システムが正しく動作するように設計・構築をする、高度な技術をもった人材のことをいいます。

具体的には、以下のような仕事があります。

  • クライアントに求められているプラットフォームの選定
  • プラットフォームの設計、構築、テスト
  • 構築後の適切な管理・障害対応

このようにソフトウェアやシステムの基盤を実現するのがプラットフォームのスペシャリストの役割です。

2.データベース

データベースとは、集積された大量のデータを、再利用しやすいように整理したものを言います。

高品質なデータベースを設計・構築・運用するのがスペシャリストの仕事です。

ビッグデータやAIが話題になっている現代において、データベースのスペシャリストの需要は今後さらに増えるでしょう。

大規模なデータベースを構築し、運用する能力は、企業にとって貴重な存在といえます。

3.システム管理

システム管理とは企業のシステムを安全・効率的に利用するために管理することです。

システム管理のスペシャリストは、システムの運用からセキュリティ管理まで担当します。

社内のセキュリティを守るだけでなく、社員のITリテラシーを教育することも大切な役目のひとつです。

社内のヘルプデスクという立ち位置でもあるので、知識だけでなく経験も重要視されます。

4.ネットワーク

ネットワークのスペシャリストは、ネットワークを構成する要件定義から障害がおきたときの対応まで担当します。

安全な通信環境を、確実に構築・維持するという重要な役割があるからです。

具体的には、下記のような内容です。

  • ネットワークの要件定義
  • ネットワークの設定・構築・テスト
  • ネットワークの運用・保守
  • 障害回避手段の設計、構築・導入

快適で安全な通信環境が欠かせない今、その仕事の重要性は日々高まってます。

5.アプリケーション共通基盤

アプリケーション基盤とは、アプリケーションを開発する際の土台のことです。

アプリケーション共通基盤のスペシャリストは、開発するシステムの特徴を理解した上で、そのシステムに適したフレームワークやソフトウェアを選定します。

そうすることで以下のようなことが可能になります。

  • 開発にかかる工数・予算削減
  • 効率的な運用
  • 不具合が生じたときの原因の特定

アプリケーション基盤を共通化することによって快適な運用環境だけでなく、保守性も高めていけるのです。

6.セキュリティ

セキュリティ分野のスペシャリストは、情報が外部に流出しないようなセキュリティ機能の開発をおこないます。

企業が保有する機密情報が流出してしまうと大損害につながるからです。

  • セキュリティシステムの設計・構築・運用
  • セキュリティ機器の設置
  • 不正アクセスなどの調査・対応

セキュリティ対策は非常に重要なので、常に新しい技術、知識を身につけている人が求められます。

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ITスペシャリストになるためにおすすめの資格10選

ITスペシャリストの資格の勉強をする男性

それでは、ITスペシャリストを目指す人におすすめの資格10選を紹介します。

いずれも、自分のスキルレベルを証明するために役立つ資格です。

それでは詳しく見ていきましょう。

1.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOSとは、オフィスソフトであるWordやExcelなどを扱えることを証明する資格です。

グローバル企業であるマイクロソフト社の認定資格なので、パソコンスキルを証明する数多くの資格の中でも人気があります。

とくに業務上でWordやExcelを使うことの多い事務や販売職の方は、とっておいて損はないでしょう。

試験はほぼ毎月開催されているので、気軽に受講できるのもメリットです。

2.ITパスポート試験

ITパスポートとは情報処理技術者試験の資格であり、IT系では代表的で人気の国家資格です。

出題範囲は広いですが、情報処理技術者試験の中では難易度は低いため、独学の勉強だけで取得する人がほとんどです。

令和3年時点で、総応募者数が100万人を超え、IT人材の需要が高まると同時に、今後も人気は年々上昇していくでしょう。

転職の際に履歴書に記載することもでき、転職に有利にはたらくことも多いです。

3.情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、組織の情報セキュリティにおける、基本的なスキルを認定する国家試験です。

ITの国家資格の中でも比較的簡単な試験のため、IT業界が未経験の方でも取得は可能でしょう。

試験はCBT方式で、マウスやキーボードを使ってパソコンの画面で回答をしていくスタイルです。

AI・機械学習の発展をはじめ、今後も拡大しつづける情報化社会においてはさらに重要度が高まっていくスキルだといえます。

4.基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、デジタル人材の登竜門と呼ばれています。

試験内容は、

  • プログラミング
  • コンピュータのアルゴリズム
  • 開発技術

など多岐に渡るため、独学で合格する場合には150時間〜200時間ほどの勉強時間が必要になるでしょう。

アドバイスをもらいながら担当業務ができるレベルが認定基準となります。

試験はCBT方式でおこなわれているため、通年受験できます。

5.応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、高度なIT人材となるために、必要な応用的知識や技能をもっていることを証明する試験です。

合格率は20%前後と決して高くない水準のため、通学講座を受けながら受験する人も多いです。

出題範囲が広かったり、記述式で回答する設問があったりするため、難易度が高いといわれています。

現役エンジニアやプログラマーでも、短い学習期間で合格することは難しいでしょう。

6.ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、高度IT人材として専門的な知識をもち、企業の経営戦略やビジネスモデルの策定・提案・推進する能力を認定するための試験です。

試験の内容が組織経営のレベルになっているため、エンジニアやプログラマーというより、コンサルタントや企業の経営企画担当者向けの資格だといえるでしょう。

IT関連の国家試験において最難関ともいわれており、合格率は15%ほどとなっています。

資格としての知名度も高く、IT人材としてのキャリア形成や転職にプラスになることは間違いないでしょう。

7.システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験において高度区分試験に分類され、難易度が高い国家試験です。

システムアーキテクトとは、システムを作る際の要件定義や基本設計をする設計者のこと。

企業の情報戦略を基にしたシステム設計ができることを求められるため、合格率は12%〜15%ほどと低い傾向にあります。

取得すれば超上流工程のシステム開発に携われる可能性があるため、エンジニア・プログラマーのキャリアアップとして受ける人が多いです。

8.プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、高度IT人材として専門分野を持ったプロジェクトマネージャーを認定するための試験です。

情報処理技術者試験の中で高度区分試験に分類されているため、難易度はかなり高いといえるでしょう。

具体的には、

  • 予算管理
  • スケジュール管理
  • 品質管理

などに関する高レベルの知識の習得が必要です。

また受験資格としてプロジェクトマネージャーとしての経験は問われないため、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを目指す場合にはおすすめの試験です。

9.ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、エンジニアとして高みを目指したい方におすすめの試験です。

なぜなら、エンジニアとしての専門知識を持ち、高度なシステムの要件定義や構築、運用などの中心的な役割を担えるエンジニアを認定するための試験だから。

合格率は14%ほどと狭き門になっており、本気で取得を目指すのであれば資格取得の専門スクールに通うのも手でしょう。

10.データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、会社組織の中でビッグデータを管理している人や、データ管理者などにおすすめの試験になっています。

その理由は、データベースの企画や要件定義、開発、データベースの管理や運用に関して、一定以上のスキルを持った人材であることを認定する試験だからです。

こちらも合格率は14%ほどと高難度で、受験者も中堅以上のエンジニアが大多数を占めています。

独学で合格するには実務をしながら半年〜1年ほどの学習期間が必要になってきますが、データを扱う職種であれば取っておくとキャリアにおいて強い武器になるのは間違いないでしょう。

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ITスペシャリストになる4つのメリット

ITスペシャリストのメリットを説明する男性

ITスペシャリストになると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではITスペシャリストに共通するメリットを4つ挙げました。

  1. 高年収を狙える
  2. 就職・転職に有利になる
  3. 達成感を得られる
  4. 上流工程を担当できる可能性が上がる

それぞれ詳しい理由をみていきましょう。

1.高年収を狙える

ITスペシャリストの平均年収は540~560万円で、スキル次第ではもっと高い年収を得られる可能性もあります。

求められるスキルが非常に高いため、その分収入も高額になりやすいのです。

収入があがりやすい理由は、ほかにも挙げられます。

  • 会社にとっても替えのきかない大事な人材であるから
  • 資格の合格報酬・資格手当が支給される場合があるから

実務経験を積めば、フリーランスとして活躍することも期待できるので、さらに高い収入を狙えるでしょう。

2.就職・転職に有利になる

ITスペシャリストは、就職・転職の際に役立つ資格といえます。

高度な専門知識・スキルがあることを証明できるからです。

自分の保有する知識・スキルのレベル感が明確なほど採用されやすいですし、専門性が高いこともアピールポイントになります。

ITスペシャリストになれるほどの高い技術力があれば、転職先に困ることは少ないでしょう。

3.達成感を得られる

ITスペシャリストとしての責任は重大なものですが、その分達成感も大きいです。

その道の専門家としてプロジェクトに携わっているからです。

培ってきた知識が、社内だけでなく世の中全体の役に立つという事実は、大きなやりがいにつながります。

自分の統括したプロジェクトが無事完成したときの達成感はほかでは味わえないものです。

4.上流工程を担当できる可能性が上がる

ITスペシャリストになると上流工程を担当できます。

プロジェクトの統括者として要件定義から構築、運用まで関わることが多いからです。

上流工程に参加する場合、クライアントにヒアリングする機会も多いためコミュニケーション能力も重要視されます。

このような経験をつむことで、さらなるスキルアップ・給与アップにもつながるでしょう。

ITスペシャリストを目指す2つのデメリット

ITスペシャリストで挫折する男性

ITスペシャリストにはデメリットもあります。

ここではITスペシャリストに共通するデメリットを2つ挙げました。

  1. 専門性が陳腐化するケースがある
  2. 会社によってはキャリアパスがないケースがある

ITスペシャリストになる前に、デメリットといえることも知っておきましょう。

1.専門性が陳腐化するケースがある

時代の変化とともに、これまで培ってきた専門的な技術や知識が使えなくなる可能性があります。

どんな技術にもいつかは陳腐化してしまう恐れがあるからです。

昨日まで最先端技術だと思われていたものが、今日では時代遅れになっているかもしれないのです。

つまり、ITスペシャリストは常に最新のトレンドや技術について学び、情報を得る必要があるのです。

2.会社によってはキャリアパスがないケースがある

スペシャリストからどのように昇進していくか、所属する企業によってははっきり決まっていない場合もあります。

ITスペシャリストは専門職であるため、昇進してマネージャーなどの管理職として活躍するのが難しいとされているからです。

キャリアパスが見えないと、モチベーションを保つことや、新しいことにチャレンジしにくくなります。

スペシャリストとしてのキャリアパスを具体的に定めている企業に、就職・転職をするのもいいでしょう。

エンジニアがキャリアアップで意識すべきこと【キャリアパス一覧】エンジニアがキャリアアップで意識すべきこと

まとめ:エンジニアとしてのキャリアアップのため、ITスペシャリストを目指そう

本記事ではITスペシャリストの仕事内容が気になるという方に向けて、専門分野やおすすめの資格を紹介しました。

  • ITスペシャリストは、特定の専門分野において高い専門知識やスキルを持つ
  • ITスペシャリストを目指すには、関連資格を取得するのがおすすめ
  • ITスペシャリストのメリットとデメリットを知っておこう

責任感が求められる職業ですが、年収は高く、なによりやりがいがあります。

ITスペシャリストとして成功するためには、高い技術力と最新の知識を学ぶ姿勢、適切な資格の取得、コミュニケーション能力などが求められます。

専門的な視線をもつスペシャリストの需要は今後も高まり続けていくでしょう。

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