IT化って何?IT化の事例3選やメリット・デメリットを解説
「IT化の定義がよくわからない」
「IT化のメリットとデメリットを知りたい」
と思うことはありませんか?
IT化という単語はすっかり浸透していますが、実態はなかなか把握しづらいですよね。
では、IT化の定義や導入のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか?
そこで今回は、
- IT化の定義
- IT化を事例で解説
- IT化のメリットとデメリット
について詳しく解説します。
この記事を読めば、IT化に関することが一通りわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
IT化とは何か
IT化という言葉を目にする機会は増えましたが、実際にどのようなものであるかはイメージしづらいです。
そこでまずは、IT化とは一体何かという定義について解説します。
- IT化の定義
- IT化の主な目的
具体的な導入事例などを見る前に、IT化の全体像を把握しておきましょう。
1.IT化の定義
IT化とは、インターネットやデジタル技術を使って、既存の作業体系をアナログからデジタルに置き換えることです。
ITとはインフォメーションテクノロジーの略であり、コンピューターを使った技術の総称。
そうした技術を既存の作業に浸透させていくことを、IT化と呼びます。
より具体的には、今まで紙でおこなっていた連絡を電子メールでおこなうといったイメージです。
2.IT化の主な目的
IT化の主な目的は、作業の効率化や人件費などのコスト削減です。
例えば、連絡を手紙から電子メールに変更すれば、大幅な時間を短縮できます。
そうして短縮した時間をほかの作業に充てることで、全体の効率が上がる仕組みです。
企業間の競争が過酷な現在、効率化やコスト削減を目的に多くの企業がIT化を目指しています。
IT化によってできること3選
IT化の定義は理解できても、具体的にどのようなことが可能になるのかイメージが湧かない方も多いでしょう。
以下では、IT化によってできることを具体的に解説します。
- 業務の効率化
- 情報の一元的な管理
- 業務形態の多様化
IT化が可能にすることを理解すれば、自分が導入するときのイメージも湧きやすくなります。
1.業務の効率化
IT化は、導入前に比べて業務を飛躍的に効率化します。
手書きの手紙と電子メールのどちらが楽で作業の時間が少ないかといえば、圧倒的に電子メールです。
手書きの手紙は一度ミスしたら最初から書き直しですが、電子メールの場合間違えた箇所を修正するだけ。
つまり、アナログな作業をデジタルに変化させることで、時間や労力の大幅な節約が可能です。
この点は、IT化の一番の魅力であるといえます。
2.情報の一元的な管理
IT化は、情報の管理も容易にします。
アナログの場合、何か情報を共有するとき各人に手渡ししなければならない、などの手間が発生します。
しかし、IT化によってデータベースを共有すれば、社内のメンバーは誰でもいつでも情報を閲覧可能です。
紙の書類などに比べて紛失の可能性も低く、紛失してもデータは復旧できるので心強くもあります。
情報の量が増え続けている今、IT化による情報の一元的な管理は非常に有益です。
3.業務形態の多様化
IT化することで、業務形態の多様化にも対応できます。
コロナ禍で普及したリモートワークは、まさしくIT化の賜物です。
- やり取りの方法
- 情報の共有
などをIT化すれば、オフィスに来る必要もありません。
よって、家にいたり海外にいても仕事ができる環境が整うです。
IT化の普及によって、働き方の選択肢は多様になっています。
リモートワークの生産性を高める3つの方法を解説|導入に成功した3つの企業も紹介IT化の3つのメリット
IT化を実践することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
そんな疑問に答えるために、ここではIT化のメリットを3つご紹介します。
- 生産性が向上する
- グローバリゼーションに対応できる
- コストを削減できる
実際に導入する前に、具体的にIT化のメリットを把握しておきましょう。
1.生産性が向上する
IT化によって業務は効率的になり、結果として生産性は向上します。
以前の業務がアナログ的であればあるほど、IT化による生産性の向上は飛躍的です。
昨今は、企業間の競争がますます激しくなっています。
競争のなかでもしっかり利益を獲得するには、生産性の低い状態は望ましくありません。
その意味では、これからの時代、IT化は必須のツールといえます。
2.グローバリゼーションに対応できる
グローバリゼーションに対応できる点も、IT化の大きなメリットです。
というのも、業務をデジタル化することで、海外とのやり取りや情報共有が容易になるからです。
反対にIT化が未熟な場合、グローバリゼーションに置き去りにされてしまいます。
日本は海外に比べてIT化が遅れているので、IT化の導入は喫緊の課題です。
3.コストを削減できる
IT化によって業務を効率化すれば、それまで必要だったコストも削減できます。
例えば、レジをIT化して無人にすれば、それまでかかっていた人件費は必要ありません。
また、情報を紙でなくデータで保存・共有すれば、印刷代や紙代もカットできます。
もちろんIT化にも費用はかかりますが、将来的なコスト削減効果のほうが大きい場合が多いです。
IT化の3つのデメリット
メリットが強調されがちなIT化ですが、一方でデメリットもあります。
以下では、IT化のデメリットを3つご紹介します。
- 実現のために専門的な知識と人材が必要
- 実現するまでに多大なコストがかかる
- デジタル格差が発生する
デメリットとメリットの両方を理解し、IT化を導入するかどうか決定しましょう。
1.実現のために専門的な知識と人材が必要
IT化の導入は、誰でもできるわけではありません。
専門的な知識や人材がいて初めて、IT化は実現できます。
社内にそうした人材がいない場合は、
- 外部に依頼する
- ソフトを購入する
といった必要があります。
身近にITに詳しい人がいない場合、導入のハードルは高く感じてしまうでしょう。
2.実現するまでに多大なコストがかかる
IT化を実現するためには、一定のコストが必要です。
とくに社外に依頼したりソフトを購入したりする場合、多大な時間とお金がかかってしまいます。
政府の補助金を利用するなど、コストを下げる方法も存在します。
しかし、いずれにせよIT化の導入はコストなしにはできません。
したがって、IT化を導入する前には資金の用意が必要です。
3.デジタル格差が発生する
デジタル格差の発生も、IT化がもたらすデメリットです。
デジタル格差とは、デジタルに関する知識がある人とない人の間に生じる格差のこと。
ひとつの企業内でも、
- 若い世代
- 年齢の高い世代
など両者の間には、デジタルツールを使いこなす能力に差があります。
したがって、IT化を実現した後に、どうやってデジタル格差を縮めるかも考えなければなりません。
IT化の導入事例3選
IT化の導入事例には、どのようなものがあるのでしょうか?
IT化の導入事例を知ることで、より具体的なイメージが湧くことでしょう。
- JR東日本
- 株式会社SKレストラン
- 日進工業株式会社
以下では、IT化を導入した企業の例を3つご紹介します。
1.JR東日本
JR東日本は積極的なIT活用が評価され、「攻めのIT銘柄」にも選ばれています。
具体的なIT化の実践としては、
- Suicaの導入
- 問い合わせ窓口のオートメーション化
- 専用アプリの開発
などが挙げられます。
JR東日本は、Ringo Passという専用のアプリを開発しています。
Ringo Passを使うことで、路線検索や料金の精算などを手軽におこなうことが可能です。
また、問い合わせ窓口にAIを導入することで、効率化やコストカットも図っています。
大企業のなかでもかなり積極的にIT化を進めている企業なので、今後も要注目です。
2.株式会社SKレストラン
株式会社SKレストランは、人材の不足をIT化によって解決した格好の事例です。
SKレストランでは、人手不足からオーダーの聞き違いといったトラブルが頻発していました。
そこでSKレストランが導入したのが、タブレットによるセルフオーダー形式です。
タブレットの導入によって人手不足は軽減され、オーダーのミスも激減しました。
従来のアナログな注文形態からデジタルな形態に移行したことで、店内の状態は改善されています。
3.日進工業株式会社
日進工業株式会社は、プラスチック成形品を製造している企業です。
日進工業株式会社では、近年工場内のシステムがIT化されています。
具体的には、
- データの管理を紙からデジタルに移行
- 設備の稼働率を電子モニターで表示
などの事例が挙げられます。
IT化する前は、日進工業ではデータを管理する伝票の紙が毎月8万枚ほどに及んでいました。
そのデータをデジタルシステムで管理することで、大幅なコストカットと効率化に成功したのです。
また、設備の稼働率を電子モニターで表示することで、一目で全体の進捗が把握可能に。
結果的に、日進工業はIT化によって業績を向上させています。
ITリテラシーを高めるテスト5選|ITリテラシーを身につけるメリットも紹介IT化を実現するための4つのポイント
いざIT化を実現する段階になって、トラブルに見舞われることも少なくありません。
IT化を上手く実現するためには、事前にポイントを押さえておく必要があります。
- IT化の対象や範囲を明確に決める
- 段階を踏んでIT化を実行する
- 国からの補助金や支援制度を利用する
- 実現後も点検や修正をおこなう
以下では、IT化を実現するためのポイントを4つご紹介します。
1.IT化の対象や範囲を明確に決める
IT化を実践する前は、対象や範囲を明確に決定しましょう。
対象や範囲を決めずにIT化をしても、あまり効果は期待できません。
現状を分析し、どの部分をIT化すれば状況が改善するかの判断が必要です。
2.段階を踏んでIT化を実行する
IT化は、徐々に段階を踏んで実行する必要があります。
よくあるのは、いきなり全体をIT化しようとして失敗するケース。
いきなり大規模なIT化を目指しても、コスト面や技術面から無理が発生します。
ひとつの対象のIT化が終われば次の対象へというように、段階的なIT化を意識してください。
3.国からの補助金や支援制度を利用する
現在国がIT化を推進していることもあり、IT化をする企業には補助金が支給されます。
国がおこなっているIT導入補助金では、最低5万円から最高3,000万円ほどの補助が実施されているのです。
また、国ではなくそれぞれの自治体が支援制度を用意しているケースも。
IT化に必要な費用の捻出が難しい場合は、補助金や支援制度を積極的に利用していきましょう。
4.実現後も点検や修正をおこなう
IT化は、実装して終わりではありません。
システムが実現された後も、定期的な点検や修正が必要です。
実際、状況次第ではシステムのアップデートが必要な場合もあります。
また、データの破損やシステムの故障を防ぐために点検しておくことも重要です。
IT化に関する質問
IT化に関して、まだ疑問や不安が残っている方もいることでしょう。
疑問が解消すれば、IT化の実践に向けて踏み出せるはずです。
- IT化とDX化は別のもの?
- 日本はIT化が遅れているの?
- IT化と相性が良い業界は?
- IT化と相性が悪い業界は?
以下では、IT化に関する質問に回答していきます。
1.IT化とDX化は別のもの?
IT化とDX化は、似てるようでいて違います。
IT化とDX化も、デジタル技術による企業の変革という点では同じです。
しかし、IT化がIT部門による仕事だとすれば、DX化は企業全体で取り組むものです。
イメージとしては、DX化のなかにIT化という要素があると考えてください。
2.日本はIT化が遅れているの?
海外に比べて、日本はIT化が遅れています。
アメリカや中国といった経済大国に対して、日本はまだまだ発展途上です。
その理由はさまざまですが、ひとつには日本の企業や官庁が保守的であるという点。
IT化をより進めるために、新しい技術による変革を恐れない風土を作ることが必要です。
3.IT化と相性が良い業界は?
IT化と相性が良い業界としては、エンタメ業界が挙げられます。
IT化によって可能となったビジネスモデルとしては、
- 音楽や映画のサブスクリプション
- 歌手のライブの映像配信
- AR・VR型のイベントや作品
など数多くあります。
エンタメ業界が作っているのは有形のものではないので、IT化と相性が抜群です。
今後も、エンタメ業界はITの力を使って市場を拡大していくと予想できます。
4.IT化と相性が悪い業界は?
IT化と相性が悪い業界は、医療や介護業界です。
医療や介護の業務は、基本的に人と人が向き合ったり触れ合ったりしながらおこなうもの。
そのため、IT化とはかなり相性が悪いです。
医療や介護業界でも一部はIT化されていますが、根本となる治療やケアの過程は今後も人がおこない続けるでしょう。
DXの事例を業界別に6つ紹介!失敗した事例も踏まえて推進のポイントを解説まとめ:IT化を理解して時代の波に乗ろう
本記事では、IT化の概要や活用事例について解説してきました。
- IT化によって効率化やコストカットができる
- IT化を実践している企業は増えている
- IT化には補助金や支援制度が適用される
IT化によって業務をデジタル化することで、生産性の向上やコストカットが可能になります。
事実、IT化は世界的な波となっており、日本でも活用する企業は増加中です。
IT化には一定の費用が必要ですが、国の補助金や支援制度で一部を賄えます。
ぜひこの記事を参考に、IT化の実現に踏み出してください。