ITパスポート試験のメリット・デメリットやほかのおすすめの検定5選
「ITパスポート試験ってどんな試験なのだろうか」
「ほかにもITの資格や検定って何があるのか知りたい」
と思うことはありませんか?
ITパスポート試験を受験しようとしても、そもそもどんな試験なのか、本当に取るべきなのかで迷ってしまいますよね。
では、ITパスポート試験のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- ITパスポート試験とは
- ITパスポート試験のメリット・デメリット
- ITパスポート試験以外のおすすめ資格や検定
について詳しく解説します。
この記事を読めば、ITパスポート試験を受けるべきかどうかが明確になります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ITパスポート試験についての基礎知識
まずはITパスポート試験についての基礎知識を見ていきましょう。
基本的なことを理解しなければ、受けるべきかどうかを判断できません。
- ITパスポート試験とは?
- ITパスポート試験の試験日
- ITパスポート試験のこれまでの歩み
- ITパスポート試験の対象者
- ITパスポートが普及している理由
それぞれ見ていきましょう。
1.ITパスポート試験とは?
ITパスポート試験とは、情報処理技術者試験の中でも最初に受けるべき、国家資格が取得できる試験です。
なぜなら、その目的が職種を問わず、ITの基本を問う内容になっているから。
情報処理技術者試験は全部で12あり、その中でもレベル1と、初心者を対象とした試験です。
ほかの試験で主なものは以下のとおり。
- レベル2:情報セキュリティマネジメント試験
- レベル2:基本情報技術者試験
- レベル3:応用情報技術者試験
- レベル4:ITストラテジスト試験
- レベル4:システムアーキテクト試験
これからITについて学びたい方は、資格獲得を目標にしてみると良いでしょう。
2.ITパスポート試験の試験日
ITパスポート試験の試験日は、各都道府県の会場によりことなりますが、週1回から2回おこなわれていることが多いです。
頻度が多い理由としては、コンピューターで受けられるから。
試験日に合わせて勉強するというよりかは、必要な勉強時間で計算すると良いでしょう。
必要な勉強時間は、約100時間と言われています。
3.ITパスポート試験のこれまでの歩み
ITパスポート試験の歴史も見ていきましょう。
歴史を理解することで、あなたに適した試験かが判断できるかもしれません。
情報処理技術者試験は、1969年から始まりました。
ITの普及に合わせて、初歩的な分野を作るべく誕生したのが、2009年ITパスポート試験です。
ITに強く関わるかが不明な方でも、最低限必要な知識が身につけられます。
4.ITパスポート試験の対象者
ITパスポート試験の対象者は、業界問わず、すべての社会人です。
なぜなら、どの企業でもITに触れる機会があり、少しでも知識のある人が必要とされているから。
ITに興味があるのであれば、第一歩として目指してみるのがおすすめです。
5.ITパスポートが普及している理由
ITパスポート試験が普及している理由は、あらゆる企業でITリテラシーが求められることにあります。
IT業界でなくても、企業のIT化が進んでいるため、ITに関する知識はすべてのビジネスマンに必須となっているからです。
具体的に、令和3年には、試験に応募する人が、24万人を超えています。
資格取得を推奨する企業もあることから、知識で遅れを取りたくないという人には必要な資格です。
ITパスポートのおすすめ参考書3選|勉強のコツも紹介ITパスポートのメリット7選
ITパスポート試験のメリットを見ていきましょう。
メリットを感じるのであれば、資格獲得に向けて勉強を始めても良いかもしれません。
あなたに当てはまるかをひとつずつ見ていきましょう。
1.就職活動で有利になる
ITパスポート試験のメリットとして、就職活動で有利になることが挙げられます。
なぜ有利になるかというと、以下のようなことが客観的に証明できるからです。
- 社会人に必要な知識が最低限備わっている
- 向上心がある
- 計画性がある
単にアピールするよりも、客観性が伴うので、信用してもらいやすくなります。
就職活動を控えているのであれば、検討してみても良いでしょう。
2.幅広い業種で役立つ
幅広い業種で役立つのも、ITパスポート試験のメリットといえます。
なぜなら、ITパスポート試験は、全社会人に向けて、幅広い業種で役立つよう作られたものだからです。
将来の目標がはっきりしていなくても、ITの知識はあるに越したことがありません。
働きたい業種が定まっていない方も、勉強することをおすすめします。
3.会社での評価が上がる
すでに働いている社会人の方にとっても、ITパスポート試験は役立つ資格です。
企業によっては資格手当を設けており、評価の対象としています。
資格を持っていることで、資格を持っていない人と比べて学習意欲やスキルを評価されることもあるのです。
会社で試験を受ける際は、受験のための費用はもちろん、一時金などで報奨金が貰える可能性があることも知っておきましょう。
4.大学の単位になる
ITパスポート試験は、大学の単位にもなります。
大学によっても異なりますが、単位を取るに値する知識が身につくと認識されているのです。
例えば、以下のような大学が対象です。(令和4年時点)
- 駒澤大学
- 国士舘大学
- 帝京大学
- 東海大学
- 関東学院大学
全国各地の大学で単位として認められています。
なので、ご自身の所属している大学でも認められるかを確認しておきましょう。
5.ほかの試験で優遇される
ITパスポート試験に合格すると、ほかの試験で優遇される場合があります。
なぜなら、ITパスポート試験に合格することで、一定の知識やスキルが身に付いていると判断できるからです。
例としては、ITコーディネータ試験が挙げられます。
ITパスポート試験で750点以上であれば、一部の問題が免除となるのです。
6.受験しやすい環境
受験しやすい環境もITパスポート試験のメリットです。
なぜ受験しやすいかと言うと、全国各地の会場で、コンピューターにて受けられるから。
受験できる日にちも多いので、調整がしやすく、また再チャレンジもしやすいです。
自分のペースで勉強できるのは、ITパスポート試験のメリットといえるでしょう。
7.IT以外の知識も身につく
ITパスポート試験では、IT以外の知識が身につきます。
その理由としては、試験が幅広い業種で役立つように作られているからです。
例えば、IT以外にも以下のような知識が身につきます。
- 企業のコンプライアンス
- 経営戦略
- 財務
ITの知識にとどまらず、社会人に必要な知識が学習できるのです。
ITパスポートのデメリット3選
ITパスポートのデメリットも見ていきましょう。
当然メリットだけではなく、デメリットも存在するからです。
- 専門性が身につかない
- IT経験者には不向き
- 評価が高い試験とはいえない
ひとつずつ見ていきます。
1.専門性が身につかない
ITパスポート試験のデメリットとして、専門性が身につかないことが挙げられます。
なぜ専門性が身につかないかと言うと、幅広い出題範囲で、それぞれの分野で最低限必要な知識が問われる試験だからです。
例えば、目標がプログラマーと明確になっているのなら、ITパスポート試験を受けてもプログラマーのスキル向上には役立たないでしょう。
ご自身がやりたいこととマッチしているかをきちんと検討してください。
2.IT経験者には不向き
IT経験者に不向きなことも、ITパスポート試験のデメリットといえます。
その理由は、ITについての問題は初歩的なものがほとんどだからです。
すでにIT業界に勤めている方であれば、レベル2以上の情報処理技術者試験や専門性の高い試験を受けるのが良いでしょう。
3.評価が高い試験とはいえない
ITパスポート試験に合格しても、評価が大きく高まることは期待できません。
なぜなら、ITパスポート試験の合格率は50%前後と高めなため、多くの人が獲得できる資格だからです。
ITパスポート試験はあくまでも次のステップへの一歩として、基礎的な知識を身につける目的で取り組みましょう。
ITパスポート試験の将来性
ITパスポート試験の将来性をご紹介します。
ITパスポート試験を受けるかどうかを判断するには、その将来性も重要です。
- IT業界の需要
- 幅広い知識を活かせるマネジメントのニーズ
- 次につなげる資格としての役割
あなたの描く将来とマッチするか判断してください。
1.IT業界の需要
ITパスポート試験の将来性を考えるうえで、IT業界の需要が高まっていることは重要といえます。
なぜなら、ITの需要が高まることにより、IT会社だけでなく、多くの業態でその知識が必要とされる可能性があるからです。
ITへの需要に比例して、ITパスポート資格の必要性も高まると考えて良いでしょう。
2.幅広い知識を活かせるマネジメントのニーズ
幅広い知識を必要とするマネジメントポジションのニーズも高まっています。
なぜマネジメントに幅広い知識が必要かと言うと、さまざまな分野の人たちを束ねてプロジェクトを進行しなければならないからです。
例えば、マネジメントに関わる知識として、ITパスポートでは以下のようなことを学べます。
- 情報セキュリティ
- 経営戦略
- プロジェクトマネジメント
- 法務
- システム企画・戦略
マネジメントへのニーズが高まっている昨今では、ITパスポートで身につく知識も決して無駄ではありません。
3.次につなげる資格としての役割
ITパスポート試験の将来性として、次への一歩が踏み出しやすいことも挙げられます。
なぜなら情報処理技術者試験の中でも、レベル1と設定されており、分野に限らず幅広い知識が得られるのがITパスポート試験だからです。
どの分野へ進みたいかが明確でない方にも、おすすめできる資格といえます。
ITパスポートの難易度は?勉強時間や合格率を詳しく解説ITパスポート試験以外のおすすめ資格や検定5種
ITパスポート試験以外のおすすめの資格を見ていきましょう。
なぜなら、あなたのレベルや目指す職種によっては、別の資格が良いこともあるからです。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 条法セキュリティマネジメント試験
- ITストラテジスト試験
- パソコン整備士検定
それぞれご覧ください。
1.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、情報処理技術者試験の中で難易度レベル2に該当する試験です。
ITパスポートより難易度が高く、よりITの分野に特化した資格だといえます。
具体的には以下のような技術や知識が求められる試験です。
- IT戦略に関して、分析や評価ができる
- システムの企画や要件定義ができる
- ソフトウェアやプログラムを自ら作成できる
ITパスポートのような幅広いものではなく、専門性を高めたい方におすすめの試験です。
2.応用情報技術者試験
応用情報技術者試験とは、IPAが運営する情報処理技術者試験の中でレベル3の難易度を持つ国家資格試験です。
非常に高度なITの知識が必要となる試験で、合格率は20%と言われています。
特に以下のような職種を目指す方に適している資格です。
- システムエンジニア
- ゲームプログラマー
- ネットワークエンジニア
すでにIT業界を経験されている方など、より高度な知識を必要とする方におすすめの資格といえます。
3.情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験とは、ITパスポート試験の次のステップとして、レベル2の難易度を持つ国家資格試験です。
おすすめする理由としては、IT業界ではもちろんですが、IT業界以外でも役立つ情報セキュリティ確保や改善方法が学べる試験であることが挙げられます。
学習できる内容は以下のとおりです。
- 情報セキュリティ管理
- 情報セキュリティ対策
- 情報セキュリティ関連の法律
どの業界でもIT化が進むに連れ、そのリスクにさらされることになります。
情報セキュリティへの知識を高める必要性があるといえるでしょう。
4.ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験とは、合格率約15%の情報処理技術者試験のひとつです。
その難易度はレベル4相当とされており、高度情報処理技術者試験に該当します。
その特徴として以下のように出題範囲が広いことが挙げられます。
- セキュリティ
- システム戦略・企画
- 経営戦略
- 技術戦略
- 法務
過去にレベル3相当の資格を取得したことがあり、より高度な資格を目指している方におすすめです。
5.パソコン整備士検定
パソコン整備士検定試験とは、パソコンのハードウェアやソフトウェアのことを中心に問われる民間の資格です。
初心者向けの3級から上級者向けの1級まで用意されているので、始めやすい資格といえるでしょう。
初心者向けの3級では以下のカテゴリーから問題が出題されます。
- パソコンのハードウェア・ソフトウェア
- インターネットへの接続・セキュリティ
- パソコンのトラブル対応
初歩的なことから学び、資格を取りたい方におすすめの資格です。
基本情報技術者試験のアルゴリズム問題の勉強法や解き方を徹底解説まとめ:ITパスポートは初心者におすすめの検定試験
当記事を通じて、ITパスポート試験やそのほかのIT検定について詳細をご紹介しました。
- ITパスポート試験とは、ITに必要なさまざまな知識が身につく国家試験
- ITパスポート試験は、初心者におすすめの資格
- ITパスポート以外にも、あなたのレベルに合う試験はたくさんある
IT関連の資格・試験にはさまざまな種類があります。
その中でもITパスポート試験は、初心者に向けた国家資格試験です。
まだやりたいことが明確でない方も、最低限の知識を身につけるために、勉強を始めてみるのがおすすめです。