なぜLinuxを使ってプログラミングをするのか?初心者向けに解説
「Linuxってよく聞くけど、なんだか難しそう」
「プログラミングをするならLinuxを使った方がいいのかな」
と思うことはありませんか?
Linuxに興味があっても、どのようなメリットがあるかわからず迷ってしまいますよね。
では、Linuxを使う理由はどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- Linuxを使ってプログラミングをする理由
- Linuxのメリット・デメリット
- Linuxでよく使われる重要な用語やコマンド
について詳しく解説します。
この記事を読めば、難しそうに思えるLinuxが、なぜ使われているのかがわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
Linuxについて
まずは、Linuxについての概要をわかりやすい言葉で解説していきます。
- Linuxとはなにか
- Linuxはどういう人が使うのか
- Linuxでよく使われるプログラミング言語
それではひとつずつ見ていきましょう。
1.Linuxとは
Linuxとは、1991年にリーナス・トーバルズによって作られた、ソースコードが公開されているOSのことです。
OSとはパソコンを動かすためのソフトのことをいいます。
OSの種類は、Linuxのほかに、
- Mac
- Windows
- iOS
- Android
などがあります。
また、ソースコードの改変は自由なため、世界中の人々が改良をかさねており、常に進化しています。
2.Linuxはどういう人が使うのか
LinuxはIT関係者、Web開発者などに使われています。
その安全性とカスタマイズ性の高さから、多くの企業で利用されているのです。
たとえば、
- 携帯電話
- 組み込みシステム
- サーバー
- Webアプリケーション
などにも使用されています。
このように、どんな目的にもLinuxは使えるのです。
3.Linuxでよく使われるプログラミング言語
コマンドを打ち、言語をインストールすれば、どの言語でも使用できるようになります。
インストール自体は簡単にできます。
Linuxでよく使われる言語は、
- C/C++
- Java
- Python
などです。
これらの言語をすでに勉強しているのであれば、Linuxを習得するだけでも仕事の幅は広がるでしょう。
Linux(リナックス)とは?4つの特徴やできることを初心者にもわかりやすく解説Linuxを使う4つの理由
Linuxの特徴を知っていれば、自由で安全で便利なOSであることがわかるでしょう。
Linuxにどのような特徴があるのか確認していきます。
- 無料で使える
- 古いパソコンでも使える
- セキュリティ面で安心
- カスタマイズ性が高い
ひとつずつ見ていきましょう。
1.無料で使える
Linuxの大きな特徴のひとつは、無料で使えることです。
その理由はLinuxのソースコードが、無料で公開されているから。
つまり、だれでもお金をかけずに試すことができます。
パソコンが何台も必要な開発をする場合、大幅なコスト削減につながります。
2.古いパソコンでも使える
Linuxは、動作が重くて使えなくなった、古いパソコンでも使えます。
Linuxは最小限のものしか入れてないので、操作がとても軽いのです。
捨てようとしていたパソコンでも、Linuxをインストールすれば、再利用できます。
古いパソコンは、Linuxの練習用にもちょうどいいでしょう。
3.セキュリティ面で安心
Linuxはセキュリティ面でも安心して使えます。
理由は以下のとおりです。
- オープンソースのため、セキュリティ的に弱いところを開発者たちが見つけてくれるから
- オープンソースのため、多くの有志が修正をしてくれるから
- ユーザー数の少ないLinuxは、ウイルスに狙われにくいから
攻撃をしかけようとする人数よりも、脆弱性をなくしていこうとする人数の方が多いので、安全性は高いといえるでしょう。
4.カスタマイズ性が高い
Linuxには、必要最低限のものしか入っていません。
あとから必要なものを選び、インストールし、自分だけのセットアップを作成していくのです。
そしてすでに、世界中の有志たちが必要なものをまとめた、ディストリビューションというものを作成しています。
このため、独自のニーズや好みに合わせてシステムを構成することが容易なのです。
Linuxを使う3つのメリット
WindowsやMacと比べ、Linuxにはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
LInuxのメリットを理解することで、必要性が見えてくるはずです。
- システムに強くなれる
- サーバーを無料で構築できる
- 何度でもやり直しができる
ひとつずつ説明します。
1.システムに強くなれる
WindowsやMacは、よくもわるくも、最初からシステムの構成が決まっています。
それに対し、Linuxは、自分の好きなようにコードを変更したり、改良したりすることができます。
また、Linuxの操作で使うコマンドに慣れたら、作業スピードもアップしていくでしょう。
自分で手を動かすことが1番の勉強になるため、Linuxを使うことでシステムに強くなれます。
2.サーバーを無料で構築できる
Linuxでは、さまざまな種類のサーバーを、無料でいくつも構築できます。
アプリやシステムを開発する際に、大きく役立ちます。
無料で使えるのに加え、動作も軽いため、開発環境にぴったりといえるでしょう。
予算が限られているプロジェクトにもおすすめです。
3.何度でもやり直しができる
Linuxは、セットアップや設定が何回でもできます。
何度失敗しても、また最初からやり直すことができるからです。
Windowsと比較して、メーカーが提供するソフトウェアやハードウェアに制限されることはありません。
やり直していくうちに、さまざまな知識が身についていくでしょう。
Linuxを使う3つのデメリット
一方で、Linuxにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、Linuxを使う前に知っておきたいポイントを紹介します。
- 公式サポートがない
- 初心者には操作が難しい
- 使えないソフトがある
それでは詳しく見ていきましょう。
1.公式サポートがない
Linuxには、公式サポートがありません。
ユーザーが協力しあって作りあげてきたものだからです。
そのため、なにか問題が発生した場合は、
- コミュニティに助けを求める
- 自分で解決する
などのアクションをおこす必要があります。
英語のページしかない場合もあるので注意が必要です。
2.初心者には操作が難しい
Linuxを使うとき、コマンドやシェルについて理解する必要があります。
Linuxは、今まで使ってきたようなWindowsやMacなどの、一般的な画面とは違うからです。
Linuxはマウスでクリックして操作をするのではなく、コマンドで操作をします。
これらのことから、Linuxを初めて使う人や、システムに詳しくない人にとっては難しいでしょう。
3.使えないソフトがある
WindowsやMacでしか利用できないソフトの中には、Linuxと互換性のないものもあります。
特定のソフトウェアを使用する必要がある場合、不便に感じることもあるでしょう。
代表的なものとして、
- Office365
- Adobe
などが挙げられます。
OSが違うので、使えるソフトも違うと覚えておきましょう。
自分の目的と照らし合わせ、本当に必要かどうか考えてみるのもおすすめです。
Linuxが使われているもの
Linuxは非常に汎用性が高いことで有名です。
わたしたちの暮らしに大変身近なものにも使われています。
たとえば、
- Android
- 家電
などです。
それでは詳しくみていきましょう。
1.Android
Androidは世界中で人気のOSのひとつです。
ソースコードを書き換えることでOSの開発もできるのです。
Androidは、GoogleがLinuxをベースにして開発しました。
Linuxの汎用性が高いことがわかります。
2.家電
現在では、多くの家電製品がLinuxで動作しています。
Linuxは、組み込みシステムの開発によく使われているからです。
たとえば、
- 冷蔵庫
- テレビ
- エアコン
などに使われています。
Linuxが使われた家電は、今後も増えていくでしょう。
Linuxを使うときに覚えておきたい基本用語
基本的な用語を知るだけでも、Linuxの仕組みがわかり、より深く理解できるでしょう。
ここでは5つの用語を紹介します。
- カーネル
- ディストリビューション
- シェル
- GUI
- CUI
ひとつずつ見ていきましょう。
1.カーネル
カーネルとは、OSの中心にあるソフトウェアのことです。
カーネルがなければ、OSは完成しません。
カーネルが、ほかのソフトウェアと合わさることで、OSとして動くのです。
Linuxという言葉を厳密に定義すると、このカーネルのことを指す場合があります。(狭義のLinux)
2.ディストリビューション
ディストリビューションとは、日本語訳で配布物という意味です。
つまり、Linuxのディストリビューションとは、カーネルとそのほかのソフトウェアをパッケージ化し、配布できる状態にしたものをいいます。
Linuxディストリビューションにはいくつか種類があります。
- RedHat系:シェアが高く、業務用として多く使われている
- Slackware系:シンプルな作りが特徴で、主にプロ向け
- Debian系:安全で、信頼性が高く、初心者でも使いやすい
自分の目的を考え、それに最も適したものを探しましょう。
3.シェル
シェルとは、わたしたちユーザーとOSが対話するために使用するプログラムです。
簡単にいえば、仲介人です。
以下のようなやり取りをします。
- ユーザーがコマンドを入力してシェルにタスクを伝える
- シェルがカーネルにタスクを伝える
- カーネルがシェルに結果を伝える
- シェルがユーザーに結果を伝える
つまり、カーネルとシェルは密接な関係であり、OSにとって必要不可欠なものなのです。
4.GUI
GUIとは、Graphical User Interfaceの略で、直感でわかるような見た目をした画面のことです。
主にマウスを使って操作します。
- ウィンドウ
- メニュー
- アイコン
などグラフィカルな要素が表示されています。
わかりやすい見た目をしていますが、容量が重くなりがちです。
5.CUI
CUIとは、Characterbased User Interfaceの略で、文字だけの画面のことです。
主にキーボードを使い、コマンドを入力して操作するので、初心者には難しいとされています。
Linuxでは一般的にこのCUIが使われています。
容量は軽いですし、コマンドをコピーして残しておけば、同じ操作が簡単にできるので、開発にぴったりなのです。
Linuxディストリビューションおすすめ13選!初心者にもわかりやすく解説Linuxでよく使われるコマンド
Linuxで使用されるコマンドはたくさんありますが、よく使われるものをいくつか紹介します。
Linuxはコマンドで操作する必要があるので、少しずつ覚えていきましょう。
なんの言葉の略かを考えると覚えやすいです。
- ls:ファイルやディレクトリを一覧表示する(list segments)
- cd:現在のディレクトリを変更する(change directory)
- pwd:現在の作業ディレクトリを表示する(print working directory)
- mkdir:新しいディレクトリを作成する(make directory)
- touch:新しいファイルを作成する
- mv:ファイルやディレクトリを移動する(move)
- rm:ファイルやディレクトリを削除する(remove)
- man:指定されたコマンドのマニュアルページを表示する(manual)
これらはよく使われるコマンドの一部で、ほかにもたくさんあります。
Linuxコマンドを初心者にもわかりやすく解説!目的別に一覧で紹介まとめ:Linuxは幅広い用途に対応できる便利なOS
本記事では、Linuxに興味をもった方に向けて、Linuxの概要や、Linuxを使ってプログラミングをする理由、メリット、覚えておきたい単語などを紹介しました。
- LinuxはオープンソースのOSで、誰でも変更できる
- Linuxは無料で使えて、カスタマイズ性が高く、開発によく使われている
- 操作方法が、一般的なパソコンと違うので最初は難しい
無料でサーバーを複数構築できるなど、多くのメリットがあるため、プログラミングに最適であるといえます。
この記事を参考に、ぜひ、Linuxを使い始めてみてください。