エンジニアの労働時間に関する調査|残業が多い6つの理由も紹介

公開日: 2023.06.02
更新日: 2024.01.12
エンジニアの労働時間に関する調査

「エンジニアは残業が多いのが普通なのかな」
「エンジニアの労働時間を減らしたい」

と思うことはありませんか?

社内のプロジェクトが始まったのはいいけど、残業続きで体が疲弊してしまうことってありますよね。

では、エンジニアの労働時間に関する調査からは、どのようなことがわかるのでしょうか?

そこで今回は、

  • エンジニアの労働時間について
  • エンジニアの残業が多い6つの理由
  • 労働時間を減らすために工夫すること

について詳しく解説します。

この記事を読めば、エンジニアの労働時間を減らすための方法がわかります

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ITエンジニアの労働時間に関する調査

労働時間の長いエンジニア

エンジニアの労働時間は、実際どのようになっているのか気になるところです。

ここでは、エンジニアの労働時間の調査や、職種ごとの平均残業時間からエンジニアの事情を説明します。

  1. エンジニアの労働時間
  2. 【職種別】エンジニアの平均残業時間
  3. 他業種との比較

それぞれ見ていきましょう。

1.エンジニアの労働時間

2004年2月のTech総研の調査では、週平均労働時間50時間以上のエンジニアが6割を占めていました

この調査結果から、雇用形態や勤務場所、職種によってもさまざまですが、エンジニアには残業がつきものだということがわかります。

休日出勤や深夜残業が当たり前とされる場合や、有給休暇を取得しづらい企業も存在するのです。

とはいえ、ここ最近では、ワークライフバランスや働き方が重視されるようになっているのも事実です。

優秀なエンジニアほど、就業条件のいい企業から選ぶ傾向があるため、職種別残業時間などは、これからエンジニアを目指す人にとっても参考になるといえます。

2.【職種別】エンジニアの平均残業時間

こちらでは、職種別にエンジニアの平均残業時間を紹介します。

DODAの調査によると、94職種の平均残業時間は、月に22.2時間とありました

下記のエンジニアの平均残業時間を比較すると、エンジニアは職種全体の平均残業時間を職種によっては超えていることがわかります。

職種 職種分類 残業時間/月
テクニカルサポート/ヘルプデスク IT/通信系エンジニア 18.9時間
データベース/セキュリティエンジニア IT/通信系エンジニア 20.3時間
社内SE IT/通信系エンジニア 21.5時間
ITコンサルタント(アプリ) IT/通信系エンジニア 25.6時間
サーバーエンジニア IT/通信系エンジニア 25.1時間
Webエンジニア IT/通信系エンジニア 24.9時間
ネットワークエンジニア IT/通信系エンジニア 22.9時間

(出典:平均残業時間ランキング【94職種別】 今の仕事の残業は少ない?多い?

上の表からも、ヘルプデスクや社内SEは、エンジニアの中でも比較的残業は少な目の職種といえるでしょう。

3.他業種との比較

こちらでは、他業種の平均残業時間はどのくらいか、エンジニアの平均残業時間と比べてみます。

残業が少ない職種は次のとおりです。

  • 秘書/受付 10.0時間
  • 美容関連職(理美容/エステ/マッサージ) 10.4時間
  • 営業事務アシスタント 11.0時間

また、残業が多い職種は次のとおりです。

  • プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連) 37.1時間
  • ビジネスコンサルタント 37.1時間
  • 施工管理 35.3時間

(出典:平均残業時間ランキング【94職種別】 今の仕事の残業は少ない?多い?

他業種と比べて、エンジニアの平均残業時間は全体のちょうど真ん中であることがわかります。

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ITエンジニアの残業が多い6つの理由

労働時間に苦しむエンジニア

それではなぜ、エンジニアは残業が多い職種とされるのでしょうか

ここでは、エンジニアの労働環境の特徴とともに、残業が多い理由を説明していきます。

  1. 急な仕様変更がある
  2. 納期に追われる
  3. 多重下請け構造
  4. 業務量が多い
  5. 慢性的な人手不足
  6. 残業が定着しやすい環境

それぞれ見ていきましょう。

1.急な仕様変更がある

エンジニアが長時間労働になりやすい理由のひとつに、急な仕様変更があります。

システム開発の工程で納品間近になって問題が発覚し仕様が変わるケースはよくある状況です。

クライアントとの打ち合わせの際に、仕様が決まると「誰が・何を・いつまでにするか」スケジューリングされタスクが分解されていきます。

しかしながら、急な仕様変更となると、その分のタスクが増えるため、間に合わすために残業が余儀なくされるといえるでしょう。

2.納期に追われる

エンジニアの仕事は、成果物を納品することで仕事が完了します。

納品する期日は決まっているため、納期が近づくにつれて業務に追われることが多いです。

厳密にいえば、長時間労働を強いられるケースは、どの企業で働くかによって変わってきます。

例えば、他社のシステム構築を代行するSler企業とWeb系自社開発企業を比べると、Web業界では長時間労働が発生するケースは少ないと言われているのです。

とはいえ、エンジニアには納期があるので、期日を守れないと残業が多くなるのは当たり前でしょう。

3.多重下請け構造

多重下請け構造とは、元請けの下に2次請けや3次請けといったように企業が連なることをいいます。

多重下請け構造になると、下請け構造の末端にいくほど、エンジニアの待遇が悪くなりやすいのです。

そのため、長時間労働をさせられるはめになり、心身ともに病んでしまう人もいます。

そのため、残業が多い理由のひとつに多重下請け構造があると知っておきましょう。

4.業務量が多い

そもそも業務量が多いのも、エンジニアが残業が多い理由です。

ひとりで複数の業務に対応していきますが、勤務時間の中では細かいタスクに追われてしまいます。

  • 電話対応
  • 会議
  • メールチェック

とくに新人エンジニアの場合は、コーディングなどの技術的な仕事のほかにその他の業務が加わると優先順位を付けられずに残業をすることになる人もいるでしょう。

5.慢性的な人手不足

エンジニアは慢性的な人手不足でもあります。

経済産業省の試算によると、2030年にIT人材は約79万人不足すると言われているからです。

優秀なエンジニアほど、転職を繰り返すケースはよくあるため、即戦力人材が欲しい企業にとっては痛手となるでしょう。

プロジェクトの成功はプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなど、マネジメントできる人材にかかっているので、優秀な人材を確保できないとさらに残業が増えるでしょう。

6.残業が定着しやすい環境

エンジニアは、残業が定着しやすい環境で働いているといえます。

その理由は、時間外労働をすれば、残業手当がもらえるからです。

業務効率化をおこなうよりも、時間を増やすことが簡単であるため、仕事を終わらすために残業をするという思考に陥ることもよくあります。

残業から解放されるためにも、計画的に業務を工夫することを、一人一人がおこなう必要があるでしょう。

映し出されたパソコン2022年最新のプログラマーの残業事情を徹底解説

労働時間を減らすためにすること7選

労働時間を減らすために取り組むエンジニア

こちらでは、労働時間を減らすためにすることを紹介します。

どのようなことをすれば、長時間労働をしないエンジニアになれるでしょうか。

では、見ていきましょう。

1.業務を効率化する

労働時間を減らすために業務を効率化することは大切。

業務を効率化するには、手順のマニュアル化や効率化ツールの活用があります。

単純な作業や同じことを何度も説明する必要があるものは、マニュアルを作成しておくと業務を効率化できるでしょう。

効率化ツールについても、連絡ツールで有名なChatworkやSlackなどがあります。

ほかにもオンライン上で作業を共有できるGoogleスプレットシートは便利に活用できるでしょう。

2.完璧主義を捨てる

完璧主義を捨てることも、労働時間を減らすために重要な考え方です。

完璧主義であると、少しのミスも許さず、こだわって時間を取ってしまいます。

そのため、効率化の面で悪影響となり、長時間労働につながることはあるのです。

エンジニアの仕事で、コーディング以外の資料作成などは、完璧にしようとせず、多少の誤字脱字があっても口頭で伝えるなど、そういう気持ちは大切といえます。

3.スキルアップを図る

労働時間を減らす方法に、スキルアップが挙げられます。

スキルを磨いておくと、クライアントに対しても適切な提案ができ、それが業務効率化につながることはあるのです。

スキルアップの方法は次のとおり。

  • セミナーや勉強会に参加する
  • 学んだことを発信する
  • 教材で学習する
  • 技術コミュニティに入る

新しい技術をキャッチアップし続けるには、プライベートの時間を犠牲にしてでも頑張ることが新人エンジニアには求められるといえます。

4.求められることを理解する

労働時間を減らすために、求められることを理解することが大切です。

クライアントの要望を聞くにしても、きちんと理解して解決に導くことがエンジニアの役割だから。

例えば、専門用語が難しければ、相手にわかりやすい言葉で伝えることも必要です。

クライアントとの打ち合わせなど、エンジニアは人と関わる仕事も多いため、求められることを理解すると時間の短縮や効率化ができるでしょう。

5.自己管理を大切にする

労働時間を減らすために、自己管理も非常に重要です。

自己管理ができるエンジニアは、効率よくタスクを完了させるために次のような工夫をしてることがあります。

  • 自分のやるべきことを明確にする
  • デスク周りを綺麗に保つ
  • すき間時間に細かいタスクを消化する

就業時間に業務をこなすには、上記のような自己管理が大切といえるでしょう。

6.上司に相談する

今の職場に不満がある場合は、一度上司に相談してみましょう。

プロジェクトに問題がある場合は、人員不足を解消してくれたり、メンバーを交代するなど調整してくれたりする場合もあります。

エンジニアの仕事はチームで動くことが多いので、プロジェクトが抱える問題を解決できると労働時間を減らすことにつながることもあるのです。

上司や先輩でもいいので、誰かに相談することも大切といえます。

7.優良企業に転職する

優良企業に転職することで、今の環境から離れられます。

ブラック企業で消耗するよりも、ホワイト企業だと就業条件のよい環境に身を置けるからです。

優良企業の見分け方は、研修制度や評価制度が整っていることがあげられます。

転職エージェントを利用すると、相談しながら転職活動ができるので活用するのがおすすめです。

ITエンジニアの労働時間に関する質問

労働時間に疑問を持つエンジニア

こちらでは、ITエンジニア労働時間に関する悩みに答えていきます。

疑問点を解消して、エンジニアの理解を深めましょう

  1. 就業条件の良いエンジニアの職種は?
  2. 長時間労働がもたらす仕事への影響とは
  3. エンジニアは心を病んでしまう人が多い?
  4. 残業時間はどこまで認められている?

それぞれ説明します。

1.就業条件の良いエンジニアの職種は?

就業条件の良いエンジニアの職種にWebエンジニアがあります。

Webエンジニアは、リモートワークやフレックスタイム制で働ける企業がたくさんあるからです。

フリーランスとなった場合も、豊富な案件の中から高単価を期待できる特徴があります。

Webエンジニアの扱うプログラミング言語は、未経験からでも習得しやすいためおすすめの職種といえるでしょう。

2.長時間労働がもたらす仕事への影響とは

長時間労働をすると、身体への疲れやだるさから、業務に支障が出る場合があります。

疲れが残ると、作業効率が落ち、また次の日も残業となってしまうでしょう。

下記のように、体への影響は集中力の散漫など、仕事へも影響します。

  • 眼精疲労
  • 腰痛
  • 肩こり

納期前に残業が続いている場合でも、睡眠を十分に取り、休養に充てることが大切です。

3.エンジニアは心を病んでしまう人が多い?

エンジニアの中には、精神的に心が病んでしまう人もいます。

完璧主義や問題を一人で抱え込むことが理由にあるでしょう。

体調を崩して精神疾患などを患ってしまう人もいるので、疲れたときは自分ファーストで休むことが大切です。

常日頃から自分の心身の健康維持に気を付けながら、自分を追い込まないことも必要といえます。

4.残業時間はどこまで認められている?

時間外労働の上限は、労働基準法で月45時間を超えてはいけないと決まっています。

1日で計算してみると、1日1~2時間の残業は法定範囲内におさまっているといえるでしょう。

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まとめ:エンジニアの労働時間を減らすために業務の効率化とスキルを磨こう

本記事では、エンジニアの労働時間が気になる方に向けて、エンジニアの残業が多い理由と労働時間を減らすためにすることを紹介しました。

  • エンジニアは全職種の平均残業時間よりも残業時間が多い傾向にある
  • エンジニアの残業が多い理由のひとつに、人手不足や多重下請け構造がある
  • 残業を減らすために、業務の効率化やエンジニアの自己管理が大切となる

エンジニアが労働時間を減らすためには、残業が当たり前ではないという認識を持つ必要があります。

業務を効率化できるかどうか、常にアンテナを貼っておくと改善できる部分が見えてくるはずです。

エンジニアの職業柄、業務量が多いことや納期に追われることは避けて通れないので、そうならないために日頃から自己研鑽に取り組んでいきましょう。

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