Pythonで自動化できること8選!習得方法やおすすめの本も紹介
これまで人の手でやっていた処理をプログラムにやらせることで、仕事において頻繁に発生していた単純な繰り返し作業をなくすことができます。
このように、業務を自動化するのにぴったりな言語がPythonです。
Pythonは、自動化に役立つライブラリ(処理をまとめた部品)が豊富にあります。
ライブラリを組み合わせることで、プログラム未経験者でも複雑な機能をもつコードを実装可能です。
Pythonならば、非プログラマの方でも日々の業務の無駄な作業を自動化できます。
「Pythonで業務を自動化するってどういうこと?」
「Pythonを使うと、どんな業務を自動化できるの?」
「Pythonでの自動化について詳しく学べる本は?」
そんな疑問を持つ人のために、今回は次の内容をご紹介しましょう。
- pythonで業務の自動化とは
- Pythonで自動化できること
- Pythonで自動化をする方法
- 【Pythonで自動化】おすすめの本
「Pythonで業務を自動化したい!」と考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
pythonで業務の自動化とは
「Pythonで業務を自動化する」とはどういうことでしょうか。
仕事のなかには、人がやるには面倒な単純作業があります。
Pythonを使えば、コンピュータにその作業をやらせることができるのです。
コンピュータは、人間よりも速く正確に作業をこなせます。
Pythonによる自動化によって、業務を効率的に進めることが可能です。
Pythonはプログラミング言語なので、作業の手順をPythonという言語で入力すれば、コンピューターが読み取って実行してくれます。
Pythonはシンプルな文法で未経験者でも書きやすいため、比較的簡単に自動化を実現できるでしょう。
ぜひ普段の業務の効率化に、Pythonの自動化を活用してみてくださいね。
Pythonで自動化できること8選
Pythonによって業務の自動化ができることをお伝えしました。
面倒な業務を自動化すれば、仕事の効率を一気に高められます。
普段面倒な業務に追われている方は、「具体的にどんな業務を自動化できるの?」と気になることでしょう。
Pythonで自動化できるものは多いです。
また、Pythonには自動化に役立つ豊富なライブラリがあります。
ライブラリを知ることで、自動化のプログラムを効率的に構築可能です。
それぞれの自動化について、自動化に便利なライブラリとともに見てきましょう。
ここでは、Pythonで自動化できること8選についてご紹介します。
- ブラウザの自動操作
- 画像の操作
- Excelの操作
- PDFの操作
- Wordの操作
- クローリング・スクレイピング
- メールの取得・自動送信
- API連携
それでは、順番に見ていきましょう。
1.ブラウザの自動操作
Pythonで自動化できることの1つ目は、ブラウザの自動操作です。
Pythonの「Selenium」というブラウザ操作に特化したライブラリを使うと、プログラムからブラウザに対してあらゆる操作ができます。
- ブラウザの制御
- クリック
- テキストフィールドへの文字入力
- フォームの送信
- サイトへの自動ログイン
など、Seleniumがあればほとんどのブラウザ操作が自動化可能です。
ブラウザ操作の自動化は、たとえば、ブラウザの打刻ツールの操作を自動化できます。
出勤時にパソコンを起動するだけで自動で打刻ができるのです。
打刻忘れを防ぎ、打刻の手間を省くことができます。
ほかにもアイデア次第で、あらゆるブラウザ操作の自動化を用いて業務を効率化できるでしょう。
2.画像の操作
Pythonで自動化できることの2つ目は、画像の操作です。
Pythonには、画像処理に特化した「Pillow(PIL)」というライブラリがあります。
Pillowを使えば、次のような画像編集を自動で簡単に実現可能です。
- 画像の切り抜き
- サイズ変更
- 色彩調整
- 容量の圧縮
画像編集の自動化により、一度に何千何百というオーダーの大量画像を一括して自動編集することができます。
たとえば、ブログや記事用に用意しておいたサイズの大きなjpeg画像を、まとめて1M以下の容量に圧縮したいケースなどで有効です。
画像をソフトでいちいち開くことなく、解像度と容量の兼ね合いを考慮した処理を一括で実行できます。
画像編集の手間と時間を大幅に削減できるでしょう。
3.Excelの操作
Pythonで自動化できることの3つ目は、Excelの操作です。
Excelの操作には、Excel VBA(マクロ)が有名でしょう。
しかし、Pythonでも「OpenPyXL」というライブラリを使い、Excel操作が可能です。
たとえば、ほかのExcelを参照して所定のテンプレートにデータを転記し、新規保存する作業を自動化が実現できます。
実際の業務では、Excelで請求書と納品書を作成する業務で便利でしょう。
納品物の金額や個数などを一覧化したファイルを読み込み、請求書と納品書のフォーマットにしたがって新たにファイルを保存する作業が自動化できます。
4.PDFの操作
Pythonで自動化できることの4つ目は、PDFの操作です。
PDF操作では、Pythonライブラリの「ReportLab」「PyPDF2」「pdfminer」があれば、大抵の操作ができます。
それぞれのライブラリは次のような性能です。
- ReportLab:新規でPDFを作成
- PyPDF2:既存PDFのページ結合・回転
- pdfminer:PDFを解析するためにテキストを抽出
ReportLabを使えば、普段の業務の中で作成している帳票に値を入力することや、別ファイルなどから値を参照して同じフォーマットで作成することができます。
また、pdfminerを使うと、大量のPDFから文字列を検索して必要な部分を抜き出すことが可能です。
PDFを用いたさまざまな業務で役立つでしょう。
5.Wordの操作
Pythonで自動化できることの5つ目は、Wordの操作です。
Wordのドキュメントについても「Python-docx」というライブラリで自動化ができます。
- 文書の内容を取得
- 文書の新規作成
- 文書の変更
- 文書への画像の貼り付け
このように、Wordのさまざまな操作が可能です。
また、文書への画像の貼り付けも自動化できます。
大量のWordファイルに画像を挿入したいときは、ぜひ自動化してみましょう。
さらに、先に紹介したExcel操作のライブラリ「OpenPyXL」と「Python-docx」を利用すれば、Word上の表をExcelに一括変換し、Excelの一覧として管理できます。
Wordで処理をするのではなく、Excelで計算式や関数などを入れて動的な処理が可能です。
Wordファイルで大量の表を操作しなければならないケースで、作業を一気に効率化できるでしょう。
6.クローリング・スクレイピング
Pythonで自動化できることの6つ目は、クローリング・スクレイピングです。
- クローリング:数ページの情報を収集する技術
- スクレイピング:ウェブサイトから情報を取得し、取得した情報を加工する技術
これらを組み合わせて、インターネットにある大量のデータから必要なデータのみを抽出し、情報にアクセスしやすいように一覧化したり、見やすい情報に加工したりできます。
Pythonには「Request」と「Beautiful Soup4」というスクレイピングのライブラリを使用することが一般的です。
さらに、「Scrapy」というフレームワークは、クローリング+スクレイピングの手法を実現することができるフレームワークとして活用されています。
「Scrapy」を使えば、複数ページにまたがる大量の情報を対象としたスクレイピングのプログラムも気軽に実装可能です。
たとえば、ネットオークションで実際に市場で取引されているデータから適正価格を知りたいときに役立ちます。
7.メールの取得・自動送信
Pythonで自動化できることの7つ目は、メールの取得・自動送信です。
pythonのライブラリ「smtplib」「imaplib」を使って、SMTPやIMAPのサーバに接続し、次のような自動操作ができます。
- メールの自動作成
- メールの自動送信
- メールの自動受信
なお、Gmailには公開されているAPIがあります。
APIとはWebサービスの接点のことで、サービス同士の連携に活用できるものです。
このAPIを利用することで、メールの送受信のみでなくGmailならではの機能を使った実装ができます。
Pythonでの使用方法は、PythonのGmail APIガイドを参考にしてください。
8.API連携
Pythonで自動化できることの8つ目は、API連携です。
メールの項目でも解説したように、APIはWebサービスの接点として連携に使用できます。
たとえば、Twitter APIを利用すると、ツイートの投稿やいいねなどの機能をPythonのプログラミング言語から操作できるのです。
つまり、Webサービスを立ち上げなくても、プログラム側からWebサービス上の機能を使えるということになります。
インターネット上では、さまざまなWebサービスのAPIが公開されており、それらを組み合わせて業務の自動化が可能です。
Pythonによる自動化を習得する方法
Pythonで自動化できることをご紹介しました。
あなたの普段の業務にも活用できるものがあったのではないでしょうか。
「Pythonで自動化したい!」と思ったら、Pythonの自動化を習得する必要があります。
Pythonの自動化を習得する方法は、次の3ステップです。
- 1.Pythonの基本文法を学ぶ
- 2.何を自動化したいのかを明確にする
- 3.自動化に適したライブラリの使い方を学ぶ
まず、Pythonの基本的な書き方を覚えて、目的に応じたライブラリの使い方を学ぶ流れになります。
習得に使用する教材は、本や学習サイトを使うといいでしょう。
Pythonを本格的に学習したいという人は、プログラミングスクールを活用するのもおすすめです。
Pythonで自動化したい人におすすめの本3選
Pythonで自動化を習得する方法についてお伝えしました。
何を自動化したいのか、目的を明確にすることが大切です。
「Pythonの自動化について学び、実際にやってみたい」という方は、本で学習しましょう。
本は情報が体系的にまとまっているので、しっかりとした知識を身につけられます。
自動化の手順も詳細に載っているので、読みながらプログラムを構築可能です。
自分に合った本を選び、ぜひPythonによる自動化にチャレンジしてみてくださいね。
ここでは、Pythonで自動化したい人におすすめの本3選をご紹介します。
- 退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
- PythonでExcel、メール、Webを自動化する本
- 仕事がはかどるPython&Excel自動処理 全部入り
それでは順番に見ていきましょう。
1.退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
Pythonで自動化したい人におすすめの本1冊目は、『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』です。
技術書の出版で有名なオライリー社の書籍ですが、プログラミング未経験でもPythonを使って自動化処理ができるように書かれています。
第一部では、Pythonの基本的な解説が中心です。
Pythonの文法を知らない初心者でも必要な基礎知識を習得できます。
第二部からはより実践的な自動化の内容です。
内容は多岐にわたり、業務や生活の自動化のヒントになる様々なテーマを解説しています。
「プログラミングは初めてだけどPythonで自動化がしたい」という人におすすめです。
2.PythonでExcel、メール、Webを自動化する本
Pythonで自動化したい人におすすめの本2冊目は、『PythonでExcel、メール、Webを自動化する本』です。
本書では、Pythonを使ってExcel作業を自動化する方法を解説しています。
Excelだけでなく、メールやWeb自動化も扱い、仕事での活用の幅が広い自動化の手法を学べることが特徴です。
プログラミング初心者の社会人が、普段の仕事で実際に自動化できるよう、必要な情報を丁寧に解説されています。
「仕事ではExcel業務に時間をがかかることが多い」という人におすすめです。
3.仕事がはかどるPython&Excel自動処理 全部入り
Pythonで自動化したい人におすすめの本3冊目は、『仕事がはかどるPython&Excel自動処理 全部入り』です。
本書では、PythonによるExcel操作の自動化に特化して解説しています。
どのサンプルも短くて簡単に書けるものばかりで、初心者にもやさしい内容です。
自動化を実践できるよう、身近な業務を想定した用例を豊富に用意しています。
- ブックやシート、セルや行列を操作する
- 表の見た目を整える
- グラフを作成する
- ブックの体裁を一度に整える
- 複数のシートから集計シートを作成する
など、すぐに役立つ自動化が満載です。
サンプルコードがあることから、「Excelの自動化をすぐにできるようにしたい」という人はこちらの本を活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、Pythonでの業務自動化についてご紹介しました。
Pythonを活用すれば、人の手でやっていた大量の細かい処理も一括で自動化できます。
業務が自動化できれば、仕事の効率が高まり、生産性の向上につながるでしょう。
Pythonは自動化に役立つライブラリが豊富にあることから、ノンプログラマーでも複雑な機能を実装可能です。
Pythonのダウンロードについてはこちらの記事も紹介しているので、参考にしてみてください。
Pythonの自動化を使って、身近な業務を楽にすることから始めてみてはいかがでしょうか。