【小学校で必修化】子供にプログラミングの楽しさを伝えるには?

公開日: 2019.03.29
更新日: 2024.01.29
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はじめに

プログラミングは楽しいものです。しかし、学び方を間違えるとつまらないものに変化してしまう恐れがあります。そのため、せっかく始めたのに挫折してやめてしまった人も多いのではないでしょうか。

しかし、これからプログラミングを学ぶ子供たちにつまらない印象を持たせてしまうのはもったいないことです。プログラミングに抵抗感を持たせずに学んでいってもらうには、どのような環境を整えていったらいいのでしょうか。

まずは大人が楽しさを理解することはもちろん、その伝え方も重要になってきます。これからの世の中を担う子供たちにプログラミングの楽しさを正確に伝えていくというのは大変意義のあることです。


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2020年度からプログラミングが必修化!

考えている子供2020年度から小学校においてもプログラミング教育が導入されることになりました。

これはプログラミングが基礎教養になるということを確実に示しています。今後ますますプログラミングの必要性が増してくるということです。では一体、国が小学校での必修科を決めた目的や内容はどのようなものなのでしょうか。

必修化の目的は?

文部科学省が平成30年11月に公表した『小学校プログラミング教育の手引き(第二版)』によれば、プログラミング教育の目的は子供たちの将来の可能性を広げることにあります。プログラミングを通じてコンピュータ動作の仕組みに気づくことは、創造力の向上に寄与するとの考えからです。

また、将来どの職業に就くにせよ、あらゆる職場環境にコンピュータがより関わってくることになるので、初等教育の段階からプログラミング教育を導入することに意義を見出しています。プログラミングの技能・知識を習得するのが狙いではありません。抵抗感を持たせずに慣れさせるという意味合いが強いです。

①プログラミング的思考を育む

文科省はプログラミング教育から得られる能力として「プログラミング的思考」を挙げています。以下が文科省が示す「プログラミング的思考」の考え方です。

『自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力』

(文部科学省:『小学校プログラミング教育の手引き(第二版)』より引用)

プログラミングを通じて、子供たちに論理的思考を育んでもらおうという意図が見て取れます。

図で解説「プログラミング的思考」とは | ベネッセのプログラミング教育情報

②プログラムの働きに気づき、学習への態度を育む

プログラムの働きを学ぶことで、意図した処理には必要な手順があるという「気づき」を与えることが必要だと文科省は定義しています。

その気づきが、中学校や高等学校で学習するコンピューターの仕組みなどの理解に役立つと考え、その学習に向けた準備としての「態度」を育むことを目指しています。

プログラミングに早い段階から少しずつ慣れていってもらおうという考えです。コンピュータが便利になりすぎて、人々にとってブラックボックス化してしまうとさらに理解から遠ざかってしまいます。小学校の頃から、人間が意図的に動かしているものなんだという認識を持ってもらうことは大切なことなのです。

③各教科の学びを確実にする

プログラミングを学習に取り入れることは、例えば算数などの他の科目での学びにおいて、より正確に学ぶことに繋がると文科省は言っています。

プログラミングは全ての教養の土台になり得るとも解釈できます。

『例えば、算数化において正多角形について学習する際に、プログラミングによって正多角形を作図する学習活動に取り組むことにより、正多角形の性質をより確実に理解することなどを指しています。』

(文部科学省:『小学校プログラミング教育の手引き(第二版)』より引用)

プログラミングの楽しさとは

子供がプログラミングを学ぶということは、保護者である大人も教養として身につけておくべきと言っても言い過ぎではないでしょう。プログラミングの楽しさを伝えてあげることができれば、子供の学習にも良い影響となるはずです。まずは大人が「プログラミングは楽しい」と思えることが重要なのではないでしょうか。小学校においても基礎教養として学ぶことを知らないのでは子供の教育にも影響が出てしまいます。

大人の場合

プログラミングの楽しさは、まさにものづくりの楽しさそのものです。

それは自分の書いたコードがきちんと動いた時に得られる喜びです。暗号のような文字列を組み合わせて、それがエラーを弾かずに正確に作動した時の感動です。言語のルールを学び、複雑なコードを書き、それらを組み合わせてようやくわずかな動きを作り出すことができるので、学ぶことの楽しさを実感できるということも言えます。

プログラミングは、プログラマーだけが身につけているのではあまりにも勿体無いものです。小学校での必修科が示すように、あらゆる教養の基礎になりうるものであると言えます。全てのモノやサービスは論理的に組み合わされて生み出されています。全ての労働者が生み出すものはモノかサービスです。つまり、プログラミングは人間が何かを生産していく上で必要なスキルを補完してくれるものであるとも言えます。

モノ・サービスを生み出す仕組みは、設計者や経営者でなければあまり考える機会は無いかもしれません。しかし、プログラミングを学ぶことで、普段は考えもしないような所にも目がいくようになります。物事の仕組みに関心が持てるようになるのです。プログラムの複雑なコードは、その役割を理解しているから組み合わせることができて、動作させることができます。プログラマーとしてコードを書くのでは無いのだとしても、その仕組みについて考えを巡らせる能力は、他の職業でも間違いなく活きてきます。学びに遅いということはないので、大人でプログラミングの経験がなくとも、これから学習を始めてみるのも良い選択であると思います。


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子供にプログラミングの楽しさを知ってもらうには?

赤ちゃんパソコン子供にとって学校で勉強するというのは、テストで良い点数を取るとか、中学・高校受験のためという意味合いが強いでしょう。そして子供たちもそのような意識を持って勉強をしているのではないでしょうか。学校で算数や国語を学んでも、その学びが評価されるのはテストの点数からでしかないです。英語を学んで外国人とコミュニケーションを取れるような状況でもあれば、学びが実際に結実する喜びを味わえるかもしれませんが、そのような機会に恵まれる子供も多くはないでしょう。子供の場合は、学んだことが仕事に直結して学びに良い影響を与えてくれるわけでもありません。

しかしプログラミングであれば、自分の意図したように動作させるために必要なことを学び、そしてそれが動作した時には学びが結実したという実感を得ることができます。

この目に見えて動作するという結果が、学ぶことが楽しいという感覚を得ることができるためには必要なことです。プログラミングは楽しいものですが、学ぶことが楽しいと教えてくれるツールにもなり得ます。

遊びの中でプログラミングは楽しいという感覚を培ってもらう

プログラミングは遊びながら習得するのが一番です。

遊びながらであれば、無理なく学習できるからです。その中でも、ゲームをしながら知らないうちにプログラミングを学習できるようなものが理想的ではないでしょうか。子供がこれだけゲームに熱中するところからも良い方法であるのは間違いありません。どうせ熱中するのなら、プログラミングの要素をふんだんに取り入れたゲームの方が学びに直結するのでおすすめです。

ゲームをプレイすることは開発されたソフトを消費することに他ならないですが、ただ「消費」するのではなく「生産」という立場からも楽しさを伝えることが大切です。つまり、自分でどう動かしたいのか、どのような命令を与えれば思ったように動くのか、ということが実現できるようなゲームが望ましいです。自分で意図したように動いた時の楽しさを実感できるということが、プログラミングに対する抵抗感を生み出さないために必要なことです。

CodeMonkey

CodeMonkeyというプログラミングが学べるゲームがあります。世界で800万人がこのゲームでプログラミングを学んだと言われています。主人公のサルにプログラミングで命令を与えて、障害物を乗り越えてバナナを取りに行かせるという単純なゲームです。小学生のうちから遊べるように単純に作られています。ゲーム感覚で楽しめるのに、実際に文字列を入力して登場キャラクターを操作させるので、抵抗なくプログラミングを学ぶのに適しています。楽しみながらプログラミングを学ぶには大変おすすめのゲームです。

プログラミングを使ったおもちゃ

小学生低学年くらいの子供はおもちゃから始めるのもいいかもしれません。おもちゃを通じてプログラミングの感覚を体験させることができます。プログラミングの要素を取り入れたおもちゃに触ることで、コンピュータへの命令・動作に対する「気づき」を自然に与えることができます。

toio

ソニーが開発したtoioは、キューブ型をした模型に、様々なものを取り付けて動かすことのできるおもちゃです。子供が自ら手を動かして工作したものなどを取り付けることを想定して作られています。そしてその動くキューブは、プログラミングで動作をコントロールすることができます。作る楽しさと、動作させる楽しさを子供が体験できるおもちゃです。対象年齢は小学校低学年以上が想定されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。プログラミングが小学校で必修科されることで、ますますプログラミングの重要性が増してきています。プログラミングはとても楽しいものです。

まずは大人がその楽しさを実感することが何より大切です。そしてその楽しさを、子供たちに伝えていく仕組みづくりが重要です。今は無理なくプログラミングの世界に入っていけるおもちゃやゲームが豊富にあります。いきなり意味不明な文字列を打ち込むような作業をするよりも、感覚的に「楽しい」と思えるような接し方でまずプログラミングを好きになり、細かな技術・知識を習得していくのが習得の良い手順になるのではないでしょうか。

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