上長と上司の使い分けについて徹底解説

公開日: 2020.06.14
更新日: 2024.01.06
上長と上司の違いとは?

同僚や取引先との会話で「目上の人」について話すとき、「上司」といったり「上長」といったり、人によって呼び方が違うことがありますよね。

「目上の人をさす言葉ってどう使い分けたらいいんだろう?」

そう感じている人は多いのではないでしょうか。

ビジネスシーンで目上の人に失礼のないように、それぞれの意味はきちんと知っておきたいものですよね。

今回は、

  • 「上長・上司・先輩」の意味の違い
  • 「上長・上司」の使い方の注意点
  • 「上長」を使うシチュエーションの具体例
  • 「上長・上司」に代わる言い方や似た言葉とは?

についてお伝えします。

「目上の人の呼び方でミスしたくない!」という方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「上長」は「上司・先輩」となにが違う?言葉の意味を解説

言葉の意味を解説

社会に出てからときどき耳にする「上長」という呼び方。
意味は「年齢・地位が上であること、上である人」をさします。

「上司・先輩」に比べて使い慣れない人も多いでしょう。

特に、「上長」と「上司」は言葉も意味も似ているので、違いを覚えておきたいですね。

「上長・上司・先輩」の、それぞれの意味について詳しくみていきましょう。

「上長」は自分よりも年齢・地位が上の人に使う言葉

「上長」とは、自分よりも「年齢・地位」が上の人に対して使う言葉です。

「上司」と比較して、年齢が含まれていることがポイントになります。

特に年功序列など、年齢を重視する文化が根強い会社では、「上長」という言葉が用いられやすいです。

使い方は、「上司」とほとんど同じですが、年下の相手をさす場合には適していません。

「上司」は地位・役職が自分より上の人に使う言葉

「上司」は、自分よりも「地位・役職」が上の人に対して使う言葉です。

「上長」と比較して年齢が含まれず、あくまで地位や役職が上の相手に対して用います。

最近では、年齢よりも実力で評価されることが増えており、上の立場の人が必ずしも年上ではありません。

そのため、相手の年齢にとらわれることなく使える「上司」のほうが、使い勝手が良いのです。

実際に「上司」のほうが一般的に使われ、聞き慣れているのではないでしょうか。

「先輩」は自分よりも先に入社している人に使う言葉

「先輩」は、「自分より先にその道に入った人」「年齢・地位・経験・学問・技芸などで自分よりも上の人」という意味です。

つまり、仕事においては「自分よりも先に入社している人」をさします。

「上長・上司」が自分より年齢・地位・役職において上の人をさす呼び方であるのに対し、「先輩」は自分より入社時期が先であることがポイントです。


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上長・上司を使うときの4つの注意点

上長・上司を使うときの4つの注意点

意味は似ているものの、年齢によって使い分けられる「上長・上司」ですが、使うときにはどんなことに注意する必要があるでしょう。

言葉の意味を知っているだけでは、適切に使うことはできません。

普段の仕事で使うときに、誤った使い方をしないように覚えておきましょう。

ここからは、「上長・上司」を使うときの4つの注意点をご紹介します。

  1. 「上長」も「上司」も本人を呼ぶときには使わない
  2. メールや書面で「上長」「上司」に「様」は必要ない
  3. 社外で「上長」「上司」の話をするときは呼び捨てにする
  4. 社内で使われている呼び方を尊重する

ひとつずつみていきましょう。

1.「上長」も「上司」も本人を呼ぶときには使わない

1つ目は、「上長・上司」のどちらも、本人を呼ぶときには使わないということです。

「上長・上司」は相対的なポジションを表す言葉で、役職ではありません。

そのため、直接相手に話しかけるときに「上長・上司」と呼びかけるのではなく、本人の名前を呼ぶようにしましょう。

「上長・上司」は、たとえば

  • 「上長に確認しますので、少々お時間をいただけますか」
  • 「後日、上司とともに伺います」

など、おもに社外やほかの人に対して用いる言葉であることを覚えておきましょう。

2.メールや書面で「上長」「上司」に「様」は必要ない

メールや書面では「上長・上司」に「様」をつける必要はないという点も注意しましょう。

メールや文書では、宛名に「様」と書くことが多いため、「上長・上司」に「様」をつけてしまいがちです。

「上長・上司」は役職名でも敬称でもなく、自分からみた呼び名であることを理解しておくことが大切になります。

上司にあてて社内メールなどを送る場合は、宛名を次のようにするのが一般的です。

  • 名前+様(〇〇様)
  • 名前+役職名(〇〇部長)
  • 名前+役職名+殿(〇〇部長殿)
  • 役職名+名前+様(部長〇〇様)

3.社外で「上長」「上司」の話をするときは呼び捨てにする

社外で「上長・上司」の話をするときは呼び捨てにすることにも注意しましょう。

社外においては、自社社員は立場にかかわらず身内扱いとなるため、「上長・上司」に敬称はつけません

社外の人に対して上長のことを話す場合は、「上長の〇〇に伝えておきます」など、上長の名前に「〇〇さん」などをつけないように気をつけましょう。

さらに役職名を伝える場合は、役職を名前の前にもってくるようにします。
これは、役職自体に敬称の意味が含まれるためです。

「部長の〇〇はただいま席を外しております」など、「〇〇部長」とは呼びません。

また、上司の発言については「部長がおっしゃっていました」ではなく「部長の〇〇が申しておりました」など、尊敬語ではなく謙譲語を使うことも覚えておきましょう。

4.社内で使われている呼び方を尊重する

最後の注意点として、社内で使われている呼び方を尊重しましょう

会社や組織によっては、呼び方のルールが決まっている場合もあります。

たとえば、「上長」でも会社によって

  • 直属の上司は「上司」、他部署の上司は「上長」と呼ぶ
  • 決裁権のある上司を「上長」と呼ぶ

などの使い方もあるでしょう。

「上長・上司」などの呼び名や意味にこだわりすぎず、社内で使われている呼び方を尊重し、柔軟に用いるようにしましょう。

「上長」を使うときの具体例

「上長」を使うときの具体例

「上長」の意味や注意点についてみてきました。

しかし、「上長」という言葉を実際にどう用いれば良いのか、イメージがつきにくいという方もいるでしょう。

ここからは、実際に仕事のなかで「上長」を使うときの具体例をご紹介します。

「上長」を社内で使う場合の具体例

まずは、「上長」を社内で使う場合の具体例をご紹介しましょう。

  • 「新規プロジェクトに関しては、上長に確認をとり次第、開始します」
  • 「上長の指示に従うだけでなく、先を見越して行動しましょう」
  • 「上半期の目標達成は、上長の〇〇さんのおかげです」

社内で「上長」を使うときには、社内でどのように使われているのかを確認した上で使いましょう。

また、社内では「上長」のことを名前で呼ぶ場合、「名前+さん」という呼び方が一般的です。

「上長」を社外で使う場合の具体例

次は、「上長」を社外で使う場合の具体例をご紹介します。

  • 「わたしの上長の〇〇は、ただいま席を外しております」
  • 「上長に指示を仰ぎますので、改めてご連絡差し上げてもよろしいでしょうか」
  • 「上長の〇〇からことづてを預かっております」

社外で「上長」をつかうときには、名前に敬称をつけないことや尊敬語を用いないことがポイントです。

尊敬の対象はあくまで社外の相手であって、「上長」のことは自分と同様に謙譲語を用いるようにしましょう。


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上長・上司に代わる言い方や似た言葉とは?

上長・上司に代わる言い方や似た言葉とは

ここまで、「上長・上司」についてみてきましたが、目上の人をさす言葉はほかにもあります。

自分が使わなくても、仕事上で関わる相手が使っていたときに意味がわかるようにしておくことは大切です。

最後に、「上長・上司」に代わる言い方や似た言葉をご紹介します。

  1. 上役
  2. 上席
  3. 上職
  4. 主任
  5. 先輩
  6. 職長
  7. 所属長

順番に確認しましょう。

上役

「上役(うわやく)」は、「上位の役人、職制として上位の人」という意味です。

職場で自分より地位や役職が上の人、社内で上位の地位や役職についている人をさします。

あくまでも社内での地位において、自分よりも上位の人を呼ぶ言葉です。

「上司」とほぼ同じ意味ですが、やや砕けた呼び方のため使われる機会は多くありません。

上席

「上席(じょうせき)」は、「上位の席次・上座、地位・階級が上であること」を意味します。

席次や階級が上位であること、自分よりも階級が上のことを表す言葉です。

「上司」よりもかしこまった呼び方で、政治や軍事の世界で使われることが多い傾向にあります。

「上席(かみせき)」と読むと、「寄席で,その月の上旬の興行」という全く異なる意味になってしまうので注意しましょう。

上職

「上職(じょうしょく)」は、「自分よりも上の地位についている人、高貴な職、高位の職員」を意味します。

「上の地位」という意味のほかに、「高級・高貴・高位の職」という意味があることが特徴的な言葉です。

やや古めかしい印象のある言葉で、「上長」より使われることは少ない傾向にあります。

主任

「主任」は、「主になって任務を受け持つこと、人」を意味する役職名です。

一般的には、肩書を持たない平社員のひとつ上のポジションとなる役職が「主任」である場合が多いでしょう。

「複数人をまとめるリーダー」の役割を期待され、多くは20代後半に任命されます。

ほかの呼び名との違いとして、「課長・部長・社長」等と同様の役職名であることに注意しましょう。

先輩

「先輩」は、「自分より先にその道に入った人、年齢・地位・経験・学問・技芸などで自分よりも上の人」を意味します。

仕事においては、年齢や役職が自分より下であっても、自分より先に入社している人は「先輩」と呼ぶことができることがポイントです。

職長

「職長」は、「事業場や作業所で労働者に対して指揮監督する人」を意味します。

特に、建設・製造・電気・ガス・機械修理・自動車整備の現場などにおいて、作業員に対して直接的に指揮監督する役職です。

作業員の安全を確保する重要な役割を担います。

所属長

「所属長」は、「特定の人が所属しているチームや組織を取りまとめるリーダー」という意味です。

組織や分野において一番上で仕切っている人、最高責任者を表します。

「所属」は「従属または付属していること。団体などに加わっていること」を意味し、「長」は「最高責任者」を意味する言葉です。

社内における「所属長」は、「社長・部長」をさすことになるでしょう。

まとめ:上長は年齢も地位も上の人に使う言葉!使うタイミングに気をつけよう

今回は上長についてお伝えしました。

仕事で目上の人をさす言葉はさまざまですが、なかでも「上長」は使われることも多く、使いこなせるようにしておきたい言葉です。

「上長」を使う場合は、年齢も地位も上の人に使う言葉であることに気をつけましょう。

目上の人をさす言葉は、使い方や使うタイミングによって丁寧にも失礼にもなります。

正しい使い分けを知り、適切に使い分けましょう。

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