ソーシャルワーカーとは?社会福祉士との違いや年収・向いている人の特徴などを解説
福祉や、医療関連への転職に興味がある人の中には、
「ソーシャルワーカーの仕事に興味がある」
「年収はどれくらいなんだろう?」
「資格は必ずしも必要なの……?」
と考えている方もいるのではないでしょうか?
ソーシャルワーカーと一言でいっても、実際の仕事内容や働き方など、よくわからないことも多いですよね。
そこでこの記事ではソーシャルワーカーの、
- 仕事内容や年収
- 社会福祉士との違い
- 1日のスケジュール
- 取得しておくべきおすすめの資格
- 仕事のやりがいや、向いている人の特徴
などについて、くわしく解説していきます。
この記事を読めば、ソーシャルワーカーへの理解が深まりますよ。
ソーシャルワーカーへの転職や就職を考えている方は、ぜひ最後まで読みすすめてくださいね。
ソーシャルワーカーとは?働き方や社会福祉士との違いについて解説
ソーシャルワーカーとは、実際にはどのような仕事をしているのでしょうか?
まずここでは、ソーシャルワーカーの内容について、くわしく解説していきます。
- 仕事内容や働き方
- 資格の必要性
- 社会福祉との違い
それではさっそく見ていきましょう。
1.ソーシャルワーカーとは社会生活で困っている人をサポートする仕事
ソーシャルワーカーは「医療」「教育」「福祉」「介護」などの業界において、生活に関わるさまざまな支援をおこなう仕事です。
本人だけではなく、家族や友人などの身近な人や、環境などの課題についても支援をおこないます。
ソーシャルワーカーという名称は、もともとは社会福祉事業に携わる人の総称として使われていました。
現代では、ソーシャルワーカーという名称で働いている人はそう多くありません。
「医療ソーシャルワーカー」や「精神科ソーシャルワーカー」というように、勤務先によっても呼び方や仕事内容に大きな違いがあります。
2.ソーシャルワーカーに資格は基本的に不要
ソーシャルワーカーとして働くためには、必ずしも必要な資格はありません。
しかし、求人では
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護福祉士
などの資格が必要とされる場合もあります。
資格は基本的に不要といっても、より専門的なサポートをおこなうソーシャルワーカーになるためには、資格を持っていた方が有利であることは間違いありません。
3.社会福祉士との違いは「資格の差」
社会福祉士は、生活困窮者や障害者などの心身や環境上の問題によって、日常生活を送るのが困難な人の相談援助をおこなう仕事です。
ソーシャルワーカーと非常に似ているため、違いがわからない人も多いでしょう。
両者の違いは、資格をもっているかどうかです。
社会福祉士と名乗るには、国家資格が必要です。
持っていない人は社会福祉士を名乗れないので、同じ仕事内容であってもソーシャルワーカーと呼ばれます。
社会福祉士とは国家資格を持つ仕事のことを指し、ソーシャルワーカーは職種名と、とらえるとわかりやすくなるでしょう。
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ソーシャルワーカーと呼ばれる主な仕事5選
ソーシャルワーカーは福祉関連の仕事だけではなく、さまざまな場所で相談援助業務をおこなっている人のことを指します。
では、具体的にはどのような仕事があるのでしょうか?
そこでここでは、ソーシャルワーカーと呼ばれる主な仕事についてご紹介していきます。
- 医療ソーシャルワーカー
- 精神科ソーシャルワーカー
- スクールソーシャルワーカー
- ケースワーカー
- 生活相談員、支援相談員
それでは順番に見ていきましょう。
1.医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーは保険医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々をサポートする仕事。
おもな勤務場所は、以下のとおりです。
- ソーシャルワーカー室
- 医療福祉相談室
- 患者支援センター
病気になると、本人も周りの方々も経済的・心理的な悩みや課題がでてくるもの。
そうした、生活に何らかの事情を持つ人たちの相談にのり、入院や退院の調整や社会資源の紹介などをおこないます。
よりよい生活をおくれるように支援していくことが、医療ソーシャルワーカーの役割です。
2.精神科ソーシャルワーカー
精神科ソーシャルワーカーは、精神障害者やその家族の生活上の相談にのり、社会生活に関する援助や指導をおこなう仕事。
おもな勤務場所は、以下のとおりです。
- 精神病院などの医療機関
- 精神保険福祉センター
- 福祉事務所
高ストレス社会といわれる現代において、精神科ソーシャルワーカーの役割は、ますます重要なものとなっています。
これからも需要は高まっていくでしょう。
3.スクールソーシャルワーカー
いじめや不登校などといった、学校での困りごとを抱えている子どもと、その家族を支えるための専門職がスクールソーシャルワーカーの仕事。
特定の小学校や中学校に配置されている場合や、教育委員会などに所属して、必要なときにだけ学校に派遣されることもあります。
また、派遣型として担当している学校を順番に訪問していくことも。
近年では、いじめや不登校などの問題が複雑化しており、学校の中では対処できなくなってきています。
そこでスクールソーシャルワーカーは、学校や家庭での暮らしやすい生活を支援し、子どもたちやその周りの人たちの平穏な生活を守っているのです。
4.ケースワーカー
ケースワーカーは身体障害者である人や、その家族、また1人暮らしの高齢者といった、日常生活を送るうえでさまざまな困りごとをもつ人たちの相談にのり、サポートをおこなう仕事。
おもな勤務場所は、以下のとおりです。
- 福祉事務所
- 児童相談所
- 老人福祉施設
具体的には、家庭訪問や面接などの家庭環境の調査をおこない、生活保護受給の判定なども担当します。
何らかの事情を抱えて、生活保護や社会福祉制度を利用する人の自立を促していくのがケースワーカーの仕事です。
5.生活相談員、支援相談員
近年では、介護サービスが多様化していることから、介護施設ごとのサービスがわからりづらいと感じる人も多くいます。
そこで、利用者の相談にのり、どのようなサービスを提供できるのかを説明するのが生活相談員の仕事です。
おもに、
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 軽費老人ホーム
などの高齢者福祉施設に勤務しています。
また、支援相談員は介護老人保健施設での相談員のこと。
介護老人保健施設は、リハビリなどの医療ケアを必要とする利用者が入り、自宅への復帰を目指す施設です。
そのため、支援相談員の大きな役割は、在宅復帰に向けた支援をおこなうことといえます。
医師や看護師、ケアマネジャーなどのさまざまな職種の人たちと協力しながら、入所者のよりよい在宅復帰を目指すことが支援相談員の仕事です。
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そう考えていませんか?
やりがいのある仕事の見つけ方や、探すためのポイントなどについて、くわしく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
ソーシャルワーカーの平均年収は476万円!社会福祉士との違いは?
ソーシャルワーカーの平均年収は、476万円。
平均年収をもとに割り出した平均月収額は、26万円〜35万円です。
(出典:厚生労働省統計より)
ただし、ソーシャルワーカーは働き方や勤務先によって給料に差があります。
以下に、さまざまなソーシャルワーカーの平均年収を表にしてまとめました。
【ソーシャルワーカーの年収】
職業 | 平均年収 |
医療ソーシャルワーカー
(出典:平均年収.JP) |
400万円~420万円 |
精神保険福祉士
(出典:平均年収.JP) |
350万円〜400万円 |
スクールソーシャルワーカー
(出典:求人ボックス) |
400万円〜450万円 |
ケースワーカー
(出典:スタディサプリ) |
614万円 |
生活相談員
(出典:求人ボックス) |
319万円 |
各社の統計データを見ると、ソーシャルワーカーの平均年収は310万円〜650万円前後であることがわかりますね。
では、さまざまな求人サイトの社会福祉士の平均年収についても見ていきましょう。
【求人サービス各社の社会福祉士の平均年収データ】
求人サービス各社 | 平均年収 |
社会福祉士
(出典:転職ステーション) |
429万円 |
社会福祉士
(出典:求人ボックス) |
318万円 |
社会福祉士
(出典:indeed) |
355万円 |
各社の統計データを見ると、社会福祉士の平均年収は310万円〜450万円前後であることがわかります。
これらの結果から、社会福祉士よりもソーシャルワーカーの平均年収の方が高い傾向があることがわかりました。
多くのソーシャルワーカーは、社会福祉や精神保険福祉士などの国家資格を持ったうえで働いているケースがほとんどです。
そのため、基本給に資格手当てがプラスされ、高収入であるケースが多いのでしょう。
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ソーシャルワーカーの1日の流れを紹介
ソーシャルワーカーがどのようなスケジュールで仕事をしているのかも、気になるポイントですよね。
ソーシャルワーカーは、福祉施設や医療施設などのさまざまな場所で勤務しているため、人によっても1日のスケジュールが異なるのが一般的です。
仕事の性質上、一概に仕事の流れを解説するのは難しいのです。
そこでここでは、医療ソーシャルワーカーの1日の流れについてご紹介していきます。
それではさっそく見ていきましょう。
朝のミーティングをします。
日誌を確認して申し送り、スケジュール確認、メール返信確認などをおこないます。
受けもっている患者さんのカルテや記録の確認をして、相談支援の計画や見直しをおこないます。
また、患者さんの病室へ伺ったりリハビリの見学もおこないます。
相談支援の計画に基づいてご家族への連絡を取ったり、施設に連絡を取ります。
病室への訪問をしたり、病棟を回って他職種と意見交換をしたりします。
連絡をした患者さんのご家族や施設の方と会って、支援計画を立てます。
お昼休憩です。
ランチをしながら、仕事のことやプライベートの相談などをみんなで話します。
午後は外来が少なく、医師が病棟で面談をすることが多いため、そこに同席します。
病棟の退院支援カンファレンスへの出席や、多職種と集まって退院計画の打ち合わせをおこないます。
その日の出来事をカルテに記入して、1日の振り返りをおこないます。
(出典:津田沼中央総合病院 MSW 1日のタイムスケジュールより)
ソーシャルワーカーの業務は多岐にわたり、1日のスケジュールも日によって異なることが多いようです。
面談や打ち合わせなどの内勤の日もあれば、利用者や関係施設の訪問といった外勤ばかりの日もあります。
ソーシャルワーカーが持っていると有利な資格
ソーシャルワーカーは資格が不要な場合もありますが、資格を持つことで仕事の幅が広がり年収アップも期待できます。
ここでは、ソーシャルワーカーが持っていると転職や就職で有利になる資格についてご紹介していきます。
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
多くのソーシャルワーカーは、資格を保有しているケースが多いのも事実です。
余裕があれば、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
それでは順番に見ていきましょう。
1.社会福祉士
社会福祉士資格は、福祉や医療に関する相談援助に必要な知識や、スキルがあることを証明する国家資格。
資格があることで専門家としての社会的な信用性も高まり、就職にも有利です。
社会福祉士資格を取得するには、決められた受験資格を満たしたうえで試験に合格する必要があります。
福祉系の大学や専門学校などで指定科目を履修している人は、受験資格を満たしているため、最短で資格取得が可能です。
2.介護福祉士
数ある介護の資格の中でも、唯一の国家資格である介護福祉士。
介護福祉士の資格を取得することで、給与や待遇面がよくなる傾向があります。
たとえば資格を取得すると、
- 生活相談員
- チームリーダー
- サービス提供責任者
などの仕事に就くことも可能です。
介護福祉士はあらゆる介護の現場において求められる資格であるため、就職にも有利になります。
3.精神保健福祉士
精神保険福祉士は、精神に障害がある人たちの社会復帰へのサポートや、訓練を指導できることを証明する国家資格。
資格取得後の就職先の例は、以下のとおりです。
- 精神科のクリニック
- 特別養護老人ホームなどの介護施設
- 就労支援事業所や相談支援事業所
社会福祉士の試験と共通科目が多いため、両方の資格を持っているソーシャルワーカーも数多くいます。
福祉の仕事で幅広く活躍したいのであれば、精神保健福祉士と社会福祉の両方の資格取得に挑戦してみるのもいいでしょう。
4.介護支援専門員(ケアマネジャー)
ケアマネジャーになるために必要な資格を、正式には介護支援専門員といいます。
ケアマネジャーは、介護を必要としている利用者やその家族と相談し、どんな介護を必要としているのかを見極めて、最適なプランを提供する仕事です。
ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
また、介護支援専門員は各都道府県に管理されているため、国家資格ではなく公的資格であることが特徴です。
介護業界で責任のあるポジションで活躍していきたいのであれば、介護支援専門員資格に挑戦してみてください。
ソーシャルワーカーの仕事のやりがい
せっかく仕事をするのであれば、やりがいをもって楽しく仕事に取り組みたいものですよね。
そこでここでは、ソーシャルワーカーの仕事のやりがいについて、くわしくご紹介していきます。
解説していく内容は以下のとおりです。
- 人から感謝される
- 人の役に立てる
- 社会に貢献できる
それではさっそく見ていきましょう。
人から感謝される
ソーシャルワーカーは、病気や障害、高齢などの何らかの事情を抱える人たちの相談にのり、適切なサービスの提供やアドバイスをする仕事です。
業務をとおして、多くの困っている人たちを助ける仕事であるため、直接的に感謝される機会が多いでしょう。
ひとりとして同じ悩みを持った人はいないため、業務はかんたんではありません。
しかし、利用者から「ありがとう」といってもらえたときには、大きなやりがいを感じられる人が多いでしょう。
人の役に立てる
要介護者や生活困窮者など、社会的な立場の弱い人たちを支える仕事であるソーシャルワーカー。
ソーシャルワーカーを頼る人は、さまざまな事情を抱えており、環境や状況もひとりとして同じ人はいません。
ソーシャルワーカーは、それぞれの問題に向き合って、適切な提案やアドバイスをすることで多くの困った人たちを支えています。
自分の仕事をとおして、社会生活に困っている人たちを救えることで、人の役に立っているという実感をもてるでしょう。
社会に貢献できる
ソーシャルワーカーは、子どもから高齢者までとあらゆる世代が対象です。
ソーシャルワーカーとして社会福祉サービスを提供することで、主体性をもって社会に貢献できます。
「誰かの役に立ちたい」「社会に貢献したい」という人ほど、ソーシャルワーカーの仕事にやりがいを感じられるでしょう。
資格がなくても人の役に立つことを実感できる、おすすめの仕事についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
人のためになる仕事とは?おすすめの職種12選とやるべき5つのことソーシャルワーカーに向いている人の特徴とは
最後に、ソーシャルワーカーに向いている人の特徴についても見ていきましょう。
- コミュニケーションスキルがある人
- 冷静さを見失わない人
- 相手の立場になって物事を考えられる人
それでは順番に解説していきます。
コミュニケーションスキルがある人
ソーシャルワーカーは、利用者の悩みごとを適切に聞き出し、問題を解決へと導いていく仕事です。
利用者の悩みを解決していくには、ひとりではなく多くの人たちと協力していく必要があります。
そのため、コツコツとひとりで仕事をするのではなく、さまざまな人と関わっていきながら仕事をしたい人に向いているといえるでしょう。
冷静さを見失わない人
ソーシャルワーカーを頼る相談者の中には、直面している問題に混乱して、取り乱してしまう人もいます。
ときには、感情的になって怒鳴り散らしてしまう人もいるかもしれません。
どのような人を担当することになっても、冷静にその人の話をしっかりと聞く力がソーシャルワーカーには求められます。
たとえ、個人的に納得できない相談であったとしても、客観的な視点をもって対応しなくてはいけません。
辛抱強く相談者と向きあえる人は、ソーシャルワーカーに向いているでしょう。
相手の立場になって物事を考えられる人
ソーシャルワーカーには、相談者ひとりひとりに寄り添って同じ目線で物事を考える力が求められます。
病気や障害、高齢といったさまざまな問題を抱えている人たちにとって、ソーシャルワーカーの存在はとても大きなもの。
どのような相談者に対しても、その人にとってよりよい解決方法を一緒に探していける、思いやりの心をもつことが大切です。
相手の気持ちに共感できる人や、人助けが好きな人はソーシャルワーカーに向いています。
まとめ:ソーシャルワーカーはこれから需要が高くなる仕事
高齢化や所得格差の拡大やいじめ、児童虐待といった社会問題は現代に多くあります。
そのため、心身や経済的に厳しい状況に陥っている人が増えていることも事実です。
日本が抱えるさまざまな問題は、残念ながら今すぐに解決できることばかりではありません。
今後もソーシャルワーカーの助けを求める人は増加していくと予想できるため、将来性も高い仕事といえます。
ちなみに、将来性の高い仕事に就きたいと考えているのであれば、IT業界への転職もおすすめです。
IT業界は需要の高さとは反対に、人手不足が深刻な問題になっています。
そのため、今からでもプログラミングスキルを身につけることで未経験からでも比較的転職しやすいでしょう。
将来性が高く、高収入も目指せる仕事に就きたいならプログラミングスキルを学んでみてはいかがでしょうか。