課題と問題の違いとは?具体例と解決するための8ステップや洗い出し方を解説
社会人になり、「問題発見力」「課題解決力」が重要などと耳にすることが増えているのではないでしょうか?
しかし、そんななかで
「問題と課題の違いがわからない…」
「課題を見つけて解決するには、具体的にどうすればいいの?」
と疑問に思うことがあるかもしれません。
問題と課題を切り分けて考え、解決に導く能力は、仕事のあらゆる場面で求められます。
今後、仕事のなかでぶつかる課題にどう対処していけば良いのか、知っておきたいですよね。
今回は、
- 問題と課題の意味や違い
- 問題と課題を組み建てる8つのステップ
- 仕事上の問題や課題をうまく洗い出す方法
などについてご紹介します。
「問題や課題を発見して、解決できる力をつけたい」と感じている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
問題と課題の違いとは?それぞれの意味を解説
まずは、「問題」と「課題」の違いについて確認しましょう。
「問題」と「課題」は似ているように感じられますが、実は微妙に意味が異なるのです。
問題解決のためには、この2つの意味を理解しておくことが基本といえます。
それぞれの意味を確認していきます。
1.問題は「解決しなければならない事柄」という意味
「問題」とは、「解決しなければならない事柄」という意味です。
辞書をひくと、「問題」には主に5つの意味があることがわかります。(出典:コトバンク)
- ①答えを求めるための問い。解答や教えを要求する問い。質問。
- ②批判や論争、または研究の対象となる事柄。解決しなければならない事柄
- ③心にとめて考えるべき事柄。注目すべき点。
- ④話の主題。世間で注目を集めている事柄。話題。
- ⑤面倒な事柄。厄介な事柄。
このうち、ビジネスにおける「問題」は②にある「解決しなければならない事柄」にあたりますね。
何かを達成する上での困りごとや障害となるものなど、理想と現状のギャップとなっているものを意味します。
2.課題は「解決しなければならない問題」という意味
「課題」とは、「解決しなければならない問題」という意味です。
辞書をひくと、「課題」には主に3つの意味があることがわかります。
- ①仕事や勉強の問題や題目。
- ②与える、または、与えられる題目や主題。
- ③解決しなければならない問題。果たすべき仕事。
ビジネスにおける「課題」は、①や③の意味が近いと考えられますね。
しかし、これでは「問題」も「課題」も意味がほとんど同じに感じられます。
一体何が違うのでしょうか。
3.ビジネスにおける問題と課題の違いは「問題を細かく分析したものが課題」という点
ビジネスにおける「問題」と「課題」は、どちらも「解決しなければならない」ことでした。
その違いは「問題を細かく分析したものが課題」という点にあるのです。
たとえばビジネスにおいて「書類を書き間違えてしまう」というミスがあったとします。
この場合、問題と課題の使い分けは以下のとおりです。
問題:書類のミスが多い
課題:チェックの時間が少ない
このように、問題をくわしく調査したものが、ビジネスにおける課題だといえます。
同じように使われる言葉なので違いがわかりにくいですが、厳密には違うということを理解しておきましょう。
問題と課題の具体例を紹介
こちらでは、どんなことが「問題」で、どんなことが「課題」になるのか、具体例をご紹介します。
1.体調を崩して、仕事が予定通りに進んでいないケース
「体調を崩して仕事が遅れている」ということが問題の場合を考えてみましょう。
この場合の課題は、
- 睡眠不足
- 体調管理が不十分
- 予定通りに進んでいない
- 自分ひとりで間に合わない
などがあげられるでしょう。
課題は、問題を細かく分析したものです。
つまりひとつの問題に対して、課題が複数になることも十分ありえます。
副業で仕事が受注できないケース
「副業を始めたけれど、仕事が受注できない」ということが問題のケースを考えてみましょう。
この場合の課題は、
- スキルが不十分
- 実績を伝えられていない
- 提案文がいまいち
- 提案する数が少ない
などがあげられます。
ポイントとして、問題に対する課題は、どのような部分を解決をしたいかによって変わることを覚えておきましょう。
たとえば、単価の高い仕事を受注できるようになりたいなら、スキルアップや交渉が重要です。
一方で、実績を増やすためにとにかく仕事の数をこなしたいなら、提案数を増やすことが必要になります。
このように、問題と解決した部分を明確にして、課題を考えるようにしましょう。
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問題と課題の組み立て方を8ステップで紹介
こちらでは、問題と課題を組み立てる方法を8つのステップでお伝えします。
- 現状を見直して問題を洗い出す
- 問題に対して解決の優先順位をつける
- 問題に対しての課題を設定する
- 課題に対する対策方法を考える
- 対策を実践し、効果を確認する
- 効果がなかった場合は原因を分析する
- うまくいくまで新たな対策を試す
- 解決できたら新たな問題に取り組む
それでは、順番に見ていきます。
1.現状を見直して問題を洗い出す
問題を見つけるには、まず現状の業務を見直すことから始めます。
現状の業務の見直しは、
- 自分が現在抱えている業務
- 業務に対する目標
- それぞれの業務の進捗状況
を書き出して、ひと目で分かるようにしましょう。
このなかで、目標と進捗のギャップが大きい部分が「問題」です。
まずは現状を見つめ直して、問題を洗い出してみてください。
2.問題に対して解決の優先順位をつける
問題を洗い出しても、最初からすべてに取りかかることはできませんよね。
どのような順番で解決していくのか、優先順位をつけましょう。
優先順位は、業務の「緊急性」や「重要性」によって判断します。
納期が迫っているなどの「緊急性」の高い業務、大きい責任や売上にかかわる「重要性」の高い業務は、優先順位を高く設定しましょう。
優先順位をつけて、順番に着手することで、スムーズに仕事を進められます。
3.問題に対しての課題を設定する
優先順位をつけたら、順番に問題解決のための課題を設定しましょう。
ひとつの問題に対して、課題はいくつかあげられます。
たとえば「会議の資料作成が遅れている」という問題に対して、
- 不要な部分が多い
- 予定している作業時間で足りていない
- 必要なデータが集まっていない
などの課題があげられるでしょう。
それぞれの問題について、解決が必要な課題を洗い出していきます。
4.課題に対する対策方法を考える
課題を設定したら、対策を考えます。
対策とは、課題解決のための具体的な行動です。
「会議の資料作成が遅れている」という問題で出た課題に対する対策は、それぞれ次のようになります。
- 不要な部分が多い
→不要部分を省き、1/2に圧縮してまとめる - 予定している作業時間で足りていない
→1日毎の予定を組み直す - 必要なデータが集まっていない
→データにくわしい2人をピックアップし、協力を得る
対策を立てるポイントは、数字を使って明確にすることです。
5.対策を実践し、効果を確認する
対策を立てたら、実行に移します。
実行に移すことで現状が変化し、本来ありたい状態とのギャップが埋まってくるはずです。
ここで、実践した対策がどれほど効果があったかを常に確認していきます。
実践が効果的に作用し、すべての課題が達成できれば、問題が解決できますね。
6.効果がなかった場合は原因を分析する
しかし、物事はうまくいかないこともあります。
課題への対策を取り組んだのに問題が解決しない場合は、課題設定を再検討しましょう。
また実践した対策のうち、効果がなかったものがあれば原因を分析します。
たとえば、必要なデータを集めるために「データにくわしい2人をピックアップし、協力を得る」という対策を立て、誰からも協力が得られなかった場合。
考えられる原因は、
- 同僚が自分の仕事で手いっぱいである
- 自分の頼み方が効果的ではなかった
- 会議の資料の必要性や重要性を理解されていない
などがあるかもしれません。
対策を実施した環境から、可能性が高い原因を探りましょう。
7.うまくいくまで新たな対策を試す
達成できていない課題には、うまくいくまで新たな対策を試します。
問題に対する課題に対し、適切な対策を実践して問題解決につなげましょう。
問題解決につながる課題や適切な対策がなかなか見つからない場合は、上司や同僚などに相談してみるのもひとつの手です。
第三者からの意見を取り入れることで、問題を客観的に捉えて課題や対策を発見できます。
8.解決できたら新たな問題に取り組む
課題をクリアすれば、問題は解決していきます。
その結果、新たに発生した問題や、次の問題に取り組めるようになりますよ。
「問題」に対して「課題」を設定し、「対策」を実行するという手順を繰り返して、問題を解決していきましょう。
仕事で発生しやすい問題とその課題を5つ紹介
こちらでは、実際の仕事で発生しやすい問題やその課題をご紹介します。
- 仕事上でのケアレスミス
- 社内間での連携不足
- 納期の遅れ
- やる気の低下
- 人手不足
それでは、見ていきましょう。
1.仕事上でのケアレスミス
仕事でうっかりケアレスミスをしてしまうことってありますよね。
「顧客に電話をかける予定をすっかり忘れていた」
「クライアントとの打ち合わせの時間に遅れてしまった」
「作成した会議の資料に誤字があった」
そんな不注意によるミスを「問題」としたとき、「課題」となるのは次のようなことです。
- 1日のスケジュールを把握できていない
- スケジュールに余裕がない
- チェックリストがない
ケアレスミスは、確認する習慣をつけ、余裕を持って行動することで防げます。
自分が確認しやすくなる工夫を取り入れましょう。
上記のほかにも、自分なりの課題を設定して対策を立てることで、ミスを防いだりフォローしたりできますよ。
2.社内間での連携不足
「報告・連絡・相談」という言葉はよく耳にしますね。
社内間での連携がとれていないと、トラブルにつながってしまいます。
社内間での連携不足を「問題」とするとき、「課題」として考えられるのは、
- 上司と部下の信頼関係が築けていない
- 情報共有のツールを活用できていない
- 話しやすい空気ではない
- 時間に余裕がない
などではないでしょうか。
相手との関係性が築けていなかったり、いつも忙しかったりすると、報告や相談がしづらいと感じます。
良好な関係性やゆとりのある時間など、話しやすい環境を整えることが大切です。
また、情報共有に役立つツールを活用して手間を減らすこともできますよ。
3.納期の遅れ
納期がある業務の場合、遅れてしまうとクライアントに迷惑がかかり、信用を落としてしまいます。
納期の遅れという「問題」に対して、どんな「課題」が考えられるでしょうか。
- 時間配分の見積もりが甘い
- スケジュールに余裕がない
- 進捗を管理できていない
上記の対策として、計画性を持って取り組むことで、遅れてしまうリスクを最小限にできます。
遅れてしまう可能性を管理できれば、対策を立てて実際に遅れる事態を防げますよ。
4.やる気の低下
「なんだか仕事へのやる気が出ない」というときってありますよね。
社員のやる気が落ちていると、生産性や作業効率が下がり、会社の成果や売上にかかわります。
やる気の低下を「問題」としたときの「課題」は、
- 給料が低い
- 時間外労働が多い
- 仕事のストレスが大きい
- 人間関係が良好ではない
など、さまざまです。
やる気が低下した原因を探り、適切な課題を設定しましょう。
自分のやる気をコントロールするには、自分が何をモチベーションとしているのかを見つめ直すのもおすすめです。
5.人手不足
最近は人手不足の職場も増えていますね。
業務量に対して人手が足りないと、十分にビジネスを回すことができず、時間外労働などにつながってしまいます。
人手不足の「問題」は、次のような「課題」が考えられるでしょう。
- 仕事が多すぎる
- 業務の無駄が多い
- 業務を効率化できていない
- 人材採用が不十分
人手が少なくても、業務の無駄を省いたりツールを活用したりすることで、効率的に業務を進めることは可能です。
それでも人材が足りない場合は、採用活動を積極的に行う必要があるでしょう。
仕事上の問題や課題をうまく洗い出す方法
こちらでは、問題や課題を洗い出す5つの方法をご紹介します。
- ブレインストーミングを行う
- 社内で意見を集める
- 顧客にアンケートをとる
- フレームワークを使ってわかりやすく分析する
- うまくいっている会社の分析をおこなう
さっそく、見ていきましょう。
1.ブレインストーミングを行う
最初にご紹介するのは「ブレインストーミング」という方法です。
ビジネスの場では「ブレスト」と省略して呼ばれることも多いですね。
ブレインストーミングは、自分やチームが考えている問題を紙に書き出し、分類して課題を導き出すというもの。
質より量を意識してアイデアを大量にアウトプットし、その中から本質的な問題や課題を見つけ出せるという方法です。
個人でもチームでも効果的で、自由に意見やアイデアを出すことが重要になります。
あらゆる意見やアイデアを交わすことができるので、社員間の相互理解を深めることにも役立ちますよ。
2.社内で意見を集める
会社全体が抱える問題に対しては、社内で意見を集めることもひとつの方法です。
さまざまな部署や役職の人から意見を集めることで、問題と課題が見えてきます。
情報が不足していると、問題や課題を適切に設定できず、解決に結びつかないこともあるでしょう。
広く意見を集め、浮き彫りになる問題や課題に目を向けることが重要です。
3.顧客にアンケートをとる
実際にサービスや商品を使っている顧客にアンケートをとると、問題や課題が明らかになることもあります。
受け手である顧客がどんな不満や要望を持っているか、推測はできても断定はできません。
アンケートで生の声を聞き、対策や改善につなげることで問題を解決できます。
4.フレームワークを使ってわかりやすく分析する
問題を的確に導き出す方法として、フレームワークを活用することもおすすめです。
フレームワークとは「枠組み」のこと。
枠組みにあてはめて考えることで、問題を分析しやすくなります。
問題や課題を洗い出すフレームワークには、
- 3C分析:マーケティングの考え方から製品の課題を見つける方法
- SWOT分析:個人や組織の強み・弱みを分析する方法
- ロジックツリー:物事を分解して考え、問題を見つける方法
などがあります。
フレームワークを活用して分析すれば、問題解決が苦手な人でも取り組みやすいでしょう。
5.うまくいっている会社の分析をおこなう
自分のやり方でうまくいかないときは、うまくいってる人を参考にしますよね。
個人ではなく会社の場合も同様です。
うまくいっている会社を分析し、問題・課題・対策で参考にできる部分を取り入れてみましょう。
たとえば、同じ業界のA社とB社で、なぜかA社のほうが売上が高いとします。
このときA社を分析すると、質を重視することで他社との差別化をはかって売上を伸ばしていることがわかるかもしれません。
うまくいっている会社には理由が必ずあるので、しっかり分析して真似できる部分は取り入れるようにしてみてください。
まとめ:問題と課題をうまく解決し、ビジネスマンとしてレベルアップしよう
今回は、仕事における「課題」についてご紹介しました。
問題を発見する能力や、解決する能力は、ビジネスにおいてどこの業界でも求められるものです。
「問題」と「課題」を使い分け、適切な「対策」を実践することで、問題解決につながります。
ぜひ「問題」「課題」を解決する力を身につけ、ビジネスマンとしてレベルアップしていってくださいね。