【完全版】フリーランスは開業届を出すべきか?書き方からメリットまで徹底解説

2024.01.29
【完全版】フリーランスは開業届を出すべきか?書き方からメリットまで徹底解説

「フリーランスは開業届を提出した方がいいの……?」「開業届の書き方がわからない……」と悩んではいませんか?

ランサーズの調査によると、2015年には913万人だったフリーランスの数は、2018年には1,119万人に増加しています。

フリーランスという働き方が広がっているため、フリーランスの開業届に関して悩む方も多いです。

そこで今回は、以下の内容を解説します。

  • 開業届とはどんなものか
  • フリーランスが開業届を出すメリットとデメリット
  • 開業届の書き方
  • フリーランスが開業届を出す際の注意点

本記事を読めば、フリーランスの方が開業届のメリットをしっかりと理解した上で、実際に開業届を書いて提出できるようになります

私自身が開業届を提出した経験を元に解説するので、「フリーランスとして働きたいけど、開業届を出すか迷っている……」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

フリーランスの開業届とは

資料を手にして首を傾げた女性

開業届とは正式には、「個人事業の開業・廃業等届」と言います。

開業届は、新たに事業を開始した人が税務署に届け出る書類のことです。

基本的には、開業届は開業してから1ヶ月以内に提出する必要があります。

開業届を提出すると、

  • 青色申告ができる
  • 自分の屋号を持って仕事ができる

などのメリットが得られます。開業届によって得られるメリットについては、後ほど詳しく紹介しますね。


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フリーランスの開業届の提出は任意

閃く男性

フリーランスとして仕事をしようと考える人の中には、「フリーランスは開業届を出さないといけないの……?」「開業届の提出ってめんどくさそう……」と思う方もいるのではないでしょうか?

実際のところ、フリーランスは開業届を出さなくても問題ありません

なぜなら開業届を出していなくても、国民には納税の義務があるからです。

開業届が未提出だからといって法的な罰則もないので、開業届を提出せずに仕事をしているフリーランスの人もいます。

しかし、「開業届のメリットがわかりにくいから出していない」というフリーランスの方も多いです。

そこで次の章では、フリーランスが開業届を出すメリットについて詳しく解説します。

フリーランスが開業届を出すメリット

喜ぶ女性

フリーランスが開業届を出すメリットは以下の6つです。

  1. 社会的信用が生まれる
  2. 青色申告ができる
  3. 赤字の繰り越しができる
  4. 自分の屋号で仕事ができる
  5. 小規模企業共済に加盟できる
  6. 税務署で記帳指導が受けられる

順番に見ていきましょう。

社会的信用が生まれる

フリーランスが開業届を出すと、社会的な信用が生まれます

開業届を出すことで、国に事業主として仕事をしていると認識してもらうことが可能です。

社会的な信用があると、

  • 事業用の銀行口座やクレジットカードの作成ができる
  • 銀行からの融資を受けられる

というように、フリーランスとしてできることが増えます。

社会からの信頼度が高まる点が、開業届を提出するメリットのひとつです。

青色申告ができる

フリーランスが開業届を出すと青色申告ができるので、結果として節税に繋がります

私も青色申告の節税効果が大きい点を魅力に感じて、開業届を提出しました。

フリーランスとしてお金を稼いでいるなら、確定申告で1年の所得にかかる税金を計算し、お金を国に納める義務があります。

このとき青色申告をすると、1年間の所得から65万円を控除することが可能です。

所得税は課税される所得金額に対して、以下のような税率をかけて算出されます。

課税される所得金額

【引用】国税庁「所得税の税率

たとえば、その年の所得が240万円だった場合は、所得税の税率は10%です。

しかし、このとき青色申告をしていれば65万円控除されるので、その年の所得は175万円になり、所得税の税率を5%にできます。

つまり青色申告をした方が、

  • 課税される所得金額を小さくできる
  • 場合によっては税率が低くなる

というメリットがあるのです。

また青色申告をすれば、家族に支払った給料を経費にできます。

するとより課税所得を低くできるので、高い節税効果が得られます。

青色申告以外にも「白色申告」がありますが、白色申告にはこのような節税効果はありません。

少しでも節税をしたいなら開業届を提出して、青色申告ができるようにしましょう。

赤字の繰り越しができる

フリーランスが開業届を出してから青色申告した場合、事業が赤字だったとき翌年以降3年間の赤字を繰り越すことが可能です。これを「損失申告」と言います。

そして翌年以降に黒字になったとき、繰り越していた赤字分を差し引けるのです。

たとえば、2020年の所得が-60万円の赤字だったとします。

すると、2020年度の確定申告を青色でした場合、この赤字を翌年に繰り越せます。

そして2021年の所得が100万円になったとき、2020年の赤字-60万円と相殺されて、2021年の所得は40万円です。

  • 2020年の赤字と2021年の黒字を相殺した場合の所得…40万円
  • 2020年の赤字を相殺しない場合の2021年の所得…100万円

所得税はその年の所得に税率をかけて計算するので、所得が少ないほうが支払う税金が少なくなります。

なので、開業届を出して青色申告をしていれば、赤字を繰り越せるので節税にも効果的です

自分の屋号で仕事ができる

フリーランスが開業届を出すと、自分の屋号で仕事ができます

屋号とは、企業で言う企業名のようなものです。

屋号は開業届を提出するとき好きなように付けられますが、付けるのが義務ではありません。

しかし屋号があると以下のようなメリットもあるので、付けておくのがおすすめです。

  • 屋号で銀行口座が作れる
  • 業種や仕事内容を屋号でイメージしてもらいやすい

小規模企業共済に加盟できる

フリーランスが開業届を出すと、小規模企業共済に加盟できます

小規模企業共済とは、以下のような制度です。

国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。

【引用】独立行政法人 中小企業基盤整備機構「制度の概要

月々1,000~70,000円の掛け金を積み立てることで、退職もしくは廃業した際に共済金を受け取れます。

また掛け金は所得控除の対象なので、節税効果も高いです。

フリーランスは個人で事業を行っているので基本的に退職金はありませんが、小規模企業共済に加盟すればそれに近いものをもらえます。

税務署で記帳指導が受けられる

フリーランスが開業届を出すと、税務署で記帳指導が受けられます

記帳指導とは、

  • 帳簿のつけ方
  • 決算
  • 確定申告の手続き

などを、税理士の方から無料でアドバイスしてもらえる制度です。

記帳指導は以下の方法で受けられます。

フリーランスになったばかりだと、「帳簿や税金のことがよくわからない……」という方も多いと思います。

開業届を出したら、記帳指導の申込みをするのがおすすめです。


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フリーランスが開業届を出すデメリット

戸惑っている男性

ここまでフリーランスが開業届を出すメリットを解説しましたが、開業届の提出にはデメリットもあります。

  1. 複式簿記が難しい
  2. 失業保険の対象でなくなる

ここでは、フリーランスが開業届を出すデメリットを2つお伝えします。

複式簿記が難しい

さきほどフリーランスが開業届を出して青色申告をすれば、高い節税効果が得られると言いましたが、青色申告をするには複式簿記による帳簿付けが必要です。

複式簿記による帳簿付けは少し複雑なため、簿記の知識がない人だと簡単ではありません

複式簿記による帳簿付けをするには、最低でも簿記3級、できれば2級の知識が求められます。

しかし「簿記なんてやったことがない……」「今から簿記の勉強をするのがめんどう……」と思って、青色申告をしないのはもったいないです。

  • 帳簿付けができる会計ソフトを使う
  • 簿記ができる人に業務委託する

などすれば、簿記の知識がほとんどなくても複式簿記による帳簿付けが可能です。

私も簿記の知識はほとんどありませんが、会計ソフトを使っているので複式簿記による帳簿付けができています。

おすすめの会計ソフト
freee
やよいの青色申告オンライン
マネーフォワード クラウド確定申告

失業保険の対象でなくなる

フリーランスが開業届を出したら、失業保険が受けられなくなります

失業保険は就職をしたいと考える人が、転職活動をしている間の生活費を支給してもらえる制度です。

なので、開業届を出すと個人事業主として生計を立てていると判断されて、失業手当はもらえなくなります。

もし会社を辞めてから、転職するかフリーランスになるかを迷っている状態なら、開業届の提出はおすすめしません。

開業届の出し方

受付で書類を提出する女性

ここまで開業届のメリットとデメリットを解説しましたが、フリーランスとして働くことを決めているなら、開業届を提出するのがおすすめです。

しかし「開業届ってどうやって出せばいいの……?」と思う方もいるでしょう。

そこでここでは、開業届の出し方について解説します。

開業届の入手方法

まずは、開業届を入手しましょう。

「個人事業の開業・廃業等届出書」は、税務署の窓口でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

効率的に開業届を提出したいなら、自分でダウンロードしたものに記入してから出すのがおすすめです。

参考 [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続国税庁

開業届の記述方法

次に開業届に必要な事項を、①から⑭まで順番に記述していきます。この通りに記入すれば、10分もかからずに完成しますよ。

開業届はダウンロードしてそのままPCで入力しても、印刷をして手書きで入力しても、どちらでも大丈夫です。

開業届

①「個人事業の開業・廃業等届書」の「開業」を◯で囲む

②所轄の税務署名を記入する

所轄の税務署がわからない場合は、以下のサイトを利用すれば簡単に調べられます。

参考 税務署の所在地などを知りたい方国税庁

③開業届の提出日を記入する

④納税地に事業を行う住所と電話番号を記入する

自宅を事業所にする場合は、自宅の住所を記入して「住所地」にチェックを入れましょう。もし事業用のオフィスを利用するなら、オフィスの住所を記入して「事業所」にチェックしてください。

電話番号は、携帯の電話番号でも大丈夫です。

⑤氏名・生年月日・職業を記入する

職業は、デザイナーやライター、プログラマーなど、一言で簡潔に書きましょう。

⑥「個人番号」にマイナンバーを記入する

⑦屋号を付けたければ記入する(必要ない場合は空欄でOK)

⑧「届出の区分」の「開業」を◯で囲む

⑨「所得の種類」の「事業(農業)所得」にチェックをつける

事業所得以外に不動産所得や山林所得がある場合は、そこにもチェックをつけましょう。

⑩「開業・廃業等日」に開業日を記入する

⑪「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」の「「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」」にチェックをつける

開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出する場合は「有」に、提出しない場合は「無」にチェックをつけます。

開業届と青色申告承認申請書は、特別な理由がなければ一緒に提出するのがおすすめです。

⑫「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」の「消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は「事業廃止届出書」」は、「無」にチェックをつける

⑬「事業の概要」を記入する

事業の具体的な内容を簡単に書いてください。シンプルに書いて大丈夫です。

⑭記入した開業届の名前の横に印鑑を押す

PCで入力していた場合は、印刷をしてから印鑑を押しましょう。

以上で開業届の記入が完了しました。

開業届の提出方法

記入した開業届は、以下2つの方法で提出できます。

  • 自分で税務署に持っていく
  • 郵送する

自分で税務署に持っていく場合は、所轄の税務署へ提出しに行ってください。このとき、自分の手元に開業届の控えを1枚残しておきましょう。

開業届を郵送する場合は、

  • 開業届
  • 開業届の控え
  • 自分の住所を書いた返信用封筒

を用意して同封してください。不備がなければ、税務署の人が控えを返送してくれます。

また、開業届と青色申告承認申請書を一緒に提出する場合は、青色申告承認申請書とその控えも同封してください。

ちなみに私は税務署まで行くのがめんどうだったので、郵送で提出しました。

開業届を出す際の注意点

危険マークが頭に浮かんでいる女性

ここまで開業届の書き方を解説しましたが、「開業届を出すときになにか気をつけるポイントってあるの……?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?

そこでここでは、開業届を提出する際の注意点を2つ紹介します。

  1. 開業届を提出するタイミング
  2. 開業届と一緒に青色申告承認申請書も提出する

開業届を提出するタイミングに注意!

フリーランスが開業届を提出する際は、そのタイミングに注意が必要です。

基本的にはフリーランスが開業届を提出するのは、事業を開始した日から1ヶ月以内とされています。

もしかしたら「もう事業を開始してから1ヶ月以上経ってしまった……」という方もいるかもしれません。

しかし、期日を過ぎてから開業届を提出しても問題ないので、思い立ったらすぐに提出しましょう。

また、開業した年度に青色申告を行いたい場合は、以下の期日までに「青色申告承認申告書」を提出する必要があります

  • 青色申告をする年度の3月15日まで
  • 開業届けを提出してから2ヶ月以内

上記2つのいずれかの条件が満たせていないと、開業届を出しても青色申告ができないので注意してください。

開業届と一緒に青色申告承認申請書も提出する

フリーランスが開業届を提出するときは、青色申告承認申請書」もなるべく一緒に提出しましょう

開業届を提出する一番のメリットは、青色申告ができて節税に繋がる点です。

しかしさきほども言いましたが、開業届を出してから2ヶ月以内に青色申告承認申告書を出さないと、青色申告はできません。

「青色申告承認申請書は後で提出すればいいや……」と思っていると、忘れてしまう可能性もあります。

なので、開業届と青色申告承認申告書をまとめて提出していれば、確実に青色申告をすることが可能です。

まとめ

開業届の提出には、以下のようにメリットが豊富です。

  1. 社会的信用が生まれる
  2. 青色申告ができる
  3. 赤字の繰り越しができる
  4. 自分の屋号で仕事ができる
  5. 小規模企業共済に加盟できる
  6. 税務署で記帳指導が受けられる

高い節税効果や信用が得られるので、フリーランスとして活動するなら開業届は今すぐ出しておきましょう

10分ほどあれば記入できるので、まずは以下のサイトから「個人事業の開業・廃業等届出書」をダウンロードしてください。

参考 [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続国税庁

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