仕事の引き継ぎ5ステップを解説!スムーズに進めるための7ポイントも紹介

公開日: 2020.09.02
更新日: 2024.01.04
仕事の引き継ぎ5ステップを解説!スムーズに進めるための7ポイントも紹介

担当や部署が変わるときに行われる「引き継ぎ業務」は、社会人になるとほとんどの人が経験することです。

他人が見てもわかるように資料をまとめたり、必要事項を正確に伝えたりすることは、結構難しいもの。

そんななかで、

「仕事の引き継ぎって必要?重要性ある?」
「今抱えている仕事をどうやって他人に引き継げばいいの?」

という疑問を抱える社会人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、

  • 仕事の引き継ぎが重要な理由
  • 引き継ぎの具体的な5ステップ
  • 引き継ぎを効率よくスムーズに進めるためのポイント

などについてお伝えします。

面倒な引き継ぎ業務は、できるだけスムーズに終わらせたいですよね。

「仕事の引き継ぎ方法が知りたい!効率よく引き継ぎたい!」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

仕事の引き継ぎは「面倒」だと思われることが多い

膨大な引き継ぎ資料のイメージ

一般的に、仕事の引き継ぎ業務は面倒なイメージを持たれがちです。

なぜ面倒だと思われるのか、こちらで詳しく說明していきます。

1.後任者の仕事量が増え、不満が溜まりやすい

引き継ぎはする側も大変な作業ですが、引き継ぎをされる側はもっと大変です。

膨大な資料や説明を受けて、その後は自分が業務を代わりに遂行できるようにしなければなりません。

これまでの仕事に追加されるので、抱えている仕事量が一気に増え、負担が大きくなります

また、引き継ぎの仕方が不十分であれば1から確認し直したり、資料を改めて作り直したりする必要性も出てくるでしょう。

しかし今後の業務は自分が担当することになるので手は抜けません。
かかる労力が大きく、不満の原因になりやすいと言えます。

2.目的を説明して、関係者の負担を減らすことが重要

引き継ぎをする側は、引き継ぎの目的や意味をしっかり説明し、周囲への負担を減らすように立ち回ることが大切です。

自分の業務に関わっていたのは、自分だけではありません。

関係者に対して説明や引き継ぎを行い、今後の業務に支障が出ないように周囲に対して気を配る必要があります。

引き継ぎが不十分なまま無責任に業務を手放してしまうと、周囲に大きな迷惑や負担を強いることになるでしょう。

最後まで責任を持ち、自分がいなくても業務が回るように手配して、ようやく引き継ぎができたことになるのです。


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仕事において引き継ぎが重要な3つの理由とは

3つの理由のイメージ

そもそも、なぜ引き継ぎが必要なのでしょうか。

引き継ぎの必要性がわからなければ、「大体でいいか」と不十分な状態で業務から離れてしまうかもしれません。

そうなると周囲は大迷惑です。
一歩間違えれば会社の売上に損害を与えたり、最後まで責任を持たなかったとして非難されたりする可能性もあります。

引き継ぎがなぜ重要なのかを知っておくことで、適切な対応をすることができるようになるでしょう。

ここでは、仕事において引き継ぎが重要な3つの理由についてお伝えします。

  1. 次の担当者が困らないようにするため
  2. 顧客の信頼を守るため
  3. 退職後に問い合わせがこないようにするため

詳しく見ていきましょう。

1.次の担当者が困らないようにするため

仕事を引き継ぐということは、それまでその業務に関わっていた人が変わるということです。

業務には様々な人が関わって協力しながら進めていますが、誰かが急に抜けると回らなくなってしまいます。

そこで、次の担当者が来ますが、右も左も分からない状態ではこれまで通り業務を遂行することはできませんよね。

次の担当者や関係者が困らないようにするためにも、仕事を引き継いでスムーズに業務が進むようにすることが大切です。

あなたの後を継ぐ次の担当者が、あなたに代わって問題なく働けるように、しっかり引き継ぎとサポートをしましょう。

2.顧客の信頼を守るため

もしあなたの担当業務が顧客と関わるような仕事の場合、引き継ぎをきちんと行うことで、担当者が代わっても信頼を守れます。

顧客は担当者が変わることに、少なからず不安や不満を感じるでしょう。
とくに、長く関係を築いてきた顧客であればなおさらです。

万が一引き継ぎが不十分で、次の担当者の顧客に対する対応が問題ばかりになっては、顧客からの信頼を落としてしまいます

そうなると、会社自体の信頼や利益にも損害を与えてしまいかねません。

顧客の信頼、ひいては会社の信頼を守るためにも引き継ぎは重要です。

3.退職後に問い合わせがこないようにするため

異動や退職をした後に、自分にしか対応できないような問い合わせが来ては大変ですよね。

「退職後に申し訳ありませんが、この件について…」などと次の担当者から連絡が来るようでは、引き継ぎをしたとは言えません。

次の担当者が対応を代われるように、しっかりと情報を共有して引き継ぎをすることが重要です。

でなければいつまでも問い合わせが来てしまい、顧客にも周囲にも負担をかけるでしょう。

引き継ぎの具体的な5ステップを紹介

後任者へ引き継ぐイメージ

引き継ぎが重要な理由についてお伝えしました。

面倒に思われがちな引き継ぎですが、きちんと行うことで異動や退職後も問題なく業務が回るようになります。

しかし、「引き継ぎの方法がよくわからない」という疑問があるかもしれません。

方法がわからなければ、問題のないように引き継ぎをすることは難しいですよね。

今回は5つのステップで引き継ぎの方法をご紹介しましょう。

  1. 自分が担当している業務のリストアップ
  2. 引き継ぎのスケジュールを組む
  3. 引き継ぎ資料の作成
  4. 仕事の一部を次の担当者に説明

順番にご説明します。

1.自分が担当している業務のリストアップ

引き継ぎをすることが決まったら、まずは自分が担当している業務をすべてリストアップしましょう。

大きな項目ごとに更に細かい業務をリストアップし、ひと目見てやるべきことがわかるようにすると良いですよ。

ここで漏れがあると、引き継ぎが不十分になってしまいます。

自分の普段の業務を振り返り、何度か見直して、すべてリストアップできているか確認しましょう。

業務のリストは、後任者に引き継ぎをする際の基本となります。
他人が見てもわかりやすいよう、丁寧に書くのがポイントです。

2.引き継ぎのスケジュールを組む

リストアップができたら、その項目を参考にしながら、後任者に引き継ぎを行うスケジュールを組みます

項目によってはリストを見せて説明するだけで良いものもあれば、実際の業務に立ち会ってもらうほうが良いものもあるでしょう。

引き継ぎの負担が大きくならないよう日程を分けたり、業務のスキマ時間を活用するなど工夫するといいですよ。

急に覚えてもらうことはできないので、異動や退職までの期間に余裕を持った引き継ぎができるようスケジュールを組むことが大切です。

後任者にももともと抱えている仕事があることを考慮しながら、無理のない範囲で引き継ぎを進めていけるようにしましょう。

3.引き継ぎ資料の作成

業務のリスト化とスケジュールが決まったら、引き継ぎ資料を作成していきます。

引き継ぎ資料は、シンプルな業務のリストに肉付けを行っていくイメージです。

リストの項目に合わせて、必要な書類やデータをファイルなどにまとめていく作業が中心になります。

注意点として、資料が増えすぎるとむしろわかりにくくなってしまうので、必要な部分を簡潔かつわかりやすくまとめることを意識しましょう。

基本的な項目と、困ったときに見る項目などを分けて目次を付けておくと、使いやすい資料になりますよ。

4.仕事の一部を次の担当者に説明

資料が完成したら、スケジュールに沿って少しずつ次の担当者に説明をしていきます。

いきなり全部を引き継ごうとすると、仕事が回らなくなる恐れがあるので、部分的に説明するのがポイントです。

リストや資料ではわかりにくい部分を丁寧に伝え、疑問点はできるだけたくさん解消しておくといいですね。

難しい業務やほかの関係者がいる業務では、一緒に取り組む時間を作るとスムーズに進められるようになります。

引き継ぎは、次の担当者にどれだけ理解させられるかが重要です。
最後までしっかりと伝えきりましょう。

5.全業務を引き継ぎ

引き継ぎスケジュールを最後まで終わらせ、全業務を引き継ぎます。

一度説明した部分でも、覚えられていなかったり理解が不十分だったりする可能性があるので、不安がある点は繰り返し説明することも忘れません。

説明するなかで思い出した業務やポイントなども共有して、引き継ぎが十分にできているかをいま一度確認すると良いですよ。

全行程を説明後は、退職までの間にトラブルや困りごとがないかを見守りましょう。

すべての業務を説明し終えて、次の担当者が問題なく業務を進められるようになれば、引き継ぎは完了です。


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引き継ぎを効率よくスムーズに進めるための7つのポイント

効率よくスムーズに進めるためのポイントのイメージ

引き継ぎの流れはイメージできたでしょうか。
基本的な流れに沿って行えば、問題なく引き継ぎができるはずです。

しかし、どうしても引き継ぎ業務は面倒に感じてしまいますよね。

「どうにか効率よくしたい」「上手い方法はないだろうか」と思うなら、これからご紹介することを実践してみてください。

小さなことをいくつか意識するだけで、引き継ぎ業務の負担が軽くなりますよ。

それでは、引き継ぎをさらに効率よくスムーズに進めるために7つのポイントをご紹介します。

  1. 口頭ではなく資料を用意する
  2. はじめに結論から話す
  3. 作業ごとのつながりを明確にする
  4. 自分の体験談を交えて説明する
  5. こまめに理解度をチェックする
  6. 5W1Hをうまく使って話す
  7. 関係者にも引き継ぎの連絡を入れておく

さっそく見ていきましょう。

1.口頭ではなく資料を用意する

たくさんの業務を口で説明されても、すぐには覚えられず理解もあやふやです。
引き継ぎでは、必ず資料を用意しましょう

資料として残しておけば、後任者が業務をわからなくなったときでも読み返して理解できます

また、後任者が自分で資料のわかりにくいポイントを補足したり、自分なりの方法に書き換えたりできるので、業務のアップデートもできますよ。

資料を見るだけである程度の流れが把握できるようにしておけば、退職後に連絡が来ることもありません。

資料があれば、引き継ぎで何度も説明しなくても済むので、引き継ぐ側にとっても負担が減ります

必要な資料がすぐに見つけやすいようにファイルなどにまとめて、説明を添えながら引き継ぐと良いでしょう。

2.はじめに結論から話す

説明する際は、順序立てて話すよりも、先に結論を伝えてから話すほうがわかりやすくなります。

いきなり「これをこうすると、これができるよ」と説明しても、頭に残りにくいです。

しかし、「こういうときにはこれが必要だ。そのためには…」と結論を話し、説明をするほうが何を言いたいのかが伝わります

業務の目的や全体像なども先に伝えてから内容を話すほうが、業務の意味を理解できるので覚えやすいでしょう。

結論を先に話すと、話がだらだらと長くなりにくいので、簡潔に説明しやすくなりますよ。

3.業務ごとのつながりを明確にする

業務を一つ一つ教えても「こんなに覚えられない」と感じさせてしまうでしょう。
そんなときは、それぞれの業務がどうつながっているのかを明確にします。

すると、独立していた業務のつながりがわかって覚えやすくなり、業務の順序や優先度を理解できるようになりますよ。

なんのためにこの業務があり、そのためにどの業務をしなければならないか、というようにまとまりで捉えましょう。

それぞれのつながりから全体像を把握できれば、業務への理解度はかなり上がります。

4.自分の体験談を交えて説明する

ただ資料を見ながら説明するだけでは、単調でつまらなく感じられます。

ときどき自分の体験談を交えて、注意点や重要点を印象的に伝えると記憶にも残って効果的な説明になりますよ。

失敗談や笑えるエピソード、工夫して上手くいった話などを、説明の合間にいれるようにしてみましょう。

体験談があると、業務のイメージがしやすくなります
そこから疑問が浮かんだり、新たなアイデアが思いつくかもしれません。

後任者の反応を見ながら、適度に活用すると良いですよ。

5.こまめに理解度をチェックする

相手に説明をしているときは、自分が話すばかりで相手は聞き役になります。

しかし、それでは相手が本当に自分の話を理解できているのか、理解できるように伝えられているかがわかりませんよね。

そこで説明では、話のまとまりごとに相手の理解度をチェックしましょう。

「ここまでちょっと難しかったでしょう。わからないところはなかった?」
「今の説明で大丈夫かな?よかったらもう一度話すよ」

説明を受ける側は、わからないことをなかなか言い出しにくいもの。
相手の理解を確認する声掛けをすることで、スムーズに説明ができます。

6.5W1Hをうまく使って話す

わかりやすい話し方のコツに、5W1Hというものがあるのをご存知でしょうか。

5W1Hとは、次の要素の頭文字を取ったものです。

  1. What:なに
  2. Who:だれ
  3. When:いつ
  4. Where:どこ
  5. Why:なぜ
  6. How:どうやって

上記の要素を意識して話すことで、情報が不足することなくわかりやすい説明ができるようになります。

たとえば「この書類は承認が必要」という説明では、なんのことかよくわかりません。

これを「新企画を提案するとき(When)は、問題がないかを確認するため(Why)に書類に部長(Who)の承認が必要」と、具体的に說明してみてください。

これなら、When、Why、Whoの要素が加わりわかりやすいですね。

5W1Hで相手に伝えることを意識して、十分な情報とともに説明しましょう。

7.関係者にも引き継ぎの連絡を入れておく

引き継ぎの際には、後任者だけではなく関係者にも影響があります。

業務内容を後任者に伝えると同時に、他の部署や顧客などの関係者にも引き継ぐことを伝えておきましょう

できれば直接引き継ぐ旨を伝え、これまでのお礼や後任者の紹介ができると、相手や仕事に対する誠実さを伝えられます。

後任者からしても、あらかじめ話が伝わっていたほうが業務を進めやすいです。

直接会って話せない場合は、完全に引き継ぐ前に担当が変わることを連絡しておくと良いですよ。

一手間をしておくことで、後任者が仕事を引き継いだ後も、相手に不安を感じさせることなく進められます。

まとめ:後任者が困らないように、ていねいな引き継ぎを心がけよう

今回は、仕事の引き継ぎについてご紹介しました。

異動や退職など、仕事の引き継ぎが必要になる場面は意外とあります。

そのときが来ても困らないよう、引き継ぎの重要性や方法をしっかり理解しておきましょう

引き継ぎ資料などは普段から書類を整理してまとめたり、記録を残しておくことを心がけると、とても楽になります。

きちんと備えておくことで、後任者や周囲に負担をかけることなく、ていねいな引き継ぎができますよ。

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