仕事の断り方の5つのポイントを紹介!断るメリットや断れない人の心理も解説
その日の業務を終えて帰ろうとすると、「ごめん、これもお願いしてもいい?」と仕事を頼まれて断れなかった経験はないでしょうか。
仕事を頼まれると断れない人は多いですが、それは上手な仕事の断り方を知らないことが原因かもしれません。
「自分はどうして仕事を断れないんだろう」
「相手を不快にさせない仕事の断り方ってあるのかな」
そんなふうに感じていないでしょうか。
仕事を断るメリットはとても大きいです。
上手な断り方を知って、多すぎる仕事量を抱えないようにしましょう。
今回は、
- 仕事を断れない人が持っている心理
- 仕事を断るメリット
- 相手を不快にさせない仕事の断り方のポイント
- 仕事の断り方のパターン別例文
などについてご紹介します。
仕事の断り方がわかれば、もともとの自分の仕事にしっかり取り組めるようになり、充実感が上がるでしょう。
「仕事を頼まれると断れず、いつも余裕がない」という人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
仕事を断れない人が持っている5つの心理とは
まずは、「なぜ仕事を断れないのか」について考えましょう。
仕事を断れない人には、共通するある心理が働いています。
心理によって仕事が断れず、たくさんの仕事を抱えて余裕がなくなってしまいがちです。
では、具体的にどのような心理が働いているのでしょうか。
ここでは、仕事を断れない人が持っている5つの心理をご紹介します。
- 一度断ると次の仕事がこないのではと不安がっている
- 人間関係を悪化させたくない
- 仕事ができる人だと思われたい
- 依頼者に借りがある
- 無理をすれば終わると考えている
順番に見ていきましょう。
1.一度断ると次の仕事がこないのではと不安がっている
仕事を断れない人には、仕事を一度断ることでもう仕事を任せてもらえなくなるのではないか、と不安に思う心理があります。
仕事は、あらゆる人と協力し合いながらすすめていくものです。
仕事を抱えすぎている人からは巻き取り、手が空いている人には仕事を振ります。
そこで相手に仕事を断られたからといって、もう頼まないとはなりません。
相手も仕事を抱えているんだなと判断されるでしょう。
単純に手が空いている人に頼むだけなのです。
しかし、仕事が断れない人はそれがわからず、「断ると次がない」と恐れています。
「この仕事お願いできる?」と聞かれて断れないので、自分がこなせる以上の量を抱えてしまうのです。
2.人間関係を悪化させたくない
仕事が断れない人は「人間関係を悪化させたくない」という心理を持っています。
仕事を断ると、相手との人間関係が悪くなるのではないかと恐れているのです。
相手の顔色をうかがい、要求に答えることで関係を築こうとしています。
仕事を断るかどうかは抱えている仕事量によるので、本来は断ることで人間関係が悪化することはありません。
仕事と人間関係を結びつけて考えてしまうことで、仕事が断れない心理が生まれています。
3.仕事ができる人だと思われたい
仕事を断れない人のなかには、「仕事ができる人だと思われたい」という心理が働いているケースもあります。
頼まれた仕事を断らないことで、すぐに仕事をこなせる優秀な人だと思われたいのです。
もちろん実力が伴っていれば問題はありません。
しかし、ただ周囲からそう思われたいだけで引き受けているなら、実際は抱えている仕事が増える一方です。
最終的に仕事が終わらず、周囲に迷惑をかけやすいリスクが発生するので注意しましょう。
4.依頼者に借りがある
仕事を断れない人の心理として「依頼者に借りがある」というものもあります。
「前回手伝ってもらったから、今回は手伝わないわけにはいかない」など、貸し借りで仕事を考えているのです。
しかし、仕事は本来互いに協力し合ってすすめるもの。
全体が仕事を分担して、ひとつの仕事を遂行させることが基本です。
貸し借りで仕事を引き受けていては、全体にうまく仕事を回すことができません。
また、借りがあるという心理は負い目を感じていることなので、前向きに仕事に取り組みにくくなります。
5.無理をすれば終わると考えている
仕事を断れない人は「無理をすればどうにか終わらせられる」という心理で引き受けていることも多いです。
特に頑張り屋な性格の人は、「自分が少し頑張ればなんとかなる」と考えて引き受けがちでしょう。
しかし、仕事はひとりが無理をしてするものではありません。
無理をせずに安定して仕事をしていくために、仕事仲間がいるのです。
「無理をすれば終わる」という心理では負担が大きく、仕事を続けていくことが難しくなります。
無理をするくらいなら、周囲を頼ることを意識するといいでしょう。
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仕事を断る5つのメリット
仕事を断れない人が持つ心理をお伝えしました。
さまざまな思いから、仕事が断りにくくなっていることがわかります。
しかし、仕事を断ることには大きなメリットもあることをご存知でしょうか。
仕事を断るメリットを知ることで、「これからは仕事を断ろう」と考えられるかもしれません。
仕事を断ることは、自分が生き生きと働くためにとても大切です。
ここからは、仕事を断ることで得られる5つのメリットをご紹介します。
- 受けている仕事のクオリティが上がる
- 仕事の優先順位がはっきりする
- ストレスが減る
- 納期遅れなどで信頼を損ねなくて済む
- 結果的に「仕事ができる人」と思われる
それでは、さっそく見ていきましょう。
1.受けている仕事のクオリティが上がる
仕事を断るようにすると、自分の手元あるのは適度な量の仕事だけです。
ひとつひとつの仕事に必要な手間と時間をかけて取り組めるので、クオリティが上がります。
量が多すぎると終わらせることを優先するので、クオリティまではなかなか手が回りませんよね。
自分の仕事にしっかり取り組みたいなら、自分がこなせる量以上の仕事を断ることは必須です。
「スキルを上げたい」「質を高めたい」と思っている人は特に意識しましょう。
2.仕事の優先順位がはっきりする
仕事を断るメリットには、仕事の優先順位がはっきりすることも挙げられます。
頼まれた仕事を引き受けてしまうと、どれから手を付けるべきか優先順位がわからなくなりがちです。
きちんと断ることで、自分が抱えている仕事なかで優先順位を考えられ、迷うことがありません。
仕事をスムーズに遂行する上で、優先順位を立てることは非常に大切です。
効率よく取り組むためにも、多すぎる仕事は断って優先順位をはっきりさせましょう。
3.ストレスが減る
仕事をきっぱり断っていると、ストレスが減ります。
仕事を頼まれることに怯えるストレスや、多すぎる仕事に追われるストレスがなくなるためです。
小さなストレスでも、積み重なると負担になります。
ストレスばかりでは働きにくくなるでしょう。
自分の行動で仕事でのストレスを減らせるのは、素晴らしいことではないでしょうか。
前向きに生き生きと充実して働くためにも、仕事を断ることは大切です。
4.納期遅れなどで信頼を損ねなくて済む
仕事を断れずにたくさん抱えてしまうと、納期に遅れて信頼を失うリスクが増えます。
しかし、きちんと断ればそのような心配もありません。
自分が無理のない範囲でこなせる仕事を受け持つことで、周囲から信頼されるようになりますよ。
信頼はひとつひとつ積み重ねていくものです。
納期通りに納品して得られる信頼を、自分が仕事を断れないせいで失うのは辛いですよね。
多すぎる仕事を断れば、周囲からの信頼を損ねなくて済みます。
5.結果的に「仕事ができる人」と思われる
仕事を断ることで、結果的には「仕事ができる人」と周囲から思われるようになります。
仕事を断るということは、「自分がこなせる仕事の適正量を理解しているのだな」と思われ、信頼につながるのです。
また「相手の顔色をうかがって無理な仕事を引き受けたりしない人だ」と評価されます。
仕事を断ることで、周囲に与える印象はポジティブなものが多いのです。
自分の身の丈に合った仕事をすることが、「仕事ができる人」というイメージになります。
相手を不快にさせない仕事の断り方のポイント5選
仕事を断るメリットをお伝えしました。
自分のためになるメリットがたくさんありましたね。
では、実際に仕事を断る際に、どのような点を気をつけると良いのでしょうか。
「仕事を断ったら相手の気を悪くしそう」と、心配になる気持ちもあるでしょう。
しかし断り方次第では、相手を嫌な気持ちにさせることなく仕事を断ることができますよ。
ここからは、相手を不快にさせない仕事の断り方のポイントを5つご紹介します。
- 最初に感謝と謝罪の言葉を述べる
- 仕事を受けられない理由をしっかり説明する
- 返答をあいまいにしない
- 受けられる時期を説明する
- ほかに空いている人を紹介する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.最初に感謝と謝罪の言葉を述べる
まず大切なのは、最初に感謝と謝罪の言葉を述べることです。
「頼ってくれてありがとう」という感謝を伝えることで、依頼した人は「声をかけてよかった」と思えます。
そして「でも、ごめんなさい。あなたの仕事は引き受けられません」と謝罪の気持ちを伝えます。
相手は仕事を引き受けてくれるかどうかを気にしているので、結論と申し訳ない気持ちを早い段階で伝えることが大切です。
最初に感謝と謝罪を伝えることで、相手は悪い印象を持ちにくくなりますよ。
2.仕事を受けられない理由をしっかり説明する
仕事を受けられない理由をしっかり説明することで、相手に対して誠実な返事ができます。
たとえば、「わたしもいま抱えている仕事があって、そちらを優先させたいんです」と自分の状況をオープンに話せば、相手も事情を理解してくれるでしょう。
お互いに仕事に励む仲間として、応援し合う気持ちで会話を終えることもできます。
もちろん理由は、仕事以外のことでもOKです。
「就業後に大事な予定があるから、今日はごめんなさい」と伝えることでも、誠実さは伝わりますよ。
3.返答をあいまいにしない
仕事の依頼を断るときには、返答をあいまいにしないこともとても大切です。
「頑張ればできるけど、今日はちょっと、どうしよう」などとあいまいな返答をしては、相手に対して思わせぶりで不快な気持ちにさせてしまいます。
断るときは、しっかりした口調できちんと断りましょう。
また、考えがまとまらないときは「スケジュールを確認してから返事します」など、その場であいまいな返答をしないために工夫するといいですよ。
4.受けられる時期を説明する
仕事の依頼を断るときには、受けられる時期を説明すると、仕事の依頼を受け入れようとする気持ちがあることを伝えられます。
「来週は余裕がないのですが、再来週なら手が空きますよ」と代替案を示すことで、相手に与える印象を良い方向に変えられるでしょう。
自分の仕事が落ち着く時期を指定することで、多すぎる仕事を抱える心配がなく仕事の依頼を受けられます。
期間に余裕のある仕事を依頼されたときや、今後仕事を依頼したいと言われたときも時期を説明するといいですよ。
5.ほかに空いている人を紹介する
仕事の依頼を断ってしまったときは、代わりにほかに手が空いている人を紹介すると喜ばれます。
自分からほかに手が空いている人がいないか声をかけ、見つけてあげるといいでしょう。
普段からほかの人の業務の状況を把握しておくと、スムーズに紹介できますよ。
あなたが仕事を断ったとしても、代わりの人を見つけることで「仕事の依頼であなたに声をかけてよかった」と思ってもらえます。
自分にできることをしていれば、断ることで不快に思われる心配もありません。
「今の働き方に不満はあるけど、日々の業務が忙しくてゆっくり考える時間がない…」
そんな悩みを持つ方に向けて【DMM WEBCAMP】では無料のキャリア相談を実施しています。
ビデオ通話で相談をすることができるため、仕事で忙しい方でもスキマ時間に気軽にカウンセリングを受けることも可能です!
プロのキャリアカウンセラーと一緒に、今後のキャリアについて考えてみませんか?
仕事の断り方の例文をパターン別に紹介
相手を不快にさせない断り方のポイントをお伝えしました。
ちょっとしたことを意識するだけで、気持ちよく断ることができますよ。
「でも具体的にどう言えばいいの?」とイメージできていない方もいるかもしれません。
職場ではあらゆる人と関わるので、相手によってより適切な断り方に変えたほうがいいですよね。
そこで、ここからは実際の断り方の例文と、パターン別のポイントをご紹介します。
ご紹介するのは次のパターンです。
- 取引先の場合
- 上司の場合
- 他部署の上司の場合
それでは、詳しく見ていきましょう。
1.取引先の場合
まずは、取引先の相手から仕事の依頼を受けたときに断る例を見てみましょう。
取引先は会社にとっても大切な存在なので、不快な思いをさせないよう丁寧に断りたいですよね。
具体的な断り方の例文は次のとおりです。
◯◯様
お世話になっております。先ほどは弊社にご依頼いただき誠にありがとうございます。
大変心苦しいのですが、ご相談の内容については弊社の力不足により期日までに御社のご希望にお応えすることができません。期待してご相談いただいたことは大変嬉しいのですが、お力になれず申し訳ありません。
もし来週以降でもよろしければ、お引き受けすることは可能です。お急ぎのところ申し訳ありませんが、ご検討いただければ幸いです。
この度は期日までにご対応できず申し訳ありません。次回はご希望に添えるよう努めますので、今後ともよろしくお願いいたします。
依頼されて嬉しい気持ちと、相手の希望に添えないことへの丁寧な謝罪を伝えましょう。
断る相手が取引先の場合、次のポイントを意識するといいですよ。
- 自社を頼りにしていることに感謝の気持ちを伝える
- 本当は受けたい気持ちを表し「心苦しい」「不本意」などの言葉を添える
- 代替案を提示する
- 次回は力になりたい気持ちを伝える
今後も関わることがある大切な相手なので、力になりたい気持ちやできる限りの代替案を伝えて、「依頼してよかった」と思われるようにしましょう。
2.上司の場合
次は、上司から仕事の依頼を受けたときに断る例をご紹介します。
関わりが最も多い相手であるぶん、断りにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。
具体的な断り方の例文は次のとおりです。
◯◯部長
お疲れさまです。
先ほどご依頼いただいた◯◯◯の件について、お声がけいただきありがとうございました。
あいにくですが、今週は△△△の案件で手一杯なのでお引き受けできない状況です。お力になれず申し訳ありません。
もし来週以降でもよろしければ、スケジュールを調整いたしますのでご相談ください。よろしくお願いいたします。
上司への断り方は、取引先への断り方に比べてシンプルにまとまっています。
断る相手が上司の場合、次のポイントを意識するといいですよ。
- 丁寧かつ簡潔に伝える
- 自分が抱えている仕事の状況を伝える
- 代替案を提示する
普段から関わりのある上司が相手なので、長々と書くよりも言いたいことを簡潔にまとめると伝わりやすくなります。
また、自分の現在の状況を報告する意味合いも兼ねて、引き受けられない理由を説明しましょう。
代替案を示すことで、引き受けようとする気持ちや誠実さを伝えられますよ。
3.他部署の上司の場合
最後に 、他部署の上司から仕事の依頼を受けたときに断る例を見ていきます。
他部署の上司は直属の上司とは違って、自分とは関わりの少ない相手なので、緊張しますよね。
具体的な断り方の例文は次のとおりです。
△△部長
お疲れさまです。先ほどはお声がけいただきありがとうございました。
ご相談いただいた◯◯◯の件ですが、あいにく今週は部署内の業務が立て込んでおりまして、お手伝いできない状況です。お力になれず申し訳ありません。
今回、△△部長からご相談いただいた件は、私から◯◯部長(直属の上司)に申し伝えます。次回は◯◯部長へもご連絡いただけますと幸いです。次はお力になれるよう努めますので、よろしくお願いいたします。
他部署の上司への断り方では、今後のためにも直属の上司を通してほしいことを伝えましょう。
断る相手が他部署の上司の場合、次のポイントを意識するといいですよ。
- 声をかけてもらったことへの感謝を伝える
- 直属の上司に報告することを伝える
- 次回から直属の上司に相談してほしいことを伝える
- 次回は力になりたい気持ちを伝える
他部署の仕事は他部署のものなので、仕事を受ける場合は先に直属の上司を通す必要があります。
上司を通さずに仕事を受けると思わぬトラブルになる可能性もあるので注意しましょう。
仕事を受ける際には、順序を踏まえることが大切です。
まとめ:上手に仕事を断って「できる人間」になろう
今回は、仕事の断り方についてご紹介しました。
仕事を断るには、最初は勇気が必要かもしれません。
しかし、しっかり自分の仕事を遂行し、相手が相手の業務を効率的に遂行するためには、自分から断ることも大切です。
相手を不快にさせない断り方を知っておくことで、多すぎる仕事を抱えることがなくなり、自分の仕事に集中できます。
上手に仕事を断って、仕事ができる自分になりましょう。