個人事業主が銀行融資を受ける際のポイント3つとは?他の資金調達方法6選も解説
個人事業主が事業資金の調達を考えたときに、どんな方法が思いつくでしょうか。
ひとつは、銀行融資を受けることかもしれません。
しかし、
「個人事業主でも銀行融資は受けられるのだろうか?」
「銀行融資を受けるにはどんな条件があるのかな?」
と疑問に思うことは多いでしょう。
そこで今回は、
- 銀行融資の特徴
- 個人事業主が銀行融資を受けるための条件
- 銀行融資を受ける際に押さえておきたいポイント
- 開業前または開業後すぐに受けられる融資
などについてご紹介します。
「個人事業主の銀行融資について詳しく知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
個人事業主でも銀行融資は受けられる
「銀行融資」と聞くと、法人でなければ受けられないイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。
実は、多くの銀行では個人事業主に対しても銀行融資を行っています。
都市銀行や信用金庫、ネット銀行のほとんどは、個人事業主に融資していると考えて問題ありません。
一方で、メガバンクでは融資金額が大きいものが中心なので、個人事業主は対象外であることが多いです。
銀行融資の特徴について、次の章で詳しく見ていきましょう。
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銀行融資の特徴5つ
個人事業主でも銀行融資は受けられると聞くと、可能性が広がるように感じる方もいるでしょう。
資金調達にはさまざまな方法がありますが、まずは銀行融資の特徴を知っておくと良いですよ。
銀行融資の特徴は、主に次の5つが挙げられます。
- 金利が低め
- 限度額が大きい
- 大手銀行の場合は支店も多く利便性がある
- 融資がなされるまでに時間がかかる
- 保証や担保の提示を求められることがある
詳しく見ていきましょう。
1.金利が低め
銀行融資は、金利が低めという特徴があります。
銀行融資の金利は2%からという場合が多いです。
たとえばキャッシングだと7~15%ほどなので、ほかの資金調達手段に比べ、低めに設定されていますね。
金利は次のような要素によって決定しています。
- 銀行自体が資金調達する場合の金利
- 銀行の運営にかかる諸経費
- 借り手に対する信用度
- 銀行自体の利益設定
借りる側としては、金利は低いほうがありがたいものです。
低金利で融資を受けるなら、銀行融資を選択肢に入れておくと良いですよ。
2.限度額が大きい
銀行融資は限度額が大きいことも特徴として挙げられます。
借り手の信用度や事業規模によって変動しますが、数千万円から1億円まで可能な場合もあるのです。
借りるときには事業規模に見合った金額を借りることが前提ですが、限度額が大きいことはメリットとも言えるでしょう。
3.大手銀行の場合は支店も多く利便性がある
大手銀行は支店が多く、足を運びやすいため利便性が高いです。
銀行融資を受けるとき、面談を行って資金計画や返済計画などを話し合い、審査を受けます。
しかし、銀行が遠くては融資を受けに行くのも一苦労です。
支店が多い大手銀行なら、近くの支店で融資の模試込みができて便利でしょう。
4.融資がなされるまでに時間がかかる
銀行融資は審査に時間がかかるので、受けられるまでにタイムラグがあります。
申請から融資が実行されるまで、目安として約2週間〜1ヶ月半ほど待つことになるでしょう。
融資が受けられるまでの期間は、保証があるかどうかによっても変動します。
5.保証や担保の提示を求められることがある
銀行融資では、融資の条件として保証や担保の提示を求められることがあります。
その場合は、公的機関である信用保証協会の保証や、不動産などの担保が必要です。
個人事業主が銀行融資を受けるための条件
銀行融資の特徴をお伝えしました。
金利が低く限度額が大きいなど、個人事業主には選択しやすい資金調達方法ですね。
しかし、銀行が個人事業主に融資をしているからといって、すぐに融資を受けられるわけではありません。
銀行融資を受けるには、いくつかの条件を満たす必要があります。
ここでは、個人事業主が銀行融資を受けるための条件を5つご紹介しましょう。
- 法務局に開業届を出している
- 確定申告をしている
- 決算書が黒字である
順番に見ていきます。
1.法務局に開業届を出している
銀行融資を受けるには、開業届を出していることが条件になります。
個人事業主のなかには、開業届を出さずに事業を営む方も少なくありません。
開業届を出していることで、公的に個人事業主として見なされるのです。
公的な手続きや書類は、融資を受ける上でも非常に重要になります。
個人事業主として融資を受けるために、開業届の提出は前提と考えましょう。
2.確定申告をしている
銀行融資を受けるためのふたつ目の条件は、確定申告をしていることです。
融資を申し込むには、事業状況を説明する必要があります。
事業状況の説明には直近1〜3年分の確定申告書や青色申告決算書なども必要です。
そのほか次のような書類をもとに融資の面談、審査が行われます。
- 本人確認書類
- 代表者の印鑑証明書
- 資金計画書
- 借入計画書
ちなみに、どの銀行も審査基準は非公開です。
できる限り事業の透明性を持つよう意識しましょう。
3.決算書が黒字である
最後の条件は、決算書が黒字であることです。
きちんと利益を出して納税をしているかどうかも、判断されるポイントになります。
しっかり利益を出せていなければ、返済の目処も立ちません。
赤字の事業を抱えている状況では、融資を受けることは困難でしょう。
いざ資金調達が必要になったときに、可能性を広げるためにも、普段から利益を出せる事業が大切です。
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銀行融資を受ける際に押さえておきたい3つのポイント
個人事業主が銀行融資を受ける条件をお伝えしました。
きちんと手続きをして事業利益を出していることが重要ですね。
さらに、銀行融資を受ける際に押さえておきたいポイントを知っておくと、スムーズに融資を受けられますよ。
はじめて銀行融資を受けることを考えているなら、しっかり押さえておくと安心ですね。
銀行融資を受ける際に抑えておきたいポイントは次の3つです。
- いくら貸して欲しいかを明確に
- 返済計画を明確に
- 複数の銀行に申し込みをする
ひとつずつ見ていきましょう。
1.いくら貸して欲しいかを明確に
銀行から融資を受けるときには、いくら借りたいのかを明確にしておきましょう。
融資希望額を明確にするには、資金計画書を作成しておくと良いですよ。
資金計画書を作成すると、資金の用途目的や必要性が伝わり、借りたい金額に説得力が増します。
融資面談でスムーズに申し込みができるよう、事前によく考えて準備をしておくことが大切です。
2.返済計画を明確に
銀行から融資を受けたお金は、当然ですがきちんと返済していかなければなりません。
返済計画書を作成し、どのように返済していくのかを明確にしましょう。
現実的な返済計画を伝えることで、融資可能だと判断してもらえる可能性が高まります。
収入が一定ではない個人事業主は、信用度が低いというハードルを乗り越えることが必要です。
無理のない返済計画を提示して、問題なく返済できることを伝えましょう。
3.複数の銀行に申し込みをする
銀行融資を受けるときには、複数の銀行に申し込むこともポイントです。
同じ資金計画書や返済計画書でも、審査に通らない銀行もあれば通る銀行もあります。
資金調達の可能性を上げるためにも、一つの銀行だけに融資を申し込むのではなく、複数検討しましょう。
銀行融資以外の資金調達方法6選
銀行融資を受ける際に押さえておきたいポイントをご紹介しました。
これで銀行融資を受ける準備は整います。
さて、資金調達には銀行融資以外にもあらゆる方法があります。
選択肢を多く持っておくことで、自分の状況に合った資金調達方法を選べますよ。
ここでは、銀行融資以外の資金調達方法を6つご紹介します。
- 日本政策金融公庫
- 信用金庫・信用組合
- ビジネスローン・カードローン
- 地方自治体の融資・補助金や助成金の活用
- クラウドファンディングの活用
さっそく見ていきましょう。
1.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が出資する金融機関です。
国の政策に基づき、中小企業や個人事業主に対して事業資金融資を行っています。
特徴は次の通りです。
- 金利が低い
- 借入期間が長く設定されている
- 銀行融資より多くの書類が必要
- 審査基準が厳しい
- 融資を受けるまでに時間がかかる
審査は厳し目ですが、低金利で長く借りられる点がメリットです。
2.信用金庫・信用組合
信用金庫・信用組合とは、地域の人々が利用者として互いに地域の繁栄を図る共同組織の金融機関・組合です。
幅広い取引先を持つ銀行とは異なり、主に中小企業や個人事業主を対象に取引を行っています。
信用金庫・信用組合の特徴は次の通りです。
- 日本政策金融公庫に比べ、金利が高く設定されている
- 主な取引先が中小企業や個人事業主
融資の申込みは銀行でも可能ですが、まずは信用金庫からの融資も検討すると良いでしょう。
3.ビジネスローン・カードローン
ビジネスローン・カードローンは、個人向け融資サービスです。
あらゆる銀行や貸金業者、消費者金融業者が提供しています。
専用ATMのほか、コンビニATMからでも借入や返済ができるので利便性に優れています。
「お金を借りる」というと、カードローンに身近なイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
ビジネスローン・カードローンの特徴は次の通りです。
- コンビニで借入・返済ができ、利便性が高い
- 融資のスピードが早く、数十分で借り入れができる場合もある
- 銀行系、信販・クレジット系、消費者金融系のどれを選ぶかで特徴が異なる
ビジネスローン・カードローンには「銀行系」「信販・クレジット系」「消費者金融系」などの種類があります。
それぞれの特徴は次の通りです。
- 銀行系カードローン:最高金利が低めに設定されているが、申込みから融資には1週間ほど時間がかかる
- 信販・クレジット系カードローン:サービス内容は銀行系とほぼ同じだが、即日や翌営業日に融資可能な場合もある
- 消費者金融系カードローン:融資まで最短1時間など融資のスピードが早く、返済の自由度があるが、最高金利の設定も高め
早急な資金調達を希望するなら、カードローンは有効な選択肢です。
4.地方自治体の融資・補助金や助成金の活用
地方自治体で融資制度や補助金・助成金が設けられているケースは多いです。
自分が住んでいる都道府県や、市区町村の融資制度を調べてみましょう。
業種や用途ごとにあらゆる融資制度が提供されていますよ。
また、融資とは違い、補助金・助成金は返済が不要です。
内容を確認し、補助金・助成金の目的に自分の事業が合っていれば利用しましょう。
返済する必要がない補助金・助成金は、その後の資金繰りが楽になるメリットがあります。
5.クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングは近年広がっている資金調達方法です。
クラウドファンディングとは、「インターネット上で不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」もの。
事前に購入希望者を募る形なので返済の必要がないことに加え、需要をはかる市場調査もできることがメリットです。
クラウドファンディングに集まるプロジェクトには、さまざまな種類があります。
社会貢献を目的としたものから、新商品やサービスの賛同を集めるものも。
クラウドファンディングをうまく活用して、資金調達を叶えるのも良いでしょう。
開業前または開業後すぐに受けられる融資
資金調達方法にもいろいろな種類がありましたね。
自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
ところで、事業を開始する前あるいは開始したばかりのタイミングで融資を受けるのは、勇気がいるものではないでしょうか。
「まだ売上が立っていないから無理だろう」と諦めてしまうのは早いですよ。
こちらでは、開業前または開業後すぐに受けられる融資をご紹介します。
- 新規開業資金
- 自治体の創業補助金
それでは見ていきましょう。
1.新規開業資金
新規開業資金は、事業開始の前後に受けられる融資です。
対象は「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」と定められています。
資金の使いみちは「新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金」です。
融資の限度額は7,200万円で、かなり高額な融資も可能ですね。
事業開始間際で、設備資金や運転資金の融資が必要なときは検討しましょう。
詳細は日本政策金融公庫の公式サイトをご覧ください。
2.自治体の創業補助金
自治体の創業補助金は、都道府県や地方自治体によって提供される創業時の補助金制度です。
個人や中小企業の創業時に必要な補助金を融資しています。
自分の住む都道府県や地方自治体が提供している創業補助金を調べてみましょう。
名称はそれぞれですが、個人事業主の創業を対象とした融資も多く提供されていますよ。
まとめ:個人事業主の融資は、適切な金融機関はどこであるかをよく考えることが大切
今回は、個人事業主の銀行融資についてご紹介しました。
個人事業主でも、必要な準備をすれば銀行融資を受けることができます。
資金調達において重要なのは、自分にとって適切な金融機関がどこかをしっかりと見極めることです。
あらゆる資金調達方法を視野に入れ、行動を起こしましょう。
必要な資金調達を叶え、あなたのやりたい事業を実現してくださいね。