個人事業主が住宅ローンを組む5つのポイントとは?フラット35についても解説
会社に雇われず、個人で仕事をする個人事業主の働き方は魅力的ですよね。
しかし、個人事業主になると、住宅ローンを組むときに注意が必要です。
住宅ローンは、年齢や収入が金融機関の定める条件以上であれば申し込めます。
ところが個人事業主の場合は、会社員と比べて条件が少々異なるのです。
住宅ローンを検討している人のなかには、
「新しく家を購入したいけど、個人事業主でも住宅ローンは組めるのかな?」
「個人事業主が住宅ローンを組むときに注意すべきことは?」
など、疑問に思っている方もいるでしょう。
そこで今回は、
- 個人事業主が住宅ローンを組む前に知っておきたいこと
- 個人事業主が住宅ローンを組むポイント
- 個人事業主が住宅ローンの審査に必要な書類
- 個人事業主が住宅ローンを経費にする場合の注意点
などについてご紹介します。
個人事業主の住宅ローン事情を知り、人生設計に役立てましょう。
「個人事業主が住宅ローンを組むことについて詳しく知りたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
個人事業主が住宅ローンを組む前に知っておきたいこと
まずは、住宅ローンを組む前段階に知っておきたいことがあります。
「そもそも個人事業主は住宅ローンを申し込めるの?」という人もいるでしょう。
実は、個人事業主でも条件を満たしていれば住宅ローンは申し込めます。
しかし、個人事業主は会社員が住宅ローンを組む場合と比べ、注意が必要です。
ではどんなことを前もって知っておく必要があるでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
1.会社員より信用が低い
一般的に、個人事業主は会社員より信用が低いです。
毎月一定の給料を得ている会社員と異なり、個人事業主は収入に波があります。
収入が多い月もあれば、非常に少ない月もあるでしょう。
個人事業主のように収入が不安定だと、社会的に信用が低くなりやすいのです。
住宅ローンは毎月一定の金額を長期的に支払う必要があります。
しかし、収入が不安定だと支払い能力に不安がありますよね。
信用が低いことは、住宅ローンを組むときにも不利に働いてしまいます。
2.借入の条件が厳しくなる場合がある
個人事業主は信用が低い分、借入の条件が厳しくなる場合があります。
支払い能力が不安視されるため、お金を借り入れるときには会社員以上に条件が厳しくなるのです。
たとえば、
- 会社員や公務員:連続した就業2年以上で、前年の税込み集年収が300万円以上
- 個人事業主:業歴2年以上で2年平均300万円以上の所得
と定められている場合があります。
一見すると、どちらも300万円で変わらないように感じるかもしれません。
しかし、個人事業主の「所得」とは、収入から経費を差し引いたあとの金額です。
会社員や公務員のような単純な収入ではなく、経費を差し引いた所得が300万円なければならない点に注意しましょう。
このように、個人事業主は会社員や公務員に比べて借入の条件が厳しくなることがあります。
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個人事業主が住宅ローンを組む5つのポイント
では、実際に個人事業主が住宅ローンを組むときにはどんなポイントがあるのでしょうか。
ポイントを知っておくことで、スムーズに住宅ローンを組めるようになりますよ。
住宅ローンは組みたいと思ってもすぐに組めるものではないので、条件をクリアできるよう準備しておきましょう。
ここでは、個人事業主が住宅ローンを組む5つのポイントをご紹介します。
- 3期連続の黒字
- ローンや税金を絶対に滞納しない
- 収入に対する借金の返済比率を下げる
- 審査が通りやすい金融機関を選ぶ
- 自宅と事務所兼用なら住居を1/2以上に
さっそく見ていきましょう。
1.3期連続の黒字
個人事業主は、自分で事業を営んで売上を出し、黒字にしていかなければなりません。
住宅ローンを組むには、3期連続で黒字になる必要があります。
3期連続で黒字を出せるほど所得が安定していなければ、住宅ローンを組むことはできないのです。
住宅ローンを組むことを検討しているなら、まずは事業を長期的に安定させることを優先しましょう。
2.ローンや税金を絶対に滞納しない
そもそも信用の低い個人事業主は、支払い能力を不安視されて審査に通過できないことがあります。
住宅ローンの審査に通過したいなら、ローンや税金の支払いを絶対に滞納しないようにしましょう。
滞納経験があると、審査で非常に不利になります。
住宅ローンを申し込む以前から、ローンや税金などの支払いには細心の注意を払うことが大切です。
3.収入に対する借金の返済比率を下げる
個人事業主の収入は一定ではありませんよね。
滞りなく返済していくには、収入に対する借金の返済比率を下げると安心です。
毎月の収入に対してあまりに返済比率が高いと、収入が少ないタイミングが生まれたときに支払いができなくなる可能性があります。
支払いの滞納が発生すると、信用が低下してその後の審査などに影響が出る恐れも。
自分自身のためにも、無理のない返済比率で住宅ローンを組みましょう。
4.審査が通りやすい金融機関を選ぶ
金融機関によって審査の通りやすさは異なります。
自分の状況を見て、審査が通りやすい金融機関を選びましょう。
もし地元の信用金庫や地方銀行と付き合いがあるなら、相談してみるのも一つの方法です。
審査の通りやすさを判断するには、審査基準を比較すると良いですよ。
審査基準には次のものがあります。
- 健康状態
- 年齢や勤続年数
- 物件の担保評価
- 返済比率
- 個人信用情報
審査基準と自分の状況を照らし合わせ、審査が通りやすい金融機関を選びましょう。
5.自宅と事務所兼用なら住居を1/2以上に
自宅と事務所兼用なら住居使用割合を1/2以上にしましょう。
そうすることで、住宅ローン控除を受けられるようになります。
住宅ローン控除は「住宅借入金等特別控除」といい、個人が住宅ローンなどを利用して物件の建築・増改築をするときに、一定の条件を満たすと受けられる控除です。
住宅ローン控除を受ける条件は、「専ら自己の居住の用に供するものである」こと。
そのため、自宅と事務所兼用の場合は、住居使用割合を1/2以上にする必要があるのです。
もし住居使用割合が1/2未満だと住宅ローン控除は受けられないので、よく注意しましょう。
審査に必要な3つの書類を解説
個人事業主が住宅ローンを組むときのポイントをお伝えしました。
ポイントを意識することで、住宅ローンをうまく活用できるでしょう。
さて、住宅ローンを組むときには「審査」があります。
個人事業主は審査を受けるために、3つの書類の提出が必要です。
ここでは個人事業主が住宅ローンの審査を受けるために3つの書類を解説します。
- 確定申告書
- 納税証明書
- 既に借りているローンの借入明細
詳しく見ていきましょう。
1.確定申告書
まず必要な書類は「確定申告書」です。
たいていは直近3年分の提出が必要になります。
確定申告書を提出することにより、個人事業主の所得や安定性が審査されるのです。
住宅ローンの審査で最も重要なのは収入、個人事業主なら所得になります。
節税のために経費に計上する科目を多くしている場合は要注意です。
売上が大きくても、経費が多くて所得が少ないと審査に通りにくくなりますよ。
金融機関は所得の平均、あるいは最も低い年の所得から住宅ローンの可否を審査します。
そのため、安定した所得があることが大前提です。
2.納税証明書
次に必要な書類が「納税証明書」です。
確定申告書と同様に、一般的には直近3年分の提出が必要になります。
もし税金の未納があると、審査は通過できません。
万が一滞納している場合は、納付してから証明書を発行してもらいましょう。
税金のほか、健康保険料や年金の未納も審査に影響します。
滞納履歴は信用情報に残り、金融機関が紹介すればすぐに分かってしまうもの。
普段から支払いが必要なものは滞納することのないように注意しましょう。
3.既に借りているローンの借入明細
既に借りているローンがある場合、「借入明細」の提出も必要です。
既存のローンと並行して返済が可能なのかを審査されます。
既存のローンがある場合は、住宅ローンの審査に通りにくいです。
個人事業主が事業資金の融資を受けているケースでも、個人の借り入れと判断されて審査に影響します。
もし可能なら、住宅ローンの審査前に完済しておくのがおすすめです。
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フラット35なら開業間もない個人事業主でも借入可能
一般的に、住宅ローンでは3期分の確定申告書が必要でした。
開業してから3年以上黒字が続いていなければ、土俵に上がることもできません。
そこで、個人事業主におすすめな住宅ローンが「フラット35」です。
「フラット35」は、開業間もない個人事業主でも利用しやすいことが特徴です。
「フラット35」なら、
- 審査の対象になる収入は直近1期分
- 開業して1年未満でも確定申告をしていれば審査可能
- 審査金利が低い
- 事業用融資を受けていても既存の借入とは見なされない
など、審査の条件が大変易しくなっています。
「開業したばかりで住宅ローンを組みたい」という個人事業主には、ぴったりの選択だといえるでしょう。
「フラット35」について、次の章でメリットとデメリットを詳しく見ていきます。
フラット35の6つのメリット
開業して間もない個人事業主でも利用できる住宅ローン「フラット35」。
まずはどんなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
「フラット35」には、次の6つのメリットがあります。
- 審査する年収は直前1期分
- 金利が最長で35年間固定
- 事業用資金を借入金として判断しない
- 保証料・繰り上げ手数料が0円
- 団信加入が任意
- 連帯債務者を追加できる
それでは、順番に確認していきましょう。
1.審査する年収は直前1年分
「フラット35」では、審査の対象となる年収が直前1年分のみです。
提出する確定申告書も2年分で済みます。
一般的な銀行では連続して3年黒字でなければなりません。
3年以上事業を運営し、黒字化していて初めてスタートラインに立てます。
しかし、「フラット35」なら開業して3年経っていなくても、住宅ローンに申し込めるのです。
開業1年未満の場合は、確定申告書を1回出していれば審査可能です。
開業して間もない個人事業主でも利用できることが大きな特徴と言えますね。
2.金利が最長で35年間固定
「フラット35」は金利が最長で35年間固定されている住宅ローンです。
借入時に返済終了まで借入金利と返済額が確定しているので、安心して将来を考えられます。
途中で金利が変わって返済額が増える心配がありません。
返済の見通しが立っているので、ライフステージごとの計画も立てやすいでしょう。
3.事業用資金を借入金として判断しない
「フラット35」では、事業用資金の融資を受けている場合でも借入金として判断せずに審査してくれますよ。
一般的な金融機関では、ほかにローンがある場合はたとえ事業用であっても審査の対象となり、所得あたりの返済比率が大きいとして審査に通りにくくなります。
しかし、「フラット35」なら事業用資金の融資を借入金として判断しないので、審査に影響しません。
融資を受けて事業を始めたばかりの時期でも利用しやすい住宅ローンです。
4.保証料・繰り上げ返済手数料が0円
一般的には住宅ローンを申し込むと、保証料の負担や、返済時に繰り上げて返済するときの手数料の負担があります。
「フラット35」なら、保証料・繰り上げ返済手数料はかかりません。
通常は数十万円程度の保証料がかからないので、申込みのハードルが低いです。
また、繰り上げ返済や返済方法の変更も、手数料0円で行うことができます。
保証料や手数料がかからない分、安心して利用できますね。
5.団信加入が任意
「フラット35」では団信保険への加入が任意です。
団信保険に加入しなくても住宅ローンを借り入れできます。
団信保険とは団体信用生命保険の略語で、住宅ローン専用の生命保険のこと。
住宅ローンの返済中に契約者が死亡・高度障害状態になったときに、残りのローンを肩代わりしてくれる保険です。
一般的な住宅ローンでは団信保険へ加入が必要ですが、持病があるなど団信保険に入れないケースもあるでしょう。
団信保険に加入しないプランで申し込んだ場合は、加入するプランと比べて金利が0.2%引き下げになりますよ。
6.連帯債務者を追加できる
個人事業主の場合、収入ではなく所得によって審査されて借入額が決まります。
そのため、所得が少なく借入の希望金額に満たない場合もあるでしょう。
そこで「フラット35」では連帯債務者を追加できます。
連帯債務者を追加して合算した収入で審査を受け、借り入れられるのです。
多い事例として、夫婦で収入を合算する方法がよく見られますよ。
夫婦の収入を合算した金額で審査を受けることで、借入可能額を引き上げられます。
夫が個人事業主の場合は「所得」で年収を判定されますが、妻が会社員や契約社員、派遣社員など雇用されて働く場合は「給与収入」が合算対象です。
さらに、連帯債務者が団信保険に加入することも可能ですよ。
フラット35の6つのデメリット
「フラット35」のメリットをお伝えしました。
個人事業主が利用するハードルがとても低いことがわかりますね。
では次に、「フラット35」のデメリットも見ていきましょう。
住宅ローンを検討するときには、メリットとデメリットの両方を考慮して、自分に適しているかを見極めることが大切です。
ここでは、「フラット35」の6つのデメリットをご紹介します。
- 住宅ローンを借り入れるまでに時間がかかる
- 物件検査手数料がかかる
- 変動金利より適用金利が高い
- 団信加入に金利上乗せが必要
- 繰り上げ返済の最低金額が民間より高い
- 市場金利が下がっても支払額が変わらない
ひとつずつ見ていきましょう。
1.住宅ローンを借り入れるまでに時間がかかる
「フラット35」では住宅ローンを借り入れるまでに時間がかかります。
具体的には、住宅ローンの申込みから実際の借入れまで10日〜2週間ほど必要です。
一般的な金融機関の住宅ローンの審査機関に比べて長い理由は、窓口のとなる民間金融機関と住宅金融支援機構それぞれに審査が行われるため。
フラット35の審査の流れを見てみましょう。
- 1.窓口となる金融機関による仮審査
- 2.金融機関による本審査(2〜3営業日)
- 3.住宅金融支援機構による審査(3〜15日程度)
- 4.融資承認と契約手続き
一般的な金融機関の場合は手順1と2のみのため、約1週間程度で審査結果が出て借り入れられることが多いです。
しかし「フラット35」では住宅金融支援機構による審査が加わり、平均10日〜2週間程度かかります。
もし書類の不備や、追加資料が必要になることがあれば、さらに日数がかかるでしょう。
2.物件審査手数料がかかる
「フラット35」の申込みには、物件が一定の基準を満たしているかどうかを審査する必要があります。
物件審査は住宅金融支援機構が指定する業者がおこない、その手数料は有料です。
費用は物件のある地域や戸建て・マンションなどによって異なります。
目安は新築の戸建住宅で2〜3万円、中古の戸建住宅で4〜6万円ほどです。
審査を受けると適合証明書を取得できるようになります。
「フラット35」の申込みにはこの適合証明書が必要です。
ただし、適合取得署名書の発行には時間がかかります。
審査内容が複雑な物件などは20日前後かかることもあるため注意しましょう。
3.変動金利型より適用金利が高い
「フラット35」は変動金利型に比べて金利が高めに設定されています。
実際にそれぞれの金利を比較して見てみましょう。
「フラット35」の金利は次の通りです。(2020年9月時点)
融資率 | 最も多い金利 | 金利の範囲 |
9割以下 | 年1.320% | 年1.320%〜年2.060% |
9割超 | 年1.580% | 年1.580%〜年2.320% |
(出典:フラット35公式サイト「金利情報」)
次に、民間金融機関の金利を見てみます。(2020年9月時点)
金融機関名 | 金利 | 融資手数料 |
三井住友銀行(WEB申込専用・変動金利型) | 年0.475% | 融資金額×2.2%(税込) |
みずほ銀行(WEB申込専用・変動金利型) | 年0.525% | 0円 |
三井住友信託銀行(変動金利型) | 年0.475% | 融資金額×2.2%(税込) |
住信SBIネット銀行(変動金利型) | 年0.410% | 融資金額×2.2%(税込) |
(出典:三井住友銀行「変動金利プラン(WEB申込み専用住宅ローンⅠ)」、みずほ銀行「ネット住宅ローン金利」、三井住友銀行「住宅ローン」、住信SBIネット銀行「ネット専用住宅ローン」)
比較すると、民間金融機関の変動金利型に対して「フラット35」は金利が倍以上になっています。
一般的に変動金利型は金利のなかでも最も金利が低く設定され、半年ごとに見直されて金利の変化に応じて返済額も変化するものです。
返済途中で金利が変化するため、最終的に変動金利型と「フラット35」でどちらが得になるかは市場変動次第になります。
ただし住宅ローンの契約時点では、変動金利型と比較して「フラット35」のほうが金利が高いです。
4.団信加入に金利上乗せが必要
「フラット35」では、団体信用生命保険に加入する場合、金利に上乗せが必要です。
団信に加入しない場合に比べ、加入すると金利は0.2%高くなります。
一般的な住宅ローンでは、団信特約料を金融機関が支払ってくれるので、金利が上乗せされることはありません。
団信加入が任意という点では申込のハードルが低いですが、加入の場合金利が上乗せされる点はデメリットだといえるでしょう。
5.繰り上げ返済の最低金額が民間より高い
「フラット35」は繰り上げ返済の最低金額が民間金融機関に比べて高いデメリットがあります。
繰り上げ返済の最低金額は、Webを利用した場合が10万円、窓口を利用した場合が100万円です。
一般的な民間金融機関では、繰り上げ返済の最低金額を1万円以上としています。
インターネット系の銀行では1円からの繰り上げ返済も可能です。
「フラット35」は繰り上げ返済の手数料はかかりませんが、それでも繰り上げ返済のハードルがかなり高めだといえるでしょう。
6.市場金利が下がっても支払額が変わらない
「フラット35」は固定金利の住宅ローンのため、市場金利が下がっても支払額は下がりません。
景気変動によって住宅ローン市場が低金利になっても、恩恵に預かれないというデメリットがあります。
しかし固定金利であれば、高金利になった場合も同様に金利が変わらず支払額が上がりません。
固定金利は市場が低金利であればデメリットになりますが、市場が高金利であればメリットになります。
住宅ローンを経費にする場合の注意点
個人事業主として働いていると、仕事で必要なものは経費として計算できます。
もちろん、住宅ローンも経費に計上することは可能です。
住宅ローンを経費にする場合、どんなことに注意する必要があるでしょうか。
ここでは、住宅ローンを経費にする場合の注意点を2つご紹介します。
- 元金の返済分は経費にできない
- 住宅ローン控除は事業使用割合分には適用できない
それでは、詳しくご説明していきます。
1.元金の返済分は経費にできない
住宅ローンの元本の返済分を経費に計上することはできません。
経費計上できるのは、次のものです。
- 住宅ローンの金利
- 減価償却費
- 火災保険料
- 固定資産税
上記から事業で使っている分を按分して必要経費に計上できます。
2.住宅ローン控除は事業使用割合分には適用できない
住宅ローン控除は事業使用割合分には適用できないことに注意しましょう。
住宅ローン控除は住居として利用している場合に受けられる控除なので、事業使用割合分には適用できません。
さらに、住宅ローン控除を受ける条件として、物件が「専ら自己の居住の用に供するものである」必要があるため、事業使用割合が50%以上だと住宅ローン控除の対象外になってしまいます。
一方、住居使用割合がおおむね90%以上なら、全額に住宅ローン控除を適用することも可能ですよ。
住宅ローン控除を受けるほうが得か、経費として計上するほうが得かをよく考えて利用しましょう。
まとめ:個人事業主の住宅ローンはポイントを押さえて対策するのが大切
今回は、個人事業主の住宅ローンについてご紹介しました。
個人事業主は会社員や公務員に比べて、住宅ローンを組むハードルが高めです。
とはいえ、「まだ開業したばかりの個人事業主だから、住宅ローンは組めない」と諦めることはありません。
個人事業主が住宅ローンを組むときのポイントを押さえ、しっかり準備して審査にのぞむことが大切ですよ。
自分に合った住宅ローンを活用し、理想の生活に近づきましょう。