個人事業主が借入をする5つの方法とは?借入金は経費になるのかも解説
個人で事業を営むためには、ある程度の資金が必要ですよね。
個人事業主の資金調達の方法として「借入」があります。
しかし、個人事業主になって間もない人のなかには、
「どうやって借入れすればいいんだろう?条件やポイントは?」
「借入は経費として計上できるのかな?」
と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 個人事業主が借入れできる方法
- 個人事業主が借入以外で資金調達する方法
- 個人事業主が借入をするための条件・ポイント
- 借入金は経費になるのか?
などについてご紹介します。
「借入」と聞くと、ハードルガ高いと感じる人もいるかもしれません。
しかし、事業主にとって借入は有効な資金調達方法であり、手段として知っておきたいものです。
「個人事業主の借入について詳しく知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
個人事業主が借入れできる5つの方法
個人事業主は、どのようにして借入をするのでしょうか。
借入は融資を行っている金融機関からおこないます。
ここでは、主な5つの方法をご紹介しましょう。
- 銀行
- 日本政策金融公庫
- 信用金庫
- 信用組合
- 信用保証協会の保証付き融資
順番にご説明していきます。
1.銀行
「借入」と聞くと、まずは銀行を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、一般的に個人事業主が銀行から借入を受けることは難易度が高いです。
銀行からの借入には、次の特徴があります。
- 金利が低め
- 限度額が大きい
- 大手銀行の場合は支店も多く利便性がある
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 保証や担保の提示を求められることがある
銀行融資の金利は2.0%からという場合が多く、たとえばキャッシングの金利7.0~15.0%などに比べて低めに設定されていますね。
限度額が大きく利便性も高いことから、借入には向いています。
ただし、借入の申込から融資まで約2週間〜1ヶ月半ほど待つこともあるので注意が必要です。
融資の条件として保証や担保の提示を求められるケースもあり、個人事業主が借入れるハードルはやはり高めでしょう。
2.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が出資する金融機関です。
国の政策に基づき、中小企業や個人事業主に対して事業資金融資を行っています。
特徴は次の通りです。
- 金利が低め
- 限度額が大きい
- 担保や保証人は不要
- 借入期間が長く設定されている
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 審査基準が厳しい
- 申し込みに必要な書類が多い
日本政策金融公庫も、金利は2.0%ほどと低金利です。
しっかりと計画的に準備をすれば、事業実績がなくても数百万円単位で融資を受けられます。
担保や保証人は不要なので借りやすく、借入期間が長く設定されているので1回あたりの返済額も少なくて済みますよ。
しかし、銀行と同様に融資まで1ヶ月程度かかります。
また必要な提出書類が多く、審査も厳しめです。
ただ、日本政策金融公庫から融資を受けてしっかり返済できていると、ほかの金融機関からも融資を受けやすくなります。
3.信用金庫
信用金庫とは、地域の人々が利用者として互いに地域の繁栄を図る共同組織の金融機関です。
幅広い取引先を持つ銀行とは異なり、主に中小企業や個人事業主を対象に取引を行っています。
信用金庫の特徴は次の通りです。
- 日本政策金融公庫に比べ、金利が高く設定されている
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 比較的審査が通りやすい
- 融資金額が少ない
比較的金利が高く、融資を受けるまでに時間がかかります。
しかし、地域社会の繁栄を図る金融機関のため、審査が通りやすいことが特徴です。
たとえば、日本政策金融公庫では融資を受けられなかった人でも、信用金庫からはお金を借りられたというケースもありますよ。
ほかの金融機関で審査に落ちてしまった場合は、信用金庫からの融資も検討するといいでしょう。
4.信用組合
信用組合は、信用金庫と同じく共同組織の金融機関ですが、根拠法や会員(組合員)資格が異なります。
ただし、事業の内容や融資については、信用金庫と違いはありません。
ほかの金融機関の審査に落ちてしまった場合は、信用組合からの融資も検討してみましょう。
5.信用保証協会の保証付き融資
信用保証協会とは、わたしたち個人と金融機関を結び、保証人として融資のサポートをおこなう公的機関です。
信用保証協会の保証付き融資を利用すると、次のメリットが得られます。
- 金融機関の融資審査が通りやすくなる
- 銀行審査のハードルが低くなる
理由は、債務者(融資を受けた個人事業主)が万が一返済できなくなった場合でも、信用保証協会が返済を肩代わりしてくれるためです。
通常は借入金額の80%を負担しますが、なかには100%を保証するものもあります。
そのため、信用保証協会の保証を得て融資を受ければ、それ以降の審査が通りやすくなりますよ。
ただし、信用保証協会は審査期間が長く、保証料を支払う必要が生じるため、一定の注意が必要です。
実際のところ保証料はそれほど高くなく、「保証料率1.35%」などリーズナブルともいえるでしょう。
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個人事業主が即日で借入れできる方法
個人事業主が借入れる方法を5つお伝えしました。
しかし、どれも融資までに時間がかかりますね。
「すぐに資金調達ができる方法が知りたい」という方もいるでしょう。
個人事業主が即日で借入できる方法は、ビジネスローンで融資を受けることです。
ビジネスローンとは、個人事業主・法人代表者・中小企業を対象とした専門的なローンをさします。
特徴は次の通りです。
- 金利は高め
- 審査が通りやすい
- すぐに融資を受けられる
- 来店不要で申込みできる
- ゆうちょ銀行やコンビニATMで返済ができる
- WEBから振込依頼ができる
銀行融資や公的融資に比べ、ビジネスローンは最高金利が15〜18%と非常に高く設定されています。
しかし、審査が通りやすく、早ければ即日入金が可能な点は大きな魅力でしょう。
さらにインターネットから申込や振込依頼ができるので、気軽に借入れできます。
ゆうちょ銀行やコンビニから返済できる利便性の高さが特徴的です。
個人事業主が借入以外で資金調達する3つの方法
個人事業主が借入をおこなう方法をお伝えしてきました。
しかし、個人事業主の資金調達ではできるだけあらゆる方法を知っておきたいですよね。
実は借入のほかにも資金調達の方法はいくつかあります。
ここでは、個人事業主が借入以外で資金調達する方法を3つご紹介しましょう。
- クラウドファンディング
- ファクタリング
- 補助金や助成金
1つずつご説明します。
1.クラウドファンディング
近年広がっている資金調達方法として、クラウドファンディングがあります。
クラウドファンディングとは、「インターネット上で不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」という方法。
事前に購入希望者を募る形なので返済の必要がないことに加え、需要をはかる市場調査もできることがメリットです。
クラウドファンディングに集まるプロジェクトには、さまざまな種類があります。
社会貢献を目的としたものから、新商品やサービスの賛同を集めるものまで様々です。
クラウドファンディングをうまく活用して、資金調達をおこなうのもいいでしょう。
2.ファクタリング
ファクタリングとは、事業主が持つ未回収の売掛債権を売買して、振り込み期日前に現金化する資金調達方法です。
融資ではなく債権譲渡なので、保証人や担保、審査を受ける必要がありません。
資金を実際に調達するまでは、即日から2日程度と短期間であることが特徴的です。
一方で、注意点として次の2点があります。
- 売掛債権額以上の資金調達はできない
- 10~20%前後の手数料がかかる
また、売掛債権を前倒しで現金化するため、その後の資金繰りが悪化しやすいことにも注意が必要です。
3.補助金や助成金
地方自治体の補助金・助成金を利用する資金調達方法です。
自分が住んでいる都道府県や、市区町村の融資制度を調べてみたことはあるでしょうか。
業種や用途ごとに様々な補助金・助成金が提供されていますよ。
補助金・助成金は借入とは違って返済が不要です。
返済する必要がない補助金・助成金は、その後の資金繰りが楽になるメリットがあります。
内容を確認し、補助金・助成金の目的に自分の事業が合っていれば検討してみましょう。
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個人事業主が借入をするための条件
個人事業主が借入をする方法を紹介してきましたが、借入には条件があります。
「借入で資金を調達したい!」と考えたときにすぐに動き出せるよう、普段から準備をしておきましょう。
個人事業主が借入をするための条件は次の3つです。
- 法務局に開業届を出している
- 確定申告をしている
- 社会的に信用がある
さっそく見ていきましょう。
1.法務局に開業届を出している
銀行融資を受ける条件の1つ目は、開業届を出していることです。
個人事業主のなかには、開業届を出さずに事業を営む方も少なくありません。
個人事業主が事業を始めるときに、開業届の提出は必須ではないためです。
しかし、公的な手続きや書類は、融資を受ける上でも非常に重要になります。
個人事業主として融資を受けるために、開業届の提出は前提と考えましょう。
2.確定申告をしている
銀行融資を受ける条件の2つ目は、確定申告をしていることです。
融資を申し込むには、確定申告の内容をもとに事業状況を説明する必要があります。
そのため、直近1〜3年分の確定申告書や青色申告決算書などの提出が求められるのです。
そのほかにも、次のような書類をもとに融資の面談、審査が行われます。
- 本人確認書類
- 代表者の印鑑証明書
- 資金計画書
- 借入計画書
事業状況が安定していなければ、借入の審査に通るのは難しくなります。
毎年しっかり事業で利益を出し、確定申告をおこなっていることが大切です。
3.社会的に信用がある
銀行融資を受ける条件の3つ目は、社会的に信用があることです。
社会的な信用は、次のことから判断されます。
- 事業が黒字で安定している
- 延滞などの履歴がない
- 借入を期限内に返済している
事業を黒字化させることはもちろん、納税などを延滞しないように注意しましょう。
所得税や健康保険料、年金などを延滞すると、信用情報に履歴が残る場合があります。
信用情報に延滞履歴がある人は、借入のハードルが高くなってしまうのです。
社会的信用を落とさないよう、普段から心がけましょう。
借入をする際に押さえておきたい3つのポイント
個人事業主が借入をする条件をお伝えしました。
まずは3つの条件を満たしておくことで、借入のスタートラインに立てますよ。
さらに、借入をする際に押さえておきたいポイントを知りましょう。
ポイントを押さえて準備を進めれば、スムーズに借入ができます。
ご紹介するポイントは次の3つです。
- いくら貸して欲しいか明確にする
- 返済計画を立てる
- 担保や保証人があれば用意する
詳しく見ていきます。
1.いくら貸して欲しいか明確にする
銀行から借入をするときは、いくら借りたいのかを明確にしましょう。
必要な金額があいまいな状態で借入を申し込んでも、審査を通過するのは難しいです。
融資希望額を明確にするには、資金計画書を作成しておくといいですよ。
資金計画書を作成すると、資金の用途目的や必要性が伝わり、借りたい金額に説得力が増すためです。
借入時の面談でスムーズに審査を通過できるよう、事前によく考えて準備しておきましょう。
2.返済計画を立てる
借入れたお金は、長期的にきちんと返済していかなければなりません。
返済計画書を作成し、どのように返済していくのかを明確にしましょう。
現実的な返済計画を伝えることで、融資可能だと判断してもらえれば審査に通過しやすくなります。
収入が一定ではない個人事業主は、返済能力を問題視されがちです。
無理のない返済計画を提示して、問題なく返済できることを伝えましょう。
3.担保や保証人があれば用意する
担保や保証人がある場合は用意しておきましょう。
銀行などから担保や保証を求められたときに準備ができていなければ、借入ができません。
保証人が見つからない場合は、保証会社を利用することも1つの方法です。
事前にできるだけの準備はしておきましょう。
借入金は経費になるのか?
個人事業主なら、節税のために経費として計上できるものを知っておきたいですよね。
「借入金は経費になるのかな?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
毎月発生する借入金の返済を1年分合わせると、かなりの金額になります。
借入金が経費になるかどうかを間違えて処理すると、税金に大きな影響を与えてしまうでしょう。
借入と経費についてしっかり理解し、適切に処理することが大切です。
1.返済する借入金は経費にならない
まず覚えておきたいのは、返済する借入金は経費にはならないということです。
借入金の返済は、金融機関から借りたお金をそのまま返済します。
売上を生み出したとはいえず、経費にはならないのです。
2.借入利息は経費で落とすことができる
返済する借入金は経費にできないとお伝えしました。
しかし、借入によって発生した利息は経費で計上することができます。
利息は借りたお金ではなく、新たに発生しているお金です。
返済は経費にはなりませんが、返済の利息は経費になると理解しておきましょう。
経費計算のときに注意が必要です。
まとめ:個人事業主で借入を検討している場合は、目的や用途をはっきりしよう。
今回は個人事業主の借入についてご紹介しました。
個人事業主が借入をするにはあらゆる方法があります。
それぞれの特徴を押さえて、自分に合った方法を選びましょう。
また、借入をおこなうときは開業届や確定申告をしていることが前提です。
さらに借入の希望金額や返済計画をしっかり立てることで、借入の可能性は上がります。
よく考えて準備を整え、事業に必要な資金を借入れましょう。