「SESはやめとけ」と言われる9つの理由を解説!やめたい人が取るべき行動4選も紹介
エンジニアの働き方の一つとして、SESがあります。
未経験からでも正社員になりやすく、あらゆる環境で経験を積めるので、人によっては魅力的な働き方と感じるでしょう。
しかし、インターネットで検索すると「SESはやめとけ」という声も少なくありません。
そんななか、
「SESはやめとけと言われる理由はなんだろう?」
「SESはブラックって本当かな?」
と疑問に感じている人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 「SESはやめとけ」と言われる理由
- SESの需要がなくならない理由
- 「SESをやめたい」と思った人が取るべき行動
- やめておいた方がいいブラックなSES会社の特徴
などについてご紹介します。
「SESが気になるけど、やめとけという声が不安だ」という人は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
「SESはやめとけ」と言われる9つの理由
さっそく、「SESはやめとけ」と言われる理由について見ていきましょう。
SESという働き方にはいくつかの懸念点があります。
人によってはよく理解しないままSES企業に就職し、後悔する人も多いようです。
「SESはやめとけ」と言われる9つの理由を知って、SESへの理解を深めておきましょう。
- 年収が低く、昇給やボーナスも期待できない
- 常駐先がないときは給与が40%カットされる
- 常駐先の仕事+自社の仕事がある
- 常駐先にアタリ・ハズレがある
- 常駐先が変わるたびに面接がある
- 案件ごとに人間関係を0から築く必要がある
- 市場価値が上がらず転職で不利になる可能性がある
- リストラされやすい立場にある
- 長時間労働になりやすい
ひとつずつ見ていきましょう。
1.年収が低く、昇給やボーナスも期待できない
SESで働くエンジニアは年収が低く、昇給やボーナスも期待できないという労働環境にあります。
これは、IT業界全体としてエンジニアが人手不足で、たくさんの安い労働力が求められていることが背景です。
SESという仕組み自体が多重下請け構造で、どんどん中間マージンを差し引かれるため、実際に手を動かすエンジニアにわたる報酬が非常に少なくなってしまいます。
こうして年収が低く、昇給やボーナスもない環境ができあがっているのです。
一般的にはエンジニアは給与水準が高いですが、SESでは搾取されやすいことから、「SESはやめとけ」と言われています。
2.常駐先がないときは給与が40%カットされる
SESでは派遣先で働く作業時間に対して報酬が発生します。
しかし派遣されていないときは、なんと給料の40%がカットされてしまうのです。
もし派遣されて働いているときの月給が25万円の場合、派遣されていないときは15万円になってしまいます。
一気に収入が減ってしまうので、かなり厳しいのではないでしょうか。
「そんなの法律的に認められないのでは?」と感じるかと思いますが、実際には労働基準法で合法となっています。
しかも、長期間にわたって派遣先が見つからない場合、自主退職を勧められることも。
「SESはやめとけ」と言われる理由もわかってくるでしょう。
3.常駐先の仕事+自社の仕事がある
SESは常駐している企業の仕事をするイメージを持たれがちですが、実際には常駐先の仕事にプラスして自社の仕事があります。
自社の仕事とは、主に次の業務です。
- 自社上司へ報告書作成
- 自社の人事面談
- 帰社日に自社へ帰る
SESの場合は、上司や人事が自分の仕事内容を把握していないため、一般的な報告や面談に比べてよりわかりやすく伝える必要があり、労力がかかります。
また、会社によって月に1回の帰社日があり、自社に出社しなければなりません。
単純に考えて、常駐先の仕事に追加して上記の仕事があるので、作業量が1.5倍の感覚になります。
日常的に「仕事量が多い」と感じやすいでしょう。
4.常駐先にアタリ・ハズレがある
「SESはやめとけ」と言われる理由のひとつとして、常駐先にアタリ・ハズレがあることが挙げられます。
派遣される企業の環境によっては、働きやすい企業もあれば、思うように働けない企業もあります。
たとえば、自分は1人で集中して作業したいのに、作業環境にたくさんの人がいて集中しにくいことがあるかもしれません。
人間関係が悪い、社内の風通しが悪いなどといった問題を抱える常駐先もあるでしょう。
アタリ・ハズレはあなたと企業の相性にもよります。
なんにせよ、前もって心構えをしておかなければなりません。
5.常駐先が変わるたびに面接がある
常駐先となる顧客企業との契約期間は3ヶ月から1年程度であることが多いですが、契約する企業が変わるたびに面接をしなければなりません。
つまり、数ヶ月に1度のペースで就活をしなければならないイメージです。
精神的な負担を感じる人は多いのではないでしょうか。
また、面接は現在の仕事をしながら進めるため、就業後に行わなければなりません。
就業時間内に面接をするならまだしも、就業後だと疲れていて余計に負担に感じます。
タイミングとしても、現常駐先での仕事を引き継ぐために忙しいときでしょう。
6.案件ごとに人間関係を0から築く必要がある
案件ごとに常駐先の企業が変わるため、人間関係を毎回0から築く必要があります。
「せっかく職場の人間関係に慣れて働きやすくなってきたと思ったのに、また0からやり直し」ということが数ヶ月ごとに起こるのです。
常に新しい環境に身を置いて、たくさんの人と関わりながら働きたい人なら問題ないかもしれません。
しかし、仕事をする上では、安定した人間関係のなかで働くことがパフォーマンスにつながるという人もいます。
人間関係が変わってばかりであることにストレスを感じると、SESでは働きにくいでしょう。
7.市場価値が上がらず転職で不利になる可能性がある
SESはあくまで労働力として派遣されているので、企業の重要な情報に関わったり、決定を下したりすることはありません。
そのため、「技術が必要だけど誰でもできる仕事」を中心に任されるでしょう。
するとエンジニアとしての市場価値がなかなか上がらず、転職で不利になります。
多くのエンジニアは、開発現場で自ら臨機応変に対応するといった経験を積んで、市場価値を高めていきます。
しかし、SESで働くエンジニアは開発経験や決定権を持つ役職経験がないので、転職市場などではそれほど需要がありません。
特に年齢が上がるほど、エンジニアは転職が不利になります。
SESとして長く働くにつれて市場価値の低下は加速するでしょう。
8.リストラされやすい立場にある
SESで働くエンジニアはリストラされやすい立場にあります。
SESは人材派遣ビジネスなので、価値の低いエンジニアは会社からすると必要性が低いです。
特に、派遣先の会社で複数回にわたってトラブルを起こすエンジニアや、スキルが低いエンジニアは、真っ先にリストラの対象となってしまいます。
エンジニアは技術力が重視される職種なので、エンジニアとしての価値が低いとリストラされる可能性があることは覚えておかなければなりません。
9.長時間労働になりやすい
SESは準委任契約のため、指揮命令権はSES会社にあります。
しかし、実態は常駐先の開発現場に委ねられるケースが多く、長時間労働になりやすい側面もあるのです。
本来、SES契約において常駐先の現場担当者が指示をすることは禁じられています。
もし始業時間や退勤時間、休暇についてなにか求められても、従う必要はありません。
しかし実際問題として、エンジニア本人も常駐先の企業もSES契約の指揮命令系統を理解しておらず、直接指示して従っていることは多いです。
長時間労働にならないためには、SES契約とそのほかの契約の違いを理解し、適切に対応する必要があります。
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SESの需要がなくならない3つの理由
「やめとけ」と言われるSESですが、IT業界では一定の需要があります。
それは、日本社会やSESの構造として、SESで働くエンジニアが求められる背景があるためです。
どんな背景があることで、SESの需要がなくならないのでしょうか。
ここでは、SESの需要がなくならない3つの理由をご紹介します。
- 人手不足により外部要員に頼らざるを得ないから
- 人間関係のトラブルが回避できるから
- 労働者以外が得をするから
順番に見ていきましょう。
1.人手不足により外部要員に頼らざるを得ないから
IT業界ではエンジニアの人手不足が進んでおり、開発案件を進めるには外部要因に頼らざるを得ないという理由があります。
日本は将来的にもIT技術者が不足する見込みで、人手不足問題はすぐに解決できることではありません。
そんな人手が足りないなかでも、SESがあれば必要な機関に必要な人数だけ調達して作業を進められます。
システム開発をしたい企業にとって、SES契約で手に入るエンジニアの労働力や技術力はなくてはならない存在なのです。
人手不足が解決しなければ、今後もSES契約によって人材を調達する方法が途絶えることはないでしょう。
2.人間関係のトラブルが回避できるから
SESは案件ごとに新たな職場に変わるので、人間関係のトラブルが回避できます。
ひとつの職場に長く勤めていると、変わらない人間関係のなかでトラブルが起きやすくなるでしょう。
SESとして働くエンジニアは、人間関係に悩まされることなく仕事に集中できます。
3.労働者以外が得をするから
SESの需要がなくならないのは、実際に手を動かす労働者以外が得をする仕組みになっているためです。
SESの多重下請け構造は、A社が100万円でB社に依頼した案件を、B社が50万円でC社に依頼し、C社は20万円でエンジニアに依頼するというような構造を意味します。
つまり、案件を仲介しているB社とC社が報酬を中抜きしてエンジニアに依頼するので、得をしているのです。
エンジニアはA社から直接依頼を受ければ100万円だった仕事を、20万円で受けています。
80万円分を搾取されていることになるのです。
このように、労働者以外が得をする仕組みであることから、SESの需要がなくなりません。
「SESをやめたい」と思った人が取るべき行動4選
「SESはやめとけ」と言う人のなかには、実際に現在SESとして働いている人もいるでしょう。
SESで働くようになってから、ギャップを感じて「やめたい」「やめとけ」と声を上げるようになった人もいます。
では、すでにSESで働いている人が「SESをやめたい」と思ったときはどうすべきでしょうか。
「SESをやめたい」と思った人が取るべき行動4選をご紹介します。
現在SESとして働きながら悩みを抱えている人は、参考にしてみてくださいね。
- プログラミングスクールでスキルを身につける
- WEB業界に転職する
- 異業種の社内SEに転職する
- フリーランスとして独立する
さっそく見ていきましょう。
1.プログラミングスクールでスキルを身につける
SESで働くエンジニアは、あらゆる現場での経験があるものの、どれも中途半端なことが多いです。
中途半端な経験でスキルがないエンジニアは、転職市場ではなかなか採用されません。
そこで、プログラミングスクールを活用して、一連の開発業務ができるスキルを習得しましょう。
開発スキルさえ身につければ、転職活動も有利に進められます。
「SESをやめたい」と思ったら別の会社に転職できるようになりますよ。
2.WEB業界に転職する
「SESをやめたい」と思ったら、WEB業界に転職することも一つの方法です。
WEB業界の企業の多くは、自社でWebサービスやWebアプリ、ゲームなどの開発をしています。
自社開発なら、下請けによる収入低下などの問題もありません。
WEB業界では、ベンチャーから大企業に成長する過程の企業が多く、企業の情報システムの構築を行うSI業務ができるエンジニアの需要は高いです。
SESからWEB業界に転職したことで給料アップを叶えることもできますよ。
3.異業種の社内SEに転職する
異業種に転職したい場合は、社内SEに転職するといいでしょう。
いきなり未経験から異業種に飛び込んでも採用されにくいですが、自分の強みを生かした職種を狙えば異業種でも転職しやすくなります。
社内SEの役割は企業によってさまざまですが、「社内のIT担当」として位置づけられているケースも多く、ITを通して未経験の分野にも挑戦しやすいです。
たとえば、社内SEとして転職したものの、社内のIT担当としてITに関わる仕事をこなすうちに、「ホームページ運営」や「Webマーケティング」などに手を広げられることもありますよ。
最初から「マーケティング職に転職」は難しいですが、社内SEを活用すればITという切り口からほかの経験に挑戦できるでしょう。
4.フリーランスとして独立する
ほかの企業に転職するのではなく、フリーランスとして独立する道もあります。
IT業界ではエンジニアの人手不足が問題となっているため、穴埋めとしてフリーランスに依頼されることも少なくありません。
フリーランスエンジニアは、案件を抱える企業と直接契約しており、スキルや実績によっては高い報酬を受け取れます。
また、エンジニア業務のなかでも、自分の得意な仕事を選んで受けることができますよ。
マイペースに働きたい人にはぴったりではないでしょうか。
いきなり会社をやめて独立するのはリスクが大きいので、働きながら少しずつ個人で仕事をとり、まとまった収入を得られるようになってから独立に踏み切るといいでしょう。
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やめておいた方がいいブラックなSES会社の特徴3つ
人によって「やめたい」と感じるSESですが、選ぶ会社によって労働環境や待遇は異なります。
もしブラックなSES会社に就職してしまった場合は大変です。
これからSES会社への転職を考えているという人は、ブラックなSES会社を見極める力をつけておきましょう。
ブラックなSES会社には、いくつかの特徴があります。
特徴を知っておけば、会社選びでも見分けやすいですよ。
ここでは、やめておいた方がいいブラックなSES会社の特徴を3つご紹介します。
- 求人情報が常に出ている
- 内定通知書がない
- システム開発以外の現場にアサインされる
詳しく見ていきましょう。
1.求人情報が常に出ている
求人情報が常に出ているSES企業は、ブラックの可能性が高いです。
労働環境の悪さから人がやめてしまうため、いつも人が足りずに求人情報が出ていると考えられます。
ホワイトなSES企業であれば、採用したエンジニアを大切に育成して働きやすい環境を整えるため、離職が少なく、求人情報を出す必要がありません。
SES企業を見極めるときには、ある程度の期間観察して、求人情報が常に出ているかどうかをチェックしましょう。
一方で、求人情報がなかなか出ない企業は、ホワイト企業である可能性が高いですよ。
2.内定通知書がない
口頭で「内定」と告げられたのみで、内定通知書がない場合もブラックSES企業であることを疑いましょう。
「派遣先が確定したら内定通知書を出す」と言った企業も存在しており、いざとなったら内定取り消しをされるケースも。
SES企業から内定をもらったら、すみやかに内定通知書を送付してもらうよう依頼しましょう。
3.システム開発以外の現場にアサインされる
SESで働くエンジニアは、システム開発に携わりたい人が多いでしょう。
しかし、システム開発以外の現場にアサインされることもあり、その場合は注意が必要です。
ブラックなSES企業では、あなたの労働力や技術力を単純作業に割り当てようとしてくる場合も少なくありません。
しかし、誰でもできる仕事をしていると、エンジニアの市場価値は下がってしまいます。
このようにエンジニアのキャリアを考えることなく、目の前の仕事に派遣するような企業は、ブラックである可能性が高いです。
まとめ:SES自体が悪いのではなく、企業選びが大切
今回は、「SESはやめとけ」と言われる理由についてご紹介しました。
SESはいくつかの懸念点があり、すべての人におすすめできる働き方というわけではありません。
しかし、「SESはやめとけ」と言われる理由の多くは、ブラックな企業に問題があります。
重要なのは、SES自体が悪いのではないということと、ブラックな企業を選ばないことです。
未経験からエンジニアに挑戦する際には、SESは選択肢の一つとして有効でしょう。
ホワイトなSES会社を選び、エンジニアとして良いスタートを切れるといいですね。