プログラミングの設計を解説!設計書の書き方やおすすめのツール7選も紹介
「プログラミングの設計ってどうして重要なの?」
「プログラム設計ってそもそも何?」
「プログラム設計を効率よくする便利なツールが知りたい」
と思っていませんか?
とくにITエンジニアになって間もない時の設計書作成は、難易度が高く感じてしまいますよね。
プログラム設計の作成は簡単ではありませんが、理解を深めることでよりエンジニアとしてのスキルが向上します。
そこでこの記事では、
- プログラム設計の基礎知識と重要な3つの理由
- システムエンジニアが作成する具体的な設計書の種類や内容
- プログラム設計を効率化させるおすすめツール7選
などについてくわしくお伝えしていきます。
この記事を読めばプログラミング設計への抵抗感がうすれ、より業務がスムーズになるでしょう。
ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
プログラム設計とは、システム開発の工程の1つ
プログラム設計とはざっくりいうと、プログラミングの記述方法を書いた設計書のことです。
プログラマーは、プログラム設計書を参照しながらプログラミングを行います。
簡単にいうと、システムを実装する技術者に向けた指示書のようなものといえるでしょう。
プログラム設計についての理解を深めるためには、システムエンジニアの仕事内容を知ることも大切です。
システムエンジニアの業務内容や年収などについてくわしく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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プログラミングに設計が大事な3つの理由
プログラム設計書の記載方法やルールは、企業によっても異なります。
チームやプロジェクトによっては、より詳細まで記載しなければいけないケースも。
細かく書かなければならないほど、設計書作成への労力は大きくなります。
そこまでしてどうしてプログラム設計を行う必要があるのでしょうか?
ここでは、プログラミングに設計が重要な3つの理由をご紹介していきますのでぜひ参考にしてください。
1.プログラミングの作業効率が上がる
プログラム設計書には、コーディングの基盤になる情報が記載されています。
そのため、大幅にプログラミングの作業効率を上げることができるのです。
さらに、
- 完成した状態をイメージできる
- 無駄なコードを書く必要がなくなる
- ソースコードの理解がスムーズになる
- チームメンバーとの情報共有がしやすくなる
など、メリットが沢山あります。
プログラミングの生産性を向上させるためにも、プログラム設計書は大切なのです。
2.エラーや修正を防げる
プログラム設計書が無い状態でプログラミングを始めると、無駄なコードを書いてしまう可能性が高まります。
そうなると、エラーが起きる頻度も多くなってしまうでしょう。
一方、プログラム設計書があれば最低限のプログラミングですむため、作業効率を上げられます。
エラーや修正をできるだけ防ぐためにも、プログラミングに設計書は必要なのです。
3.保守・運用の負担が減らせる
システムを開発した人が、必ずしも同じシステムの保守や運用を担当するとは限りません。
多くの場合は別の人が担当をしますが、その際に設計書がなければソースコードを解析して理解するための時間や手間が発生します。
もしも開発を行った本人が、保守・運用を行う場合も同様です。
数年前に開発したシステムの内容を完璧に覚えている人はそういませんので、作業効率が大幅に落ちてしまいます。
保守・運用の負担を減らすためにも、プログラミングの設計が重要なのです。
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仕事のスキルアップを成功させるコツについて興味がある方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
仕事のスキルアップをする方法5選を詳しく解説!成功させる9つのコツも紹介システムエンジニアが書く設計書は6種類
システムエンジニアは、どのような設計書を作成しているのでしょうか?
ここでは、システムエンジニアが書く6つの設計書についてくわしく解説していきます。
- 提案書
- 要件定義書
- 外部設計書
- 内部設計書
- プログラム設計書
- テスト仕様書
ぜひ1つの例として参考にしてください。
それでは順番に見ていきましょう!
1.提案書
システムの提案を行う際に、クライアントに対して提出する書類が「提案書」です。
提案書を作成する最大の目的は、クライアントに提案を採用してもらいシステム開発の案件を受注すること。
また、システム開発に関する基本的な事項について、クライアントとの認識を一致させることも目的の1つです。
一般的な提案書の内容には、
- システム導入背景や目的、その効果について
- 実現の方針や方法
- システム導入の対象となる業務範囲
- 導入するシステムの構成や導入後の業務フロー
- 開発プロジェクトの進めかた
- 開発体制やスケジュール
- コスト見積もり
などがあります。
プロジェクトの全体像を文書として明示しておくことで、クライアントの間に共通認識を持てるのです。
2.要件定義書
「要件定義書」は、提案書に基づいて作成するクライアントと合意するための書類です。
合意書であるため、クライアントにも「どういったシステムなのか」を理解してもらわなければいけません。
IT分野にくわしくない人でも理解できるように、専門用語をできるだけ使わずに記載するようにしましょう。
一般的に、案件定義書には以下のような項目が記載されます。
- システム化の対象となる業務
- システムを使った業務の全体像
- 「ハードウェア」「ソフトウェア」「ネットワーク」の構成
- システムを使った業務の流れ
- 業務を構成する作業の一覧や作業手順
- 業務を遂行するために要求される機能
- セキュリティを保護するための要求事項
- システムに要求される性能や品質
3.外部設計書
「外部設計書」は、要件定義書を基盤にして作られた設計書。
ユーザー向けに、システムの機能や構造についてわかりやすく記述しなければいけないのが特徴です。
外部設計書には主に、以下のようなデータに関連する情報を記載します。
- システムで使われるデータの種類
- システムに入力されるデータと入力方法
- データの処理方法
- データの保管場所や保管されるデータ
4.内部設計書
「内部設計書」は外部設計書を基に作られた設計書。
設計者は内部設計書に基づいてプログラム設計を行うため、より詳細に作成されるのが特徴です。
内部設計書には主に、
- ソフトウェアの動作や処理
- ソフトウェアの構造
- ソフトウェア間でのデータの受け渡し方法
などを記載します。
5.プログラム設計書
「プログラム設計書」は、コーディングの基盤として作成する設計書です。
プログラム設計書には、
- モジュールの処理内容や動作内容
- 入力データ、出力データ
- データ内容全般
などを記述します。
6.テスト仕様書
「テスト仕様書」は、システムを実装した後にどのようなテストを行うかを記載した書類。
プログラミング設計書通りに実装したプログラムに問題がないかどうかを確認するための仕様書です。
ここまでで、システムエンジニアが書く設計書は以上になります。
このようにシステムエンジニアは、提案書からテスト仕様書まで順番に一貫した流れで設計書を作成していくのが一般的です。
システムエンジニアとプログラマーの違いについて興味がある方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
プログラマー(PG)とシステムエンジニア(SE)の5つの違いを解説!未経験でも確実にプログラミングスキルを身につけられる!
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プログラム設計書に書くべき5つのこと
プログラミング設計書は、コードの指示書のようなものです。
その仕様は、企業によっても異なります。
もしも企業で決められた規定があるのなら、その通りに作成していきましょう。
ここでは、詳細にプログラム設計を記載しなければいけない場合を想定します。
それではプログラム設計書に書くべき5つの項目についてくわしく見ていきましょう!
1.変数名・クラス名・関数名およびそれらの定義
プログラム設計書には、具体的な「関数名」や「クラス名」、「変数名」などについても必要があれば記載します。
ただし、これらは専門用語になるため技術者でなければ理解が難しいです。
プログラム設計書は、クライアントにも理解できる言葉で記載する必要があります。
そのため、成果物としては作成するが納品物には含まれないことが多いでしょう。
2.定数名とその意味ないし数値のリスト
多くの場合、チームやプロジェクト単位でシステム開発を行っていきます。
チームでスムーズに業務を行うためにも、「何の数値なのか?」を誰が見てもわかるようにしなければいけません。
そのためにも、定数名やその意味、数値のリストをなどを記載する必要があるのです。
定数名は誰が見てもわかりやすく、そこに値を入れるようにコードを書くようにしましょう。
3.どのライブラリを使用するか
関数やクラス、データなどをまとめて中にいれる役割を持つライブラリ。
ライブラリには主に、
- 静的ライブラリ
- 動的ライブラリ
- 共有ライブラリ
などの種類があります。
自分以外のメンバーの誰が見てもすぐにわかるように、どのライブラリを使用するのかも明確に書いておきましょう。
4.データをどこから取ってくるか
システム化において、データの保持と格納はほぼ必須となります。
多くの場合は、データベースを導入してデータを格納するケースが多いです。
データに関してもどのような単位で持ち、各項目はどのような属性を持っているのかなどを明確に書いておくようにしましょう。
5.その他プログラムに関するすべての項目
その他にも、ソースコード一式や実行モジュールなどがあります。
必要であれば、プログラムに関するすべての項目も記載するようにしましょう。
以上が、プログラム設計の際に書くべき5つの項目です。
もちろん会社によっても規定は異なりますのであくまでも1例として参考にしてください。
実際に、中には詳細すぎる設計書を嫌う企業もあります。
たとえば「コード内容はプログラマーに任せて、機能のみを設計者が記載する」といったようにです。
シンプルな設計書は作りやすい反面、設計者と実装者がお互いにスキルを想定していなければ成り立ちません。
携わるプロジェクトやチーム、企業によってどのような項目を書くのかを柔軟に対応するようにしましょう。
プログラミングの設計におすすめのツール7選
プログラミング設計作成の効率化を図るために、「適切なツールを使用したい!」と考える人は多いでしょう。
そこでここでは、プログラミングの設計の際に使えるおすすめの7つのツールをご紹介していきます。
解説していくツールは以下の7つです。
- Cacoo
- astah*
- Enterprise Architect
- Gridraw
- draw.io
- easel.ly
- SI Object Browser Designer
気になるツールがあれば、ぜひ実際に試してみてくださいね。
それでは順番に見ていきましょう!
1.Cacoo
(出典:cacoo 公式サイト)
『Cacoo(カクー)』は、株式会社ヌーラボが開発・提供しているクラウドベースのビジュアルコラボレーションツール。
Webブラウザ上でチームメンバーとリアルタイムで作成した図を共有できます。
また、
- フローチャート
- ワイヤフレーム
- ネットワーク構成図
- マインドマップ
- データベース図
などのテンプレートや図形も豊富に用意されているのが特徴です。
月額600円からとリーズナブルに利用できるのも魅力的なポイント。
複数のユーザーがリアルタイムでアクセスして編集できるため、チームでの作業が多い方におすすめです。
2.astah*
(出典:astah 公式サイト)
『astah*(アスター)』は、ソフトウェア開発をより快適にするソフトウェア設計ツール。
「Amazon」や「東京大学」など、世界中の様々な企業や教育機関で利用されている実績のあるツールです。
「professional」「UML」「com」の3つのコースがあり、それぞれによって料金や利用できる範囲が異なります。
もっとも利用範囲の多いprofessionalコースでは、
- ソースコード連携
- チーム開発
- データ入出力
- 編集機能
など、開発に必要なほとんどの機能が利用可能です。
無料セミナーの開催やカスタマーサポートなど、ユーザーに寄り添ったサービスが充実しているのも魅力的なポイント。
無料体験もできるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
3.Enterprise Architect
(出典:Enterprise Architect 公式サイト)
『Enterprise Architect(エンタープライズアーキテクト)』は、斬新な操作性と軽量動作が特徴のUML描画ツールです。
「広範囲をサポートする実用的モデリングツール」というコンセプトを持っており、様々な設計開発をより快適にしてくれます。
具体的には、
- 業務フローの分析・定義など、ビジネスモデリングへの対応
- モデルの共有ができるなど、チーム開発を支援
- PHPやC言語など10種類のプログラミング言語のソースコード生成と読み込みに対応
- 独自の「クイックリンク」機能で、要素や関係を簡単に生成・配置ができる
などエンジニアにとって嬉しい機能が満載です。
Enterprise Architectはオーストラリアで開発されているソフトウェアですが、「UNICODE対応」「C言語対応」「フォントや色の変更」など日本ユーザーの要望も数多く反映しています。
海外製品でありながらしっかりとしたサポート体制が整っているのも安心できるポイントです。
4.Gridraw
(出典:Gridraw 公式サイト)
『Gridraw(グリッドロー)』は、ソフトウェア設計をより快適にする軽量UML描画ツールです。
料金は月額300円、非商用利用であれば全機能無料で利用できます。
1番の特徴は、テキストエディタのような感覚で設計をすばやく見える化できること。
- 「リアルタイム自動レイアウト」
- 「全操作キーボード」
- 「シンプル・軽量」
の3つをコンセプトに、エンジニアが満足する操作性に徹底的にこだわって作られています。
リーズナブルに高機能なツールを使ってみたい方におすすめです。
5.draw.io
(出典:draw.io 公式サイト)
『draw.io(ドロー.アイオー)』は、フローチャートやオフィスのレイアウトなどの図を簡単に作成できる高機能なツールです。
ExcelやPowerPointよりも図形やアイコンなどが豊富。
シンプルな操作ながらも、質の高い図を作成できるのが特徴です。
Webブラウザ上で操作できるため、インストールをしなくても利用できます。
さらにはGoogle DriveやOneDriveなどで連携でき、作成した図の共有が簡単に行えるのも嬉しいポイント。
フロー図などの作成も手軽にできるので、エンジニアの負担を大幅に和らげるでしょう。
無料で利用できるのも大きな魅力です。
6.easel.ly
(出典:Easelly 公式サイト)
『easel.ly』は、高品質なインフォグラフィックを作成するのに役立つツールの1つ。
インフォグラフィックとは、データや情報を視覚的に整理し、誰もがすぐに情報を理解できるようにするクリエイティブのことです。
easel.lyは、世界最大の学校図書館員組織から「小学6年生でも使えるほど簡単です」 という評価を受けるほど操作方法がシンプル。
感覚的に利用できるため、ツール操作に苦戦することもありません。
種類豊富なテンプレートを選択し、画像やイラスト、チャートなどを自由に組み合わせていきます。
作成したインフォグラフィックは、エクスポートまたはシェアができるため、チーム作業でも活躍するでしょう。
さらに、easel.lyは無料で利用できます。
簡単に情報をビジュアル化したい時におすすめしたいツールです。
7.SI Object Browser Designer
(出典:SI Object Browser Designer 公式サイト)
『SI Object Browser Designer』は、システム開発の設計書を効率よく作成するCADツール。
WordやExcelを利用した設計書や仕様書ドキュメントの作成で、不便に思ったことはありませんか?
SI Object Browser Designerなら、
- 設計情報をデータベースで一元管理できる
- 専用の設計フォームで設計できる
- 修正や変更履歴の確認もできる
などの理由から、WordやExcelよりも大幅に作業効率を高められる可能性が高いです。
とくに「設計工程の内部統制を実現したい方」や、「設計工程の標準化を行いたい方」におすすめのツールです。
まとめ:プログラミングでの設計はとても重要な作業
今回はプログラミングでの設計についてくわしくお伝えしていきました。
プログラミング設計を立てる目的やその大切さを理解できたのではないでしょうか。
企業やプロジェクトによっては、詳細まで記載されたプログラム設計書は必要がないケースもあります。
とはいえ、プログラミング設計は実装する際にも必要なフローであることは間違いありません。
プログラミング作業の効率アップや保守・運用の負担を減らすなどメリットも多くあります。
さらに、プログラム設計書を上手く作成できるようになれば、エンジニアとしてのキャリアアップも図れるでしょう。
ぜひ今回ご紹介した効率アップに役立つツールを利用しながら、プログラム設計に取り組んでみてはいかがでしょうか。
エンジニアが考えるべきキャリアパスについて興味がある方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
また、プログラミング学習を本気でしたい方はDMM WEBCAMPの詳細も一度ご覧になってみてください。