EdTechって何?導入事例やおすすめサービスを紹介【教育現場の変革期】

公開日: 2017.10.13
更新日: 2024.01.03
Edtechって何

ITの力を活用して既存産業に今までにない新たな価値や仕組みを提供する「X-Tech」(クロステック)をニュースで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

Fintech(フィンテック)やMedTech(メドテック)は「X-Tech」(クロステック)の中でも有名です。
近年では「EdTech」(エドテック)も大きな盛り上がりをみせています。
子どもがいる親御さんや教育関係の方はこれらの最新情報をキャッチアップしておきたいですよね。

そこで今回「DMM WEBCAMP MEDIA」では、「EdTech」について下記の項目にそって詳しく解説していきます!

  • EdTechって何?
  • 経済産業省と文部科学省の取り組みは?
  • 教育は今後どのように変化するの?
  • EdTechのおすすめサービスは?

今後の教育について理解を深めたい方は、是非ぜひ最後までご覧ください!

EdTechとは?

Edtechって何

一言でいうとEdTechとは下記のとおりです。

EdTechとは、「Education(教育)」×「Technology」を組み合わせた造語で、テクノロジーを融合し、教育分野にイノベーションを起こすビジネス、サービス全般のこと

教育スタイルは古くからあまり変化がない領域でした。
しかしながら、教育現場の問題を解決するために、テクノロジーを用いた「EdTech」で教育現場にも変革期が訪れています。

分かりやすい例としては、下記のようなものがあります。

  • タブレットを用いた授業の展開
  • 学習管理システム(LMS)

EdTech関連の技術を使えば毎回配布されるプリントをなくすことができます。
子どもが自分でタブレットを使えるようになれば、効率的な学習を実現させる一歩となるでしょう。

EdTechとeラーニングの違いとは?

「EdTech」はまだ新しい言葉のため、聞き慣れない方も多いはずです。
一方、eラーニング(e-learning)という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

EdTechが注目されるよりずっと前に、教育領域でICT活用がスタートしていた分野が「eラーニング(e-learning」です。

ここでは、「EdTech」と「eラーニング(e-learning)」の違いについて解明していきます。

「eラーニング(e-learning)」とは、インターネットやデジタルメディアを利用して学生の教育や社員の研修を行うサービスのことです。

どちらにもIT技術が活用されているという点で「EdTech」と「eラーニング」に明確な違いはないようです。

EdTechの市場規模は?【2023年には3000億円規模に】

お金の事を考える女性

Edtech領域で世界的に盛り上がりを見せているのは中国です。

中国のEdTechスタートアップ投資額は今やアメリカを抜き、20.3億ドル(約2,030億円)に達しているといわれています。
日本は、そんなアメリカや中国に後れを取っていますが、EdTech市場規模は確実に拡大しています。

野村総合研究所(NRI)は、2016年度におけるEdTech市場規模を約1,700億円と推計しており、2023年には約3,000億円に達すると予測しています。

EdTechの市場予測

(出典:野村総合研究所EdTech市場の現状と課題 ─教育産業の変化と働き方改革に向けた活用─ )

今後はさらに新しいサービスが開発され、急激に市場が拡大していくのではないでしょうか。

文部科学省・経済産業省のEdTechへの取り組みは?

EdTechへの取り組み

日本でEdTechが盛り上がりを見せ始めた背景を見ていきましょう。

文部科学省や経済産業省など、“国”を挙げてEdTechが推進されてきています。
ここからは、文部科学省と経済産業省の具体的な取り組みを見ていきましょう。

文部科学省の取り組み

我が国が目指すべき未来社会の姿として「Society5.0」が初めて提唱されました。
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すものです。

そこで、Society5.0におけるEdTechの役割を「教育におけるAI、ビッグデータなどの様々な新しいテクノロジーを活用したあらゆる取り組み」と定義しました。

経済産業省の取り組み

教育というと文部科学省が担当しているイメージがありますよね?

では、なぜ経済産業省がEdTechに関して取り組んでいるのでしょうか。
理由は教育のその先を見据えている点にあります。

経済産業省サービス政策課教育産業室 坂本和也氏は経済産業省が参入している理由として下記のように言っています。

  1. 未来の経済・社会・産業において、「価値」を生む人材がもっと必要だから
  2. 公教育、学校外教育、産業人材育成というものは、今後一層融合して進める必要があるから

国を担う人材育成の根幹は、やはり教育にあるという考えですね。

そこで、経済産業省は「未来の教室」という、教育改革に関する有識者会議を設立しました。

「未来の教室」経済産業省のポータルサイト

「未来の教室 ~learning innovation~」は「未来の教室」の実証プロジェクト群の進捗状況や、学校・学習塾・個人学習で使える国内・世界のEdTechの最新動向等を広く情報発信するためのポータルサイトです。

このサイトでは、EdTechサービスを検索したり、導入事例を見たりすることができます。

「未来の教室」経済産業省のポータルサイト

EdTech導入補助金

また、経済産業省はEdTech導入補助金制度を導入しました。
EdtechやITを活用した教育サービスの学校等への導入実証を行う者に対して必要な経費の一部を補助する制度です。

経済産業省は、

Society5.0時代における教育現場では、個別最適化された格差のない公平な学びと、プログラミング教育をはじめとする創造性を喚起するSTEAM学習を構築することが必要であり、そのためにはパソコン端末や高速通信網等のICTインフラの整備と併せ、教育産業等が開発するEdTech(エドテック)サービスの学校等における積極的な導入が効果的である。

と言っています。
詳しくは経済産業省のEdTech導入補助金サイトをご覧ください。

EdTechが教育現場に導入されている事例紹介

では、実際にEdTechを導入している教育機関はあるのでしょうか?
ここからは、実際の教育現場の導入事例を紹介していきます。

DMM英会話【茨木高等学校・中学校】

DMM英会話

サービス名 DMM英会話
導入先 茨城高等学校・中学校
概要 ・週1回の英語の授業時間でレッスン受講に加え、自宅でも利用可能
・中学3年生、高校1年生の全クラスに導入
活用状況・効果 「英語に話すこと」に慣れる生徒が格段に増えた。
英検の面接試験で、良い点が取れるようになった。

私立学校のため、導入は英語の教師陣が話し合いを重ねて決めたそうです。
DMM側の無料サポートが充実しており、教師側の負担があまりないのが特徴的です。

学校と企業が連携して、子供に良質な学習を提供できている良い例ですよね。

また、この導入によってパソコンやiPadの操作にも慣れるという、「ICT教育」にもつながるのではないでしょうか。

Progate【全国の中学校・高等学校】

Progate

サービス名 Progate
導入先 全国の中学校・高等学校に導入
2018年現在、100校超に提供
(国立お茶の水女子大学附属高校、都立葛飾商業高校、都立総合芸術高校、都立三鷹中等教育学校、都立八王子桑志高校、都立第一商業高校、埼玉県立浦和高校、埼玉県立川越南高校、山形県立酒田光陵高等学校、富山県立砺波高校、静岡県立横須賀高校、京都府立木津高校、愛知県立愛知総合工科高校、島根県立情報科学高校、島根県立浜田商業高校、島根県立松江商業高校、品川女子学院高等部、東京農業大学第二高校、広尾学園高校、鎌倉学園中学校・高校、日出学園高校、杜若高校、桐光学園高校、他)
概要 ・情報の授業において活用
・夏休み、冬休み期間の課題や放課後のクラブ活動でも活用
活用状況・効果 生徒が自分のペースで学べるため、全体講義形式の授業よりも効率が良い
管理画面で進捗を把握できるため、進度の遅い生徒のサポートに素早くサポートができる
自動採点システムで、教員が採点する必要がなく、生徒自身が間違いの自己解決可能

2020年から小学校で「プログラミング教育が必修化」されたことはご存知ですか?
変化し続ける世の中で活躍する人材を育成するためには「プログラミング的思考」を育むことが重要とされています。

この「プログラミング的思考」を身に付けるために、この教材はとても有効です。


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EdTechで今後の教育はどう変わる?【EdTechができること】

Edtechの今後の教育

ここまで、国のEdTechに対する取り組みを説明してきました。
次に気になるのは、「EdTechの導入によって今後の教育はどのように変化していくのか」ということではないでしょうか?

小さな子どもをお持ちの親御さんや、教育関係でお仕事をされている人は特に気になることでしょう。

ここからは、「EdTechによって今後の教育はどのように変わっていくのか」について解説していきます。

オンライン学習が進む

まずは、オンラインで講義を受けて学習をするオンライン学習が進むのではないかと言われています。

ネット環境さえあれば、自分の好きな時間に好きな場所で好きなだけの学習ができるのが、オンライン学習のメリットです。

教師や生徒のコミュニケーション促進

教育SNSというのをご存知ですか?
教育SNSとは、教師と生徒、そして保護者のコミュニケーションを取りやすくすることに特化したツールのことです。

「先生」「生徒」「保護者」の3つの立場から登録ができます。

従来は電話で連絡していたものが、この教育SNSを活用することでよりスピーディーに簡単に様々な情報のやり取りができるようになるのです。

アダプティブラーニング(適応学習)の実現

一人ひとりの学習履歴が蓄積されたログを解析することで弱点を明確にし、生徒一人ひとりに「最適化」されたコンテンツを提供することができます。

これにより、学習理解度の違う生徒一人ひとりに適した学習を提供することが可能になるのです。

解決される問題

なぜ国はそこまでして、EdTechを推進するのでしょうか?
実はEdTechによって解決される社会問題があるのです。

①教育格差

EdTechによって、様々な教育格差の解消につながるのではないかと期待されています。
教育格差には例えば下記のようなものがあります。

  • 経済格差による教育レベルの差
  • 地理的要因による学習機会の差

EdTech関連のサービスは、既存のサービスよりも安い価格でサービスを提供しています。
また、オンラインのサービスであれば、地理的な制限もなくなります。

EdTechは教育格差をなくすための第一歩になるのではないでしょうか。

②教育現場の働き方・教え方の改善など

EdTechは教育現場の働き方や教え方の改善にもつながるのではないかと期待されています。

近年、教員の残業問題に関するニュースを目にする人は多いのではないでしょうか。

そんな教員の業務をサポートするツールとして、小中学校・高校などの教員向けSNS「SENSEI NOTE」が登場しています。

SNS上で全国の教師と交流でき、授業の進め方・教材の使い方や教師ならではの悩みなどについて意見を交換することができます。
その先に、業務の改善があるのではないでしょうか。

EdTechおすすめサービス【年代別に紹介】

Edtechのおすすめサービス

ここからは年代別に今からでも使えるEdTechのサービスを紹介します。
少しでも興味の沸いた方は、この記事を読んだ後すぐに調べることをおすすめします!

さっそく小学生向けのサービスから紹介していきます。

小学生向け

Z会の通信教育 小学生タブレットコース【小学生向け通信教育】

概要 従来のZ会の「ハイレベルで良質な教材」にデジタル技術の長所を加えた通信教育で未来
に繋がる「学ぶ意欲」「計画を立て、取り組む姿勢」「問題解決力」の育成を担保します。
特徴 「4教科+英語+教科の枠組みにとらわれない総合学習」で、「教科書+αの力」を育てる
お子さま自身が意欲を持って学ぶ自学力を育てます。
毎月の学習量は
小学3、4年生 1回15分×40回
小学5、6年生 1回20分×40回
導入先 個人向けのサービスのみ

小学生のお子さんがいるお家におすすめの通信教育です。
iPad端末を利用しての学習になるため、従来のものよりもよりステップアップした教材です。

中・高生向け

概要 提携出版社の教科書や問題集をデジタル化し、「苦手分野の分析」など、スマートな機能で学習をサポートする「中高生向けデジタル問題集」
特徴 教科書や問題集をそのままデジタル化
ICTで生徒一人ひとりに合った問題をレコメンド
ノートの写真と学習履歴を連携させれば、解答プロセスも残せる
先生用管理ツールで、簡単に宿題配信&進捗管理!1日2時間残業時間を削減した先生も
導入先 学校法人市川学園市川中学校・高等学校、立命館守山高等学校等

このサービスを使えば苦手を克服するための時間が半分になるかもしれません。

学習履歴から苦手な問題を分析することが可能なのです。
また、類似問題をまとめて出題してくれるため、苦手分野の問題に多く取り組むことができます。

家での自習の時間を効率的に使うサポートサービスになることでしょう。

概要 HTML5やJavaScriptといったWeb標準言語でスマートフォンアプリを作りながらプログラミングを学び、生活や社会の問題解決をする力を養うことができる学習ツール
特徴 Web標準のプログラミング言語を学習
クラウド共有でチーム学習に対応
初心者に優しいプログラミング教材
先生へのトレーニングを提供
導入先 同志社中学校・高等学校

今では、800以上の教育機関に導入され、約1万人の方が利用しています。
クラウドサービスのため、教育現場での導入や運用が簡単です。

生徒に身近なスマホアプリを開発させることで、子供は学習の中で「つくる喜び」を感じることができます。
プログラミング教育に活かせる教材の一つでしょう。

大学生・社会人向け

Bizmates【ビジネス特化型オンライン英会話】

概要 日本のビジネスパーソンがグローバルビジネスで成果をあげるための英会話コミュニケーションスキルの修得を支援する、ビジネス特化型のオンライン英会話サービス
特徴 ビジネスで成果を上げるための
①ベースとなる英語力
②コミュニケーションスキル
③異なる文化や価値観を受け入れるマインド
④リーダーシップ
⑤パーソナリティ
を総合的に磨くことができるビジネスパーソンのための独自の教材
レッスンは全日朝5時から25時・1レッスンあたり 290円~で提供しています※入会金、教材費なし
導入先 三菱UFJ信託銀行株式会社、アビームコンサルティング株式会社等(詳しくはこちら

ビジネスで使える英語力の習得とその先にあるグローバルビジネスで成果があげることを目標としてカリキュラムが作られています。

社会人向けにサービス利用時間が長く、様々な視点でビジネス英語力を高めることができるので「忙しいけど、しっかりと英語力を身に付けたい」という人におすすめです。

概要 学べる生放送コミュニケーションサービス
特徴 1.365日配信する生放送授業を撮影
2.最先端のコンテンツを幅広く提供
3.有名企業・先端企業に所属するプロフェッショナルによる授業開講
4.法人向けサービスの充実
導入先 株式会社博報堂アイ・スタジオ、神戸情報大学院大学等

「未来にむけて、社会人が今学んでおくべきこと」をコンセプトに生放送授業を毎日無料提供しているサービスです。

幅広いテーマを網羅した5,000本の録画授業のなかから、ライフスタイルと興味に合わせた”自由な学び”の機会を提供しています。

ビジネススキルやマネジメント、プログラミングやキャリアについてなど学習できる範囲が幅広く、自分に合った動画がきっと見つかるはずです。

また、大学生がこのサービスで学習することで、社会人になる前に様々な知識を知ることができるのでおすすめです。

【厳選】EdTechに関するおすすめ本

これまで、EdTechのサービスや教育導入事例を見てきました。

教育関係者からの関心が高いため、多くの書籍が出版されています。
その中から、EdTechに関するおすすめの書籍を紹介します。

EdTechが変える教育の未来

この本の著者(佐藤氏)は、EdTechは教育にテクノロジーを応用するだけでなくイノベーションを起こす役割だと主張しています。

教育(Education)とテクノロジー(Technology)の組み合わせが、学び方を根本から変えるそうです。
これから21世紀を生き抜く子どもたちとその親御さんには是非一度いただきたいです本です。

Twitter上でも「教育×テクノロジーの理解ができる」という点でかなり評価されています。
この本を読んでEdTechに関してさらに理解を深めてみてくださいね。

まとめ【これからの教育に欠かせないEdtechをもっと知ろう】

いかがだったでしょうか?

今回「DMM WEBCAMP MEDIA」ではEdTechについて下記のことを中心に解説してきました。

  • EdTechとは「Education(教育)」×「Technology」を組み合わせた造語
    テクノロジーを融合し、教育分野にイノベーションを起こすビジネス、サービス全般を指す
  • 文部科学省→超スマート社会に向けた学びのあり方等の議論と指針発表
    経済産業省→『未来の教室』とEdTech研究会という未来の学びの姿を模索するための有識者会議を設置
  • EdTechによって変わる今後の教育について
    ①オンライン学習が進む
    ②教師や生徒のコミュニケーション促進につながる
    ③アダプティブラーニング(適応学習)が進む

EdTechについての理解は深まりましたか?

時代は変化し続けています。
変化が少ないと言われてきた「教育業界」にも変革の兆しが見えています。

しかしながら、日本では欧米諸国と比較するとEdTechの導入はかなり遅れています。

日本の教育の質を向上させるためにはEdTechの導入は鍵となるに違いありません。
この記事を読んで興味が湧いた方は、EdTechについてさらに調べてみてください!


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