IT企業の市場規模はどのくらい?7つのトレンドや3つの課題も詳しく解説
IT業界に転職を考える人は多いですよね。
転職するなら、まずはIT業界の知識を身につけておくことが大切です。
IT業界は構造を知ることはもちろん、情報の流れが早いためトレンドも知っておきたいもの。
どんどん伸びているIT業界について、どのくらい知っているでしょうか。
「IT業界ってどれくらいの市場規模なんだろう?」
「IT業界ってどんな業界から成り立っているの?」
「IT業界全体が抱えている課題は?」
そんな疑問を持っている方に向けて、今回は
- IT業界の市場規模
- IT業界の5つの分類
- IT業界の7つのトレンド
- IT業界の課題
などについて詳しくご紹介します。
「IT業界について知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
IT業界の市場規模は12兆8,900億円
まずは、IT業界の市場規模を見ていきましょう。
矢野経済研究所の調査によると、2019年度のIT業界の市場規模は12兆8,900億円と推計されました。
(出典:矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査を実施(2020年)」)
2016年度から2019年にかけて市場規模が伸びていることがわかりますね。
2020年度はさらにプラスの12兆9,000億円との予測ですが、2021年度は12兆3,500億円と前年比マイナスの見込み。
しかし、2022年度からは12兆4,000億円と前年比プラスが予測されています。
2021年度のマイナスは、コロナウイルスの影響による業績不振によるIT投資の縮小が要因です。
コロナ禍で売上が低下し、IT技術の導入を見送る企業が多くありました。
一方、2022年度以降は、世界経済が立ち直り始めることを背景としています。
働き方改革の推進、5Gの普及、AIやIoT分野の発展にともない、ゆるやかに市場が成長する見通しです。
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IT業界は5種類に分類できる
IT業界の市場規模についてお伝えしました。
2016年度から伸び続け、コロナウイルスの影響を受けながらも、今後さらに伸びる見込みです。
市場を拡大し続けるIT業界は、主に5つの業界から成り立っています。
- インターネット・Web業界
- 情報処理サービス業界
- 通信業界
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
IT業界の理解を深めるには、それぞれの内容や特徴を知ることが大切です。
転職の際には、なぜその業界を選ぶのかもよく考えておくと良いですね。
さっそく見ていきましょう。
1.インターネット・Web業界
インターネット・Web業界は、Webサービスの開発・提供やWebサイト制作などを中心としています。
近年では、あらゆるWebサービスが生まれているため、仕事内容や働き方も多種多様です。
企業で働く場合は、Web担当者として自社サイトや公式SNSを運営したり、Web制作会社で他社のサイト制作に携われます。
また、フリーランスとして個人でも働きやすく、個人の裁量で仕事範囲や働き方を自由に決められますよ。
インターネット・Web業界の代表的な企業は、次の通りです。
- Amazon
- Netflix
- 楽天
有名なIT企業が多いですね。
上記の企業のサービスを利用している方も多いでしょう。
2.情報処理サービス業界
情報処理サービス業界は、情報システムの構築・運用を中心としています。
企業が必要としている情報システムを構築するだけでなく、安定した利用をおこなうための保守・運用までが範囲です。
また、無秩序の大量のデータ(ビッグデータ)を分析・解析し、企業に対してコンサルティングをおこなうケースもあります。
企業の課題解決に役立てる情報システム設計やコンサルティングには、経営やマーケティングの知識も必要です。
そのため、幅広い知識を持つ人材が求められています。
情報処理サービス業界の代表的な企業を見てみましょう。
- NTTデータ
- NRI 野村総合研究所
- アクセンチュア
- IBM
- 日立製作所
- 富士通
- NEC
アクセンチュアなどのコンサルティング企業も入っているところが特徴的ですね。
3.通信業界
通信業界は、電話やインターネット・光ファイバーなどの通信インフラを中心としています。
通信インフラは、あらゆるIT技術の根幹を支える仕組みです。
最近では、次世代の通信システムである5Gへの取り組みが注目されていますね。
5Gは先端技術であるIoTの普及や、VR・ARの実用化に欠かせません。
通信業界の代表的な企業は、次の通りです。
- ソフトバンクモバイル
- NTTドコモ
- KDDI
携帯キャリアで有名ですね。
4.ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、ハードウェアの動作を制御するためのプログラムを開発・販売を中心としています。
ソフトウェアには主に次の2種類がありますよ。
- オペレーティングシステム(OS):システム全体を管理する
- アプリケーションソフト:OS上で特定の動作を実行する
たとえば、OSなら「Windows」「Mac OS」「Android」「iOS」などが有名ですね。
OSが入っていなければ、パソコンやスマートフォンは動きません。
近年はパソコンやスマートフォンの普及により、あらゆるニーズが生まれています。
そのため、OSやアプリケーションソフトはスピード重視の開発手法が基本です。
ソフトウェアを必要とするクライアントに対して、的確にアドバイスをする力や仕様変更についての交渉力、高いプログラミングスキルが求められています。
ソフトウェア業界の代表的な企業を見ていきましょう。
- Microsoft
- トレンドマイクロ
- 日本オラクル
- オービック
Microsoft以外は、馴染みがないという方もいるでしょう。
5.ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコンやゲーム、家電や自動車といった電子機器本体の製造・販売を中心としています。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどは、次々と新しい製品が生み出されますよね。
近年では、オフィスでモバイル端末を使用するケースも増えてきました。
クライアントのさまざまな業務を支える、新しいモバイル端末が製造されていますよ。
また、IoT化が進む家電や自動車などは、インターネットへの接続を想定した開発が進んでいます。
ハードウェア自体の開発はもちろん、ハードウェアにシステムを組み込む技術を持つ人が必要です。
- Apple
- DELL
- SONY
- パナソニック
- 日立
- 東芝
- 富士通
テレビCMで見かける企業が多いでしょう。
IT業界の市場規模はさらに成長する?7つのトレンド
IT業界の5つの分類についてお伝えしました。
それぞれの違いをよく理解しましょう。
IT業界では、情報の移り変わるスピードが速く、常に最先端の技術を開発・研究しています。
IT業界のトレンドとも言える分野が、市場規模の成長を生み出しているのです。
そのなかでも、特に注目を集めている7つのトレンドを知っておきましょう。
- AI
- VR
- 仮想通貨
- キャッシュレス
- EC
- DX
- 5G
知らない用語もあるかもしれません。
これを機にしっかり理解しておきましょう。
それでは見ていきます。
1.AI
IT業界で開発が進められているのがAI(人工知能)です。
現状、AIは過去のデータの蓄積を活用したツールですが、その精度は高まっています。
ビッグデータをAIとの掛け合わせにより、人間が発見できない共通項や規則性を導き出すことも可能です。
また、AIによる画像解析や非接触決済なども実用化が進んでいます。
カメラの画像から公共スペースの人口密度を解析するなど、新しい生活様式にも役立てられていますよ。
ビジネスの現場では、業務効率化のためのAI活用も広がっています。
これからはどの産業においてもAIの重要性が広がっていくでしょう。
今後もAIを取り入れたシステムの需要がさらに高まる見込みです。
2.VR
VR(仮想現実)も今後さらに注目される分野です。
ゲームやエンターテイメントの領域で人気の高いVRですが、最近では医療や不動産業界での活用が広がっています。
医療では、VRによって安全に練習ができるため、実際の手術のストレスやプレッシャーを緩和できるようになりました。
不動産では、VRを利用して気になる物件の内見ができます。
足を運ばなくても、リアルな室内の様子を見られる体制が整いました。
VRは今後もあらゆる分野に活用できる、大きな可能性を持っています。
3.仮想通貨
仮想通貨は、インターネット上の世界通貨として知られています。
まだ技術として未熟な部分がありつつ、業界として大きく発展している分野です。
国内では、仮想通貨取引サービスのセキュリティ面に問題があり、一時のブームは過ぎました。
しかし、今後も仮想通貨の開発や普及は続き、さまざまなサービスで仮想通貨が利用される時代が来るでしょう。
実際に、海外では仮想通貨は比較的一般化しており、日本の一部の大手企業も仮想通貨に参入しています。
さらに、仮想通貨を支えるブロックチェーン技術も注目が集まっていますよ。
4.キャッシュレス
金融とITを組み合わせた「フィンテック」の代表として、キャッシュレスがあります。
クレジットカード、交通系ICカード、QRコード決済、スマホ決済などが一般化し、キャッシュ(現金)を使わないということです。
最近は「買い物はインターネットショッピングが多い」という方が増えています。
また、「現金を持ち歩いていない」という方もいるでしょう。
決済に関するITサービスは非常に豊富です。
キャッシュレス化により、ATMの管理コスト削減、支払いの効率化、不正防止などが期待できます。
今後もますますキャッシュレス化が進むでしょう。
5.EC
EC(電子商取引)は、インターネット上でものやサービスを売買することです。
IT技術のトレンドの中でも、最近特に広がりを見せています。
個人がECサイトを運営したり、ECサービスを利用して商品やサービスを販売することも珍しくありません。
たとえば、次のようなサービスを利用したことのある方は多いでしょう。
- ココナラ
- メルカリ
- BASE
- ヤフオク
若い世代はもちろん、幅広い年齢層に利用が広がっています。
ECはわたしたちの生活に着実に普及しているのです。
6.DX
多くの企業は、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって新しいサービスを展開しています。
DXとは、顧客がサービスを利用しやすいよう、デジタルの技術やデータを使ってビジネスモデルを変革し、最適化させること。
たとえば、次はDX化した代表的な例です。
- Amazon:ネットショップを多機能化し、ほしいものへのアクセスを短時間で実現した
- マッチングアプリ:条件検索などにより最適な条件でマッチングを可能にした
- サブスクリプションサービス:定額制で自由度の高い利用を実現した
今後は5Gの普及やコロナウイルスの影響によりDXの需要が増え、より重要になっていくでしょう。
今後のビジネスモデルでは、サービスの利用しやすさに注目し、DXを意識することが重要になります。
7.5G
5G(第五世代移動通信システム)は、今後のIT業界の発展を支える大きなトレンドです。
これまでの4Gと比較して、
- 通信速度:20倍
- 同時接続数:10倍
- 遅延:10分の1
という圧倒的なスピードとパワーを持つ通信システムとなります。
5Gが普及すれば、高画質・高音質な動画の視聴をスムーズに楽しめるでしょう。
動画サービスの普及を後押しします。
また、遅延がなくリアルタイムで操作できることから、瞬時の反応が求められる自動車運転やVRへの活用が期待されていますよ。
多接続が可能なため、IoTもさらに進み、わたしたちの生活にIT技術が欠かせないものとなります。
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IT業界の課題2つ
IT業界の市場規模を拡大するトレンドについてお伝えしました。
今後も成長が見込まれるIT業界ですが、課題も抱えています。
ここでは、IT業界の2つの課題を見ていきましょう。
- 人材の不足
- エンジニアの長時間労働
詳しくご説明します。
1.人材の不足
IT業界の大きな課題が、技術者の人材不足です。
少子高齢化の日本では、あらゆる業界において人材不足が懸念されています。
そんななか、IT業界は人材不足が大きな問題となっている代表的な業界です。
経済産業省の調査では、人材不足の状況はさらに進み、2030年におよそ45万人のIT人材不足が予測されました。
(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」)
国内のIT人材が不足していては、IT業界の成長も遅々として進みにくい状況になるでしょう。
IT業界の人材不足を解消するため、経済産業省はあらゆる取り組みを実施しています。
たとえば、「小中学生のプログラミング教育の必修化」が代表的です。
また、プログラミングスクールの「DMM WEBCAMP COMMIT」は、経済産業省認定の給付金制度に該当しており、利用すれば最大56万円のキャッシュバックを受けられます。
経済産業省の給付金制度は、プログラミングスキルを身につける金銭的な負担を軽減し、学ぶ人を増やすことが目的の制度です。
給付金制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
専門実践教育訓練給付金とは?制度を5つのステップで解説2.エンジニアの長時間労働
IT業界全体に広がっている課題が、エンジニアの長時間労働です。
開発現場の人手不足が深刻化するなかでも、IT技術の需要は高まる一方。
そのため、エンジニアの負担が大きくなり、長時間労働を強いられることがあります。
また、システム開発によく見られる「多重下請け構造」もエンジニアの長時間労働の要因の1つです。
多重下請け構造とは、大手のITベンダー企業が受注した案件を中堅の下請けに依頼し、その中堅がさらに中小の下請けに開発の一部を依頼する下請構造のこと。
多重下請け構造は、間に階層が増えるほど、下層に負担がかかります。
無理な納期設定や中間管理によって、長時間労働せざるをえない状況に追い込まれるのです。
IT業界で今後注目の職種3選
IT業界の課題についてお伝えしました。
課題の多くはIT業界の成長に追いついていないことで生じています。
それほど、IT業界は今後も期待され、多くのリソースや変化を必要としている分野です。
IT業界のなかでも、特に注目されている職種をご存知でしょうか。
ここでは、IT業界で今後注目の職種3選についてご紹介します。
- AIエンジニア
- クラウドエンジニア
- 情報セキュリティスペシャリスト
「聞いたことはあるけど、詳しくは知らない」という職種もあるでしょう。
それぞれの職種についてご説明します。
1.AIエンジニア
AI技術が進むなかで注目が集まっているのがAIエンジニアです。
AIエンジニアは、ビジネス上の課題をAI技術を用いて解決する役割を担当します。
主な仕事領域は、次の2領域です。
- プログラム分野:AIのプログラム開発に携わる
- アナリティクス分野:蓄積されたデータの解析・活用をおこなう
プログラム分野では、クライアントの要望に応えるAIプログラムを開発します。
クライアントにヒアリングし、どのようなAIを作ればいいかを定義して、設計するのです。
アナリティクス分野では、AIに学習させるデータの解析・抽出やAIによって得たデータの活用がメインになります。
AIを扱うには、目的に応じて適切な情報を学習させる必要があるため、情報の精査が必須です。
AIエンジニアになるには、AIの知識やAI開発が可能なプログラミングスキル、データ解析などの知識が求められます。
担当する領域ごとに、AIエンジニアとデータサイエンティストに職種が分かれる場合もありますよ。
AI(人工知能)に49%の仕事が奪われる!?今選ぶべき4つの新しい職業とは? AIのプログラミング言語は何がオススメ?選び方と言語ごとの評価解説2.クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウド環境でサーバーやネットワークなどのITインフラの設計・構築・運用・保守を行うエンジニアです。
クラウドとは「Cloud Computing」のことで、インターネットで繋がった先で必要な機能を利用する形態を指します。
クラウドを利用することを「クラウド化」と言い、これまで手間がかかっていたネットワークやサーバーの設置や管理の作業負担を軽減できるのです。
ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアが、クラウドの知識とクラウド化する技術を持つことで、クラウドエンジニアになることができます。
クラウドエンジニアはクラウド化に携わるため、インフラ×クラウドの幅広い知識が求められますよ。
3.情報セキュリティスペシャリスト
情報セキュリティスペシャリストは、高度な情報セキュリティの専門家です。
セキュリティ機能の実装を駆使し、企業が外部に出してはいけない情報を守る役割を持ちます。
情報システムの計画・構築・運用におけるセキュリティの脆弱性や脅威を分析し、防止するシステムを構築するのです。
そのため、暗号化技術やサイバー攻撃対策などの知識が求められます。
情報セキュリティスペシャリストになるには、「情報セキュリティスペシャリスト試験」を受験して合格しなければなりません。
合格率13〜15%程度と非常に難易度の高い試験ですが、今後の需要の高まりが期待される職種です。
まとめ:IT業界の市場規模は今後も成長が期待できる
今回は、IT業界の市場についてご紹介しました。
IT業界は、2016年から継続して市場が拡大し続けています。
コロナ禍の影響を受けたものの、今後さらに伸びていく見込みです。
将来性のあるIT業界に転職を検討しているなら、業界知識を十分身につけておく必要があります。
IT業界を構成する5つの業界や、業界の課題などについて知っておきましょう。
IT業界について知ることで、今後の世の中の動きを予測し、キャリアに役立ててくださいね。