フリーランスが支払う5つの税金の計算方法や注意点は?上手な節税の方法も解説
「フリーランスになったけれど税金の計算方法がよくわからない」
「手取り額を増やすためによい節税方法はないのだろうか」
と思うことはありませんか?
税金を計算しようとしても、種類が多く、複雑なので迷ってしまいますよね。
では、税金の種類と節税対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- フリーランスが悩む税金の計算方法
- フリーランスにおすすめの節税対策
- フリーランスが税金を納めるときの注意点
について詳しく解説します。
この記事を見ればフリーランスに必要な税金と節税の知識を身につけ、賢く税金と付き合えるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
フリーランスが悩む5つの税金の計算方法
会社員の場合、ほとんどの税金は源泉徴収として給料から天引きされるため、税金のことで悩むことは少ないでしょう。
フリーランスの場合はすべて自分で計算し、自分の責任で納税しなければなりません。
ここでは悩ましい5つの税金の計算方法を示します。
- フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【所得税編】
- フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【住民税編】
- フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【個人事業税編】
- フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【消費税編】
- フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【固定資産税編】
それぞれの税金によって計算方法が異なりますので、確認していきましょう。
1.フリーランスが税金計算するときに覚えておくこと【所得税編】
まずはフリーランスの税金にとって、基本である所得税を見ていきます。
所得税は支払う税金の中で、最も割合が大きい重要な税金です。
- 所得税の計算方法
- 所得額によって税率の変動があることを覚えておく
この2点をきちんと押さえることで所得税が理解できます。
所得税の計算方法
所得税は稼いだ金額である「所得」に応じて国に納める税金です。
サラリーマンは毎月の給料から所得税が天引きされますが、フリーランスは自分で計算し、納めなければなりません。
- 所得税=所得×所得税率
- 所得=収入-必要経費-各種控除
稼いだ収入から必要経費と各種控除をひいたものが所得です。
その所得に税率をかけることで、所得税が算出されます。
所得額によって税率の変動があることを覚えておく
所得税の算出に用いる税率は所得によって異なります。
日本は累進課税制度を採用しているため、所得が上がると税率も上がるのです。
課税所得 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
上の表のように所得とともに、税率も変動する仕組みになっています。
2.フリーランスが税金計算するときに意識すること【住民税編】
次にすべての個人が都道府県と市区町村に支払う税金が住民税です。
住民税は自治体が行政サービスを提供するために、居住する個人が支払います。
- 住民税の計算方法
- 住民税の税率は都道府県で変動することを覚えておく
- 所得が0でも住民税が発生することは頭に入れておく
住民税には上のように独自のルールが存在します。
正しく理解するために、それぞれ見ていきましょう。
住民税の計算方法
住民税は所得に応じて支払う「所得割」と所得に関係なく定額で支払う「均等割」の合計です。
所得税と違い累進課税ではありません。
- 住民税=所得割×住民税率(10%)+6,000円
- 所得割=所得金額-基礎控除×自治体の定めた税率-税額控除
- 住民税率(10%)=都道府県の住民税率4%+市区町村の住民税率6%
上の計算式の6,000円は均等割で、内訳は都道府県に1,500円、市区町村に3,000円です。
また、2024年までは東日本大震災の復興税として1,000円追加されています。
住民税の税率は都道府県で変動することを覚えておく
同じ所得でも住んでいる地域によって、支払う住民税に差が出ることがあります。
住民税は都道府県や市区町村の裁量で均等割を増減できるのです。
- 独自の環境税を設定している場合
- 財政が厳しく超過課税をしている場合
このような地域に住んでいる場合、住民税が定められた税率よりも高くなります。
所得が0でも住民税が発生することは頭に入れておく
事業をやめるなど、所得がなくなっても住民税は発生します。
住民税の納付を見越していないと、支払いが重くのしかかることがありますので、注意が必要です。
次にしめす、住民税の仕組みを理解していれば、わかるはずです。
- 今年の収入がなくても前年の所得に応じて発生する
- 所得にかかわらず、均等割は発生する
所得が0でも支払う必要があることを覚えておきましょう。
3.フリーランスが税金計算するときに意識すること【個人事業税編】
フリーランスにだけ課せられる税金として個人事業税があります。
個人事業税は、一定の所得を超えると支払わなければならない税金です。
- 個人事業税の計算方法
- 個人事業税は事業の種類によって変動することを覚えておく
- 本業以外の雑所得も個人事業税の対象となる
これらの、独特ルールがありますので、詳しく見ていきましょう。
個人事業税の計算方法
所得金額が290万円を超えると個人事業税の課税対象となってしまいます。
個人事業税には290万円の基礎控除が認められているからです。
- 個人事業税=(所得-事業主控除290万円)×個人事業税率
- 所得は所得税のときの考え方同様、収入-必要経費で求める
上の計算で算出された税金額を8月と11月の2回にわけて、2分の1ずつ納付します。
個人事業税は事業の種類によって変動することを覚えておく
個人事業税が課せられる、業種は70種類に限定されおり、業種によって税額も異なります。
つまり、その70種類の業種以外の個人事業主は個人事業税をおさめる必要はありません。
- 第1業種(サービス業、マスコミ関連など)=税率5%
- 第2業種(畜産業、水産業など)=税率4%
- 第3業種(医療関連、各種士業など)=税率5%
税率5%の業種が多いですが、細かく分類されていますので、確認が必要です。
全業種の税率は下記サイトで確認できます。
参照:東京都主税局
本業以外の雑所得も個人事業税の対象になる
本業とは別事業から発生した収入は雑所得となります。
本業に付随する収入は雑収入として事業所得ですが、雑所得は個人事業税の課税対象です。
雑所得は例えばこのような収入が該当します。
- ライター以外の事業者が記事を書いた際の原稿料
- 事業とは関係のない株式投資などの売却益
- フリマアプリで事業に関係のないものを売却した収入
個人事業税の対象となる雑所得は、本業に関連性があるかないかがポイントとなります。
4.フリーランスが税金計算するときに意識すること【消費税編】
会社員であれば買い物の時しか意識しない消費税ですが、フリーランスでは事業に関わる税金として意識する必要があります。
消費税は事業の売上に対して課税されるからです。
- 消費税の計算方法
- 消費税は前々年の売上1,000万円を超えると納税の義務が発生する
この2点について見ていきましょう。
消費税の計算方法
消費税の税率はご存じの通り10%です。
つまり「消費税=売上×消費税率(10%)」ということになります。
モノを買ったときにかかる場合と税率も計算方法も同じです。
馴染みのある税金なので、計算方法も理解しやすいでしょう。
消費税は前々年の売上1000万円を超えると納税の義務が発生する
今年の売上が芳しくなくても、消費税を支払わなければないケースがあります。
消費税は所得に関係なく、前々年の売上が1,000万円を超えると納税しなければならないのです。
他の税金と違い、売上が基準ですので、下記の点に注意が必要です。
- 赤字の場合でも課税対象になる
- 売上高が1,000万円を超えた翌々年から発生する
- 開業後2年間は納税義務が免除される
売上が1,000万円を超えた場合は、利益に関係なく別枠で納税するお金を確保する必要があります。
5.フリーランスが税金計算するときに意識すること【固定資産税編】
固定資産税は土地や建物を所有している人に課税される税金です。
フリーランス特有の税金ではありませんが、持ち家で業務をしている場合は、固定資産税が関係します。
- 固定資産税の計算方法
- 固定資産税は必要経費として計上できることを覚えておく
ここでは固定資産税について、フリーランス特有の意識すべき点についても見ていきましょう。
固定資産税の計算方法
固定資産税は固定資産税課税台帳に記載されている「固定資産評価額」をベースに計算されます。
申告の必要はなく、市区町村から納付額が記載された納付書が届きます。
しかしながら、自分自身で計算方法を知っていることは必要です。
- 固定資産税=固定資産税評価額×固定資産税率1.4%
- 固定資産税評価額は3年に1度見直しがある
- 税率は1.4%が基準だが、特別な事情がある自治体では高い場合もある
毎年納付の義務がありますので、自分が所有する物件に関する税金の計算方法を知っておくことは重要でしょう。
固定資産税は必要経費として計上できることを覚えておく
税金の中には経費にできる税金もあります。
固定資産税のうち、仕事に関係のあるものは経費として計上できるのです。
持ち家を事業所として使っている場合、事業割合に応じて按分した金額を経費算入できます。
節税対策に有効なので、覚えておくべきです。
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フリーランスは税金のほかに知っておくべき2つの保険料
フリーランスは税金だけでなく、保険についても知っておく必要があります。
強制加入の会社員と違い、自分で加入手続きをしなければならないからです。
- 国民健康保険
- 国民年金保険
代表的な国の制度である、2つの保険について見ていきましょう。
1.国民健康保険
国民健康保険は市区町村で運営される公的な健康保険です。
会社員が加入する健康保険は、会社が半額負担してくれますが、国民健康保険は全額自己負担です。
保険料は下のような特徴があります。
- 住んでいる地域、前年の所得、世帯人数などによって保険料は異なる
- 配偶者などを扶養に入れることはできず、世帯人数分保険料を納める必要がある
上のように保険料の仕組みや計算は複雑ですが、市区町村ホームページで概算金額は確認が可能です。
きちんとチェックし、把握しておきましょう。
2.国民年金保険
国民年金保険は日本に住む、20歳以上60歳未満のすべての人が加入を義務付けられている保険です。
フリーランスの場合、第1号被保険者に該当し、保険料は毎年決まった金額が定められています。
2020年度は1ヶ月あたり、16,540円、年間196,080です。
まとめて前払いすると割引が適用されるなど、おトクなので、確認しましょう。
参考:日本年金機構
フリーランスにおすすめの6つの節税対策
フリーランスにとって税金は、全額自己負担しなければならず、悩みの種です。
会社負担などに頼ることもできませんが、節税対策をきちんとおこなうことで、支払額を抑えることができます。
ここでは6つの節税対策を紹介します。
- 配偶者控除と扶養控除など控除をフル活用する
- 節税効果のある保険や年金の加入を検討する
- ふるさと納税の活用
- 必要経費を計上する
- 青色申告制度を利用する
- 税理士や相談窓口などの専門家に相談する
自分に適した節税方法を見つけるためにも、1つずつ確認していきましょう。
1.配偶者控除と扶養控除など控除をフル活用する
節税対策において控除を活用することは重要です。
控除を増やすことで課税対象となる所得を減らせるからです。
控除にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは次の3つです。
- 配偶者控除=配偶者の所得が38万円以下であれば38万円所得控除できる
- 扶養控除=同一生計の家族がいる場合、条件によって38万円~63万円まで所得控除できる
- 専従者控除=配偶者や家族に仕事を手伝ってもらい、支払った給与を所得控除できる
配偶者控除と専従者控除は併用できないなどのルールもあります。
自分にとってベストな控除を選択し、節税しましょう。
2.節税効果のある保険や年金の加入を検討する
保険や年金を活用することで節税効果が期待できます。
フリーランスは退職金も期待できないため、将来への投資と節税効果を得られます。
- 生命保険
- 個人年金保険
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 小規模企業共済
これらの中から、自分の将来にとって必要なものを吟味し、検討するとよいでしょう。
3.ふるさと納税の活用
ふるさと納税は、自分の好きな自治体に寄付として税金を納める制度です。
寄付に対しては自治体から返礼品ももらえます。
そして、寄付したお金は所得控除の対象です。
- 一律自己負担金2,000円
- 所得によって控除限度額は異なる
- 年内に寄付の支払い手続きまで完了させる必要がある
上の特徴をきちんと押さえて、有効活用すべきです。
4.必要経費を計上する
事業でつかった経費を適切に申請することは節税対策になります。
経費を費用として計上することで、所得が減り、納税額を減らせるからです。
一口に経費といってもさまざまな費用が該当します。
- 消耗品費
- 交際費
- 通信費
- 交通費 など
領収書をきちんと保管し、適切に申請しましょう。
5.青色申告制度を利用する
フリーランスで節税対策をするのであれば、青色申告制度は必須です。
確定申告のときに、青色申告をするとさまざまなメリットがあります。
- 65万円の青色申告特別控除を受けられる
- 最長3年間赤字を繰り越せる
- 30万円未満の資産を一括で費用計上できる
どれも節税効果としては非常に有効なので、利用しない手はありません。
6.税理士や相談窓口などの専門家に相談する
節税対策を確実に行うのであれば、税理士など専門家に相談すべきです。
税金の計算や仕組みは複雑なため、自分だけの判断では間違えることもあるでしょう。
基本は有料相談ですが、下記のようにまずは無料で相談できるところもあります。
- 税務署窓口
- 税理士事務所の初回無料相談
- 日本税務研究センター
まずは無料相談し、必要であればきちんと契約するとよいでしょう。
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フリーランスが使えるおすすめの3つの税金計算ツール
会計の仕分けや税金計算の際に、頼りになるのが会計ソフトです。
会計や税金の仕組みは複雑なので、素人が自分で計算するのを手助けしてくれます。
おすすめの計算ツールを3つ紹介します。
- クラウド会計ソフトfreee
- やよいの青色申告オンライン
- マネーフォワードクラウド
1つずつ特徴を見ていきましょう。
1.クラウド会計ソフトfreee
クラウド会計ソフトで非常に高いシェアをほこる「freee」です。
下のような特徴があり、初心者でも扱いやすくなっています。
- クラウド保存なので場所を選ばず、いつでも利用できる
- 確定申告書類の作成が簡単
- クレジットカードを連携すれば、日々の経理の負担も削減できる
1ヶ月の無料プランもあるので、気軽に試してみるのもよいでしょう。
2.やよいの青色申告オンライン
会計ソフト大手「弥生」が手がけるのが「やよいの青色申告オンライン」です。
大手ならではの充実したサポート体制で、安心感があります。
- 簿記の知識がなくても青色申告が簡単にできる
- レシートやスマホデータをスキャンして自動仕分けしてくれる
- 業界最大規模のカスタマーサポートサービスで初めての申告でも安心
このようなメリットがありますので、おすすめです。
3.マネーフォワードクラウド
家計簿ソフトでお馴染みの「マネーフォワードクラウド」です。
機能性に優れ、従業員を雇用している人には最有力となります。
- 申告時の時間やコストを大幅に削減してくれる
- 売上や経費が自動でグラフ化されるので、経営の見通しがつく
- 取引明細を自動的に取得することで、手入力の手間がなくなる
このような高機能をほこっているのが、大きな特徴です。
フリーランスが税金を納めるときに気を付けておきたい3つの注意点
フリーランスは税金の納付をすべて自己責任でおこなわなければなりません。
以下の点に気をつけて、延滞や未納を防ぐ必要があります。
- 住民税の支払いは翌年の納付になる
- 年間所得が290万円を超える場合は個人事業税が必要になる
- 経費として計上できる税金とできない税金の違いを把握する
きちんと注意点を押さえておきましょう。
仕事を独立する前に必要な準備とは?資金調達の方法7選やおすすめの職種も紹介1.住民税の支払いは翌年の納付になる
住民税は所得のあった年に納付するのではなく、翌年の納付となります。
つまり前年の所得が基準となるため、次のような場合に注意が必要です。
- 事業をやめた場合
- 前年に比べて所得が大きく減った場合
このようなケースでは貯金が大きく減っている可能性があります。
その状態で住民税の納付が必要となりますので、お金の管理に気をつけなければなりません。
2.年間所得が290万円を超える場合は個人事業税が必要になる
所得290万円を超えた場合には個人事業税の納税義務が発生するので、注意する必要があります。
個人事業税は、特定の業種に該当する個人事業主のみに発生する税金なので、馴染みがうすいです。
- 前年に比べて所得が大きく増えた場合
- 個人事業税の課税対象となる新たな業種の業務をはじめた場合
このようなときには、納税を忘れないよう注意しなければなりません。
3.経費として計上できる税金とできない税金の違いを把握する
フリーランスが納めるさまざまな税金の中でも、経費として計上できる税金とできない税金があります。
所得税や住民税は経費算入できませんが、次にあげる税金は経費としての計上が認められています。
- 消費税
- 固定資産税
- 個人事業税
適切に節税対策をおこなうためにも、それぞれの税金の違いを理解することが必要です。
まとめ:フリーランスは税金の計算方法や支払時期を把握してしっかり節税対策をしましょう
フリーランスにとって税金は一生ついてまわる問題です。
きちんと計算方法を理解し、正しく節税対策をとる必要があります。
- 税金の計算方法
- それぞれの税金の特徴と注意点
- 節税対策
これらをきちんと押さえ、正しい納税と適切な節税対策をおこなっていきましょう。
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