Webデザイナーの国家資格「ウェブデザイン技能検定3級」を詳しく解説

公開日: 2021.05.31
更新日: 2024.02.08
webデザイナー 3級

Webデザインについて学習している方であれば、ウェブデザイン技能検定の資格を取得してみたいと考える人もいるでしょう。

その中で、
「ウェブデザイン技能検定ってどんな資格?」
「独学でも合格できるのかな?」
「どうやって勉強すれば合格できるの?」
と、疑問に感じている方も少なくないのではないでしょうか?

そこでこの記事では、

  • ウェブデザイン技能検定の詳しい概要
  • ウェブデザイン技能検定を合格するメリット
  • ウェブデザイン技能検定を取得するべき人の特徴
  • ウェブデザイン技能検定のベストな学習方法やおすすめの参考書
  • ウェブデザイン技能検定の取得を目指す前に知っておきたい注意点

などについて詳しくご紹介します。

ウェブデザイン技能検定について詳しく知りたい方はもちろん、取得するべきか迷っている方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ウェブデザイン技能検定とは?

ウェブデザイン技能検定HP

(出典:ウェブデザイン技能検定 公式HP)

ウェブデザイン技能検定は、Web業界の資格の中で唯一の国家資格です。
試験では、ウェブデザインに関する知識や技能、実務能力などが問われます。

試験は「実技」と「学科」で構成されており、3級から1級までの等級があるのが特徴です。


ウェブデザイン技能検定3級の概要

ウェブデザイン技能検定3級の概要

それでは、ウェブデザイン技能検定3級の概要について見ていきましょう。
ここでは、以下の内容について詳しくご紹介していきます。

  1. 試験範囲
  2. 難易度・合格率
  3. 試験開催日時・試験時間
  4. 受験費用・受験資格
  5. 申込方法

それでは順番に見ていきましょう。

1.試験範囲

ウェブデザイン技能検定3級試験では、ウェブデザインの職種における基本的な知識やスキルが問われます。

まずはウェブデザイン技能検定3級の試験科目とその範囲を見ていきましょう。

学科試験

学科の出題形式は、マークシート式の筆記試験です。

【試験科目とその範囲】

  1. 「インターネット概論」
    1-1:インターネット
    1-2:ネットワーク技術
    1-3:インターネットにおける標準規格・関連規格と動向
    1-4:ウェブブラウジング
    1-5:ワールドワイドウェブ(WWW)セキュリティ技術
    1-6:インターネット最新動向と事例
  2. 「ワールドワイドウェブ(WWW)法務」
    2-1:知的財産権とインターネット
    2-2:インターネットに関わる法令等
  3. 「ウェブデザイン技術」
    3-1:HTML・XHTMLとそのコーディング技術
    3-2:CSSとそのコーディング技術
    3-3:スクリプト
    3-4:サーバサイドアプリケーション
  4. 「ウェブ標準」
  5. 「ウェブビジュアルデザイン」
    5-1:ページデザイン/レイアウト
    5-2:マルチメディアと動的表現
  6. 「ウェブインフォメーションデザイン」
    6-1:インフォメーションデザイン
    6-2:インタフェースデザイン
    6-3:ユーザビリティ
    6-4:各種データベースとの連携によるダイナミックなサイトデザイン
  7. 「アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン」
  8. 「ウェブサイト設計・構築技術」
  9. 「ウェブサイト運用・管理技術」
  10. 「安全衛生・作業環境構築」

実技試験

実技試験は、問題文にそって実際にウェブデザインを行っていく形式です。

【実技範囲】

  1. ウェブサイト構築
  2. ウェブサイトデザイン
  3. ウェブサイト運用管理

(出典:ウェブデザイン技能検定 「3級ウェブデザイン技能検定試験の試験科目及びその範囲ならびにその細目」)

2.難易度・合格率

ウェブデザイン技能検定3級は、IT関連の試験の中では比較的やさしいと言われています。

合格基準は以下の通りです。

  • 学科試験:70点以上(100点満点)
  • 実技試験:70点以上(100点満点※)

ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点をとる必要があります。

また、3級の合格率は60〜70%です。
もちろん合格率は年度や開催回によって変動がありますが、3級の合格率は高いと言えるでしょう。

(出典:ウェブデザイン技能検定 「よくある質問」)

3.試験開催日時・試験時間

つづいては、ウェブデザイン技能検定3級の試験開催日時や試験時間などを順番に見ていきましょう。

試験日程

3級は学科、実技ともに年4回の開催となっています。
令和3年度は5月、8月、11月、2月です。

以下に、試験日と実施予定地域を記載しました。

【令和3年度 ウェブデザイン技能検定3級の試験日程と実施予定地域】

試験回 試験日 実施予定地域
第1回 令和3年5月23日(日) ・北海道
・東京
(川崎市を含む)
・愛知
・大阪
・福岡
第2回 令和3年8月29日(日) ・北海道
・宮城
・埼玉
・東京
(川崎市を含む)
・神奈川
・石川
・愛知
・大阪
・岡山
・福岡
第3回 令和3年11月28日(日) ・北海道
・宮城
・埼玉
・東京
(川崎市を含む)
・神奈川
・愛知
・大阪
・岡山
・福岡
・鹿児島
・沖縄
第4回 令和4年2月20日(日) ・宮城
・埼玉
・東京
(川崎市を含む)
・神奈川
・愛知
・大阪
・岡山
・広島
・福岡
・沖縄

(出典:ウェブデザイン技能検定 「試験日程等」)

試験時間

令和3年度のウェブデザイン技能検定3級の試験時間は以下の通りです。

  • 【実技試験】
    10:30~11:30(60分)
  • 【学科試験】
    12:15~13:00(45分)

(出典:令和3年度 第1回ウェブデザイン技能検定 試験要項 )

4.受験費用・受験資格

ウェブデザイン技能検定3級の受験費用と受験資格についても確認しておきましょう。

2級と1級には受験するために必要な条件がありますが、3級は基本的にありません。
公式サイトに記載されている3級の受験資格は以下の通りです。

ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者

(出典:ウェブデザイン技能検定 「各等級における受検資格の条件」)

つまり、Webデザインを学んでいる人なら誰もが受けられる試験ということですね。

受験費用は、

  • 学科試験: 5,000円
  • 実技試験: 5,000円 (35歳以上)または3,000円(35歳未満)※

※平成29年度第3回試験より、試験実施年度の4月1日において35歳未満の方は実技試験の受検手数料が減免となります。

学科・実技ともに免除、または1級実技免除にて申請をする場合の手数料は2,000円です。
なお、実技試験は年齢によって受験費用が異なるので注意しましょう。

(出典:ウェブデザイン技能検定 「受検手数料 (非課税)」)

5.申込方法

ここではインターネットでの受験申請方法をご紹介します。
申し込み方法の流れは以下の通りです。

STEP.1
STEP.1
事前登録
基本情報をフォーマットに沿って登録します。
STEP.2
STEP.2
受験申請
受験級の選択や免除申請、受験資格申請などを行います。
STEP.3
STEP.3
決済方法を選択
コンビニ支払い、ゆうちょATM、銀行振込から選択できます。
STEP.4
STEP.4
決済
希望の支払い方法で決済を完了させます。
STEP.5
STEP.5
完了
申し込み完了通知がきたら申請完了です。

受検申請は開催日の1ヶ月半ほど前から行えます。

たとえば、令和3年5月23日が試験の受検申請期間は4月1日〜4月15日です。
決済の確認には、2〜3日かかる場合もあるので早めに申請をしておきましょう。

(出典:ウェブデザイン技能検定 「受験申請の流れ」)

ウェブデザイン技能検定3級を取得するメリット3つ

ウェブデザイン技能検定3級を取得するメリット3つ

ウェブデザイン技能検定の3級は、合格率が高く比較的取得しやすい資格です。
とはいえ、試験を受けるためには学習準備や申し込みなどさまざまな手間がかかります。

できれば将来に役に立つ資格取得に時間とお金をかけたいもの。
受験するからには取得するメリットもおさえておきたいですよね。

そこでここからは、ウェブデザイン技能検定3級を取得する3つのメリットをご紹介していきます。

1.学習内容を実務に活かせる

ウェブデザイン技能検定3級は、ウェブデザインの基本的な技術や知識の理解を問われる試験です。
そのため、学習を通して基礎力をしっかりと身につけられます。

基礎があってこその応用ですので試験を通して行う学習内容は、実務にも活かしていけるでしょう。

2.技能士のロゴマークを名刺につけられる

技能検定制度・技能士ロゴマーク

(出典:技能検定制度・技能士 「技能検定制度・技能士ロゴマーク」)

技能士のロゴマークを名刺につけられるのも、ウェブデザイン技能検定3級に合格するメリットです。
上記の画像のように、ロゴマークを名刺などに掲載することでスキルを対外的にアピールできます。

3.2級以上も受験可能になる

ウェブデザイン技能検定3級を取得すれば、2級以上も受験可能になります。

2級や1級の受験資格は以下の通りです。

等級 受験資格
2級 ・2年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
・大学(※3)を卒業した者
・高度職業訓練(※3)を修了した者
・3級の技能検定に合格した者
1級 【実技試験】
・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1)
【学科試験】
・7年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)
後、5年以上の実務経験(※2)を有する者
・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者
・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者
・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者

※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合のみ。
※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のこと。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたもののみ。

(出典:ウェブデザイン技能検定 「各等級における受検資格の条件」)

たとえば2級試験は大学や短大などを卒業、または2年以上の実務経験がある人しか受験できません。
しかし3級を合格していれば受験が可能になるため、制限をなくせるのです。


ウェブデザイン技能検定3級の受験をした方がいい人の特徴3つ

ウェブデザイン技能検定3級の受験をした方がいい人の特徴3つ

ここからは、ウェブデザイン技能検定3級を受験するメリットが大きい人の3つの特徴をご紹介していきます。

1.将来Web関係の仕事で活躍したい人

ウェブデザイン技能検定3級は、現在Web関係の仕事に就いている人だけでなく、将来的に目指している人にも適した国家資格です。

試験に合格することで、基礎スキルを身につけられます。
さらに、2級、1級と資格取得を目指すことで就職活動での大きなアピールにもなるでしょう。

2.Webサイトの運営をしたい人

資格取得に向けた学習は、Webサイトの運営にも役立ちます。

資格を通してユーザーが使いやすいデザインの知識などを理解しておけば、より精度の高いWebサイトの運営ができるでしょう。
そのため「Webサイトの運営をしたい」「Webサイトを作ってみたい」と考えている方にもおすすめです。

3.デザインを学びたいWebエンジニア

現在Webエンジニアとして活躍している人にもウェブデザイン技能検定3級の資格は役に立ちます。

ユーザーにとって使いやすいデザインの知識は、Webエンジニアにとっても重要です。
試験取得を目指して学習すれば、自然とデザインについての知識を学べます。

デザインに関する知識やスキルを身につければ、より活躍の幅を広げられるでしょう。
また、WebエンジニアはITの基礎スキルがあるため試験に合格しやすいメリットもあります。

ウェブデザイン技能検定3級の勉強方法3つ

ウェブデザイン技能検定3級の勉強方法

では、ウェブデザイン技能検定3級を合格するにはどうしたらよいのでしょうか?

ここからは、ウェブデザイン技能検定3級を受験するために有効な3つの勉強方法をご紹介していきます。

  1. 練習問題・過去問題を解く
  2. 参考書で勉強する
  3. スクールに通う

1.練習問題・過去問題を解く

試験を突破するためには、試験問題の傾向を知っておくことが大切です。

とくに、ウェブデザイン技能検定は過去問から出題されるケースが多い傾向にあります。
問題に慣れるためにも、練習問題や過去問は繰り返し練習しておきましょう。

学科試験および実技試験の練習問題や過去問は公式サイトに掲載されています。
以下にも、練習問題や過去問題をまとめてあるのでぜひ参考にしてください。

【ウェブデザイン技能検定3級 練習問題】

学科試験 3級学科 練習問題(オンラインテスト)
3級学科 練習問題(pdf形式)
実技試験 3級実技 練習問題 (pdf形式)

(出典:ウェブデザイン技能検定 「練習問題」)

【ウェブデザイン技能検定3級 過去問題】

令和2年度第2回 令和2年度第3回 令和2年度第4回
3級学科 試験問題・正答 試験問題・正答 試験問題・正答
3級実技 試験問題 試験問題 試験問題

(出典:ウェブデザイン技能検定 「過去問題」)

2.参考書で勉強する

参考書の活用もおすすめです。

参考書なら合格するためのポイントや答えに対する丁寧な解説も見れます。
公式サイトの練習問題や過去問題だけでは不安な方は、参考書も合わせて活用するとよいでしょう。

次項ではおすすめの参考書をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

3.スクールに通う

「独学では合格できる自信がない」という人もいるでしょう。
そんな方におすすめなのが、Webデザインが学べるスクールに通うことです。

スクールなら、初心者向けのカリキュラムが整っているため安心して学習を進められます。
また、わからないことは講師に質問できるため効率よく知識を習得していけるのです。

Webデザインが学べるおすすめのスクールが知りたい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

Webデザインスクールの短期学習はおすすめ!失敗しないポイントや人気のスクール5選を紹介Webデザインスクールの短期学習はおすすめ!失敗しないポイントや人気のスクール5選を紹介

ウェブデザイン技能検定3級の参考書おすすめ3選

ウェブデザイン技能検定3級の参考書おすすめ

参考書を活用したいけど、「どれを選べばいいかわからない」と困ってしまう人もいるでしょう。

そこでここからは、ウェブデザイン技能検定3級を合格するのに効果的な参考書をご紹介していきます。

  1. ウェブデザイン技能検定過去問題集3級
  2. ウェブデザイン技能検定 3級ガイドブック
  3. ウェブデザイン技能検定 3級対策問題集

気になる参考書があれば、ぜひ活用してくださいね。

1.ウェブデザイン技能検定過去問題集3級

「ウェブデザイン技能検定過去問題集3級」は、過去に実際に出題された問題の解答と解説が掲載された参考書。

すべての解答や解説は、検定試験主催元である「インターネットスキル認定普及協会」の公認を受けているため信頼性が高いです。

本書では協会公認の的確な解説が読めるため、「問題の解説もしっかり知りたい」という方におすすめ。

2.ウェブデザイン技能検定 3級ガイドブック

「ウェブデザイン技能検定 3級ガイドブック」は、3級合格に必要な知識やスキルを学習できる参考書。

学科試験と実技試験ともに、合格するために大切なポイントが記載されています。

問題集とセットで活用すれば、より知識が定着し効率よく学習を進められるでしょう。
これからWebデザインを学ぼうとしている方にもよく活用されている参考書です。

3.ウェブデザイン技能検定 3級対策問題集

「ウェブデザイン技能検定 3級対策問題集」は「ウェブデザイン技能検定 3級ガイドブック」の問題集バージョンです。

本書では出題範囲を完全に網羅した練習問題が掲載されています。
「ウェブデザイン技能検定 3級ガイドブック」と合わせて活用するのがおすすめです。

過去問だけでは不安な方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

ウェブデザイン技能検定3級の注意点

ウェブデザイン技能検定3級の注意点

最後に、ウェブデザイン技能検定3級を受験する前に知っておいていただきたい3つの注意点をご紹介します。

1.面接でアピールになるのは2級以上

ウェブデザイン技能検定3級の資格を保有しているからといって、残念ながら就職や転職に有利とは言えません。

即戦力を求める企業では、実力が評価されるケースがほとんど。
基礎スキルを持っていることを証明する3級では、効力が低いと言えるでしょう。

面接でアピールになるのは、デザイン能力も問われる2級や1級の資格です。
少しでも就職で有利にしたいなら、まずは3級試験に合格し、それから2級や1級の取得を目指すとよいでしょう。

2.資格の取得を目的にしない

ウェブデザイン技能検定3級に合格するのは何のためでしょうか?
おそらく多くの人は、Webデザインに関連する仕事に就職するためではないでしょうか。

資格はあくまでも手段であって目的ではないはずです。
資格取得を目指す際にはどうしても合格に関心がいってしまいますが、本来の目的を見失わないように注意しましょう。

3.知識だけでなく技術も磨く

就職が目的なら、試験対策になる知識だけでなく技術も磨くことが大切です。

即戦力を求める企業でのWebデザイナーの採用試験では、やはり実力が求められます。
ホームページのデザイン制作など、目に見えるスキルが評価されることがほとんどです。

試験合格に向けての学習はもちろん大切ですが、それだけに意識が集中しないように注意しましょう。

まとめ:ウェブデザイン3級は取得して損はない資格

今回はウェブデザイン技能検定の概要や試験対策などについて詳しくお伝えしていきました。

ウェブデザイン3級の取得を目指すことで、自然とWebデザインの基礎知識やスキルを身につけられるでしょう。
合格して損はない資格と言えますので、ぜひチャレンジしてみてください。

まずは3級の合格を目指し、さらなるスキルアップのために2級、3級と挑戦してみるとよいでしょう。
ぜひ試験の合格を仕事の幅を広げることに役立ててください。

未経験からWebデザイナーを目指す方法に興味がある方には、こちらの記事もおすすめです。

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