【基本】HTML6は実在する?知っておきたいWeb技術の基準
「HTMLの最新バージョン」とは何か聞かれたら、正確に答えられない人が多いのではないでしょうか。
「HTML5?HTML6?結局どれを勉強すれば良いの?」
「HTML6が出るとか出ないとか…何を信じて良いのかわからない」
そんな不安を抱えている人もいるでしょう。
そこで今回は、
- HTML6は本当に実在するのか
- HTMLの最新バージョンとは
- HTMLの基準はどのように決められているのか
HTML6は実在しない
結論として、HTML6は実在していません。
HTML5を開発中に、非公式でHTML6が話題になったことがきっかけで「次のバージョンはHTML6だ!」と噂になってしまっているようです。
HTMLのバージョンが変わるごとに、一部の要素が廃止されたり、新しい要素が登場して便利になったりするので、コードを書く人々は常に最新バージョンを把握しておかなければなりません。
そんな中、いつHTML6は登場するのか気が気でないでしょう。
しかし、今後HTML6が登場することはありません。
では、なぜHTML6が今後出ることがないのか、詳しく解説していきます。
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そもそもHTMLの基準を決めているのは?
これまでにHTMLにはHTML5の前にも、HTML3、HTML4などの様々なバージョンがありました。
HTMLのバージョンとは、その年によって定められた新たな基準のことで、記述のルールや、利用できる要素・属性がバージョンによって異なります。
不具合や、利便性を考慮して、現在でもバージョンアップは行われていますが、今後HTML6は出ません。
この理由を知るためには、そもそもHTMLの基準がどこで定められているのかを理解する必要があります。
HTMLの基準に関わっているのは、
- W3C
- WHATWG
の2つの団体です。
では、それぞの団体について詳しくみていきましょう。
1.W3C
W3Cとは、1994年に創設されたWeb技術の標準化を行う非営利団体のことで、「World Wide Web Consortium」が正式名称になります。
サービスやコンテンツの品質向上や、よりスムーズな開発を目標として活動を行っているW3Cは、HTMLの基準を最初に作った団体です。
これまでに公開した仕様はHTMLだけでなく、CSSやDOM、XHTMLなど多岐に渡ります。
HTMLのバージョンごとに仕様を公開していたのもW3Cで、XHTMLまではW3Cが公開する仕様が基準となっていました。
2.WHATWGとは
WHATWGとは「Web Hypertext Application Technology Working Group」の略称で、2004年に誕生した新たな団体です。
実は、このWHATWGを立ち上げたのは元々W3CのWeb開発者で、Webサイト構築現場への対応や、一部の方向性の違いに不満を抱いたメンバーで構成されています。
W3Cと同じくWeb技術の標準化が主な活動内容で、HTML5を独自に策定したのはWHATWGです。
HTML Living StandardがHTMLの最新バージョン!
2019年からは、WHATWGが順次更新していく「HTML Living Standard」が基準となっています。
このようになった理由は、簡単な時系列を基に解説します。
2000年 | XHTML Basic、XHTML 1.0仕様公開 |
2014年 | HTML5仕様公開 |
2016年 | HTML5.1仕様公開 |
2017年 | HTML5.2仕様公開 |
2019年 | HTML Living StandardがHTMLの標準仕様となる |
W3CとWHATWGが別々に基準を策定していたことにより、しばらくはXHTMLとHTML5が併存していました。
しかし、2019年には、HTMLの基準を「HTML Living Standard」に定め、今後W3CはHTMLに関する標準の策定と行わないことに同意しました。
バラバラだった基準が2019年から統一され、ようやく「HTML Living Standard」がHTML唯一の基準になったのです。
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CSS4の考え方も今までのCSSと異なる?
CSSの最新バージョンはW3Cが公開している「Selectors Level 4」です。
HTMLのように、いくつかのバージョンが併存していた歴史はありませんが、様々な言語が登場したことにより名称や単位の考え方が以前と異なります。
まずは、CSSの歴史を見てみましょう。
1996年 | CSS1(CSS Level1) | CSS初期 |
1998年 | CSS2(CSS Level2) | 表示媒体によってスタイルシートの変更が自動的に |
2011年 | CSS3(CSS Level 3) | モジュール(部品)単位で機能の追加や改良を行うようになる |
2018年 | Selectors Level 4 | CSSでなくセレクタ単体として定義されるようになる |
最新バージョンが出る以前は、CSSのLevelで定義されていましたが、2018年からはセレクタ単体として定義されるようになり、名称もCSS4ではありません。
定義の単位や名称が変わってわかりづらくなっていますが、
- Selectors Level 4は、CSSと同じセレクタを使うJSなどの言語をセレクタ単位で定義したもの
- CSS4は公式バージョンではない
- これまでのCSSの仕様をまとめた「スナップショット」というものもある
ということだけ覚えておけば良いでしょう。
CSSの最新版を確認したい場合は「Selectors Level 4」を確認すれば、ほぼ間違いありません。
まとめ:エンジニアなら、HTML・CSSの基準を理解しておこう
コードを書いていてわからなくなったから何となく検索する…
それでも解決できるかもしれませんが、中には古い情報しか掲載されていない記事もあります。
どの基準が正しいのかさえ知っていれば、壁にぶつかった時の対処法や正しい知識を得ることができます。
- HTMLの最新バージョンはHTML Living Standard
- HTMLの基準を定めているのはWHATWG
- CSSはSelectors Level 4を確認すれば問題ない
HTMLとCSSの基準は何か、どこで確認すれば良いのかしっかり理解し、一人前のエンジニアになりましょう!