競技プログラミングとは?メリットや学習方法まで徹底解説
「競技プログラミングってどんなもの?」
「参加すると何かメリットはある?」
と思うことはありませんか?
競技プログラミングという言葉を聞いたことがあると思いますが、実際にどんなことをするのかわからないですよね。
では、競技プログラミングとはどのようなもので、参加するとどんなメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- 競技プログラミングについての概要
- 競技プログラミングをするメリット
- 競技プログラミングに参加できるサイト
について詳しく解説します。
この記事を見れば競技プログラミングに参加するメリットや活用法がわかり、必ずスキルアップの向上に役に立ちます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
競技プログラミングとはプログラム作成で解決する早さを競う
競技プログラミングとは、出された問題に対してプログラミングを作成し、いかに早く正確な答えを出せるかを競うコンテストです。
日本のみならず海外のサイトでも、競技プラグラミングを開催しており参加者は年々増加傾向にあります。
日本でもっとも有名なAtCoderの登録者数は、2020年5月の時点で以下のようになっています。
- 日本人登録者:約11万3千人
- 外国人登録者:約9万2千人
(出典:PRTIMES)
競技プログラミングの問題の正解数を競いますが、同じ正解数の場合は時間で勝敗が決まります。
課題にも難易度がいろいろあり、数時間で解けるような問題から、丸1日かけないとできないものまでさまざまです。
競技プログラミングは「アルゴリズム部門」と「マラソン部門」に分かれていますが、最近は「アルゴリズム部門」が主流となってきてます。
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競技プログラミングで知っておくべき4つの魅力
エンジニアなら「競技プログラミング」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
実際にどんなメリットがあるのか気になる人も多いと思います。
競技プログラミングに参加することで、多くのメリットを得られるでしょう。
- 楽しみながらプログラミングを学べる
- ゲーム感覚で挑戦することでスキルの取得が早くなる
- 考え方や知識などが仕事中にも役立つ
- IT系企業の就職に有利になる
プログラミングの勉強をするのは簡単ではありませんが、競技プログラミングに参加することで楽しみながらスキルアップができるのです。
それでは以下で詳しく見ていきましょう。
1.楽しみながらプログラミングを学べる
競技プログラミングに参加すると、プログラミングを楽しく学べます。
その理由は、競技に参加することで自分の実力などが結果としてあらわれるからです。
普段エンジニアとしてプログラミングの勉強をしていても、なかなか評価されなかったり、見に見える点数表などはありません。
- 難易度の高い問題をクリアできた
- 高い点数を取ることができた
- 他者と比べて、スピーディに回答できた
このように、客観的に誰がみてもわかるような結果がでます。
そのため、モチベーションを維持しやすく、楽しみながらプログラミングを学ぶことができるのです。
2.ゲーム感覚で挑戦することでスキルの取得が早くなる
競技プログラミングは、ゲーム感覚で参加できるので、スキルの取得が早くなる傾向にあります。
実際に与えられた課題に対して反復してコードを記述していくため、素早く正確にコードを記述できるようになるでしょう。
そのほかにも、スキル習得が早くなる理由があります。
- 論理的に考えるようになる
- 向上心がアップする
- 他人が作ったコードをみれる
競技プログラミングに参加すると「どうやったら上位にいけるか?」「早く問題を解決できるか?」など、たくさん考えるようになり、結果的に論理的に物事を考えられるようになります。
また、ほかの参加者が記述したコードを見ることができるため、自分だけの視野や発想にとらわれずに、広い視点を持てるようになるのです。
3.考え方や知識などが仕事中にも役立つ
競技プログラミングをすることで、普段の業務でも役に立つ場面が増えるでしょう。
実際に競技に参加すると、自分が気が付かないうちに以下のようなスキルが体に染みつきます。
- 問題を理解する能力
- スピーディーに記述する能力
- コードを簡潔にまとめる能力
- 制限時間内に終わらせる能力
これらの能力は、実務では重要なポイントです。
クライアントからの要求に答える能力、納期に間に合わせる能力などに直結していきます。
また、競技プログラミングをいつもやっていると、正確に記述するという項目もあるため、ミスを減らせるという利点もあり実務ではかなり役に立つでしょう。
4.IT系企業の就職に有利になる
競技プログラミングに参加することで、IT系の企業の就職に有利になる場合があります。
それには、3つの理由があります。
- 企業自体が競技プログラミングを企画している
- 競技プログラミングを点数化して客観的な判断材料にできる
- 上位に入賞すると企業からスカウトがくる場合がある
国内では多くのIT企業がAtCoderで競技プログラミングのコンテストを開催しており、中には「Yahoo!」や「リクルート」「日立」などの大手企業も参加しています。
毎回参加したり、よい結果をだすことで企業側にアピールできるのです。
企業側も優秀な人材を集めようとしているため、競技プログラミングを上手く活用した方がよいでしょう。
競技プログラミングで出される問題例
実際に競技プログラミングでは、どのような問題が出されていくのか見てみましょう。
過去の問題ではこのようなものが、課題として出されています。
【問題文】
高橋くんが3つのサイコロを振ったろころ、出た目はそれぞれa,b,cでした。
これらのサイコロについて、出た目とは反対の面が表す整数を足し合わせた値を求めてください。
ただし、高橋君が振るサイコロは全て一般的な立方体の6面ダイスであり、ある面とその反対側の面が表す整数を足すと7になります。
【制約】
- 1≤a,b,c≤6
- 入力は全て整数である。
上記の問題は初級レベル(A)で100点の問題です。
難易度がA(100点)〜F(600点)まであるため、自分の実力によって挑戦するレベルをあわせられます。
過去問に挑戦できるサイトは以下の章でも紹介していますので、ほかの問題にもぜひチャレンジしてみましょう。
こういった実践的な課題に取り組みたい方には、プログラミングスクールでプロから現場で使えるスキルを学ぶこともおすすめします。
受講料はかかってしまいますが、短期間で効率よくプログラミングスキルを習得することが可能です。
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競技プログラミングにおすすめのプログラミング言語5選
競技プログラミングでは、いくつかの言語が使われています。
それぞれのプログラミング言語によって特徴があり、実行速度の違いや得意な処理などがあるので、エンジニアによっても好みがあります。
とくによく使われるのが、以下の5つの言語です。
- C++
- Python
- Java
- C#
- JavaScript
競技プログラミングに向いているのは、この5つとなります。
以下で、それぞれのプログラミング言語について詳しく見ていきましょう。
1.C++
C++は、競技プログラミングにおいて主流となっている言語です。
実際に、競技プログラミングに参加する人の約半数はC++を使っており、AtCoderの解説もC++となっています。
そのため、これから競技プログラミングを始めようと思っている人はC++を選んでおけば間違いありません。
C++の特徴は以下のようになっています。
- 高速処理が可能
- C言語の上位で拡張性が高い
- OSの開発に向いている
C++の最大の特徴は、実行速度がほかの言語に比べて圧倒的に早いことが挙げられます。
競技プログラミングでは、スピードと正確性が求められるため、実行速度が早いことは最大のメリットなのです。
実際の現場でもOS開発やデータ解析で使う場面がおおいので、競技プログラミングをきっかけにC++を習得するのもよいでしょう。
2.Python
Pythonも競技プログラミングにおいて人気がある言語です。
実行速度はC++劣るものの、コードの記述が少なく、学習しやいすなどのメリットがあるからです。
Pythonの特徴は、以下のようになっています。
- コード記述が少ない
- テータ処理や分析が得意
- AI開発に向いている
ここ数年でデータ分析などでPythonを扱う場面が機増えたため、学習したいという人が多くなったのも要因に挙げられます。
初心者にも取り組みやすい、プログラミング言語かつ、AI関連で需要が大きいことから人気となっているのです。
AtCoderの競技プログラミングで500点くらいの問題であれば、Pythonでも十分対応できます。
Pythonはどんなプログラミング言語?メリットやおすすめの学習サイト5選も紹介3.Java
Javaは、C++についで処理速度が早いため競技プログラミングでよく使われます。
昔から使用されている言語で、さまざまな場面で使うシーンがおおいため根強い人気です。
- 実行速度が早い
- どんな環境でも使える
- オブジェクト指向で作られている
Javaを学ぶことで、オブジェクト指向のプログラミング言語について理解が深まるでしょう。
また複数の処理を同時におこなえるメソッドを利用できるので、コードが読みやすくなったり、変更が簡単にできるなどのメリットもあるのです。
Javaとは?3つの特徴やメリット・デメリットを解説!勉強方法も紹介4.C#
C#を競技プログラミングでわざわざ使う必要はないですが、実際に参加している人は多いです。
その理由は、単純に「C#が好きだから」「得意な言語だから」といった人がいるからです。
C#はMicrosoftが開発した言語で、以下のような特徴があります。
- オブジェクト指向型
- Javaによく似ている
- WEBアプリの開発ができる
- ゲーム開発ができる
C#は、無料で使えるVisual StudioなどMicrosoftが提供しているため、開発するための環境が整っています。
そのため、初心者でも気軽に始めやすいという特徴があります。
5.JavaScript
JavaScriptは、WEB上で動きを表すプログラミン言語としてよく使われていますが、実行速度が遅いという問題があります。
しかし、日々のアップデートで徐々にJavaScriptの実行速度も上がってきており、PythonやRubyよりも早いのです。
- WEBサイトの動きを表現
- 初心者でも学びやすい
- 非同期通信ができる
JavaScriptはこのような特徴があり、WEB開発において欠かせない言語なため、需要がとても多いです。
競技プログラミングをとおして、実力のベースアップにつなげていくのに良いでしょう。
JavaScriptとは?6つのできることや人気が高い3つの理由を解説競技プログラミングに参加できるサイト8選
競技プログラミングはたくさんの種類があります。
有名なものをピックアップしたので、参考にしてみてください。
このように国内や海外にたくさんのサイトがあります。
それではひとつずつ見ていきましょう。
1.TopCoder
TopCoderは、2001年にアメリカ創立された「TopCoder社」による競技プログラミングコンテストで、現在はApplio社によって運営されています。
世界中からトップレベルのプログラマーが参加しており、中でも「レッドコーダー」と呼ばれるレベルになると一目置かれる存在になります。
公式サイト:TopCoder
2.AtCoder
AtCoderは、日本語で参加できる競技プログラミングサイトです。
週末の21時から開催しており、日本の一流企業も参加しているため人気が高いサイトとなっています。
過去問や解説などはすべて日本語なので、気楽に参加できるのが大きなメリットでしょう。
公式サイト:AtCoder
3.パソコン甲子園
パソコン甲子園は、会津大学が主催している高校生向けの競技プログラミングサイトです。
同じ学校の生徒2名でチームを編成し、与えられた問題に対してプログラムを作成し正解数に応じて合計点数を競います。
公式サイト:パソコン甲子園2021
4.ACM-ICPC 国際大学対抗プログラミングコンテスト
ICPC Foudatnionが主催するプログラミングコンテストで、2018年までACM(Association for Computing Machinery)が主催していたため、頭にACMがついています。
ICPCとは、International Collegiate Programming Contestの略で、直訳すると「国際大学対抗プログラミングコンテスト」です。
同じ大学で3人のチーム編成でコンテストにのぞみ、世界大会に向けて各チームが争っています。
公式サイト:ACM-ICPC 国際大学対抗プログラミングコンテスト
5.yukicoder
yukicoderは、競技プログラミングに参加するなら積極的に使用したいサイトです。
競技プログラミングのアルゴリズムを練習するのに適しており、問題を解くことはもちろんですが、自分で出題することでアウトプットにもなります。
解答者と出題者がお互いに指摘し合うことで、スキルの向上ができるサービスを提供しています。
公式サイト:yukicoder
6.HackerRank
HackerRankは、プログラミングの問題を解くだけでなく、求人を目的としたサイトという特徴があります。
海外のサイトで、世界中から参加することができ、クリア難易度によってランク付けがされるのです。
企業が開催したコンテストに参加することで、直接的にアピールが可能なので、優秀な人材はオファー受けることがあります。
公式サイト:HackerRank
7.Google Code Jam
Googleが毎年開催している競技プログラミングです。
5つのラウンドから構成され、最終ラウンドを目指して世界中のプログラマーが挑んでいます。
最終ラウンドに出場し、最低1つ以上問題に正解すれば賞金をもらえるのです。
公式サイト:Google Code Jam 2021
8.Facebook Hacker Cup
Facebook主催の競技プログラミングです。
毎年開催されており、世界中のハイレベルなエンジニアが参加しています。
ファイナリスト25名には賞金が与えられ、1位になると20,000ドルもらえるので腕試しとして参加してみるのも面白いでしょう。
参考リンク:Facebook Hacker Cup
競技プログラミングの実力を上げる4つの行動
せっかく競技プログラミングに参加するなら、少しでも上を目指したいものです。
何の準備もせずにいきなり問題を解こうとしても無理があります。
ここでは効率よく、学習して実力を上げていくためにコツを紹介します。
- 過去に出題された問題をといてパターンをつかむ
- 役立つマクロやアルゴリズムを事前に覚えておく
- 競技プログラマーのTwitterやブログをチェックする
- 参考書を読んだり実際に解いてみて体で覚える
本番に挑むまえに事前の準備をしっかりとおこなっておけば、慌てることなくスムーズに解答していくことができます。
正確さとスピードが重要なので、徹底的にポイントをつかんでおきましょう。
1.過去に出題された問題をといてパターンをつかむ
競技プログラミングでは、過去に出題された問題などが各サイトに掲示されています。
それを上手く使ってどんどんと問題を解いていくことが、実力をアップさせるための最大の秘訣です。
いろんな問題を解くことで、その競技プログラミングコンテストの傾向をつかむことができ効率的に学習できます。
繰り返し何度も問題を解くことで、正確さとスピードアップが見込めます。
2.役立つマクロやアルゴリズムを事前に覚えておく
事前にマクロやアルゴリズムの種類をたくさん覚えておきましょう。
競技プログラミングの難易度があがってくると、問題を見てもどのように解くのかわからない場合があります。
たいていは知識不足が原因で、アルゴリズムを知っておくと解ける問題が多いのです。
よく使われる代表的なアルゴリズムなどを絞り重点的に覚えて、自分で使えるようにしておくことが重要です。
3.競技プログラマーのTwitterやブログをチェックする
競技プログラミングに参加しているプログラマーは、Twitterやブログを公開しているケースが多いです。
「どのように問題に取り組んだのか?」「実際にどう解決したのか?」など貴重な情報を発信しているため、とても参考になります。
身近にプログラミングについて相談できる人がいない場合は、必ずチェックしておきましょう。
SNSなどを上手く活用すれば、プログラミングのレベルアップに繋がります。
4.参考書を読んだり実際に解いてみて体で覚える
実際に自分自身で参考書を読んだりしながら試行錯誤するのが、実力アップに直結します。
競技プログラミングに関する参考書は数多く販売されているので、自分にあったレベルのものを参考にするとよいでしょう。
競技プログラミングのコンテストに限らず、実際の現場でも自分で調べて問題に対処することが多くなります。
「自分で調べる」→「実装する」→「エラーに対処する」この工程を繰り返すことで自分の技術として確立されていくのです。
まとめ:スキルを積んで競技プログラミングに参加してみよう
プログラミングを学ぶのにはさまざまな方法がありますが、競技プログラミングに参加するとゲーム感覚で楽しく学べます。
競技プログラミングに参加すると結果が点数化されて、客観的に自分の実力がわかるメリットがあるのです。
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
- 競技プログラミングはスキルアップに最適
- 参加することで企業に認めてもらえる場合もある
- プログラミングは日々の積み上げが大切
行き詰まったらすぐに自分で調べる、プログラミングに詳しい先輩やスクールの講師に聞くなど積極的に取り組んでいきましょう。
プログラミングのスキルを向上させるためには、常に学習できる環境にいることが大切です。