【最新版】衰退産業と呼ばれる業界7選を解説!これから伸びる業界も紹介

公開日: 2022.01.23
更新日: 2024.08.26
衰退産業

「衰退産業ってどの業界のこと?」
「衰退産業が生き残る方法は?」
「どんな業界が今後は伸びるの?」

そんな疑問を抱えていませんか。

近年は技術の進歩のスピードが速く、あらゆる産業の衰退が予測されています。

自分が働いている会社の産業が衰退する未来にあるとしたら不安ですよね。

今回は、

  • 衰退産業と呼ばれる業界
  • 衰退産業が生き残るために必要な対策
  • これから伸びると予想される業界

などについてご紹介します。

この記事を読めば、衰退産業の業界について把握でき、今後どう行動すべきかがわかるはずです。

「衰退産業とこれから伸びる業界を知ってこれからキャリアを考えたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてください。

衰退産業と呼ばれる業界7選

状況が落ち込むイメージ

まずは、衰退産業にどんな業界が当てはまるのかを見ていきましょう。

ここでは、衰退産業と呼ばれる業界7選をご紹介します。

  1. 出版業界
  2. 製造業界
  3. アパレル業界
  4. ブライダル業界
  5. テレビ業界
  6. 旅行業界
  7. 士業

順番にご説明します。

1.出版業界

出版業界は、書籍や雑誌の企画から編集発行までをおこない、全国の書店などから消費者に販売する産業です。

しかし、近年は電子書籍が普及しており、スマホや電子書籍リーダーで本を読む人が増えてきました。

紙の本の需要が低下しており衰退傾向にあります。

全国出版協会・出版化学研究所が公表している出版市場規模によると、2014年から2020年までで紙の出版物の市場規模が縮小していました。

出版業界の市場規模の推移

(参考:全国出版協会・出版科学研究所

紙の出版物は2005年から16年間連続で低下しています。

ただし、電子出版物の市場規模は増加しており、両方を合わせた全体として市場規模は回復傾向です。

出版業界の衰退は電子書籍をいかに取り入れ、共存していくかが鍵となっています。

紙媒体がまったくなくなることは考えにくく、いずれ紙の出版物の市場規模縮小も止まるはずです。
しかし、衰退産業のひとつである事実は変わりません。

2.製造業界

製造業界は、原材料などを加工して製品を生産・提供する産業です。
食品製造や機械製造、金属加工など幅広い分野があります。

近年はあらゆる分野で、ロボットやAIを取り入れた自動化が進み、人員が削減される見込みです。

なお、日本の製造業界は海外と比較してIT活用がまだ未発達な状況にあります。
IoTやAIの導入が大きな課題です。

世界的に見ても、日本の製造業界の競争力は高くなく、厳しい状況にあります。

3.アパレル業界

アパレル業界は、衣料品のデザインや製造、販売などをおこなう産業です。

インターネット販売が普及し、衣料品を安く入手しやすくなったことから衰退傾向にあります。

低価格を売りにするファストファッションを選ぶ人が増えており、業界全体として売り上げが縮小傾向です。

さらに、最近ではフリマアプリを利用してリユース品を販売することも増えています。

アパレル業界全体としては、特に百貨店などに出店しているアパレル系企業の売り上げが減少している状態です。

4.ブライダル業界

ブライダル業界は、結婚式や披露宴、結婚情報サービス、ジュエリーなど婚礼や結婚に関するさまざまなサービスを提供する産業です。

日本の少子化により人口が減少したことから、結婚式の数が減っていることが産業衰退の理由となっています。

最近ではあらゆる性のかたちやパートナーとのあり方などが広がっていることや、金銭的な理由から、結婚式を挙げないケースも増加してきました。

さらに、2020年は新型コロナウイルスの影響により、結婚式の中止あるいは延期が相次ぎ、市場規模が大幅に縮小する見込みです。

ブライダル関連市場規模推移

(参考:矢野経済研究所

2021年以降も大きく回復する予想ではなく、長期的な傾向として縮小していくでしょう。

5.テレビ業界

テレビ業界は、テレビ放送に携わる産業です。

2013年から2018年まではゆるやかな上昇傾向にあったものの、2018年から2020年にかけては減少傾向に転じています。

テレビはかつて主要な娯楽でしたが、最近はテレビ離れが加速している状況です。
「テレビを持っていない」という若者も増えています。

テレビ離れの背景として、インターネットにより「YouTube」や「Netflix」などの動画配信サービスが普及したことが挙げられるでしょう。

スマートフォンでいつでもどこでも気軽に動画を楽しめるようになったことで、テレビを利用する機会が減少しています。

6.旅行業界

旅行業界は、旅行者のための移動手段や宿泊施設手配、パッケージ旅行のプラン作成や販売などをおこなう産業です。

近年、人口減少にともない、国内旅行人数は減少傾向にあります。

さらに2020年には新型コロナウイルスの影響で、旅行業界に大きなダメージを与えました。

観光庁によると、2020年の旅行取扱状況は前年比が78%を超えるマイナス幅となっています。
観光庁『令和2年度主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計』

今後の回復の見通しは立っておらず、厳しい状況が続く見込みです。

7.士業

士業は、高度な専門性を持つ資格職業の俗称です。
「◯◯士」のような名称が多いことから士業と呼ばれます。

税理士や司法書士などに代表される士業業界は、定型的で事務的な業務が多いことが特徴的です。

AIに置き換え可能であることから、業界の衰退が予測されています。

士業で生き残るためには、AIに置き換えられない創造性や人間性を活かした価値を生むことが求められます。

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産業が衰退していく3つの理由

考える人

衰退産業と呼ばれる業界についてお伝えしました。
あらゆる業界が衰退傾向にあることがわかりますね。

なぜ産業が衰退していくのか、理由について見ていきましょう。

産業衰退の理由を知ることで、今回ご紹介した業界以外にも衰退の可能性のある業界を自分で予測できるようになるはずです。

ここでは、産業が衰退していく3つの理由をご紹介します。

  1. ニーズや生活様式の変化
  2. 人口の減少
  3. AIなどの技術革新

それでは見ていきましょう。

1.ニーズや生活様式の変化

産業が衰退する理由として、ニーズや生活様式の変化が挙げられます。

ニーズ、つまり消費者が求めていることが変化することで、これまで好調だった産業が衰退するのです。
アパレル業界でファストファッションや古着の需要が増えていることがいい例でしょう。

さらに2020年には新型コロナウイルスの影響により、生活様式が大きく変化しました。
外出や人と会うことを控えるようになり、自宅で過ごす時間が増えたことを実感する方は多いのではないでしょうか。

生活様式の変化は必然的に利用するサービスやものの変化にもつながります。
人と会わずに自宅で利用できるインターネットを利用したサービスの需要が高まりました。

2.人口の減少

産業衰退には、日本の人口減少も大きく影響しています。

特に人に対してサービスを提供する業界では、人口減少による影響を強く受けています

ブライダル業界は人口減少により市場規模が縮小している業界として代表的です。
また、少子化の影響を受けやすい教育業界なども厳しい状況にあります。

人口の減少は、将来的にはあらゆる業界の衰退につながりかねません

現状は人に対するサービス業界への影響が顕在化してきていますが、今後はさまざまな業界で課題になるでしょう。

3.AIなどの技術革新

産業が衰退する理由にAIなどの技術革新があります。

AIをはじめとする新しい技術革新は、新たな産業を前へ進める一方で、既存の産業を大きく衰退させる要因となります。

これまで人がおこなってきたことをAIに代替させることで、生産性を大幅に高め、新しい可能性に注力することが可能です。

たとえば、製造業界なら正確性が求められる業務をAIやロボットに任せれば、ミスの発生率を最小限に抑えられるでしょう。

しかし、既存の製造方法が衰退する原因になります。

衰退産業が生き残るために必要な5つの対策

軽やかに進むイメージ

産業が衰退する理由についてお伝えしました。
あらゆる世の中の変化によって産業の衰退は起きるものです。

では、衰退産業が生き残るにはどうすればいいのでしょうか。

ここでは、衰退産業が生き残るために必要な5つの対策をご紹介します。

  1. ブランディングによる差別化
  2. 品質・性能による差別化
  3. オンラインビジネスへの注力
  4. 他業種との掛け合わせ
  5. 海外への進出

詳しく見ていきましょう。

1.ブランディングによる差別化

衰退産業が生き残るための方法として、ブランディングによる差別化を図ることが挙げられます。

衰退産業であってもブランディングにより自社だからこその価値を提供することで、ファンを増やして生き残る糸口になるはずです。

どのようなブランディングが適しているかは企業によります。
たとえば、立地や企業の歴史でブランディングできる場合もあるでしょう。

同業他社との差別化を図れば、衰退の波にのまれずに生き残れる可能性が高まります。

2.品質・性能による差別化

品質・性能による差別化をすることも衰退産業が生き残る方法として効果的です。

同業他社と比較して高い品質や性能を持つ商品やサービスを開発すれば、消費者により選ばれやすくなります。

衰退産業のなかでもトップクラスの企業となれば、縮小はしても生き抜くことは可能でしょう。

さまざまな企業が品質や性能を高めようと取り組んでいるなか、いかに差別化できるかがポイントです。

3.オンラインビジネスへの注力

衰退産業が生き残るには、オンラインビジネスへ注力する方法があります。

たとえば、アパレル業界なら店舗販売だけでなくオンライン販売も開始するなど、ユーザーのニーズに寄り添った取り組みが衰退業界の未来を救うこととなるでしょう。

近年はユーザーニーズにともない、オンライン事業を開始する企業が増加しています。

オンラインビジネスへ積極的に注力することで、衰退産業でも生き残る道を見出せるはずです。

4.他業種との掛け合わせ

衰退産業が生き残る方法として、他業種との掛け合わせも視野に入れるべきでしょう。

現在展開している業種とまったく異なる業種を掛け合わせることで、新しい価値を創造して業績を伸ばす企業は増えています。

たとえば、「書店×カフェ」「銭湯×コワーキングスペース」などです。

他業種と組み合わせることで、新たな顧客を増やすことにもつながります。

衰退産業でも掛け合わせによっては、事業の大きな発展を掴むチャンスになるでしょう。

5.海外への進出

衰退産業が生き残る方法に、海外への進出があります。

日本国内では衰退していても、海外に視野を広げればまだチャンスがあるかもしれません。

代表的なものとして、錦鯉の養殖や販売があります。

日本では錦鯉の販売数が減少し、衰退産業とされていました。
しかし、海外で錦鯉の美しさが紹介されて人気が急上昇し、現在では成長産業にまで発展したのです。

このように、日本国内のものが海外で再評価されて業界が成長することもあります。

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これから伸びると予想される業界10選

上がるイメージ

衰退業界が生き残る方法についてお伝えしました。
業界全体として衰退傾向にあるとしても、取り組み次第では生き残ることが可能です。

衰退産業がある一方で、今後伸びていく産業もあります。

将来性の高い業界を知り、キャリアを考える参考にしてみてください。

ここでは、これから伸びると予想される業界10選をご紹介します。

  1. IT業界
  2. インターネット広告業界
  3. エンタメ業界
  4. 建設業界
  5. 化学業界
  6. 医療業界
  7. 介護福祉業界
  8. 人材派遣業界
  9. 飲食業界
  10. 農業

順番に見ていきましょう。

1.IT業界

IT業界は常に成長を続けており、今後も長期的に伸びる見込みです。
最も将来性が高い業界といっても過言ではないでしょう。

近年は次のような技術が注目を集め、日々発展を遂げています。

  • AI(人工知能)
  • ビッグデータ
  • IoT
  • 自動運転技術
  • AR/VR(拡張現実・仮想現実)
  • 5G

金融、農業、広告、教育、医療など、あらゆる業界がIT技術を取り入れた事業展開を進めている状況です。

なかでも、AI技術やビッグデータの活用はビジネスの効率や精度を高めるものとして期待が集まっています。

また、「アレクサ」などに代表されるIoTや2020年から提供が開始された5Gなどは、人々の生活にも広く取り入れられ始めました。

本格的に普及すれば、生活に欠かせないものとして大きな役割を果たすでしょう。

2.インターネット広告業界

インターネット広告業界は、2009年から右肩上がりで急速に成長している産業です。

特にYouTube広告は大きな効果を上げており、ここ数年でYouTuberとして活躍する人が一気に増えました。

また、最近ではスマートフォンで情報収集をすることが一般的です。
新聞やテレビの伸び率が低迷する一方で、インターネット広告の伸びが高まっています

インターネット広告には次のような手法があり、今後もさらに可能性が広がる見込みです。

  • 検索連動型広告
  • 成果報酬型広告
  • ディスプレイ広告
  • ビデオ広告

2020年の新型コロナウイルスの影響を受けても、インターネット広告業界は前年に引き続き成長傾向となりました。

生活様式の変化にもマッチし、今後の伸びが期待されています。

3.エンタメ業界

エンタメ業界は、映画やアニメ、音楽、ゲームなどのエンターテインメントを扱う産業です。

IT技術との掛け合わせにより、今後の伸びが予想されています。

映画やアニメなどの動画配信コンテンツ、音楽サービス、モバイルゲームなど、スマートフォンで楽しめるコンテンツが増えることで市場が拡大するでしょう。

今後は5Gが普及すればより高画質かつ高速で動画を観られるようになります。
また、ARやVRゲームで新しい可能性を感じられる体験ができる時代もすぐそこです。

エンタメ業界の発展はIT技術の発展とともにあるといっても過言ではありません。

4.建設業界

建設業界もIT技術の導入により今後大きく成長する見込みです。

日本の建設業界では、IoTによる作業の効率化が進んでいます。

たとえば、高所での危険をともなう作業でドローンやロボットを導入することで、正確かつ安全に作業を進められるようになりました。

人材の高齢化や不足が進む建設業界ですが、IT技術を取り入れることで少ない人員でも効率よく業務を進められるのです。

今後は、AR/VRによる設計や工事も検討されています。

5.化学業界

化学業界は、主に石油を原材料として樹脂やゴム、合成繊維、プラスチックなどをつくる産業です。

日本の化学業界は技術力が高くて伸び率が安定しており、全体的に労働環境がよいという特徴があります。

また、国内の化学業界の企業は環境問題への意識が高いことから、サスティナブルな動きも活発です。

現状の市場規模は約30兆円と大きく、数多くの業界のなかでも上位にランクインしています。
全体としてはゆるやかに成長している傾向です。

海外市場への進出やM&Aにより収益性を伸ばす動きが見られ、伸びしろがある業界といえます。

6.医療業界

医療業界は、研究や技術開発が進み、成長している業界のひとつです。

今後はIT技術を導入することで、より精度の高い診断や治療が可能になると見込まれています。

AIによるオンライン診療や画像診断ができれば、病気の早期発見にもつながるでしょう。
また、新薬開発にもAIを活用することで、費用や期間を最小限に抑えられます。

ヘルスケア分野は日本はもちろん、世界的にも人々の関心の高い分野です。
今後もさらに伸びることが予想できるでしょう。

7.介護福祉業界

介護福祉業界は、超高齢化社会の日本において需要の高い産業です。
今後も長期的に介護福祉業界の伸びは続くでしょう。

厚生労働省によると、要介護・要支援認定者数は2021年2月末時点で666万人に達しています。
2000年には218万人だったので、21年でおよそ3倍に増えている状況です。

(参考:厚生労働省「介護保険事業状況報告月報(暫定版)」

今後も要介護・要支援認定者数は増加する見込みで、介護福祉業界の市場規模も伸びます。

しかし、要介護者が増えるのに対して介護や福祉の担い手が少なく、人材不足の状況にあることも事実です。

今後は見守り支援のロボットの導入や、スマートスピーカーでの会話による家族の支援などを取り入れる動きもあります。

8.人材派遣業界

人材派遣業界は、働き方改革の取り組みやHRテックにより今後の伸びが予想されています。

国が主体として取り組む働き方改革により、あらゆる働き方の幅が広がりました。
年功序列や終身雇用を前提とした働き方ではなくなってきています。

より能力や実績を重視する傾向が強くなり、転職市場が活発です。

今後もあらゆるニーズを持った企業と労働者をつなぐ役割を果たすことから、人材派遣業界の成長が期待できるでしょう。

9.飲食業界

飲食業界は、共働き世帯が増加したことに加えて、消費税増税により成長が見込まれています。

もともと、共働き世帯の増加により冷凍食品や時短食品などの需要が高く、市場としてもゆるやかに拡大していました。

さらに、消費税増税のなかで次のような飲食サービスが8%に据え置かれたことで大きく成長

  • テイクアウト:コンビニ・スーパー・デパ地下・持ち帰り弁当サービス
  • デリバリー:ピザ・寿司・蕎麦などの宅配、Uber Eatsをはじめとする宅配サービス
  • ケータリング:自宅などで調理してもらえるサービス

今後はテイクアウトサービスの多様化やデリバリーサービスの普及によってさらに伸びるでしょう。

10.農業

農業は、ITとの組み合わせによって今後の伸びしろが期待できる業界です。

日本は食料自給率が低いことが課題ですが、農業とITを組み合わせるアグリテックにより、生産性を高める取り組みがおこなわれています。

農業はITを導入しにくいイメージがあるかもしれませんが、実際には大きなポテンシャルを秘めた分野といえるでしょう。

農業では人材不足や高齢化が問題となっていますが、IT技術をうまく取り入れられれば少ない労力で効果的に農産物の生産管理が可能です。

まとめ:仕事を失わないためにはスキルアップが不可欠

今回は、衰退産業についてお伝えしました。

産業が衰退する理由には、ニーズの変化や人口減少、技術革新など世の中のあらゆる変化があります。

変化する状況のなかでも業界を成長させるには、他社との差別化やニーズにあった事業展開が欠かせません。

自社の価値を差別化し、ユーザーのニーズをつかめる人材はどんな産業においても重宝されます。
あらゆる産業において、個人が仕事を失わないためにはスキルアップが必須です。

衰退産業で生き残るためにも、伸びる業界へ転職するためにも、ぜひスキルを身につけてください。

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