非言語で伝えるノンバーバルコミュニケーションとは?具体例と使い方を解説

公開日: 2020.06.12
更新日: 2024.01.03
非言語で伝えるノンバーバルコミュニケーション

「ノンバーバルコミュニケーションってどいういう意味?」
「聞いたことがあるけど、イマイチ使い方がわからない……」

と思っていませんか?

実は、言語以外のコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション」と呼ぶのです。

言語以外を使った表現は、コミュニケーションの場において非常に大切であると知られています。

そこでこの記事では、ノンバーバルコミュニケーションについて、以下の内容をご紹介します。

  • ノンバーバルコミュニケーションとバーバルコミニケーションの違い
  • ノンバーバルコミニケーションの基本!メラビアンの法則とは?
  • ノンバーバルコミュニケーションの3つの役割
  • ノンバーバルコミニケーション10個の具体例

ノンバーバルコミュニケーションを意識して活用すれば、より豊かなコミュニケーションをとれるようになりますよ

「コミュニケーション能力を高めたい」と感じている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ノンバーバルコミュニケーションとバーバルコミュニケーションの違い

コミュニケーションしている人のイメージ

ノンバーバルコミュニケーションは「バーバルコミュニケーション」という言葉に、否定形の「ノン」が付けられた言葉です。

つまり、コミュニケーションには「バーバル」と「ノンバーバル」の2種類があるといえます。

それぞれの違いは、次のとおりです。

  • ノンバーバルコミュニケーション:言語を使わない非言語コミュニケーション
  • バーバルコミュニケーション:言語を使う言語的コミュニケーション

この2つについて詳しく見ていきましょう。

言語を使わない「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」

「ノンバーバルコミュニケーション」とは、言語を使わない「非言語コミュニケーション」のことです。

「バーバル(英:Verbal)」は「言語」という意味で、「ノンバーバル」は「非言語」を意味します。

「言語」以外に、表情や声のトーン、身振り手振りなどのジェスチャーによってコミュニケーションを図る方法です。

ノンバーバルコミュニケーションには、主に下記があります。

  • 表情
  • 髪型
  • 服装
  • 仕草
  • 態度
  • 口調
  • 話し方
  • 声のトーン

など、相手に与える印象はさまざまです。

ノンバーバルは、人間の五感で「感じる」コミュニケーション方法で、第一印象に大きく影響を与えます。

言語を使う「バーバルコミニケーション(言語的コミュニケーション)」

「バーバルコミュニケーション」は、言語を使う「言語的コミュニケーション」のことです。

対面で話すことだけではなく、筆談、手紙やメールなど「言語」を用いるものはすべてバーバルコミュニケーションだといえます。

言葉で表現される内容によってコミュニケーションをとる方法です。


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ノンバーバルコミニケーションの基本!メラビアンの法則とは?

3Vの法則(7-38-55のルール)

こちらではコミュニケーションの基本となる『メラビアンの法則』について紹介します。

これは、アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンが1970年代に行った実験によって判明した法則です。

実は「話し手」が「聞き手」に与える印象のうち、話す内容による影響は全体のたった7%で、残りの93%はノンバーバルな要素であることがわかったのです。

なかでも「3Vの法則(7-38-55のルール)」では、コミュニケーションのうち聴覚・視覚・言語が与える影響の割合を次のように明らかにしました。

  • 言語情報:話す内容、言葉の意味…7%
  • 聴覚情報:声のトーン、声質、大きさ、速さなど…38%
  • 視覚情報:表情、服装、髪型など…55%

それぞれについて詳しく見てみましょう。

1.言語情報

言語情報は、その名のとおり「言葉による情報」を指します。

日常的に言語を使って会話している人間からすると重要に感じますが、実は言語情報が「聞き手」に与える印象への影響は、全体のわずか7%しかありません

人は、言葉以外の要素から多くのことを読み取っています

『人は見た目が9割』という言葉もあるほど、言葉以外の情報が重要視されています。

メラビアンの法則では、非言語(ノンバーバル)の要素がコミュニケーションに大きく影響するとされているのです。

2.聴覚情報

聴覚情報は「耳で聞いた情報」という意味です。

聴覚情報が「聞き手」に与える印象への影響は、全体の38%とされています

聴覚情報は、声のトーンや声質、大きさ、速さ、そのほかの音による情報です。

つまり、相手と面と向かって話す場合、相手に与える印象への影響が大きいのは「話す内容」よりも「話し方」なのです。

たとえば「どうしてそんなことをしたの?」という言葉から受ける印象は、相手の言い方によって変わるのではないでしょうか。
優しく言っていることもあれば、叱りつけている状況もありますよね。

このように、相手がどう思っているかを掴むためには、言語情報よりも聴覚情報のほうが重要視されていることがわかります。

3.視覚情報

聴覚情報よりもさらに大きく影響するのが、視覚情報です。
視覚情報が「聞き手」に与える印象への影響は、なんと全体の55%を占めています。

視覚情報とは、表情や服装、髪型、視線、振る舞いなど目に見える情報のことです。

「ごめんなさい」と言葉では言っていても、相手の表情や振る舞いなどから申し訳ない気持ちが伝わってこない、という経験がある人は多いでしょう。

目で見える情報はとても影響が大きく、コミュニケーションにおいて非常に重要な要素です。

ノンバーバルコミニケーションの3つの役割

ノンバーバルコミュニケーションの3つの役割

こちらでは、ノンバーバルコミュニケーションの3つの役割をご紹介します。

  1. 相手との信頼関係を向上させる役割
  2. 言語で伝えきれない気持ちなどを補完する役割
  3. 相手の本当の気持ちを読み取る役割

それでは、見ていきましょう。

1.相手との信頼関係を向上させる役割

ノンバーバルコミュニケーションには、言葉に説得力をもたせ、相手との信頼関係を向上させる役割があります

ただ言葉をいうよりも、表情や身振りがあったほうが、想いはしっかりと伝わるでしょう。

たとえば上司から「よろしく頼むぞ」と声をかけられたときに、視線を合わせて力強い声で言われると、自分は信頼されていると感じますよね。
目も合わさず、そっぽを向いて小声で言われていたら、信頼されているとは感じられないでしょう。

このように、ノンバーバルコミュニケーションは、相手との信頼関係構築に役立ちます。

2.言語で伝えきれない気持ちなどを補完する役割

ノンバーバルコミュニケーションには、言葉では伝えきれない気持ちや感覚などを補完する役割もあります。

表情や振る舞いによって感情を表すことも、そのひとつです。

新しいプロジェクトの担当者として名前が上がったときに「やります」という言葉だけではなく、力強い話し方をすれば、より熱量を伝えられます。

言葉だけでは伝えきれないものも、ノンバーバルコミュニケーションによってより豊かに表せるようになるのです。

3.相手の本当の気持ちを読み取る役割

相手の本当の気持ちを読み取るのも、ノンバーバルコミュニケーションの役割です。

本音と建前という言葉があるように、口でいうことと心のなかで思っていることは違う可能性があります。

たとえば仕事でミスがあったときに、言葉では「大丈夫です」といっていても、肩を落としてうつむきがちな様子から落ち込んでいることが伝わることもあるでしょう。

このように、ノンバーバルコミュニケーションによって本当の気持ちを読み取れる役割もあります。

言葉の表面だけではなく、相手の本音を読み取ることができれば、うまくフォローすることもできますね。


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ノンバーバルコミニケーション10個の具体例

パズルを組み立てている人々のイメージ

ここからは、ノンバーバルコミュニケーションの10個の具体例をご紹介します。

  1. 言葉以上の意味を持つ「声」
  2. 話すスピードや言い方「パラ言語(聴覚)」
  3. ジェスチャーなどの「動作」
  4. 感情が読み取れる「顔の表情」
  5. 親密さが図れる「視線」
  6. 人との距離感「パーソナルスペース」
  7. 心の距離を測る「ボディータッチ」
  8. 印象づくりに重要な「服装」
  9. 興味や退屈を読み取れる「姿勢」
  10. 男性への印象に影響しやすい「身長」

普段のコミュニケーションをより円滑にするためにも、ぜひチェックしてみてください。

1.言葉以上の意味を持つ「声」

相手の「声」を聞くだけで、喜んでいるのか怒っているのかを感じ取れますよね。
「声」はときに言葉以上に意味を持ち、感情や思いを豊かに表現します。

「声色」という言葉があるように、声にはあらゆる音色(トーン)があり、感情によって変わるのです。

声を読み取ることで、相手の様子を感じ取れます。

2.話すスピードや言い方「パラ言語(聴覚)」

言葉を話すときには「パラ言語」も感情の伝達に影響します。

「パラ言語」とは、話すスピードやリズム、イントネーションなどの言い方のことです。

同じ言葉でも、言い方によって伝わる意味や感情は変わります

たとえば「ありがとう」も、笑ってさらりと伝える言い方と、ゆっくりと丁寧な声で伝える言い方では、印象は違いますね。

3.ジェスチャーなどの「動作」

海外など言葉の通じない場所で、身振り手振りを使ってコミュニケーションをとった経験がないでしょうか。

身振り手振りといったジェスチャーなどの「動作」も、ノンバーバルコミュニケーションのひとつ。

言葉が通じない相手に限らず、コミュニケーションでは「言葉」と「動作」をあわせて使うことで、より詳細な情報や印象を伝えられるのです。

4.感情が読み取れる「顔の表情」

「顔の表情」は感情が読み取りやすいノンバーバルな要素です。

「笑う」「しかめっ面をする」「泣き顔になる」など、表情と感情は深く関連しあっています。

実は、人の顔には20種類以上の表情筋が存在し、それらによって60種類以上もの表情をつくれるのです。

微妙な感情を言葉だけで使い分けることは難しいですが、表情ならあらゆる感情を表現できます。

5.親密さが図れる「視線」

人の顔の中でも目は特に重要な役割を持っています。

「視線」でコミュニケーションをとれる相手とは、とても親密な関係と言えるでしょう。

「アイコンタクト」や「目は口ほどに物を言う」という言葉がありように、目やその視線は感情や意思がとてもよく表れるのです。

6.人との距離感「パーソナルスペース」

パーソナルスペースのイメージ

相手との距離が近すぎると、居心地が悪く感じられることがあるでしょう。
人には、他人との快適な距離感を意味する「パーソナルスペース」があります。

「パーソナルスペース」を超えて接してくる相手にはあまりいい印象を持てないこともあり、コミュニケーションにおいては注意が必要です。

親密度によって相手に対するパーソナルスペースは変化します。
特に、まだ関係性が親密ではない相手に対しては、踏み込みすぎないようにしましょう。

7.心の距離を測る「ボディータッチ」

「あなたには期待しているよ」と肩を叩かれることってありますよね。
このように、身体に触れるコミュニケーションを「ボディータッチ」といいます。

直接的に相手に触れるコミュニケーション方法なので、心の距離が親しい相手でなければ触られることを不快に感じる場合もあり、注意が必要です。

しかし、信頼している相手なら効果的なノンバーバルコミュニケーションと言えます。

8.印象づくりに重要な「服装」

就職や転職活動でも「服装」は気にしますよね。
「服装」は印象づくりに最適です。

「自分は真面目で細かいこともよく気づく性格です」と言葉でいっていても、服装がだらしなかったりシワがあったりしては、信用できないでしょう。

服装は全身のなかでも大きな範囲を占め、本人の雰囲気にも影響します。

相手に与えたい印象に合わせて、うまく活用したいノンバーバルコミュニケーションのひとつです。

9.興味や退屈を読み取れる「姿勢」

普段はあまり気にされませんが、実は重要な要素に「姿勢」があります。

やる気に満ちあふれているときは背筋が伸びていたり、前のめりになったりしますよね。

反対に、机に肘をついていたり、椅子にのけぞるように座っていたりすると、不真面目でだらしない印象になるでしょう。

相手が興味を持っているのか、退屈に感じているのかも「姿勢」から読み取れるので、意識したいポイントです。

10.男性への印象に影響しやすい「身長」

身長の高い男性を魅力的に感じることはないでしょうか。
実は、「身長」は男性の印象に影響しやすいノンバーバルな要素です。

1995年の調査では、身長の高い男性について、次のようなポジティブな印象を持つとわかりました。

  • 大人っぽい
  • 落ち着いている
  • 責任感がある
  • 努力家である

一方で、身長の低い男性については、次のようなネガティブな印象を持つ傾向がありました。

  • 感情的である
  • 傲慢である
  • 怒りっぽい

身長による印象への影響は、女性には見られない男性特有のものであるとされています。

とはいえ身長は自分では変えられないので「自分がどのような印象を持たれやすいか」を知っておくことが大切です。

自分が身長によって与えている印象をうまく使って、ノンバーバルコミュニケーション能力を高めてみましょう。

ノンバーバルコミュニケーションを取り入れる5つの方法

ノンバーバルコミュニケーションを取り入れる5つの方法

ノンバーバルコミュニケーションは効果が高いので、普段の生活に効果的に取り入れて、関わる人と良好なコミュニケーションを築きたいものです。

そこでこちらでは、ノンバーバルコミュニケーションを取り入れる5つの方法をお伝えします。

  1. 相手の動きを真似る「ミラーリング」を活用
  2. 相手のペースに合わせた話し方を心がける
  3. 相手の目を見て話すように心がける
  4. 感情を表情や仕草で表す
  5. 相手の話をうなずきながら聞く

さっそく確認していきましょう。

1.相手の動きを真似る「ミラーリング」を活用

「ミラーリング」とは、相手の動きを鏡のように真似ることです。

人は、無意識のうちに好意を抱いている相手と同じ動作をしてしまうことがあります。

たとえば、親しい友達や恋人のあくびがうつったり、もらい泣きをしてしまったりという経験はないでしょうか?

ミラーリングでは、真似される側も相手に対して無意識に好意を持つようになるのです。

うまく使えば、相手との心の距離をグッと縮めることができるでしょう。

2.相手のペースに合わせた話し方を心がける

相手との会話で、自分ばかりが話していることはありませんか。
話し方やペースを相手に合わせることも、ノンバーバルコミュニケーションのひとつです。

相手がゆったりした話し方ならゆったりと、楽しくて前のめりな話し方なら自分も楽しげにするなど、合わせてみましょう。

話し方やペースが合っていると、相手は話をよく聞いてもらえていると感じるので、話しやすくなります。

話が弾むので、より親交を深められるようになりますよ。

3.相手の目を見て話すように心がける

あなたは人と話をするときに、どこを見ているか意識していますか?
相手と信頼関係を築きたいと思うなら、相手の目を見て話すことを心がけましょう。

目線は、相手に与える印象に大きく影響します。

たとえば話しているときに「目が泳いでいる」「目を合わせない」などの仕草をとると、話を聞いていないとか、隠し事があるのではないかと思われてしまいます。

相手の話を誠実に聞く姿勢を示すなら、目を見て話を聞くことが効果的です。

4.感情を表情や仕草で表す

嬉しいときには笑顔を見せ、興味のある話には身を乗り出して聞くような人は素直だなと感じますよね。

感情を表情や仕草で表すことも、立派なノンバーバルコミュニケーションです。

言葉にできない気持ちを表情で表したり、ボディータッチなどの仕草も取り入れてみましょう。

ときには、言葉にするよりも伝わることがあります。

5.相手の話をうなずきながら聞く

相手が自分の話をどのような姿勢で聞いているかは気になりますよね。

ただじっと聞いているより、うなずきながら聞いているほうが「しっかり聞いてくれている」と感じられます。

「うなずく」という仕草は、「あなたの話を聞いているよ」というノンバーバルな表現です。

相手の話をうなずきながら聞くことで、相手は安心して話せます。

まとめ:言葉だけに頼らずノンバーバル(非言語)コミュニケーションを活用することで人間関係が良好になる

コミュニケーションにおいては、言葉以外のノンバーバルコミュニケーションが大きな影響を与えています。

日常のコミュニケーションでもノンバーバルな要素を意識し、良好な人間関係に生かしましょう。

仕事やプライベートでのコミュニケーションに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてくださいね。

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