プログラミングの「クラス」とは?使う4つのメリットや参考書5選も紹介
プログラミングを学習していると、知らない専門用語が出てくることがあります。
「クラス」もそのうちの1つです。
「プログラミングのクラスってなに?」
「クラスを使うメリットは?」
そんな疑問を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、
- クラスの理解に必要な用語
- クラスの使い方
- クラスを使うメリット
- クラスを学ぶのにおすすめの参考書
などについてご紹介します。
「クラスについてしっかり理解したい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
プログラミングの「クラス」とは設計図のこと
プログラミングの「クラス」とは、簡単に説明すると「オブジェクトの設計図」のことです。
クラスにはデータとメソッドがまとめられており、実体としてのオブジェクト(インスタンス)をつくれます
プログラミングの手法の1つであるオブジェクト指向においては、このクラスという設計図の理解が必要です。
クラスについて理解するには、いくつかの用語を知る必要があります。
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クラスの理解に必要な4つの用語
プロラミングの「クラス」とは、設計図であるとお伝えしました。
さらに詳しく理解するには、これからご紹介する用語について見ていきましょう。
クラスの理解に必要な用語は、次の4つです。
- インスタンス
- メソッド
- プロパティ
- オブジェクト
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.インスタンス
インスタンスとは、「実体」という意味で、クラスをもとに作られたモノのことです。
クラスが設計図であるなら、インスタンスは設計図によって作ったロボットになります。
クラスは単なる設計図なので、単体では動作しません。
実際に動作させるには、クラスをもとに実体化させたインスタンスを作る必要があります。
2.メソッド
メソッドとは、インスタンスが持つ処理のまとまりのようなものです。
ロボットで例えるなら、設計書に書かれた「歩く」「走る」「止まる」などの動きのイメージになります。
動作に名前をつけて、あとからその動作を簡単に実行できるようにするのです。
クラスでどんなメソッドを指定しているかによって、できる処理が変化します。
プログラミング言語によっては、メソッドを「関数」と呼ぶこともありますよ。
3.プロパティ
プロパティとは、インスタンスについての情報のことです。
ロボットの例えでは、設計書に書かれた「ロボットの名前」「種類」「色」など属性のイメージになります。
属性にはさまざまな種類がありますよ。
4.オブジェクト
オブジェクトとは、「対象」「モノ」という意味で、データ(プロパティ)とメソッド(クラスに定義された処理)の集まりのことです。
クラスによってデータとメソッドを指定し、それをもとに作ったものがオブジェクトとなります。
オブジェクトはインスタンスとほとんど同じ意味で、同義と考えて問題ありません。
クラスをオブジェクトにすることを「インスタンス化」とも言いますよ。
クラスの使い方
クラスとその理解のために必要な用語について、ご紹介しました。
それぞれの意味とクラスの仕組みがわかれば、使えるようになりますよ。
ここからは、クラスの使い方についてご説明します。
クラスの使い方は、大きく分けて次の2つのステップです。
- クラスの宣言
- クラスのインスタンス化
順番に見ていきましょう。
1.クラスの宣言
クラスを使うには、最初にクラスの宣言をする必要があります。
次は、クラスを宣言するための最もシンプルな記述方法です。
この場合、「SampleClass」という名前で、何の処理もないクラスを宣言しています。
宣言したクラスのなかには、データやメソッドを定義できますよ。
2.クラスのインスタンス化
クラスを宣言したら、次にインスタンス化を行います。
インスタンス化によってオブジェクトにすることで、実際に使えるようになりますよ。
インスタンス化の記述方法は、次の通りです。
クラスをインスタンス化すると、メモリのなかにクラスと同じ構造の領域が確保されて、領域をプログラム上でSampleInstanceと呼ぶことになります。
クラスにデータやメソッドを定義している場合、SampleInstanceのなかにもデータやメソッドの領域がありますよ。
これで、クラスを使えるようになりました。
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クラスを使う4つのメリット
クラスの使い方をご説明しました。
基本の記述方法を覚えれば、データやメソッドなどの具体的な情報を記述していくだけです。
クラスが使えるようになると、プログラミングが効率的にできるようになります。
ここでは、クラスを使うメリットについてご説明しましょう。
クラスを使うメリットは次の4つです。
- 同じ内容を毎回書かなくていい
- 必要に応じた最低限のコード追加で済む
- うっかりミスを防げる
- 複数人で開発するときに便利
順番に見ていきます。
1.同じ内容を毎回書かなくていい
クラスを使えば、オブジェクトを増やすたびにデータやメソッドの同じような情報を書かずに済むようになります。
共通する部分はクラスで使い回せるようにすることで、重複を減らせるのです。
記述の手間や時間を減らすことができ、効率的にプログラミングを進められますよ。
2.必要に応じた最低限のコード追加で済む
クラスを使うと、変更の際も必要に応じた最低限のコード追加で済むようになります。
もしクラスを使わずに1つ1つ記述していた場合、すべてに対していちいち変更や追加をしなければなりません。
しかし、クラスを使っていればクラスの内容を変えるだけで、クラスを使った部分すべてに反映されます。
最低限のコード追加で済み、とても楽にできるでしょう。
3.うっかりミスを防げる
クラスを使っていると書く総量が減るため、うっかりミスを防げます。
プログラミングでは、1文字でもコードが違うとエラーが発生して正常に動作しません。
手動で書くコードの量が増えるほど、ミスをする可能性が高まり、エラーが発生しやすくなります。
しかし、クラスを使えば同じ内容を使い回しできるため、手動で書く量を減らすことが可能です。
クラスはプログラミングのミスを減らせるメリットがあります。
4.複数人で開発するときに便利
クラスを使うと、複数人で開発するときに便利です。
クラスがあれば自分以外の人がプログラミングをするときにも、コードを書きやすくなります。
プログラミングでは、同じ処理でも人によってコードの書き方が異なります。
1つのプログラム内で処理の書き方がバラバラでは、わかりにくいですよね。
クラスを使えば、複数人が開発に携わっていても同じ記述方法に統一しやすくなります。
また、同じ処理は同じ書き方になるので、全体的にも読みやすいです。
プログラミングでは、複数人で開発を行うことが少なくありません。
誰にとっても読みやすく、書き足しやすいプログラムを構築するために、クラスは有効です。
クラスについて学べる参考書
クラスを使うメリットについてお伝えしました。
効率的で読みやすいプログラムにするために、クラスは有効ですね。
「クラスについてもっと詳しく知りたい!」という方は、参考書で学ぶのがおすすめです。
クラスについての参考書は数多く出版されています。
参考書は情報がより詳しく、わかりやすくまとめられているので、学習に最適です。
ここでは、クラスの学習におすすめの参考書を5冊ご紹介します。
- 3ステップでしっかり学ぶ Python 入門
- かんたん Python (プログミングの教科書)
- みんなのPython 第4版
- たった1日で基本が身に付く! Python超入門
- Effective Python ―Pythonプログラムを改良する59項目
Pythonのクラスについて学べる参考書です。
自分に合った参考書で、クラスへの理解を深めてくださいね。
それでは、1冊ずつご紹介していきます。
1.3ステップでしっかり学ぶ Python 入門
『3ステップでしっかり学ぶ Python 入門』は、Pythonの入門としてクラスが学べる参考書です。
「Pythonってなんだろう?」というプログラミング初心者のための1冊となっています。
クラスを含むプログラミングの基本について、図を使ってわかりやすく解説していますよ。
「ここでやること」「やってみよう」「理解しよう」という3つのステップに分かれて、「予習、実践、復習」の流れで学べる点が特徴です。
さらに練習問題で知識の定着を確認できます。
ゼロから基本を学ぶにはぴったりの参考書です。
2.かんたん Python (プログミングの教科書)
『かんたん Python (プログミングの教科書)』もプログラミング未経験者向けのPython入門書です。
丁寧な解説とわかりやすいイラストで、Pythonの文法を基本から学べます。
実例や図解が豊富なので、初心者でも理解しやすい内容です。
また、学習のためだけでなく、機能や文法を調べたいときに参照するリファレンスとしての活用もできますよ。
章末の練習問題で知識を確認することも可能です。
クラスについてもわかりやすい解説がされており、理解を深められるでしょう。
3.みんなのPython 第4版
『みんなのPython 第4版』は、今ほどPythonが注目されていなかった2006年に初版が出版された、代表的なPython入門書です。
Pythonの説明から基礎、クラスやライブラリ、データサイエンスなど幅広く基本知識を身につけられます。
目次にも「クラスとオブジェクト指向開発」「クラスの継承と高度なオブジェクト指向機能」としてまとめられており、すぐに参照できますよ。
次の10年を担うPythonプログラマーのための1冊といえるでしょう。
4.たった1日で基本が身に付く! Python超入門
『たった1日で基本が身に付く! Python超入門』は、Pythonの基本文法とプログラミングの解説をたった192ページに凝縮した参考書です。
必要な情報がコンパクトにまとめられ、どんどん読み進められます。
Pythonについてなるべく短時間で学びたい人のための1冊といえるでしょう。
関数・クラス・モジュールを駆使したオブジェクト指向プログラミングの考え方をわかりやすくまとめて教えてくれます。
最終章では、アプリケーションを作りながら開発のノウハウを学ぶことができ、実践的な内容です。
ゆっくり読んでも3日程度で読み終えられるので、短時間で全体をつかみたい方におすすめできますよ。
5.Effective Python ―Pythonプログラムを改良する59項目
『Effective Python ―Pythonプログラムを改良する59項目』は、効率的で優れたPythonプログラムの書き方について学べる参考書です。
内容としては、3章でクラスと継承について学べます。
理解を深めたい人に適していますよ。
基本を全体的に網羅したというより、ポイントを絞って解説している1冊となります。
プログラミング初心者やPython初心者よりも、ある程度Pythonを書いたことのある人におすすめです。
Python中級者、上級者の必読書といえる参考書でしょう。
まとめ:クラスの仕組みがプログラミングを楽にする
今回は、プログラミングの「クラス」についてご説明しました。
クラスは、オブジェクトの説明書としての役割を持ち、プログラミングを効率化できる特徴があります。
クラスを使いこなすことで、読みやすくわかりやすいプログラミングができるようになりますよ。
プログラミングで楽にコードを書くために、クラスの仕組みを理解することは重要です。
クラスを理解して、今後のプログラミング学習に活かしてみてくださいね。