IT業界全体の平均勤続年数は?他業種と比較しながら徹底解説!
「IT業界の平均勤続年数が短いのはなぜ?」
「IT業界の平均勤続年数は短いから、転職しないほうがいいのかな?」
と思うことはありませんか?
IT業界への転職を検討しても、平均勤続年数が短いと聞くと不安になってしまいますよね。
では、IT業界の平均勤続年数が短い原因はなんでしょうか?
そこで今回は、
- IT業界の平均勤続年数が短い理由
- 日本のIT業界の平均勤続年数の特徴
- 平均勤続年数よりも転職の際に気をつけるポイント
について詳しく解説します。
この記事を見ればIT企業への転職が必ずポジティブな気持ちに変わります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
日本と海外のIT業界の平均勤続年数を5つのポイントから解説
日本のIT業界の平均勤続年数は海外と比較するといくつかの特徴があります。
- 勤続年数が長い会社が優良企業とは言い切れない
- 海外は日本よりも平均勤続年数が短い
- 日本では極端に短い企業と長い企業の二極化が進んでいる
- 日本のIT業界はジョブホッパーが多い
- フリーランスとして独立する人が増えている
平均勤続年数の長さだけではIT業界のよしあしは判断できません。
平均勤続年数からわかる、日本と海外のIT業界の特徴を解説していきます。
1.勤続年数が長い会社が優良企業とは言い切れない
平均勤続年数が長い会社は優良企業であるとよくいわれますが、そうとは限りません。
平均勤続年数が長い企業は、人が辞めにくいために以下のような風潮にあるからです。
- 年功序列
- 役職が空かないので出世しづらい
- 責任ある仕事を任せてもらえない
よって、平均勤続年数が長い会社は働きながらスキルアップして、それに見あったキャリアアップをしたい人にとっては優良企業とはいえないでしょう。
日本よりも平均勤続年数が短い
日本の男女の平均勤続年数は11.9年である一方、アメリカ4.2年は、イギリスは8年です。
(出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較」)
外国は日本のような年功序列の傾向が少なく、仕事内容がステップアップしなければ給与も上がりません。
よって、自分の持っているスキルを活かして給与を上げようと思ったら転職するのが一般的なのです。
3年から5年で新しい仕事を求めて次々職を移っていく人が多く、それを後押しする社会の風潮があります。
3.日本では極端に短い企業と長い企業の二極化が進んでいる
日本のIT企業は外国のIT企業並みに平均勤続年数が極端に短い会社と、平均勤続年数が長い会社にわかれています。
たとえば創業年数が短い企業の勤続年数は短く、古くからある大手企業では勤続年数が長い傾向にあります。
また、BtoB系企業では勤続年数が長く、BtoC系企業では勤続年数が短い傾向にあるのです。
平均勤続年数が長い企業では20年以上、短い企業では2~3年程度と二極化が進んでいます。
4.日本のIT業界はジョブホッパーが多い
ジョブホッパーとは、3年以内の転職を5、6回繰り返している人のことを指します。
日本のIT業界はほかの業界と比べてジョブホッパーが多いといわれている点は注目すべきポイントです。
ITエンジニアは1つの技術を磨くよりも、業界のトレンドに敏感でいろいろな技術に対応できる人材のほうが重宝されます。
若いうちはいろいろな企業に属して、キャリアアップを狙うエンジニアも珍しくありません。
転職を繰り返すジョブホッパーとは?10の特徴とメリット・デメリットも解説5.フリーランスとして独立する人が増えている
IT業界の平均勤続年数が短い理由のひとつに、フリーランスとして独立する人が増えていることがあげられます。
たとえば、2020年におけるレバテックのフリーランス登録者数は2016年の3.4倍になるとされています。
(出典:レバテックキャリア「【2020年12月発表】ITエンジニア動向総まとめ-データで見るレバテック-」)
国が働き改革として、フリーランスという働き方を支援する動きをみせているため、その影響もあるでしょう。
ある程度企業でスキルや知識を身につけたらフリーランスで独立する人が増えているため、企業の勤続年数が短くなっているのです。
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IT業界と他職種を平均勤続年数と平均年収で比較
平均勤続年数が短く、平均年収が低いというブラックなイメージのあるIT業界ですが、実態はそうではありません。
IT業界の平均勤続年数と平均年収をほかの業種と比較したポイントは2つです。
- IT業界は他業種と平均勤続年数を比べると若干短い
- IT業界は他業種よりも平均年収が高い
それぞれほかの業種と比較した際の順位と、具体的な数値で紹介します。
IT業界は他業種と平均勤続年数を比べると若干短い
「平成30年度用全国産業別平均一覧表」によれば、男性の平均勤続年数は最も長いのが電気・ガス・熱供給・水道業で19.3年、2位が金融業・保険業が16年、情報通信業の平均勤続年数は12.9年となっており、16個の産業のうち7位となっています。
女性の場合も平均勤続年数は9.5年で、8位です。
平均勤続年数が短すぎるわけではありませんが、多業種と比較すると若干短いといえるでしょう。
IT業界は他業種よりも平均年収が高い
「令和2年 賃金構造基本統計調査結果の概況」で男性のデータを閲覧してみると、12個に分類された業種のうち1番年収が高いのが金融業・保険業の479.2万円で、2位が教育・学習支援業の429.4万円、情報通信業は4位の405万円となっています。
よって、最も高いわけではありませんが、ほかの業種よりも平均年収が高い傾向にあるといえるでしょう。
IT業界の平均勤続年数の目安を4つの職種で解説
IT業界をさらにいくつかの業界に分けてみると、その業界によって平均勤続年数にかなり差があります。
- インターネット業界の平均勤続年数は4年前後
- ソフトウェア業界の平均勤続年数は5年前後
- ゲーム業界の平均勤続年数は10年前後
- 通信業界の平均勤続年数は14年前後
- IT業界の中でもプログラマーの平均勤続年数は極めて短い
また、企業の規模や創業年数などによっても平均勤続年数は異なります。
職種によっても平均勤続年数が異なる場合もある点も確認しておきましょう。
それぞれ詳しく紹介します。
1.インターネット業界の平均勤続年数は4年前後
インターネット業界はフリーランスになるためにもってこいの業界であり、3~5年で独立する人が多いといわれています。
Webアプリの開発やWebでの集客技術を身につければ、イニシャルコストほとんどなしで起業できるからです。
金融庁「EDINET」によれば、インターネット業界の企業の平均勤続年数は以下のとおりです。
- ヤフー:5.2年
- スタートトゥデイ:4.4年
- 楽天:4.3年
- ミクシィ:3.6年
IT業界の中でも、インターネット業界は平均勤続年数が短めの業界であるといえます。
2.ソフトウェア業界の平均勤続年数は5年前後
ソフトウェア業界は市場規模も大きく採用人数も多いですが、平均勤続年数は短めの5年前後となっています。
プログラミングやアプリ開発の知識が身につくため、企業にしばらく勤めて独立する人も多いです。
金融庁「EDINET」によれば、ソフトウェア業界の企業の平均勤続年数は以下のとおりです。
- トレンドマイクロ:6.5年
- サイボウズ:5.5年
- ソースネクスト:6.5年
インターネット業界よりは長いものの、ソフトウェア業界も平均勤続年数が短めであるといえます。
3.ゲーム業界の平均勤続年数は10年前後
ゲーム業界は労働環境が充実している大手企業が多く、平均勤続年数は10年前後と長めになっています。
ただし、新規ゲーム企業と老舗ゲーム企業では大きな差があります。
金融庁「EDINET」によれば、ゲーム業界の企業の平均勤続年数は以下のとおりです。
- コナミ:11年
- 任天堂:13.1年
- バンダイナムコ:13.8年
- GREE:1.9年
ゲーム業界は企業による差が大きいものの、比較的勤続年数が長めの業界であるといえます。
4.通信業界の平均勤続年数は14年前後
通信業界の離職率はほかの業種と比較しても低く、平均勤続年数は14年前後と長くなっています。
通信業界の企業には老舗の大手企業も多く、労働環境や福利厚生が充実しているためでしょう。
金融庁「EDINET」によれば、通信業界の企業の平均勤続年数は以下のとおりです。
- KDDI:17年
- 富士通:20年
- 日立:18.4年
- NEC:18.5年
IT業界は勤続年数が短めのイメージがありますが、それは企業や業種によって異なることがわかります。
通信業界はIT業界以外の業界と比較しても平均勤続年数が長めになっています。
5.IT業界の中でもプログラマーの平均勤続年数は極めて短い
全129職種の平均勤続年数を比較した結果、プログラマーは6.3年で122位となりました。
(出典:賃金構造基本統計調査)
プログラマーの平均勤続年数が短い理由は、プログラマーの経験を積むと転職が気軽にできてしまうからです。
以下のようにプログラマーから転身する人が多いです。
- プログラマーからシステムエンジニアへキャリアアップ
- プログラマーとして独立し、フリーランスになる
プログラマーは手に職をつけられる仕事のため、スキルや知識を身につけてキャリアアップする傾向があります。
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IT業界で平均勤続年数が長くならない5つの理由
IT業界で平均勤続年数が長くならないのには理由がありますが、ポジティブなものが多いです。
- 事業を拡大している企業が多い
- 若手社員を採用している
- 多種多様な職種の中から知識を活かせる場所を探している
- IT市場の流れが早くスキルアップしなくてはいけない
- キャリアアップのために転職する人が多い
企業によって、平均勤続年数が短い理由が異なります。
企業ホームページなどから、平均勤続年数が短い理由を調査できるとよいでしょう。
それぞれ解説していきます。
1.事業を拡大している企業が多い
IT業界では会社の成長が著しく、事業拡大を積極的におこなっているところが多いです。
そういった環境では新卒も中途も新しい人材が次々採用されます。
平均勤続年数は働いている全社員の勤続年数の平均値ですから、入社してから日の浅い人が多いほど短くなります。
事業規模を大きくしたり、新規事業に着手している企業は入社したての人が多いため平均勤続年数が短くても不自然ではないでしょう。
2.若手社員を採用している
会社の年功序列を崩したり、新しい風潮を取り入れるために若手社員を多く採用する企業があります。
さらに、IT業界はとくに若手が重宝される風潮があるため、どうしても20代~30代が多く採用されます。
若手社員が多ければ、その分平均勤続年数は短くなるでしょう。
IT業界の背景から考えても、若手社員が多いために平均勤続年数が短くなるのは自然なことなのです。
3.多種多様な職種の中から知識を活かせる場所を探している
ひとくちにIT業界といっても、非常に多くの職種があり、身につけた知識を活かせる場所は多くあります。
自分のスキルや年収を上げるために、同じIT業界で転職し成長しようとするエンジニアが多いのです。
マネジメント力や英語力を身につけた経験豊富なエンジニアなら、ヘッドハンティングされることもあるでしょう。
自分の身につけた知識やスキルを活かすために、転職を繰り返すエンジニアは多くいます。
4.IT市場の流れが早くスキルアップしなくてはいけない
IT市場は流れが早く、とくにエンジニアは特定の技術を極めるよりもいろいろな知識を持っている人が重宝されます。
ひとつの企業にとどまるよりも多くの企業に就職した方が効率的にスキルを学べる場合があるため、転職頻度が高くなるのです。
IT市場の早い流れに追いつくために、その時々で最先端技術を学べる企業に転職を繰り返すエンジニアもいます。
5.キャリアアップのために転職する人が多い
エンジニアが成長するためには、それまでと異なった業務を担当させてもらえる環境に身を置く必要があります。
同じようなシステム開発の、同じような業務担当では成長は見込めません。
成長できないということは年収も上がらず、やりがいもないでしょう。
自分のキャリアアップのためにも転職し、新しい技術を身につける必要があるため平均勤続年数が短い傾向にあるのです。
IT業界の平均勤続年数は気にするべき?転職の企業選びで重視すべき5つのポイント
IT業界で転職する際は、平均勤続年数よりも重視すべきポイントがいくつもあります。
- 平均年齢を指標にする
- 離職率を参考にする
- 可能なら一次請けの仕事が多いか調査する
- やりたいことが実現できる企業か考える
- キャリア構築が可能かどうかを考える
平均勤続年数はあくまで目安としましょう。
それよりも自分のキャリアアップや収入アップが望める環境を選ぶ必要があります。
それぞれ解説していきます。
1.平均年齢を指標にする
平均勤続年数を気にするときは、社員の平均年齢も指標にする必要があります。
社員の平均年齢が低く、平均勤続年数も短い場合は若手を積極採用している企業だと考えられます。
その場合平均勤続年数が短いことにネガティブなイメージをもつ必要はなく、若い人材育成に注力している企業である可能性があるでしょう。
登録されている企業であれば「EDINET」の「有価証券報告書等の閲覧」から平均年齢を調べられます。
2.離職率を参考にする
平均勤続年数を気にする際は、離職率もあわせて参考にすることをおすすめします。
創業してからそれほど経っていない企業であれば、当然平均勤続年数は短くなるでしょう。
平均勤続年数だけではその企業のよしあしは判断できないのです。
企業によっては就職四季報で離職率を公開していますので、参考にしてみましょう。
3.可能なら一次請けの仕事が多いか調査する
一次請けの仕事が多い企業ほど利益が多く労働時間も短い傾向にあるため、あらかじめ一次請けの仕事が多いか調べておきましょう。
一次請けが多いかどうかは、企業ホームページから以下の基準で判断しましょう。
- 主要取引先が非IT企業が多いと一次請けの場合が多い
- 親会社にシステム関連の企業がある場合は二次請け以降の可能性が高い
実際にシステム開発を手がけるのは、三次請け以降の企業の場合が多いです。
そのような企業は利益が少なく賃金は安く、労働時間も多いためいわゆるブラックな環境になりがちです。
そのため、できるだけ一次請けの仕事が多い企業を選ぶことで給与も労働環境も恵まれた条件で働けるでしょう。
4.やりたいことが実現できる企業か考える
企業選びにおいて平均勤続年数よりも大切なのは、やりたいことが実現できる企業かどうかです。
平均勤続年数が短い企業に所属していても、自分の成長が実感できる環境が整っていれば満足する人もいます。
平均勤続年数が長くても、年功序列の風土が根強く自分の成長が見込めない環境に不満を抱く人もいるでしょう。
やりたいことが実現できる企業かどうかは以下のような方法で判断できます。
- 企業ホームページで企業理念を調べる
- 使いたい言語やスキルが活かせそうな環境か過去の実績から判断する
- 福利厚生や社風について口コミサイトを検索する
自分がどうなりたいか・どのように働きたいかを考え、それを実現できる企業を選ぶことでやりがいをもって長く働けるでしょう。
5.キャリア構築が可能かどうかを考える
企業選びをする際は、その企業で自分の望むキャリアの構築が可能かどうかを調べましょう。
努力のしがいのない環境や、努力をしても報われない環境ではキャリアアップは望めません。
たとえば、以下のような環境が望ましいです。
- 業務の内容が豊富である
- 評価制度が明確で、きちんと給与やポジションがアップする
- 人材育成制度が充実している
きちんと自分の努力が報われるキャリア構築可能な職場を選びたいところです。
まとめ:IT業界の平均勤続年数はやや短いがポジティブな理由での転職が多い
IT業界の平均勤続年数はほかの業種に比べて短い傾向はありますが、転職の際に平均勤続年数を気にしすぎる必要はありません。
IT業界の平均勤続年数にまつわる知識をおさらいしておきましょう。
- IT業界は平均勤続年数が短く、年収が低いブラックなイメージがあるが実態はそうではない
- IT業界の平均勤続年数は職種や分野や企業規模などによっても大きく異なる
- 平均勤続年数が短くても企業によってはポジティブな理由による場合が多い
- 企業を選ぶときは平均勤続年数よりも、自分がやりたいことをできる企業かを判断基準にする
スキルアップやキャリアアップのために、積極的に転職を繰り返すエンジニアも多いです。
IT業界の平均勤続年数がやや短いことを気にするのではなく、自分の望む未来に近づける環境かどうかで企業や業界を判断しましょう。