Raspberry Piでディープランニングを用いたアプリの実装方法を解説
「Raspberry Piで、ディープラーニングを実装してみたい」
「ディープラーニングでどんなことができるのかな」
と思うことはありませんか?
自宅でRaspberry Piを使ってディープラーニングを勉強しようとしても、何を、どうやって作れば良いのかで迷ってしまいますよね。
では、Raspberry Piのディープラーニングを使った事例はどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- ディープラーニングを用いた画像認識、物体検出とは?
- Raspberry Piでディープラーニングアプリを実装した実例集
- Raspberry Piに必要なハードウェアを揃えよう
- Raspberry Piでディープラーニング実装の下準備
- Raspberry Pi上でディープラーニング実装の手順
について詳しく解説します。
この記事を見ればRaspberry Pi上でディープラーニングを実装する方法がわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
Raspberry Piのディープラーニングでおこなえる画像認識について解説
ディープラーニングは画像認識の技術を得意としています。
その技術レベルは人の能力を超える分野もあり、私達の身の回りで多く活用されています。
最近では、Raspberry Piをディープラーニングなどの機会学習と組み合わせて画像認識をおこなう事例も増えてきました。
まずはそれぞれの基礎知識を理解していきましょう。
- ディープラーニングとは
- 画像認識とは
- Raspberry Piとは
順番にみていきましょう。
ディープラーニングとは
ディープラーニングとは、人工知能を用いて大量のデータを読み込むことにより、データの特徴やパターンを発見する機械学習、深層学習の技術のことになります。
具体的には、工場などで製品の異常を発見する画像検査や自動運転の際に人や信号などを検知する場面などで使用されています。
画像認識とは
画像認識とは、ディープラーニングの一つで、画像や映像に映っているものを認識する技術です。
大量のデータを読み込み学習することで、人の顔や文字などの特徴を把握、検出できるようになります。
さまざまな分野で応用できる可能性を秘めていることから、画像認識に注目している研究や事例が多く発表されています。
Raspberry Piとは
Raspberry Piとは、2012年に教育で使うことを目的として発売された、安価で小型サイズのコンピューターです。
5,000円以下という安価ながら、通常のコンピューターと同じように使えることから、今では多くのエンジニアにも愛用されています。
AndroidなどのOSとしても有名なLinuxを使いプログラミング環境として最適なことや、GPIOピンという入力、出力ができる端子が付いていることで電子工作にも向いていることなど、幅広い用途も特徴です。
安価な分、低スペックなことがデメリットではありますが、当記事でもご紹介するディープラーニングの実装例もありますので、以下を通じてどんなことができるのかを一緒に見ていきましょう。
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Raspberry Piでディープラーニングアプリを実装した実例集3選
Raspberry Piでのディープラーニング実装方法を学習する前に、Raspberry Piとディープラーニングを使ってどんなことができるのかをご紹介します。
こちらではニュースでも取り上げられている事例を3つご紹介します。
- 伊藤忠テクノソリューションズ「体温検知デバイス」
- 株式会社ヘッドウォータース「混雑状況可視化プログラム」
- ロシア・南ウラル国立大学「蚊を自動検出&退治するプログラム」
それぞれ見ていきます。
1.伊藤忠テクノソリューションズ「体温検知デバイス」
伊藤忠テクノソリューションズは、AIベンチャーのIdeinと共同で、2022年5月にRaspberry Piを活用した体温検知デバイスの販売を開始しました。
搭載している機能は、AIによる顔認識機能と表面温度の測定機能です。
会社や店舗の入り口付近に設置することで、発熱の疑いがある訪問者を検知できるデバイスとなっています。
Raspberry Piの特徴を活かして、大掛かりな設置工事なく導入できるのが特徴です。
2.株式会社ヘッドウォータース「混雑状況可視化プログラム」
株式会社ヘッドウォータースが提供しているクラウドサービス、Comieru Liveは、IPカメラで撮影した映像をRaspberry Pi搭載のエッジAIでプライバシーカット、位置情報を取得できるサービスです。
ネット上に情報が公開されるので、遠隔でショッピングセンターのフードコートや飲食店などの空席・混雑状況がわかります。
密な空間を避け、コロナ感染症対策として注目を浴びている技術です。
3.ロシア・南ウラル国立大学「蚊を自動検出&退治するプログラム」
ロシア・南ウラル国立大学は、Raspberry Pi 3 Model Bを使用して、蚊を自動検出しレーザーを照射するプログラムを開発しました。
国によっては、蚊の運んでくる病気で多くの人が苦しんでいます。
リアルタイムで映像を解析し、蚊を自動検出、的確にレーザーを照射します。
マラリア・デング熱などの被害を減らせることが期待されています。
Raspberry Piに必要なハードウェアを揃えよう
以上の例により、さまざまな場面でRaspberry Piが活用できることをご理解いただけたのではないでしょうか。
ここからは、Raspberry Piでディープラーニング開発環境を構築するための準備方法を解説していきます。
まずは、Raspberry Piで開発を進めるために必要なハードウェアを紹介します。
- Raspberry Pi本体
- 周辺機器
- マイクロSDカード
- 電源
- カメラモジュール
順番にみていきましょう。
1.Raspberry Pi本体
Raspberry Piには、zero、3、4という3種類のタイプがあります。
zeroが一番安価ですが、スペックとしては低めで、4は最新で高価なものになります。
機械学習などは最低限のスペックが必要なことから3以上がおすすめです。
2.周辺機器
周辺機器として必ず揃えておきたいものは下記の通りです。
- マウス
- キーボード
- HDMIケーブル
- モニター
- LANケーブル
- モニターの端子によってはHDMIとの変換アダプター
最後の変換アダプターだけは、モニターの端子を確認して必要であれば準備しましょう。
3.マイクロSDカード
Raspberry Piは通常のSDカードではなくマイクロSDカードが必要です。
間違えないように気をつけましょう。
また、お持ちのPCにマイクロSDカードの差込口がない場合は、カードリーダーも用意しておく必要があります。
4.電源
電源については、Raspberry Piの種類により異なります。
Raspberry Pi 3を検討されているなら、5V/3.0AのUSB Micro-Bを選びましょう。
Raspberry Pi 4であれば、2.4AのUSB Type-Cが必要です。
5.カメラモジュール
画像認識で使用する場合は、カメラモジュールが必要です。
USBカメラなどではなく、Raspberry Pi専用のカメラモジュールを用意することをおすすめします。
プログラミング未経験でエンジニアを目指すことに不安を感じますよね。
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厚生労働省認定のコースでは、高いスキルが身につく上、受講料最大56万円のキャッシュバックもついてきます。
是非あなたのライフスタイルに合ったプランを見つけてください。
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Raspberry Piでディープラーニング実装の下準備
Raspberry Piのハードウェアが揃いましたら、下記の通り実装の準備をすすめます。
- ブート用のSDカードを作成
- 周辺機器のセットアップ
- OSのインストール
- ディープラーニング用ライブラリのインストール
1.ブート用のSDカード作成
購入したマイクロSDカードにRaspberry Piを動かすためのOSを入れていきます。
この設定は、Raspberry Piとは別のPCで作成する必要があります。
お使いのOSにより使用するソフトが異なりますので下記よりご確認、ご用意ください。
- お使いのPCがWindowsであれば、Rufusがおすすめ
- お使いのPCがMacであれば、balenaetcherがおすすめ
- お使いのPCがLinuxであれば、Raspberry Pi Imagerがおすすめ
全て無料のプログラムで、ネットの検索で簡単に取得ができます。
取得をしたら、必要なOSをマイクロSDカードにセットします。
2.周辺機器のセットアップ
ブート用のSDカードが作成できましたら、電源を入れる前に周辺機器を全てセットします。
モニター、キーボード、マウス、LANケーブルをRaspberry Piにつなぎましょう。
3.OSのインストール
作成したブート用SDカードを差し込み、電源を入れてください。
ブート用SDカードからOSの読み込みが始まります。
必要な設定を済ませ、インストール完了までしばらく待つ必要があります。
4.ディープラーニング用ライブラリのインストール
OSのインストールが完了しましたら、ディープラーニング用に下記の2つのライブラリをインポートします。
- TensorFlow
- OpenCV
インストールの手順は下記のとおりです。
最初に、OSをアップデートします。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
次に、pipをアップグレードします。
pip install –upgrade pip
TensorFlowのインストールは下記のコマンドです。
pip install –upgrade tensorflow
OpenCVのインストールは下記の通り2つのライブラリをインストールします。
- pip install opencv-python
- pip install opencv-contrib-python
以上で完了となります。
Raspberry Pi上でディープラーニング実装の手順
下準備も完了し、いよいよ実装していきます。
下記の手順で実装していきましょう。
- 学習用のデータを収集
- 学習済みモデルの作成と学習
- Raspberry Piにモデルをダウンロード
手順を誤ると実装がうまくいかないので注意してください。
1.学習用のデータを収集
パターンの学習をさせるために、大量の画像データが必要です。
対象とするオブジェクトあたり300枚程度の画像を用意し、短形を描画します。
画像の取得方法は、データの取扱に注意をしながらネット上で集める方法や実際に自分で写真を撮る方法などがあります。
2.学習済みモデルを作成と学習
画像の取得が完了しましたら、事前に学習させたモデルを使い、学習済みモデルを作成します。
kerasライブラリを使用すると比較的簡単にモデル作成が可能です。
pip install keras
モデルが作成できましたら、Google ColaboratoryなどのGPU環境を使って処理をおこなっていきます。
3.Raspberry Piにモデルをダウンロード
モデルの作成、学習が完了しましたら、モデルをエクスポートするのが次のステップです。
エクスポートの完了後は、Raspberry Piにモデルをダウンロードして準備は完了となります。
ディープラーニング向けライブラリおすすめ12選|ライブラリを使用する手順やメリットも解説まとめ:Raspberry Piはディープラーニングを学ぶのにおすすめ
本記事ではRaspberry Piを使ってディープラーニングを用いた画像認識の実装方法を解説しました。
- ディープラーニングを用いた画像認識とは、物体を認識、検出できる技術
- Raspberry Piはさまざまな分野で活躍している
- Raspberry Piに必要なハードウェアは、5つのチェックリストで確認
- Raspberry Piでディープラーニング実装は4ステップで完了
- Raspberry Pi上でディープラーニング実装は手順通りにおこなうこと
Raspberry Piは、安くて手軽に使えることから様々な企業でも使われ始めています。
個人でディープラーニングを学習する方にも、Raspberry Piはとてもおすすめです。
座って学習するだけでなく、実際に手を動かして作る楽しさを、ぜひ味わってください。