プログラミングのライブラリとは?利用するメリット・デメリットまで解説
「プログラミングのライブラリについて知りたい」
「ライブラリとフレームワークって何が違うのだろうか」
と思うことはありませんか?
プログラミングの学習を進めていると、ライブラリというよく出てくる言葉が何を意味しているのかで迷ってしまいますよね。
では、プログラミングのライブラリとは、実際にどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- プログラミングのライブラリとは何か
- ライブラリのメリット・デメリット
- プログラミングでライブラリを活用する手順
について詳しく解説します。
この記事を読めば、プログラミングのライブラリとは何かはもちろん、活用方法まで理解できます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ライブラリの基礎知識
こちらでは、ライブラリの基礎知識をお伝えします。
まずはライブラリがどんなものかを理解しなければ、その活用方法もわかりません。
- ライブラリとは
- ライブラリとフレームワークの違い
- ライブラリの具体例
ライブラリは、フレームワークと間違えやすいので、その違いもご説明します。
1.ライブラリとは
ライブラリとは、頻繁に使われるコードや機能を、いつでも簡単に使えるようにまとめたものです。
ライブラリを使うことで、よく使う機能をいちいち最初から作らなくてよくなります。
誰かが作ってくれたライブラリを活用することで、時間や手間が削減できるのです。
2.ライブラリとフレームワークの違い
フレームワークとは、アプリケーション構築のための枠組みのことです。
フレームワークは、アプリケーションの枠組み・骨組みで、ライブラリはプログラムの部品、と考えるとわかりやすいでしょう。
フレームワークの例としては、以下のようなものがあります。
- Python言語の、FlaskやDjango
- JavaScript言語の、ReactやVue
- PHP言語の、LaravelやCakePHP
ライブラリは部品なので、フレームワークの中で使われる事例もあります。
3.ライブラリの具体例
Python言語におけるライブラリの具体例をご紹介します。
豊富なライブラリが揃っているPythonでの例は、こちらです。
- datetime:時間を扱う
- json:json形式のファイルを扱う
- tkinter:デスクトップアプリなどのUIが作成できる
これらのライブラリを読み込む(インポートする)ことで、どのプログラムでも機能が使えるようになります。
プログラミングの「フレームワーク」を徹底解説!言語別おすすめ18選も紹介プログラミングのライブラリ全3種類それぞれの特徴
プログラミングのライブラリ3種をご紹介します。
ライブラリは、使い方に応じて下記に分類できるのです。
- 静的なライブラリ
- 動的なライブラリ
- 共有のライブラリ
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.静的なライブラリ
静的なライブラリは、ライブラリを読み込んだファイルを実行するときに、ライブラリとプログラムファイルをひとつのプログラムとして利用する形式。
静的なライブラリはプログラムファイルと連結するので、別の場所にライブラリを保存しておく必要がなくなります。
コードの記述量は大きくなりますが、開発者は手軽にさまざまな機能を実行できるようになるのが、静的ライブラリの特徴です。
2.動的なライブラリ
動的なライブラリとは、プログラム実行時に、別の場所に保存されたライブラリを読み込み、使用する形式のものです。
動的なライブラリでは、プログラムの中にライブラリが組み込まれないので、ファイルサイズを最小限に抑えられます。
別ファイルとして、ライブラリを用意しておかなければならないものの、ファイルサイズを小さくし、処理スピードを重視したいならこちらの方法がおすすめです。
3.共有のライブラリ
共有ライブラリとは、プログラムの種類を問わず、使える動的なライブラリです。
なぜ動的なライブラリと共有ライブラリを分けているのかというと、動的なライブラリにも特定のプログラムでしか使えないものがあるので、区別しておく必要があるから。
共有ライブラリは、OSのメモリ上に保存されており、いろいろな種類のプログラムから読み込めるようになっています。
ディープラーニング向けライブラリおすすめ12選|ライブラリを使用する手順やメリットも解説プログラミングでライブラリを利用するメリット4つ
ここでは、プログラミングでライブラリを利用するメリットについてお伝えします。
ライブラリを使いこなすためには、メリットを具体的に理解しておく必要があるからです。
- 開発が効率的になる
- プログラムの質が高まる
- プログラムサイズが小さくなる
- プログラマーとしての成長が早くなる
それぞれ見ていきましょう。
1.開発が効率的になる
ライブラリを使用すると、開発が効率的になります。
なぜなら、ライブラリを読み込むだけで、複雑な機能がすぐに使えるようになるからです。
例えば、差業務が効率的に円滑になることで、開発スピードの向上も期待できるでしょう。
上手くライブラリを使いこなせば、余計な時間を削減できるため、大きなメリットとして挙げられます。
2.プログラムの質が高まる
プログラムの質が高まることも、ライブラリを使用するメリットのひとつです。
なぜ質が高まるかというと、ライブラリはたくさんの人に使用されているので、繰り返しアップデートされているから。
一から機能を作ろうとすると、予期せぬエラーなどが出て、質が低いのはもちろん、余計に時間もかかってしまいます。
よく使われているライブラリであれば、一定の質が担保されているので、プログラム自体の質も高く維持ができるのでしょう。
3.プログラムサイズが小さくなる
ライブラリを使うと、プログラムのサイズを小さくできるメリットがあります。
その理由は、多くのプログラミング言語では動的なライブラリを使用する機会が多く、自身のプログラム内に機能を保存する必要がないからです。
プログラムの外に保存されている機能を使うことで、プログラムのサイズを最小限に抑えられることはメリットといえます。
4.プログラマーとしての成長が早くなる
プログラマーとしての成長が早くなることも、ライブラリを使用するメリットです。
なぜ成長が早くなるかというと、開発スピードが上がるので、たくさんのコーディングに関われるからです。
例えば、限られた時間の中で、少しでも多くの開発に関われれば、その分の経験値や知識を得られます。
上手にライブラリを活用して、いろいろなプログラム開発に関われることで、自身の成長に繋がるでしょう。
【2024年最新】初心者におすすめのプログラミング言語ランキング12選プログラミングでライブラリを利用するデメリット2つ
プログラミングのライブラリは、デメリットを把握して利用する必要があります。
なぜなら、良い点だけ理解しても、実際に使いこなすことはできないからです。
- 数が多すぎて選べない
- 開発環境との相性がある
ライブラリを使いこなすためにも、デメリットもしっかりと理解してください。
順番に見ていきましょう。
1.数が多すぎて選べない
ライブラリの使用で困る点として、ライブラリの数が多くて選べないことが挙げられます。
名前が似たようなライブラリもあるので、チーム間で意図しないライブラリを使ってしまうこともあるのです。
例えば、Pythonでは、Python Package Indexという外部ライブラリに約690万ものライブラリファイルが公開されています。
この中からひとつを選ぶためには、正しい情報収集が欠かせません。
2.開発環境との相性がある
開発環境との相性があるのも、ライブラリの難点といえます。
Pythonで慣れ親しんだライブラリがあったとしても、ほかの言語では使えないことが多く、一からライブラリを探さなくてはいけません。
とくにさまざまな言語の開発に関わると、ライブラリを覚える量も膨大になってしまいます。
ですので、まずは得意な言語のライブラリから、ひとつずつ覚えていくことを心がけましょう。
プログラミングで病む人の特徴7選|病まないためにやるべき対策も紹介プログラミングでライブラリを上手に活用する3つの手順
プログラミングで、ライブラリを上手に活用する方法をお伝えします。
ライブラリの機能数は多いので、よくわからないまま使っても、すべて使いこなせてないことがあるからです。
- プログラムの目的を明確にする
- ライブラリを選ぶ
- ライブラリのマニュアルの読む
それぞれの手順を見ていきます。
1.プログラムの目的を明確にする
ライブラリを上手く活用するためにも、プログラムの目的を明確にしなければなりません。
なぜプログラムの目的がライブラリと関係があるのかというと、その目的に沿うことで、数あるライブラリの中から適切なものが選べるようになるからです。
目的が曖昧なままで取り組んでしまうと、適切なライブラリが選べずに、時間や手間が余計にかかってしまいます。
どのような機能が必要かを把握するためにも、まずはしっかりとプログラムの目的を明確にした上で取り組みましょう。
2.ライブラリを選ぶ
目的が定まったら、適切なライブラリを選びましょう。
なぜなら、名前が似ているライブラリでも、特徴や機能、使い方が大きく異なることがあるからです。
例えば、Python言語には以下のような異なるライブラリが存在します。
- requests
- request2
- request_factory
- request_rotate
それぞれまったく別物になるため、適切に選ぶ必要があります。
3.ライブラリのマニュアルの読む
上手にライブラリを活用するためには、マニュアルをしっかりと読むことが大切です。
なぜなら、ライブラリは長年使われていることが多く、実は思っている以上の機能が備わっているから。
探していた機能が、実は使っているライブラリに備わっていることなども、よくあることです。
そのため、マニュアルをしっかりと読んで、存分にライブラリを使いこなしてください。
プログラミングの知識を忘れることがないようにしたいなら|知識定着に繋がる4つの解決策プログラミングでライブラリを利用する際の注意点4つ
こちらでは、プログラミングでライブラリを利用する際の注意点をお伝えします。
ライブラリは便利なこともありますが、知っておかなければいけない注意事項があるからです。
- ライセンス違反に気を付ける
- バージョンを確認する
- 言語ごとに適したものを探す
- ライブラリ内のバグに注意する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.ライセンス違反に気を付ける
プログラミングで使うライブラリの多くは、OSS(オープンソースソフトウェア)ライセンスとなっています。
オープンソースであるのになぜ気をつけなければいけないのかというと、使用や再配布が自由であるものの、何でも認められている訳ではないからです。
例えば、以下のようなことだけでも覚えておくと良いでしょう。
- 動作や使用後の結果についての責任を負わない
- それぞれ定められたとおりに、著作権の表示義務がある
- 再配布などの条件を変えてはいけない
オープンソースだからといって、何でも自由にできるわけではありません。
とくに初めて使うものには、ライセンスに注意するべきです。
2.バージョンを確認する
ライブラリの使用時には、バージョンをしっかりと確認しておく必要があります。
なぜなら、プログラミング言語のバージョンとライブラリのバージョンで互換性がない場合があるからです。
例えば、ライブラリ自体は使えるのに、バージョンが対応していなくて使えないケースも少なくありません。
このようなことを避けるために、しっかりとバージョンを確認しておきましょう。
3.言語ごとに適したものを探す
ライブラリを探すときには、言語に適したものを探しましょう。
ライブラリは、特定の言語に合わせて作られていることが多いのです。
せっかく見つけて勉強したとしても、自分の使っている言語で利用できなければ意味がありません。
事前に、自分の言語と互換性があるかを調べておいてください。
4.ライブラリ内のバグに注意する
ライブラリ自体のバグにも、注意しておく必要があります。
その理由は、第三者の方がボランティアで作り、配布しているライブラリも出回っているからです。
無料で使えるとはいえ、すべて質が高いものとは限りません。
動作に問題がないかを、利用する前に口コミや評価を調べた上で利用を検討しましょう。
プログラミングで働けるまでにかかる時間はどれぐらい?活躍できる人材になるためにやるべきことを解説まとめ:プログラミングのライブラリは、プログラムの目的を明確にしてから選ぼう
当記事では、プログラミングのライブラリについて、ライブラリが何かや、そのメリット・デメリットについて解説してきました。
- ライブラリとは、よく使う機能をまとめて、再利用できるようにしたもの
- ライブラリを使うと、開発スピードが上がるなどのメリットがある
- ライブラリを上手く活用するには、使用している言語との相性が良いかを事前に調べよう
プログラミングのライブラリを使いこなせば、手間や時間をかけずにさまざまな機能が使えます。
ただしプログラミング言語との互換性があるかや、適したものの選び方で困ってしまうことも多いです。
まずはプログラムの目的を明確にし、どんな機能を実装したいかで、適切なライブラリを選ぶようにしてください。