公務員への転職は難しい?転職する方法や業務内容を詳しく解説
「民間から公務員に転職したい」
「公務員への転職って難しそう」
と思うことはありませんか?
公務員に転職しようと思っても、試験制度の複雑さや難易度を考えて及び腰になってしまいますよね。
では、公務員への転職の実態は、どのようになっているのでしょうか?
そこで今回は、
- 公務員に転職する方法
- 公務員の仕事内容
- 公務員への転職を目指すうえで押さえておくべきこと
について詳しく解説します。
この記事を読めば、公務員への転職の実態が把握できます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
公務員への転職について
公務員から民間への転職はイメージしやすいですが、逆のパターンは想像がつきにくいです。
そこでまずは、公務員への転職について概要を説明します。
- 公務員への転職は無謀ではない
- 最高59歳まで転職が可能
公務員への転職の難易度や年齢制限など、基本的な事柄をみていきましょう。
1.公務員への転職は無謀ではない
まず、公務員への転職は無謀ではないことを認識しておきましょう。
事実、毎年多くの人が公務員への転職を成功させているのです。
そのなかには、公務員とは無関係の仕事をしている人も入っています。
一方、公務員への転職のハードルを過度に高く設定し、最初から諦めてしまう人も少なくありません。
誰にでも公務員になる道は開かれているので、まずは積極的にチャレンジするマインドを獲得してください。
2.最高59歳まで転職が可能
公務員への転職には、公務員の種類や都道府県によって年齢制限があります。
例えば、国家公務員の場合、採用試験を受験できる上限は30歳です。
一方、経験者採用をおこなっている場合、年齢の上限は59歳に設定されています。
つまり、最高59歳まで公務員の転職は可能ということです。
40代や50代の方も、年齢を理由に弾かれる心配はありません。
対策さえしっかりすれば、何歳の人でも公務員への転職は成功させられます。
公務員への転職を目指すうえで考えるべきこと3選
公務員への転職を目指す人は多いですが、途中で挫折する人も少なくありません。
そうした挫折は、公務員への転職について考えきれていなかったことに一因があります。
そこで以下では、公務員への転職を目指すうえでまず考えるべきことを3つご紹介します。
- なぜ公務員に転職するのか?
- 公務員は本当にホワイトなのか?
- どの種類の公務員を目指すのか?
公務員への転職の動機などを再確認したうえで、実際の試験勉強や面接対策に入っていきましょう。
1.なぜ公務員に転職するのか?
なぜ公務員に転職するのかという根源的な問いは、一度考えておくべきです。
公務員への転職は無謀ではないものの、決して楽な道ではありません。
したがって、公務員への転職の動機が曖昧なままだと、途中で挫折する可能性が高いです。
また、面接では必ず公務員に転職したい理由を聞かれます。
そのとき、面接官を納得させる返答をするためにも、公務員への転職の理由を考えることは有効です。
2.公務員は本当にホワイトなのか?
公務員への転職を目指す人で、公務員が民間よりもホワイトだからということを理由にする人は少なくありません。
確かに、公務員は定時が定められていて、残業が少ないケースがあります。
しかし、なかには休日出勤や頻繁な残業が常態化している部署もあるのです。
結果的に、せっかく転職が成功しても自分の理想と現実の齟齬が原因で離職することになりかねません。
自分が目指す種類や部署がどのような状態にあるのか、あらかじめ調べておくことも重要です。
3.どの種類の公務員を目指すのか?
公務員のなかでどの種類の公務員を目指すのかについても、事前に考えておかなければいけません。
一口に公務員といっても、国家公務員や地方公務員、総合職や一般職など、さまざまな区分があるからです。
種類によって、年収や仕事内容はもちろん、取るべき対策も異なります。
この部分を明確にせずに転職活動を進めた場合、失敗する可能性が高いです。
自分がどの種類の公務員を目指すのか、あらかじめ明確にしておきましょう。
公務員の種類と仕事内容
公務員といっても、さまざまな種類があります。
ここでは、国家公務員の種類とそれぞれの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
- 国家公務員
- 地方公務員
それぞれ説明していきます。
1.国家公務員
国家公務員は、国家機関に勤める公務員のことを指します。
中央官庁や裁判所、国会などが主な職場です。
国家公務員は文字通り国家に関わる仕事をするため、ひとつの仕事のスケールが非常に大きいのが特徴。
具体的な仕事としては、
- 予算の編成
- 法令の決定
- 政策の企画
などが挙げられます。
また、国家公務員は全国に異動がある点も特徴的。
残業も多くハードですが、国を動かす仕事がしたい方にはおすすめの仕事です。
以下では、国家公務員のなかの総合職と一般職の違いをみていきましょう。
総合職
総合職は、国家公務員のなかでも中心的な仕事をする業種です。
法律や政策などに直接関わる場面も多く、国を動かしている実感が得られます。
総合職は「キャリア官僚」と呼ばれ、公務員のなかでもトップの位置を占めます。
そのため試験は非常に難関ですが、やりがいや対価を得られる仕事です。
一般職
一般職は、主に事務的な作業をおこなう国家公務員を指します。
総合職が企画した政策や法案を、具体的な実践に移していくのが一般職の仕事です。
一般職はノンキャリアと呼ばれ、総合職に比べて採用の難易度も高くありません。
国家公務員を志望しているものの、総合職はハードルが高いと感じる方におすすめです。
2.地方公務員
地方公務員は、都道府県庁や市役所に勤める公務員を指します。
国家公務員が国を対象に仕事をしているのに対し、地方公務員の仕事の対象は地方自治体です。
仕事の規模で考えると、やはり国家公務員に比べて小さくなってしまいます。
しかし、地方公務員は自治体の近くで仕事をできる点が魅力。
地方に強く貢献していきたいという思いがある方には、地方公務員がおすすめです。
行政職
地方公務員のなかでも、行政に関する仕事をするのが行政職です。
国家公務員が国単位の政策や法を扱うのに対し、行政職は地方の政策や条例に関わります。
地方公務員のなかでも、政治に関する仕事がしたい人が目指すのが行政職です。
花形的な業種でもあるため、人気も高くなっています。
技術職
技術職とは、土木や農業など、専門的な分野の仕事をする公務員を指します。
市役所や都道府県庁ではなく、それぞれの分野の現場で仕事をする場面が多いです。
また、出世すればひとつの部署に留まらず、他部署との横断的な仕事も任せられます。
何か専門的な仕事をしたい方や職人気質の方におすすめです。
公安職
公安職は、自治体の治安を守る仕事をする公務員を指します。
具体的には、警察官や消防士などが公安職に該当します。
危険な場面に遭遇することもありますが、街を守っている実感や使命感を得られるのが魅力です。
体力に自信のある方や責任感のある仕事がしたい方には、非常におすすめできます。
公務員はクラウドソーシングで副業して大丈夫?稼ぎやすい案件3選と注意点4つを紹介公務員に転職する方法
公務員に転職するには、どのようなルートを辿ればいいのでしょうか?
あらかじめ転職のルートを知ることで、効率的に公務員への転職活動を進められます。
- 公務員への転職には公務員試験の合格が必要
- 一般枠で試験を受験する
- 社会人枠で試験を受験する
以下では、公務員に転職する具体的な方法についてみていきましょう。
1.公務員への転職には公務員試験の合格が必要
一般的に、公務員への転職には公務員試験の合格が必要です。
具体的な科目の数や内容は、受験する公務員試験の種類によって異なります。
例えば、地方公務員の場合、法律に経済、さらには自然科学など、幅広い分野が出題されます。
どの種類を受けるにしても、決して公務員試験は簡単ではありません。
したがって、早い段階から試験勉強を開始するようにしましょう。
2.一般枠で試験を受験する
公務員試験には、一般枠という受験の枠があります。
一般枠は主に、新卒や第二新卒の人材を対象にした試験です。
自治体によっても異なりますが、30歳が年齢の上限として設定されている場合が多いです。
一般枠は年齢などの条件さえ満たせば、誰でも受験できます。
したがって転職の場合も、年齢制限をオーバーしない間は、一般枠での受験がおすすめです。
3.社会人枠で試験を受験する
公務員試験には一般枠とは別に、社会人を対象にした採用枠があります。
社会人枠の場合、年齢の要件とは別にある程度の社会人経験が必要です。
具体的な年数はそれぞれですが、一般的には5年程度の社会人経験を求められます。
一般枠に比べて採用数が少ないため、倍率で考えれば社会人枠は狭き門です。
しかし、筆記試験に比べて社会人経験の内容が重視されるため、自分の経験を活かしたい方にはチャンスだといえるでしょう。
【2024年】取って良かったおすすめの資格11選!伸びる業界や勉強方法もご紹介公務員試験の科目や内容
公務員試験の具体的な科目や内容について、イメージが湧かない方も多いでしょう。
効率的に試験勉強を進めるために、あらかじめ科目の種類や内容を把握することは重要です。
- 教養科目
- 専門科目
- 面接や論文試験への対策も必要
実際の試験勉強を始める前に、まずは試験の全貌を把握しておきましょう。
1.教養科目
種類に関わらず、多くの公務員試験で実施されるのが教養科目です。
一般的な教養や問題処理能力を判断するのに使用されます。
具体的な内容としては、
- 文章読解
- 計数処理
- 時事問題
などが出題されます。
かなり広い範囲から出題されるものの、難問や奇問はあまり出題されません。
しっかり勉強していれば、問題なく解ける科目だといえるでしょう。
2.専門科目
教養科目のほかに、公務員試験では業種ごとに専門科目が出題されます。
例えば、行政職を受験する場合は法律や経済の問題が出題される、といったように仕事に関する専門的な知識が必要な科目です。
技術職の場合、かなり細かい知識を問う問題が出題されるケースも。
満点を狙うのではなく、確実に取れる問題を落とさないというマインドで臨みましょう。
3.面接や論文試験への対策も必要
公務員試験では、筆記試験だけでなく面接や論文試験も実施されます。
例えば、国家公務員総合職だと、政策に関する長大な論文問題が課されます。
つまり、筆記試験だけ突破すれば公務員に転職できるわけではありません。
民間に比べてテスト重視といわれる公務員ですが、近年は面接のウェイトも大きくなっています。
筆記試験の対策も必須ですが、同時に面接のトレーニングなども怠らないようにしましょう。
公務員に転職する3つのメリット
公務員も民間もそれぞれにメリットがあり、一概にどちらのほうが良いとはいえません。
しかし、あらかじめ公務員に転職するメリットを知れば、転職への意欲は高まります。
- クビになるリスクがほぼない
- 社会や自治体への貢献を実感できる
- 安定した収入を獲得できる
そこで以下では、公務員に転職することの3つのメリットをご紹介します。
1.クビになるリスクがほぼない
公務員の大きなメリットのひとつは、クビになるリスクが極めて少ないことです。
公務員は、法律による身分保障制度によって守られているため、クビになることはほぼありません。
もちろん、犯罪などの行為をおこなえばクビになりますが、普通に働いていれば定年まで働けます。
また、民間企業に対して、公務員という仕事自体がなくなることもほぼありえません。
日本という国家が滅びない限り、公務員の仕事は存在し続けます。
したがって、定年まで働き続けたい意思がある方は、公務員に向いているといえるでしょう。
2.社会や自治体への貢献を実感できる
公務員の仕事は、社会や自治体に対する貢献を実感できます。
どの種類の公務員であっても、仕事の対象は国や地方自治体の生活に関わることです。
とくに自治体との距離が近い地方公務員の場合は、自分が自治体に貢献していると強く実感できます。
この点も、民間企業では味わえない公務員ならではの魅力です。
3.安定した収入を獲得できる
民間企業に比べて、公務員は安定した収入を獲得できます。
なぜなら、営利企業ではない公務員は、国民の税金から給料が発生するからです。
営利企業の場合、売上げの数字がふるわず、結果として従業員に給料が払われないことがありえます。
一方、日本国家がある限り税金は払われ続けるので、公務員には倒産や給料未払いの心配は不要です。
また、公務員は年功序列の風土が強いので、継続して勤務すれば着実に収入の額も上がります。
コツコツと安定した収入を得たい方には、この点も大きなメリットでしょう。
教員の年収はいくら?働き方、収入アップ方法や将来性を解説!公務員に転職する2つのデメリット
公務員への転職は、決してメリットだけのものではありません。
先にデメリットを把握すれば、実際に公務員へ転職してからのミスマッチを予防できます。
- 民間に比べて職場が保守的
- 年功序列が根強い
そこで以下では、公務員に転職することのデメリットを2つご紹介します。
1.民間に比べて職場が保守的
公務員は民間企業に比べて、職場の空気が非常に保守的です。
民間企業であれば、新しいことを考えて実行する人は高く評価されます。
一方公務員の場合、新しいことを実行しようとしても組織の許可が下りないことが珍しくありません。
また、民間企業に比べると、新しい技術や働き方の導入に対しても公務員は保守的です。
古い慣習を面倒に感じる方や新しいことを実行したい方には、公務員の保守的な空気はデメリットといえます。
2.年功序列が根強い
徐々に解体されつつあるものの、公務員は現在も年功序列が強く残っています。
したがって、勤務態度や仕事での成果の差は、あまり給料に反映されません。
もちろん、年功序列にも良い点はあります。
しかし、若い間から出世したい人や競争心が強い人には、公務員の年功序列は大きな障害になりかねません。
公務員に転職するのであれば、年功序列制度と付き合っていく心構えが必要です。
公務員への転職を成功させる人の特徴3選
公務員への転職は、決して簡単なものではありません。
では、どのような人が公務員への転職を成功させているのでしょうか?
- 根気強く頑張れる
- 社会貢献への熱量がある
- 事務的な作業が得意
以下では、公務員への転職を成功させる人の特徴を3つご紹介します。
1.根気強く頑張れる
公務員への転職を成功させる人のひとつの特徴は、根気強さです。
試験勉強や面接対策の時間を考えると、公務員への転職は長期戦になります。
公務員への転職は、直前に対策を始めて成功できるものではありません。
早い段階から計画を立て、コツコツと努力を継続できる人が、公務員への転職させられるのです。
2.社会貢献への熱量がある
社会貢献への熱量の高さも、公務員への転職を成功させる人の特徴として挙げられます。
公務員の仕事は、民間企業とは違って直接的な社会貢献です。
したがって面接では、本人の社会貢献への意思を評価されます。
その時、ただ安定や給料欲しさに公務員を目指す人は弾かれてしまう可能性が高いです。
また、ある程度社会貢献への気持ちがなければ、実際に働き始めてから挫折してしまいます。
転職活動をするにあたっては、自分が公務員を志望するうえでの社会貢献への熱量を大切にしましょう。
3.事務的な作業が得意
事務的な作業がきちんとできるかどうかも、公務員への転職には重要なポイント。
というのも、公務員の仕事では事務的な仕事をする場面が多いからです。
公務員は職場の空気が保守的であるため、面倒に感じる事務作業もこなす必要があります。
結果として、事務的な作業を得意とする人は、公務員への転職を成功させます。
公務員への転職に関する質問
公務員への転職に関して、まだ何かしらの疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。
実際に転職活動を始めるうえでは、疑問や不安はなるべく払拭しておくべきです。
- 年齢に関わらず転職できる?
- 働きながらでも公務員に転職できる?
- 試験の勉強期間はどれぐらい必要?
そこで以下では、公務員への転職に関する3つの質問に回答していきます。
1.年齢に関わらず転職できる?
公務員への転職は、上限年齢の範囲内であれば何歳でも可能です。
例えば一般枠の場合、多くは35歳が上限として設定されています。
一方社会人枠の場合だと、上限が59歳に設定されているケースも。
したがって、社会人枠であれば、40代や50代からでも公務員に転職できます。
今の年齢に関係なく、積極的に公務員への転職にチャレンジしてください。
2.働きながらでも公務員に転職できる?
働きながらであっても、公務員への転職は可能です。
実際、以前の仕事と並行しながら転職活動をおこない、公務員に転職した事例は多くあります。
しかし、仕事をしながら公務員試験の勉強などをするのは、決して楽ではありません。
仕事を辞めるとまではいかずとも、仕事の量を減らしながら転職活動をしてみるのもおすすめです。
3.試験の勉強期間はどれぐらい必要?
一般的に、公務員試験の合格に必要な勉強時間は1,000~1,300時間ほどです。
もちろん人によって差はありますが、付け焼刃の勉強で合格することはできません。
毎日3時間勉強するとしても、およそ1年ほどの勉強期間が必要です。
そのため、公務員試験の勉強はなるべく早くスタートしましょう。
まとめ:積極的に公務員への転職にチャレンジしよう
本記事では、公務員への転職について解説してきました。
- 公務員への転職は無謀ではない
- 公務員に転職すると、安定した収入や社会貢献への実感が得られる
- 要件さえ満たせばだれでも公務員に転職できる
公務員への転職は簡単ではありませんが、決して無謀なものではありません。
例え40代や50代であっても、対策を練って自分の社会人経験を活かせば、成功の可能性は十分にあります。
また、安定した収入や直接的な社会貢献からくるやりがいは、公務員ならではのメリットです。
ぜひこの記事を参考に、公務員への転職を成功させてください。