エンジニアの要件定義とは。一連の流れや成功させるポイント3選も紹介
「エンジニアの要件定義って何だろう」
「要件定義の一連の流れを知りたい」
と思うことはありませんか?
システム開発を成功させようと思っても、要件定義をどのように進めていけばいいのか迷ってしまいますよね。
では、エンジニアの要件定義とは、一体どういったことをするのでしょうか?
そこで今回は、
- エンジニアの要件定義と要求定義の違い
- エンジニアが要件定義を成功させる方法
- 要件定義に携わるエンジニアの職種
について詳しく解説します。
この記事を読めば、エンジニアの要件定義の概要がわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
要件定義とは
システム開発の中で、要件定義とは一体どのようなことをするのでしょうか。
ここでは、要件定義とは何かを説明していきます。
- 要件定義とは
- 要件定義と要求定義の違い
それぞれ見ていきましょう。
1.要件定義とは
要件定義とは、システム開発の始めにおこなわれる上流工程のことで、何を作るか決める作業のことです。
- このシステムでは何をするのか検討する
- 画面のレイアウトを決定する
- データベースのテーブル設計をする
システム開発の中で、上流工程でされる要件定義と設計が定まっていないと、その後の開発やテストで整合性が取れなくなります。
そのため、要件定義でどのような機能や要素、性能が必要かを定めることが非常に重要なのです。
2.要件定義と要求定義の違い
要件定義が、何を作るか機能を決める作業を指すのに対して、要求定義は、純粋な顧客の要望を取りまとめたものを言います。
- 要件定義…何を作るか決める、要求定義より実現可能で双方で納得いくもの
- 要求定義…純粋な顧客の要望、利便化・効率化を考える
要求定義がそのまま要件定義となることもあるため、顧客の状況に応じてエンジニアがヒアリングすることが求められるでしょう。
要件定義の一連の流れ
では、要件定義はどのような手順でおこなわれるのでしょうか。
ここでは、要件定義の一連の流れを説明していきます。
- ヒアリング
- 要求を細分化する
- 実行計画を立てる
- 要件定義書の作成
ひとつずつ見ていきましょう。
1.ヒアリング
要件定義は、まずヒアリングから始まります。
- どんな機能や要素が必要か
- そのシステムは実現可能かどうか
- どのような仕様で進めるか
ここでは、クライアントからヒアリングした内容をドキュメントに作成してまとめていくのです。
具体的に何をおこなえるのか、お願いしたいことを一つずつ洗い出して定めていきます。
2.要求を細分化する
ヒアリングした内容は、最初は抽象的でどこから手をつけていいのかわからない場合もあるでしょう。
そのため、要求を細分化することが大切です。
何を作るのか細かく細分化することで、機能範囲が明確となり仕様のバクを軽減できます。
とくに、ウォーターフォール型開発の場合は、上から下へ流れていくため、ここで要求を細分化しておかないと後から狂いが生じてくるでしょう。
3.実行計画を立てる
システム要件が決定したら、具体的な実行計画を立てます。
- 必要な工数や費用を出す
- プロジェクト全体のスケジュールを組む
開発の手戻りが発生しないように計画するのが重要です。
そのため、仕様が決まったら、誰がいつ何をいつまでにするのか、プロジェクトメンバーの作業を考慮する必要があります。
4.要件定義書の作成
要件定義書とは、クライアントからヒアリングした要求を細分化し、計画を立てた段階でドキュメントにまとめていく作業のことです。
要件定義書には書く内容がある程度決まっているのが特徴です。
- 機能要件に関すること…システムの実現方法や概要
- 非機能要件に関すること…セキュリティなど、システム開発で考慮すること
- システム導入後のこと…システムの改修で必要なこと
要件定義書は、設計に落とし込む前段階のものなので、しっかりと記載できるようにしましょう。
システムエンジニアのシステム開発の流れ
要件定義が固まった後は、どのようにシステム開発が進むのでしょうか。
ここでは、システムエンジニアのシステム開発の流れを説明していきます。
- 要件定義
- 設計
- プログラミング
- テスト
- 運用・保守
ひとつずつ見ていきましょう。
1.要件定義
こちらでも再度、要件定義について説明していきます。
システム開発は要件定義から始まりますが、要件定義でどのような課題を解決するシステムなのか定めるのです。
- 何を作るのか決める
- 設計の前段階でされる、要求のヒアリング
要件定義は開発の中で影響が大きいとされている重要な工程といえます。
2.設計
続いて、要件定義書をもとに設計がおこなわれます。
設計では、要求を実現するために、どのような構造にするのか決定されるのです。
- 基本設計
- 機能設計
- 詳細設計
どのようなシステムを作るか決定し、それを実現するために手順をまとめたものが、各設計書に反映されていきます。
3.プログラミング
設計の次はプログラミングです。
設計に基づいてプログラムで実装されていきます。
プログラミングはプログラマーがおこなう仕事ですが、最近ではシステムエンジニアと明確に区別されているわけではありません。
複数のプログラミング言語ができるエンジニアは、システム開発に欠かせない存在となるでしょう。
4.テスト
設計書に沿って、きちんとプログラミングできているか、テストをおこないます。
- 単体試験
- 結合試験
- 総合試験
- 運用試験
それぞれのテスト仕様書は、すべての機能で抜け漏れなくおこなわれるのが特徴です。
作ったプログラムが期待どおり動くのか検証されるため、システム開発の中では下流工程に分類されます。
要件定義と設計をきちんと固めておけば、プログラミングやテストの時間は大幅な短縮に繋がると言われているのです。
5.運用・保守
運用と保守は、システムがリリースされた後におこなわれます。
- 運用…継続的に稼働させるために監視をおこなう
- 保守…障害やトラブルに対応する
システムエンジニアの中でも、運用と保守を専門とする運用保守システムエンジニアも存在します。
要件定義から運用・保守までの流れを理解することで、要件定義の重要性がわかることでしょう。
コーディングテストとは?テスト対策方法から試験監督が見ているポイントも解説エンジニアの要件定義に必要なスキル
エンジニアの要件定義には、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
ここでは、要件定義に必要なスキルを解説していきます。
- コミュニケーションスキル
- ドキュメント作成のスキル
- システム化をイメージするスキル
- スケジュール管理のスキル
では、見ていきましょう。
1.コミュニケーションスキル
要件定義では、必要な情報を引き出していかなければならないので、コミュニケーションスキルは必須です。
顧客の要求をただ聞いているだけでは、課題や問題は見えてきません。
問題解決となる情報も同時にヒアリングする必要があるので、そうした意味でコミュニケーションスキルは大切といえるでしょう。
コミュニケーションの方法は、直接会う場合と文章や電話でおこなわれることもあるため、上手く共感と質問する力が求められるといえます。
2.ドキュメント作成のスキル
要件定義書を作成するときは、ドキュメントにまとめるスキルが必要です。
要件定義書は、リリース後に参照されることもあるので、第三者が見てもわかりやすく文書で書いていきましょう。
- ヒアリング内容を落とし込む
- 適切に情報を共有する
後から見返せる状態を作っておくと、インシデントが起きたときにも上手く対処できます。
3.システム化をイメージするスキル
エンジニアの要件定義には、システム化をイメージするスキルも必要です。
完成図やゴールを見通せると、必要な調査項目を洗い出し、提案もしやすくなります。
システム化をイメージするには、システム開発の経験が豊富な方が進めやすいでしょう。
プログラミングスキルや、その他のネットワークやサーバーの技術も必要といえます。
4.スケジュール管理のスキル
スケジュール管理のスキルも、要件定義をおこなうときに求められる技術です。
要件定義に時間をかけたい所ですが、設計へと進めていくので、限られた時間で決める必要があります。
そのため、スケジュール管理が大切です。
チームメンバーのタスクや進捗を把握しながら、要件定義をするには、スケジュール管理能力は必須といえます。
コミュニケーション力とは?10個の方法で磨きをかけて自分の武器にしよう!要件定義を成功させるポイント3選
要件定義を成功させるコツには、どのような方法があるでしょうか。
ここでは、要件定義のポイントを紹介していきます。
- 調査と検討に時間をかける
- 個々の役割を確認する
- 明確にヒアリングする
ひとつずつ見ていきましょう。
1.調査と検討に時間をかける
要件定義は、調査と検討に時間をかけることが大切です。
なぜなら、コーディングの段階では要件定義や設計のミスを取り戻すことができないから。
上流工程とも言われるため、システム開発では非常に重要な部分です。
ただ単にドキュメントに書く時間をかけるのではなく、必要な調査や検討に時間かけるようにしましょう。
2.個々の役割を確認する
要件定義を成功させるポイントのひとつは、個々の役割を確認することです。
その理由は、クライアントと担当部分について、きちんと線引きがされていないと、クライアント側の業務まで引き受けてしまう恐れがあるから。
- クライアント側がおこなう業務
- 開発側がおこなう業務
役割を明確にすることで、スケジュールを立てやすくなります。
3.明確にヒアリングする
システム構成の設計には、時間をかけるべきとも言われています。
- Why…なぜシステム化が必要か
- What…何を実現したいか
- Where…どの部分をシステム化するのか
- Who…誰がシステムを利用するのか
- How…どのように要求を実現するか
- When…いつまでに開発するか
- How much…どのくらいの予算が必要か
そのため、要件定義のヒアリングをする際は、漏れのないように調査をすることが大切です。
要件定義に携わるエンジニア職種3選
どのようなエンジニアが要件定義に携わるのでしょうか。
ここでは、エンジニアの職種を3つ紹介していきます。
- システムエンジニア
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
それぞれ見ていきましょう。
1.システムエンジニア
要件定義は、システム開発の上流工程なので、一定の経験を積んだシステムエンジニアによっておこなわれます。
システム開発の全体を理解している必要があり、知識や経験も十分ある方が望ましいからです。
上流工程に携わるシステムエンジニアは、下流工程よりも市場価値が高く、責任も大きくなる分、年収も高くなります。
技術者としても評価される指標でもあるので、要件定義のできるシステムエンジニアを目指していきましょう。
2.ITコンサルタント
ITコンサルタントも要件定義をおこなう職種です。
ITコンサルタントとは、企業の課題を解決するITの専門家のこと。
システムの全体像を把握していく必要があるので、豊富な知識が必要となるでしょう。
そのため、ITコンサルタントは年収も高いのが特徴です。
3.プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーが要件定義を担うことも多いです。
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体を管理する役目があります。
例えば、
- コミュニケーションマネジメント
- 品質マネジメント
- タイムマネジメント
などが挙げられます。
プロジェクトマネージャーの経験があると、転職にも有利になるため、キャリアを積みたい方にはおすすめです。
ITマネジメントとは?重視することで得られるメリットと活性化のコツを解説まとめ:エンジニアの要件定義は、調査と検討に時間をかけよう
本記事では、エンジニアの要件定義について知りたい方に向けて、要件定義と要求定義の違いや、要件定義を成功させる方法を紹介しました。
- エンジニアの要件定義の流れでは、要求を細分化することが大切
- システムエンジニアのシステム開発の流れを押さえておこう
- 要件定義を成功させるためには、ヒアリング能力が鍵
要件定義は、システム開発の上流工程にあたる部分で、何を作るのか決める作業のことです。
要件定義と設計にミスが出てしまうと、下流工程にいけば失敗を取り戻せないため、要件定義はとても重要な工程ともいえます。
そのため、経験のあるシステムエンジニアによっておこなわれているのです。
上流工程に携われる人材は、市場価値が高く、年収も高い特徴があります。
エンジニアの要件定義の流れを理解し、調査や検討に時間をかけていきましょう。
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