AI(人工知能)の作り方【基本編】初心者向けの学習方法も解説

近年、スマートフォンの音声アシスタントやネット通販のレコメンド機能など、私たちのたいへん身近なところでAI(人工知能)が活躍しているのをよく目にします。
しかし、そのような機能を見るなり「AIって何だか難しそう」「自分で作るなんて無理」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実はAIは、正しい手順を踏みながら基礎を学べば、初心者でもゼロから取り組める技術なのです。
本記事では、AIの基本的な仕組みや具体的な作成プロセスから、おすすめの学習方法やスクール情報まで、幅広く分かりやすく紹介していきます。
そもそもAI・人工知能とは?

AI(Artificial Intelligence/人工知能)とは、人間が行う知的活動をコンピューターで再現・模倣する技術の総称です。
具体的には、「物事を認識する」「判断する」「学習する」といった人間の思考プロセスをコンピューターで再現することを目指しています。
AI分野のなかでも特に重要視される技術が「機械学習」です。こちらは大量のデータから規則性や特徴を見つけ出し、そのパターンをもとに未来の予測や分類を行う方法を指します。
従来は人間がデータから法則を導き、プログラムに手動で実装していましたが、機械学習ではデータをコンピューターに与えて学習させることで、高度な判断や推論が可能になります。
また「人工ニューラルネットワーク」は、人間の脳神経回路を模倣した構造をもつモデルのことです。脳のニューロン(神経細胞)同士がシナプスによってつながり合い信号をやり取りしている仕組みを、数学的なモデルとして再現したものといっていいでしょう。
入力された情報に対して重みを調整しながら出力を得ることで、さまざまなタスクに対応できる柔軟性を持っています。
そして人工知能やニューラルネットワーク同様、よく耳にする言葉として挙げられるのが、「深層学習(ディープラーニング)」です。ディープラーニングは、人工ニューラルネットワークを多層化することで、より複雑なデータ構造を学習できるようにした手法のことをいいます。
画像認識や自然言語処理の分野で大きな成果を上げており、たとえば画像から特定の物体を認識する、音声や文章を理解するなど、人間の知能に近いパフォーマンスを実現するための技術として急速に発展しています。
なお、AI、機械学習、ディープラーニングの違いを詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
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AI(人工知能)が活用されている場面
AIの技術は、すでに私たちの身の回りで幅広く応用されています。以下では、代表的な活用例を簡単に紹介します。
- 製造業…工場内のロボットが作業を自動化し、品質検査で不良品を検知するなど、人手不足の解消や生産性向上に役立っている。
- 金融業…銀行や証券会社では、融資の審査や株価の予測、顧客対応のチャットボットなどにAIが利用され、リスク管理や不正検知の効率化にも貢献している。
- 医療分野…画像診断にAIを活用し、レントゲンやMRIから疾患を早期に発見する事例が増えている。また電子カルテの解析を通じて、患者に最適な治療法を提案する研究も進んでいる。
- 小売・ECサイト…購入履歴や閲覧履歴を分析し、顧客の嗜好に合わせた商品をレコメンドする仕組みが広く導入されている。適切な在庫管理や価格設定にもAIが利用されている。
- 自動車業界…自動運転システムの開発が進み、車両や周辺環境のデータをAIが分析することで、安全性や快適性を向上させる技術が発展している。
AIは上記のようにあらゆる分野で活用され、人手不足の解消やコスト削減、サービス品質の向上など、さまざまなメリットをもたらしています。
今後さらに進化し、私たちの生活にますます密着した存在になることが期待されています。
AI(人工知能)の作り方~基本の4ステップ~

AI開発を始めるうえで重要なのは、目的を明確にし、必要なデータを準備し、学習モデルを作り上げて実運用できるところまで落とし込むことです。
本章では、AIの導入前に行うべき準備から、具体的な学習やWebサービスへの実装に至るまでの一連の流れを4つのステップに整理して解説します。
- AIの活用イメージを具体的に描く
- AIに学習させたいもののデータを収集する
- 機械学習モデルに学習させる
- Webサービスに実装する
①AIの活用イメージを具体的に描く
まずはAIを活用する目的と、そのAIが解決すべき課題を明確にします。
売上向上や業務効率化など、ゴールを定義することでプロジェクト全体の方向性が定まり、必要となるデータや手法を選びやすくなります。
まずはAIで実現したいイメージを言語化・視覚化し、関係者間で共通認識をつくりましょう。
②AIに学習させたいもののデータを収集する
AI開発を成功させるためには、質の高いデータを十分に確保しなければなりません。
必要なデータが外部に存在する場合は取得方法や権利関係を確認し、自社で保有するデータがある場合は形式や粒度を揃える、といった前処理を行います。
集めたデータの中に重複や誤情報が含まれていないかをチェックしつつ、機械学習に適した状態に整備することがポイントです。
③機械学習モデルに学習させる
データの準備が整ったら、機械学習やディープラーニングなどの手法を活用してモデルを作成します。
まずは扱うデータや目的に合ったアルゴリズムを選び、実際にプログラムを組んで学習を行います。
訓練用データとテスト用データを分けることで、モデルが過学習(特定のデータに偏った学習)を起こしていないかを検証します。
必要に応じてパラメータを調整し、モデルの性能をできるだけ高める段階です。
④Webサービスに実装する
作成したAIモデルを実際に使える形にし、Webサービスとして公開・運用します。
モデルをサーバー上にデプロイし、ユーザーからのリクエストに応じて推論結果を返す仕組みを構築することで、誰でも利用できるようになります。
運用開始後は入力データの傾向変化や新しい課題などに合わせてモデルを再学習したり、システムを改善したりするサイクルを回すことが重要です。
Pythonを活用したAI(人工知能)の作り方

この章では、Pythonを活用したAI(人工知能)の作り方について、以下の手順で解説していきます。
- 必要な環境を用意する
- Pythonの基礎を身に付ける
- 機械学習やディープラーニングについて学ぶ
- 機械学習アルゴリズムの作成・調整を行う
- Webサービスに実装する
AI開発はしっかり正しく手順を踏めば、それほど難しいものではないので、ぜひ参考のうえチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
①必要な環境を用意する
まずはPythonが使える作業環境の準備です。
単独でPython本体を導入してから必要なライブラリを追加していく方法もありますが、より手軽なのはAnacondaなどの統合パッケージを使うことです。
これを導入すれば数値計算や可視化、機械学習に関するライブラリがまとめて整うため、煩雑な個別設定を省けるでしょう。
自分のOSに合ったインストーラを選択し、インストール手順に沿ってセットアップすることで、PythonによるAI開発を始める基盤が完成します。
②Pythonの基礎を身に付ける
環境を整えたら、次はPython言語そのものの基礎を学習しましょう。
初心者向けの学習サイトや動画教材、本を活用して、変数・関数・制御構文など基本的な文法を理解することが大切です。
実際に小さなプログラムを作りながら学習する「アウトプット」が、知識を定着させるために効果的です。
③機械学習やディープラーニングについて学ぶ
Pythonの基本が身に付いたら、いよいよ機械学習やディープラーニングの原理と手法を学習します。
これらは大規模データの解析やパターン認識を行うために不可欠な技術で、数学的な考え方や確率統計の基礎知識もあると理解が早まります。
さらに、NumPyやpandasなどのデータ処理用ツール、matplotlibなどの可視化ライブラリを組み合わせることで、分析環境が整います。
実際のコードやチュートリアルを通じて、理論と実践を並行して習得していきましょう。
④機械学習アルゴリズムの作成・調整を行う
機械学習ライブラリを活用し、実際に学習モデルを組み立てる段階に移ります。
例としてはscikit-learnを使った分類や回帰、PyevolveやDeapを使った遺伝的アルゴリズムなどさまざまなものがあります。
まずは小規模のデータセットで試し、過学習やデータの偏りが発生しないようハイパーパラメータを調整する流れを身につけることが大切です。
手動でパラメータを変えて精度を比較するだけでなく、グリッドサーチなどの自動化された手法も用いると、より効率的に最適化が行えます。
⑤Webサービスに実装する
完成した学習モデルを多くのユーザーに提供するためには、Webサービスとして公開する手順が必要です。
PythonにはFlaskやDjangoといったWebフレームワークがあり、これらを使うとモデルを組み込んだAPIやアプリケーションを手軽に構築できます。
学習結果をユーザーからの入力に応じて返す仕組みを作り、サーバー上で動作させれば、インターネット経由でAIの機能を利用可能です。
なお、Pythonで人工知能を開発するステップについては、以下の記事で解説しています。
AI(人工知能)を作るためのプログラミング学習方法

前述したAIの作り方の中に、「Pythonの基礎を身につける」がありました。
人工知能を作る場合、プログラミングの学習は必須と言えます。
この章では、そのプログラミングの学習方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
独学で勉強する
独力で学ぶ場合は、自分のペースで進められるメリットがあります。
独学の手段としては、主に「プログラミング学習サイト」と「本(書籍)」という選択肢があります。
プログラミング学習サイトを利用する
プログラミング学習サイトを使うと、自分の好きな時間帯に合わせて効率的に勉強を進められます。
今では多様なコースやレベル別の課題が揃っているため、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応可能です。
コードを入力して即座に実行結果を確認できる仕組みがあるので、理論だけでなく実践力も養いやすいでしょう。
またサイトによってはコミュニティが整備されており、疑問点を気軽に質問できるのも利点です。
学習を継続するコツは、小さな達成感を積み上げることにあります。
おすすめのプログラミング学習サイトについては、次章で紹介します。
本(参考書)で学習する
体系的に学びたい場合は、本や参考書を利用する方法がおすすめです。
章立てが明確なので、基礎から応用へと段階的に内容を理解できるためです。
書き込みや付箋でメモを残し、わからない部分を繰り返し読み直せる点も書籍ならではの利点です。
入門書を1冊じっくり読み込み、プログラムサンプルを実際に動かしてみると知識の定着度がぐんと高まります。
さらに気になったテーマを深掘りするために、複数の本を併読するとより広範な知識を得られるでしょう。
おすすめの学習本については、本記事の後半で紹介しています。
プログラミングスクールに通う
スクールに通う最大のメリットは、講師やメンターに直接相談できる体制が整っている点です。
独学でつまずきやすい箇所を早期に解決できるため、スキルを効率よく伸ばしやすくなるのは間違いありません。
さらに、学習計画のサポートやクラスメイトとの情報交換を通じて、学習モチベーションを維持しやすいのも利点です。
就職支援やポートフォリオ作成など、実務に直結したサービスを提供するスクールも多く、短期間でAIを含む高度なスキルを身につけたい人には有力な選択肢といえます。
AIやプログラミング言語の学習におすすめの学習サイト
ここでは、AIやプログラミング言語の学習におすすめの学習サイトをご紹介します。
1.侍テラコヤ(SAMURAI TERAKOYA)
引用:侍テラコヤ公式サイト
侍テラコヤは、定額制で学習教材が使い放題になるプログラミング学習サービスであり、初心者から経験者まで幅広い層をサポートしています。
教材は100種類以上取りそろえていて、Webサイト制作やWebアプリ開発、クラウド技術など実践的な内容を網羅しています。
さらに、月1回の現役エンジニアによるマンツーマンレッスンやQ&A掲示板を用意していて、疑問点をそのままにせず解決できる体制を整えています。
課題機能も備わっているので、学んだ知識をアウトプットし、現役エンジニアからのレビューを通じてスキルを磨ける点が魅力です。
2.Chainerチュートリアル
Chainerチュートリアルは、数学やPythonといった前提知識の解説から、機械学習やディープラーニングの理論・実装までを一貫して学べる教材です。
ディープラーニング学習者が最初にぶつかりやすい「何をどの順番で学べばいいのか」という課題に対応し、最小限の知識を体系的に身につけられるよう設計されています。
分かりやすいエラーメッセージやデバッグ機能を備え、試行錯誤のループを効率的に回せるのが特徴です。
さらに画像認識向けのChainerCVや化学・生物学分野向けのChainer Chemistry、深層強化学習用のChainerRLなど、分野別ライブラリを利用すれば、研究からアプリケーション開発に至るまでスムーズに応用できます。
3.キカガク(KIKAGAKU)
引用:キカガク公式サイト
キカガクはPythonやChatGPTなど、初心者にもわかりやすい最新コンテンツが多数用意されており、無料で試せるコースからレベルの高い有償コースまでラインナップが幅広いのが特徴です。
また、企業研修として1,000社を超える実績を持つため、実務現場で求められるスキルを効率よく習得できる講座設計がなされている点も魅力です。
無料学習コンテンツに加え、資格取得に向けた支援や就職サポートまで一貫して受けられるので、キャリアアップを目指す人には心強い環境となるでしょう。
4.Aidemy
引用:Aidemy公式サイト
Aidemyは先端技術を活用して個人や企業の可能性を広げる学習サービスです。
ユーザー数はすでに30万人を超え、教材とプログラミング実行環境が統合されたオールインワン形式で、ブラウザがあればいつでもAI学習を始められます。
24時間のチャットサポートやコードレビューなど、初心者でも安心して学習を続けられる体制が整っています。
5.Coursera
Courseraは、世界最高水準の大学や企業と連携しながら、5,800を超えるコースやプロフェッショナル認定資格、学位プログラムを提供しているオンライン学習プラットフォームであり、キャリアのスタートや転換、さらに大きな飛躍を目指す人々を支援しています。
無料で受講できるコースも提供しており、Yale大学の「幸福の科学」やDeepLearning.AIのオープンソース関連プログラムなど、多様な分野の学習機会が得られます。
AI・機械学習の勉強におすすめの学習本
この章では、AI・機械学習の勉強におすすめの学習本を紹介していきます。
1.人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
引用:Amazon
「将棋やクイズ番組で人間を上回る成果を収め、将来的に多くの職業が淘汰される可能性が議論される人工知能が、人間の価値や仕事を奪うのか」を問いかける一冊となっています。
ディープラーニングがもたらす「気づき」の革命によって計算機が自ら学習し、急速に進化する過程を、人工知能研究の歴史やトップ企業の投資状況、世界的科学者の警鐘などに触れながら解説しています。
2.いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門
引用:Amazon
「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」は、初心者に向けてAIの基礎から活用事例までを丁寧に解説する入門書です。
イラスト豊富で、難しい専門用語もわかりやすく紹介されているので、AIに抵抗がある人でも安心して読み進められます。
ITが苦手でも学びやすい構成で、これからの時代を見据える全ての人におすすめできる一冊です。
3.ゼロから作るDeep Learning
引用:Amazon
『ゼロから作るDeep Learning』は、Python 3で外部ライブラリを使わずに実装しながらディープラーニングの仕組みを学べる入門書です。
誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワークの基礎だけでなく、Batch NormalizationやDropoutなどの新技術、自動運転や強化学習への応用事例も幅広く扱っています。
4.図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
引用:Amazon
『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』は、エンジニア1年生や機械学習関連企業への就職・転職を目指す人に向けた図解形式の入門書です。
機械学習・ディープラーニングの基礎知識と関連技術、開発プロセスなどを幅広く解説しており、専門用語が多くて難しいと感じる読者でも、要点を掴みやすい構成になっています。
初めて学ぶ人が理論を理解しながら実践に活かせるよう、わかりやすい図解や説明を豊富に盛り込んでいます。
プログラミングスクールに通うのがおすすめの理由

プログラミングの独学では学習ペースの管理や疑問の解消が難しく、挫折するケースが多いです。
一方スクールに通えば、講師やメンターが学習状況を把握しながら効率的に指導してくれるので、理解不足を補いやすくなります。
実務経験のある講師から最新の開発手法や業界動向を学べるため、独学だけでは得にくい実践的視点を養うことも可能になるでしょう。
さらに疑問点はその場で解決できるため、知識がより定着しやすいのもメリットです。
就職や転職を目指す場合は、キャリアサポートやポートフォリオ作成支援を受けられるので、確実にIT系やAI関連企業への転職を目指すのであれば、スクールを活用するのがいいでしょう。
AI・機械学習・プログラミングを学べるおすすめのスクール
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メンターによる徹底サポートと効率的な学習カリキュラムによって、未経験でも実務レベルの生成AIアプリ開発スキルを身につけられる点がメリットです。
受講料の最大70%還元も活用できるため、これから需要が急増する生成AI分野でキャリアアップやフリーランスになりたい方、またAIエンジニアを目指そうか悩んでいる人に最適な内容となっています。
この記事のまとめ:AIの作り方のポイント
以上、AIの概要や作り方、学習方法、さらにスクールや教材情報まで幅広く紹介してきました。
AIは特別な人だけが扱うものではなく、正しいステップを踏めば初心者でもゼロから開発を始められます。
Pythonの基礎や機械学習、ディープラーニングの学習を行うことで、さまざまな分野に応用できる可能性が広がるでしょう。
ぜひAIの作り方を学び、理想のキャリアへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。