Pythonのおすすめフレームワークを解説!人気・分野別に紹介
Pythonは多くのフレームワークやライブラリが開発されており、複雑な機能を容易に実現できるようになっています。
フレームワークについては、特にWebアプリや機械学習の分野が豊富です。
それぞれ特徴に富んでおり、これからPythonのフレームワークを学ぼうと思っていてもどれを学ぼうか迷ってしまうことでしょう。
「Pythonのフレームワークにはどんなものがあるんだろう?」
「最も人気があるPythonフレームワークは?」
「分野別のPythonのフレームワークって?」
そんな疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、
- Pythonのフレームワークとは
- Pythonフレームワークのメリット・デメリット
- 2021年に人気が高いPythonのフレームワーク
- 各分野におけるPython向けフレームワーク
などについてご紹介します。
Pythonのさまざまなフレームワークを知ることで、開発を効率的に進められるでしょう。
「Pythonのフレームワークを詳しく知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
Pythonのフレームワークとは
Pythonでは、使えるフレームワークやライブラリの種類が豊富にあります。
そのため、複雑な機能の実装が簡単にできるのです。
Pythonで開発できる分野は多岐にわたります。
なかでも、Webアプリや機械学習の分野でのPythonの活用されるシーンが多いでしょう。
その一つの要因として、Pythonで使えるWebアプリや、機械学習・ディープラーニング開発向けの多くのフレームワークが開発されていることが挙げられます。
本記事では、Python向けのWebアプリ系および機械学習系のフレームワークをご紹介しましょう。
せひフレームワーク選びの参考にしてみてくださいね。
Pythonフレームワークのメリット
Webアプリケーション開発でPythonフレームワークを使うメリットを知っておきましょう。
ここでは、Pythonフレームワークのメリット3つをご紹介します。
- 開発速度の向上
- メンテナンス性の向上
- セキュリティの向上
詳しく解説しましょう。
1.開発速度の向上
Pythonフレームワークを活用すると、開発速度の向上が期待できます。
フレームワークにはすでに便利な機能が揃っているため、ゼロから機能を構築する手間や時間を省けるのです。
全体として開発スピードが向上し、短い期間で開発できます。
効率的にWebアプリケーション開発をするなら、フレームワークは欠かせません。
2.メンテナンス性の向上
メンテナンス性の向上につながることも、Pythonフレームワークのメリットです。
一般的な開発プロジェクトの場合、複数人のエンジニアが協力して開発を進めます。
しかし、エンジニアによってコードの書き方やスキルに差があるため、コードが統一せずにメンテナンス性が落ちやすくなるのです。
一方で、フレムワークを活用すれば、コードの統一化が可能になります。
あとからメンテナンスや修正をすることもあるため、開発者以外でもコードを変更可能です。
3.セキュリティの向上
Pythonフレームワークのメリットとして、セキュリティの向上が挙げられます。
フレームワークを活用するだけでセキュリティ対策ができるならと考える人は多いです。
フレームワークはたくさんのエンジニアに利用され、信頼ある機能が実装されています。
自分で作ったコードよりも高いセキュリティを保てることも特徴です。
フレームワークを使いこなせば、安全性を重視しながら、新たな機能やセキュリティを見いだせるでしょう。
Pythonフレームワークのデメリット
Pythonフレームワークのメリットについてお伝えしました。
では、Pythonフレームワークのデメリットはなんでしょうか。
Pythonフレームワークを採用すると、カスタマイズの自由度が下がります。
フレームワークには、必要最低限に絞った機能しかありません。
安全性や保守性は高いですが、コーディングが好きにできないの仕事といえます。
2021年に人気が高いPythonのフレームワーク
さっそく、2021年に人気が高いPythonのフレームワークを見ていきましょう。
- Webアプリケーションフレームワーク
- 機械学習・ディープラーニングフレームワーク
人気度の比較は、GoogleTrendのデータをもとにしています。
それぞれ、2021年5月1日までの1年間のグラフです。
検索条件として、「地域:すべての国」でかつ「カテゴリ:プログラミング」に絞っています。
それでは、順番に見ていきましょう。
1.Webアプリケーションフレームワーク
PythonのWebアプリケーションフレームワークで人気のあるフレームワーク「Django」「Flask」「Bottle」「Tornado」についてのキーワード検索頻度を示したグラフが以下です。
(出典:Google Trends)
グラフを見ると、圧倒的一番に検索されているのはDjangoでした。
Djangoは昔から知名度が高く、現在でも最も人気が根強いフレームワークです。
次いでFlaskが続き、Bottle、Tornadoの順で注目をされているようです。
本記事では、「Django」「Flask」「Bottle」「Tornado」について解説します。
2.機械学習・ディープラーニングフレームワーク
Pythonの機械学習やディープラーニングフレームワークで人気のあるフレームワーク「Tensorflow」「Keras」「Pytorch」「Chainer」「Theano」についてのキーワード検索頻度を示したグラフが以下です。
(出典:Google Trends)
Tensorflowが圧倒的に抜きんでています。
次いでTensorflowのラッパーであるKeras、TensorflowやKerasとは全く異なるアプローチのPytorchも、注目のワードとして検索されているようです。
本記事では、「Tensorflow」「Keras」「Pytorch」について解説します。
各分野におけるPython向けフレームワーク
2021年に人気が高いPythonのフレームワークについてお伝えしました。
ここからは、Webアプリケーションおよび機械学習・ディープラーニングの分野におけるPython向けフレームワークのうち、先ほど注目ワードとしてピックアップしたフレームワークの特徴を解説します。
Webアプリケーションフレームワーク
Webアプリケーションフレームワークのなかでは、
- Django
- Flask
- Bottle
- Tornado
をご紹介します。
1.Django
Django(ジャンゴ)は、比較的大規模な開発に向いたWebアプリケーションフレームワークです。
色々な機能なあらかじめ盛り込まれているため、小規模な開発では多少オーバースペックになります。
Webアプリケーション開発で汎用的に使われる「ユーザー認証」、「管理画面」、「サイトマップ」、「RSSフィード」などの機能があらかじめ用意されており、これらについては基本的に一から開発する必要がありません。
セキュリティ面においても信頼できる設計が施されており、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング等の脆弱性を開発の中で発生させない仕組みです。
また、国内外のサイトや書籍、教材が一番多い点では学習しやすいフレームワークですが、多機能かつMVCモデルを採用しているぶん、学習コストはそれなりにかかります。
2.Flask
Flask(フラスク)は、中小規模の開発案件に向いた軽量のWebアプリケーションフレームワークです。
標準で提供する機能が少なく、動作が軽いことが特徴になります。
また、ユーザーが自分で必要な機能を実装できることから、カスタイマイズ性の高さも魅力です。
PythonのサーバとWebアプリケーションをつなぐ共通のインターフェースであるWSGI(Web Server Gateway Interface)に準拠するフレームワークのため、Flaskで実装したアプリケーションはWSGI対応のHTTPサーバーで簡単に動かせます。
3.Bottle
Bottle(ボトル)は、1つのファイル(Bottle.py)だけで構成された軽量かつシンプルなフレームワークです。
単純構造でわかりやすいため、フレームワークの利用が初めての場合にも手軽に導入できるメリットがあります。
自分や仲間内でWebアプリケーションを作るなど、趣味で開発する際に活用しやすいでしょう。
勉強コストが低いため、初めて学ぶフレームワークとしてもおすすめですよ。
また、BottleはFlask同様WSGI準拠のWebフレームワークです。
Djangoのように汎用的な部品があるわけではないので、ほしい機能は自分で開発する必要があります。
4.Tornado
Tornado(トルネード)は、元々FriendFeedが開発したPythonのWebフレームワークです。
FriendFeedはのちにFacebookに吸収され、オープンソースとして利用できるようになりました。
ほかのPythonの他のWebフレームワークとは異なり、非同期処理が可能です。
また、Djangoほどではありませんが、ユーザ認証などのWebアプリケーションで汎用的に使われる機能部品もあります。
バランスがとれたフレームワークといえるでしょう。
数千の同時接続を処理でき、ユーザーへの長期接続の必要があるアプリケーション開発に適しています。
機械学習・ディープラーニングフレームワーク
機械学習・ディープラーニングフレームワークのなかでは、
- Tensorflow
- Keras
- Pytorch
をご紹介します。
Tensorflow
Tensorflow(テンソルフロー)は、Googleが開発しオープンソースで公開している機械学習やディープラーニングに対応したフレームワークです。
元々はテンソル(高次元配列)計算を扱うために作られたライブラリでした。
基本的な計算処理も可能ですが、特にニューラルネットに関する関数が豊富なフレームワークです。
世界中の企業や研究者が利用しており、多くの信頼できる実績があります。
汎用性の高いフレームワークのため、顔認証や音声認証、自動運転車等のあらゆる分野にも適用か可能です。
Keras
Keras(カラス)は、先に紹介したTensorflowやMicrosoft Cognitive Toolkit、Theano上で実行できる高水準のニューラルネットワークライブラリです。
ニューラルネットワーク設計を迅速かつ簡易に行えるう作られました。
ノンプログラマーでも実装できるくらいハードルが低いです。
層をただ積み重ねていくだけという実装も可能で、簡易な記述で計算グラフを構築するために、計算処理の難しい部分(Tensorflowの処理)が隠されています。
Kerasは、ディープラーニングを入門するためのとっかかりとして活用できるフレームワークです。
ただ、先ほど振れた「隠された難しい部分」はKerasの内部で動いているTensorflowがしているため、本格的にディープラーニングを学ぶためにはTensorflowの処理についても理解する必要があります。
Pytorch
PytorchはFacebookが主導して開発されたディープラーニングのフレームワークです。
計算グラフ(ニューラルネットの構造)を構築する際の手法にはDefine and RunとDefine by Runの二種類あり、TensorflowやKerasがDefine and Runを採用しているのに対し、PytorchはDefine by Runを採用している点で大きく異なります。
Facebookが本腰を入れて開発しているフレームワークでもあり、Define by Run方式のフレームワークでは一番ホットなフレームワークになりつつあるのです。
利用者のコミュニティも拡大してきており実績も増えたため、ほかの研究者が書いた実装を探すのも容易になりつつあることが魅力と言えるでしょう。
まとめ:PythonのフレームワークでWebアプリケーション開発を効率化しよう
本記事では、PythonのフレームワークについてWebアプリケーションと機械学習・ディープラーニングの2つの分野において人気のフレームワークについて解説してきました。
フレームワークを活用すれば、複雑な機能を実装せずに済んだり、少ない記述で実装できたりします。
Webアプリケーション開発を効率的に進めることが可能です。
それぞれのフレームワークの特徴を解説してきましたが、使いたいフレームワークは見つかったでしょうか。
これから学びたいPythonのフレームワークがあれば、Webサイトや書籍などでもっと深堀りしてみましょう。
フレームワークは、先人の知恵により私たちに便利なプログラミング生活を与えてくれます。
便利なフレームワークを使って素晴らしい開発ができるとよいですね。