目的と目標の違いとは!設定する6つの理由や具体的な5つのステップを解説
仕事をするときには、「目標」や「目的」を設定しますよね。
正しい目標や目的の設定は、物事の達成に必要不可欠です。
しかし、
「目標と目的の違いがわからず、設定できない」
「目標と目的は何のために設定するんだろう」
と感じている方は多いのでしょうか。
今回は、
- 目標と目的の意味と違い
- 目標・目的を設定する理由
- 達成できる目的の設定方法5ステップ
などについてご紹介します。
「仕事で目標・目的をうまく設定できない」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目標と目的の違いとは?それぞれの意味を解説
まずは、目標と目的の意味と違いについて確認しましょう。
一見すると似ている目標・目的という言葉。
意味を正しく知ることで迷わずに使えるようになりますよ。
それでは、さっそく意味を解説していきます。
1.目標の意味は「目的を達成するために設ける指標」
目標とは、「目的を達成するために設ける指標」のことです。
「目的をどう達成するか」「目的達成の指標は何か」という手段や目印をさしています。
たとえば、営業成績を上げることを目的とした場合、「営業件数を過去より3件増やす」「営業スキルの本を月に2冊読む」などがあげられるでしょう。
つまり、目標は目的があってはじめて設定されるものです。
では、目的とは何でしょうか。
2.目的の意味は「最終的に目指す到達点、内容」
目的とは、「最終的に目指す到達点、内容」のことです。
「何のためにやるか」「何をしたいのか」というゴールや目指す姿をさしています。
たとえば、「興味のある仕事に就く」「時間や場所に柔軟に働く」「高いスキルを武器に独立する」などがあげられるでしょう。
そして、上記のようなゴールを達成するために具体的に設定するのが目標です。
目標と目的の違いを具体的に確認しましょう。
3.目標と目的の違いは「手段か、内容か」
目標と目的の違いは「手段か、内容か」です。
- 目標:目的を成し遂げるための具体的な手段
- 目的:最終的に成し遂げようとする内容
たとえば、仕事において目的は「利益を上げる」「規模を拡大する」という抽象的な到達点になります。
それに対して、目標は「単価を10%上げる」「コストを15%削減する」「店舗を3ヶ所に増やす」と目的達成のための具体的な手段です。
目標と目的の特徴の違いをまとめると、以下になります。
目標 | 目的 |
通過点 | 最終点 |
目印 | ゴール |
具体的 | 抽象的 |
手段 | 意味 |
数値/状態 | 目指す姿 |
複数 | 1つ |
変更可能 | 変更不可能 |
このように、目標は目的を達成するための代替可能で具体的な手段であり、目的は最終的なゴールとして目指す抽象的な内容であるということが違いです。
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目的が必要な3つの理由について解説
ここまで「目標・目的」の意味と違いを見てきました。
しかし、そもそもなぜ「目的」を設定する必要があるのでしょうか。
仕事において業務やプロジェクトの立ち上げるときには、はじめに目的を設定することが求められますよね。
目的設定が必要な3つの理由を解説します。
1.効率よくゴール地点へ向かうため
目的を設定する理由の1つは、効率よくゴール地点へ向かうためです。
目指すべきものが明確であるほど、効率よく近づけます。
「何のためにやるのか」という目的が曖昧だと、何をどう頑張れば良いのかがわかりません。
たとえば、「資料を作成する」という業務の目的が「プレゼンを成功させる」ことだと理解していれば、データやレイアウトを効果的に活用して作成できます。
一方で、目的を理解していなければ無難な資料ができあがり、プレゼンを成功に導ける可能性は低くなるでしょう。
効率的にゴール地点に近づくためには、明確な目標設定が重要です。
2.チームで考えを共有するため
目標設定は、チームなど複数人での考えを共有するためにも必要です。
人数が複数の場合、意識や行動を1つの方向に向かわせることが求められます。
目的を設定して目的意識を共有することで、「なぜこの業務が必要なのか」「自分がなぜこの業務をやるのか」を理解できるようになるでしょう。
目的の設定は、チームの意識を明確にし、行動の方向性を決定づけられるのです。
3.正しい目標を設定するため
目的を設定しなければ、正しい目標は設定できません。
「何を目指すのか」を決めるからこそ、「そのために具体的に何をするのか」が明確になるのです。
目的達成のための手段は1つではありません。
目的には、達成のための手段としてあらゆる目標が考えられるようになります。
正しい目標を達成するには、まず目的がなければならないのです。
目標が必要な3つの理由について解説
「目的」の設定が必要な理由をお伝えしました。
しかし、目的設定をする際には、目標設定も同時におこないますよね。
「目標」はなぜ設定する必要があるのでしょうか。
次は、「目標」の設定が必要な理由を解説します。
1.進捗を定期的に確認するため
目的を達成するには、きちんと目的に近づいているかの確認が必要ですよね。
目標設定が必要な理由の1つは、進捗を定期的に確認するためです。
目的達成までの道のりのなかで、短期・中期・長期で目標を設定することで、進捗を確認できるようにします。
目標の到達度によって、順調に目的達成に近づけているのか、遅れていて修正が必要なのかなどを把握できるのです。
もし目標を設定していなければ、目的達成までのプロセスの進み具合が確認できず、達成できる可能性が下がってしまいます。
目標の設定は、目標達成をより現実的にするために、定期的な進捗確認をするという点で必要です。
2.PDCAサイクルを回しやすくするため
PDCAサイクルをご存知でしょうか。
「計画(Plan)・行動(Do)・反省(Check)・改善(Action)」を繰り返すサイクルのことです。
目標を設定すると、PDCAサイクルを回しやすくなります。
つまり、目的達成のために必要な改善を効果的に行うことができるのです。
たとえば、「成約を月に3件増やす」という目標を立てることで、「達成できなかったのはなぜか」「どうすれば達成できるか」を考えるようになるでしょう。
目標設定をすることで、目的達成に向けた具体的な行動を効果的に改善していけるのです。
3.やるべきことを具体的にするため
目標を設定すると、やるべきことが具体的になります。
具体的な行動がわかるので、目的達成に向けて動けるようになるのです。
目的が抽象的であることに対して、目標は「1日に5件は営業をかける」「英会話の参考書を1日2ページやる」など具体的になります。
目的の設定は「何のためにやるのか」を決めるだけなので、達成はできません。
達成するなら「具体的に何をするのか」が必要です。
やるべきことを明確にして、目的達成のために動き出すために、目標の設定が必要になります。
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目標と目的を設定するうえでやってはいけない5つのこと
ここまで、目標・目的が必要な理由をお伝えしました。
目標・目的の設定は、目指す姿を実現するために必要なこと。
しかし、間違った方法で設定してしまうと、達成できなくなってしまいます。
目標・目的を設定するうえでやってはいけない5つのことを知っておきましょう。
- 簡単過ぎる目的・目標を設定する
- 目標を数値で示さない
- 目標の改善をおこなわない
- 目的をコロコロ変えてしまう
- チームや会社で共有しない
詳しく見ていきましょう。
1.簡単過ぎる目的・目標を設定する
簡単過ぎる目的や目標を設定しないようにしましょう。
あまりにもすぐに達成できる内容では、モチベーションを下げてしまいます。
自分にとって簡単過ぎる目的や目標は、達成を目指すまでもなく、当たり前に感じられるものです。
ほどよく高い目標を掲げることで、達成に向けて工夫や努力をするようになるでしょう。
2.目標を数値で示さない
目標が曖昧だと、達成できているのかどうか進捗を判断できません。
数値や具体的な状態で示すことが大切です。
目的達成のために、途中経過で目標に到達できているかどうかは1つの指標になります。
また、具体的に設定されていることで、モチベーションを高く目指すことが可能です。
目標設定では、かならず数値や具体的な状態を用いて、明確な指標を設定しましょう。
3.目標の改善をおこなわない
目標を設定するだけで改善はおこなわない、という状態ではいけません。
目的を達成するには、常に目標の進捗を確認して必要があれば改善することが大切です。
たとえば、「毎月5%ずつ成約率をあげて、6ヶ月後には30%アップ」という目標を設定したとします。
もし、2ヶ月後の時点で6%しか上がらず予定より遅れている状態をそのままにしては、最終的な目標達成はできません。
目標を設定したら、実際の状態と見比べて改善することで、目的に近づくことができますよ。
4.目的をコロコロ変えてしまう
せっかく目的を設定して励んでいたのに、あとからコロコロと変えてしまうことはないでしょうか。
目的は基本的には変わらないものです。
「何のためにやるのか」を変えてしまうと、目標や行動などがすべて変わってしまいます。
途中で変えることのないよう、目的はよく考えて決めましょう。
5.チームや会社で共有しない
目標や目的を設定しても、チームや会社できちんと共有しなければ達成は難しいでしょう。
目標や目的の共有は、組織のメンバーの意識や行動を方向づけ、モチベーションを高める効果があります。
複数人で物事に取り組む場合は、目標や目的意識を全員が持つことで、効果的に達成に向かえるようになるのです。
全員で目標・目的の達成を目指すなら、しっかりとゴールや指標を示し、共有しましょう。
達成できる目的の設定方法5ステップ
目標・目的設定でやってはいけないことを確認しました。
「じゃあ具体的にどうやって目標・目的を設定すればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
最後に、達成できる目的の設定方法を5つのステップで解説します。
5つのステップの内容は次のとおりです。
- 最初に目的を決定する
- 目的を達成するための目標を決める
- 目標に数値を設定する
- 目的・目標の期限を設定する
- 定期的に進捗を確認し、改善をおこなう
それでは見ていきましょう。
1.最初に目的を決定する
まずは目標を決定します。
「最終的にどうなりたいか」の内容を明確にしましょう。
たとえば、
- 会社の売上を上げる
- キャリアアップする
- やりたい仕事をする
- 海外で働く
- 独立するスキルを習得する
などがあげられますね。
個人でも、チームでも、会社でも、最終的に目指すゴールを決めることから始めます。
このとき、設定する目的は1つです。
あとから複数にしたり、変えたりすることはしないように注意しましょう。
2.目的を達成するための目標を決める
次に、先ほど決めた目的を達成するための目標を決めます。
「どうやって達成するのか」を考えましょう。
たとえば、「キャリアアップする」ことを目的として設定した場合、以下の目標が考えられます。
- スキルや知識を身につける
- 実績を作る
- 転職する
- 昇進や昇給を上司に相談する
目的が1つであることに対して、達成するためのプロセスとなる目標はいくつでも設定できます。
つまり、目的を叶える方法はたくさんあるのです。
思いつく限りあげてみましょう。
3.目標に数値を設定する
目標は具体的であるほど目指しやすくなり、目標達成にも近づきます。
先ほどの目標に具体的な数値を設定しましょう。
- ITスキル・知識についての本を5冊読む
- プログラミングを使った制作実績を3つ作る
- キャリアが上がる転職をする
- プロジェクトマネージャーへの昇進や5万円の昇給を相談する
上記のように数値を用いると、目指すことがかなり明確になりましたね。
数値による目標設定は、進捗がわかりやすく、修正もしやすいです。
数字では表せない場合は、具体的な状態をイメージしましょう。
4.目的・目標の期限を設定する
目的・目標をいつまでに達成するのかを決めましょう。
期限を明確にすることで、限られた時間のなかで意識的に行動できますよ。
- 半年間で、プログラミングスキル・言語についての本を5冊読む
- 1年後までに、プログラミングを使った制作実績を3つ作る
- 1年後、キャリアが上がる転職をする
- 1年後、プロジェクトマネージャーへの昇進や5万円の昇給を相談する
いつまでに達成するのかを決めると、目標達成がより現実的になります。
さらに、可能な限り細かく考え、1日、1週間、1ヶ月、3ヶ月ごとなど区切りながら目標を設定できるといっそう効果的です。
手帳に書き込んでスケジュールに落とし込むこともおすすめですよ。
5.定期的に進捗を確認し、改善をおこなう
日々の行動で実行し、定期的に進捗を確認して改善しましょう。
最初に決めた目標を達成できないからと言って諦めるのはもったいないです。
予定には変更がつきものです。
最終的に目的達成ができればよいと考え、進捗が遅れている場合には現実的な目標に修正しましょう。
たとえ設定した目標通りに進んでいなくても、きちんと改善をおこなうことで目標達成は可能です。
目的達成に向けて、常に目標と現状を見比べ、ギャップを埋めましょう。
まとめ:目的と目標をうまく設定して、実力を高めよう
今回は、目標と目的の違いについてご紹介しました。
何かを達成したいと思ったら、正しい目標・目的設定をすることがとても大切です。
目標と目的を適切に設定できるようになれば、効果的な行動を起こしたり、失敗を次に活かしたりできるようになりますよ。
仕事での業務やスキルアップに役立てられるでしょう。
目標と目的を上手に活用し、実績や実力につなげてくださいね。