ロジカルシンキングを身につける5つのメリットを解説!フレームワークや注意点も紹介
「ロジカルシンキング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
就職活動や職場で必要と言われるスキルのひとつですね。
しかし、
「ロジカルシンキングがどういうものか、よく理解できていない」
「ロジカルシンキングはどうやって活用すればいいの?」
と疑問に感じている人は多いです。
そこで今回は、
- ロジカルシンキングの意味やほかの用語との違い
- ロジカルシンキングを身につけるメリット
- ロジカルシンキングの代表的なフレームワーク・手法
- ロジカルシンキングの注意点
などについてご紹介していきます。
ロジカルシンキングへの理解を深めて活用できるようになれば、仕事の成果にもつながるでしょう。
「ロジカルシンキングを知りたい!身につけたい!」と感じている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそもロジカルシンキングとは『論理的思考力』という意味
まずは、ロジカルシンキングの意味を確認しましょう。
ロジカルシンキングとは、日本語に直訳すると「論理的思考力」という意味です。
簡単にいえば、きちんと筋道を立てて物事を考える力のことですね。
論理的思考力の重要な構成要素には次のものがあります。
- 主張と根拠に筋道が通っている
- 合理的である
- 因果関係を正しく把握している
- 物事を適切に分解している
- 先入観にとらわれていない
- 言葉や数字を適切に扱える
これらのことができていれば、論理的に考えられているといえるでしょう。
では、論理的思考力を身につけるとどんな効果があると思いますか。
論理的思考力のメリットについてお伝えします。
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ロジカルシンキングを身につける5つのメリット
ロジカルシンキングは筋道を立てて物事を考える力のことでした。
この力は、仕事でも重要と考えられています。
ロジカルシンキングを身につけると、どんなメリットが得られるのでしょう。
メリットを知ることで、ロジカルシンキングの重要性がわかるようになりますよ。
ここでは、ロジカルシンキングを身につける主なメリットを5つご紹介します。
- コミュニケーション能力の向上
- 分析力の向上
- 問題解決力の向上
- 提案力の向上
- 生産性の向上
詳しく見ていきましょう。
1.コミュニケーション能力の向上
1つ目は、コミュニケーション能力の向上です。
コミュニケーション能力とは、相手の考えを理解し、自分の考えを伝える能力のことですね。
ロジカルシンキングを身につけると、相手が何を伝えようとしているかを分析でき、疑問点を聞いて理解を深められます。
また、自分の考えを筋道を立ててわかりやすく話せるので、相手に理解してもらいやすくなりますよ。
このように、ロジカルシンキングを習得していれば、相手と的確に意思疎通がとれるのです。
コミュニケーションにズレがなくなり、スムーズに理解を深め合うことができますよ。
2.分析力の向上
ロジカルシンキングを身につければ、分析力の向上にもつながります。
分析力とは、物事を要素や成分にわけて、その構成を明らかにする能力です。
ロジカルシンキングでは、ある物事に対して「なぜそうなのか?」「どうなっているのか?」と考えます。
物事の筋道が通るための原因や構造を理解しようとするのです。
そこで、小さな要素に分解して考えたり、物事の関係性を把握します。
ロジカルシンキングでおこなわれる、要素の分解や関係性を把握する作業が、分析力を向上させるのです。
ロジカルシンキングと分析力は、切っても切れない関係にある能力といえるでしょう。
3.問題解決力の向上
ロジカルシンキングの習得で得られるメリットのひとつに、問題解決力の向上があります。
問題解決力は、問題の原因を明らかにして適切な課題解決をおこない、問題を解決する能力です。
社会人になると、職場のあらゆる場面で「問題解決力」を求められることも多いのではないでしょうか。
ロジカルシンキングを身につければ、問題を分析して原因を突き止めたり、解決に必要な要素を見つけられます。
ロジカルシンキングは、問題解決に必要な能力といえますね。
4.提案力の向上
仕事で影響や企画をする方は、提案力を高めたいと感じているのではないでしょうか。
ロジカルシンキングは、提案力の向上にも役立ちます。
提案力とは、相手が求めることを汲み取り、抱えている希望や課題を解決する効果的な提案をおこなう能力です。
ロジカルシンキングを身につけていると、相手の話から相手が何を求めているのかを読み取れるようになります。
さらに、相手の要望に応える提案を考え、論理立ててわかりやすく伝えられるのです。
ロジカルシンキングを活用することで、相手に寄り添った適切な提案ができますよ。
5.生産性の向上
生産性が低い人の特徴のひとつは、業務に無駄が多いことです。
生産性を向上させたいなら、無駄を削減しなくてはなりません。
ロジカルシンキングを身につけると、業務遂行までの道のりを論理的に考えられるので、無駄な作業を削減できます。
「この作業は不要」「この作業は効率化できる」と考えながら合理的に仕事を進められるのです。
抱えている仕事が減ると、そのぶんの時間や労力をほかの仕事にまわせます。
できる仕事が増えるので、結果的に生産性が高まりますね。
生産性を高めたいと感じているなら、ロジカルシンキングの習得は効果的でしょう。
ロジカルシンキングと他の用語との違い
ロジカルシンキングのメリットをお伝えしました。
仕事で重要視される理由もわかりますね。
しかし、ロジカルシンキングのほかにも、似たような言葉を聞いたことはありませんか。
ロジカルシンキングと混同しやすい用語について知り、違いを理解しておきましょう。
それぞれについて知識があれば、適切に使い分けることができますよ。
ご紹介するのは、次の用語との違いです。
- クリティカルシンキング
- ラテラルシンキング
さっそく見ていきましょう。
1.クリティカルシンキングとの違い
クリティカルシンキングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
英語ではCritical thinkingと書き、直訳すると「批判的思考」となります。
「クリティカルシンキング」とは、「本当にこれで良いのか?」と前提を疑い本質を見極める考え方です。
たとえば、仕事で残業することが評価される慣習に、疑問を感じたことはないでしょうか。
「これはこういうもの」「前例がないから認めない」などの言葉に疑問を持つ考え方がクリティカルシンキングといえますね。
ロジカルシンキングは前提から考えを深めますが、クリティカルシンキングは前提を疑うという違いがあります。
2.ラテラルシンキングとの違い
ラテラルシンキングも、よく取り上げられる言葉です。
英語ではLateral thinkingと書き、直訳すると「水平思考」となります。
「ラテラルシンキング」とは、思考の制約となる既成概念や固定観念を取り払い、自由な視点や発想でアイデアを生む考え方のこと。
ロジカルシンキングは「垂直思考」とも呼ばれます。
既成概念を基に筋道を立てて深く掘り下げて考え、論理的に正しい結論は1つです。
しかし、ラテラルシンキングでは既成概念にとらわれず、多角的な視点と自由な発想で考えるため、結論は1つではありません。
ロジカルシンキングがある既成概念を前提とするのに対し、ラテラルシンキングは既成概念にとらわれずに考えるという違いがあります。
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ロジカルシンキングで代表的な3つのフレームワーク
ロジカルシンキングとほかの用語の違いをお伝えしました。
よりロジカルシンキングへのイメージが明確になったのではないでしょうか。
ロジカルシンキングには、その考え方を効果的に取り入れるためのフレームワークがあります。
フレームワークとは「枠組み」のことです。
フレームワークを活用することで、ロジカルシンキングの考え方がしやすくなりますよ。
ここでは、ロジカルシンキングにおける代表的な3つのフレームワークをご紹介します。
- ロジックツリー
- ピラミッド構造
- マトリックス
具体的にご説明していきましょう。
1.ロジックツリー
まずご紹介するのは「ロジックツリー」です。
ロジックツリーは直訳すると「論理の木」となります。
問題をツリー状に分解し、原因や解決策を明らかにするフレームワークです。
例えば、次のように表すことができます。
問題の全体像を把握しながら、原因や解決策を深めていけることが特徴です。
優先順位をつけ、問題解決に動き出しやすいメリットがあります。
また、ほかの人と共有して認識を揃えやすいため、チームやグループでの活用にも向いていますよ。
2.ピラミッド構造
自分の主張を効果的に相手に伝えたいなら「ピラミッド構造」を使いましょう。
別名では「ピラミッドストラクチャー」あるいは「ピラミッド原則」とも呼ばれます。
「ピラミッド構造」とは、「主張」と「根拠」をピラミッド状に図式化するフレームワークです。
説明や説得に活用すると効果的に働くでしょう。
図に表すと次のようになります。
ピラミッド構造を使えば、主張と根拠を相手にわかりやすく説明できます。
そのため、あなたの提案や説明が相手により伝わりますよ。
ひとつの主張に対して複数の根拠を見せられるので、説得力を持たせられます。
仕事の場面では、営業やプレゼンなどで役立つフレームワークです。
3.マトリックス
マトリックスと聞くと映画を想像する人が多いかもしれません。
直訳は「母体・基盤」で、一般的には「数学の行列」を意味します。
ロジカルシンキングにおけるマトリックスは、2つの軸(尺度・要素)で問題を整理していくフレームワークです。
図に表すと、次のようになります。
物事の優先順位を決定する場合にも効果的なフレームワークといえます。
基本は2つの軸ですが、軸を増やして応用できることが特徴的です。
たとえば、職場で解決すべき課題があり解決策が複数あるとき、解決策を効果やコストなどの面から比較するときにも役立ちます。
上記のように各項目の評価を総合して見比べることで、どの解決策が最も有効化を見極められるようになりますよ。
実際の仕事でも、あらゆる場面で活用できますね。
ロジカルシンキングで代表的な3つの手法
ロジカルシンキングのフレームワークをご紹介しました。
フレームワークに当てはめて考えれば、物事を論理的に考えられるようになります。
さて、ロジカルシンキングの考え方にはいくつかの手法があるのをご存知でしょうか。
手法を知っておくことで、あらゆるケースに応用して考えられるようになりますよ。
今回は、ロジカルシンキングの代表的な3つの手法をご紹介します。
- 演繹法
- 帰納法
- 弁証法
詳しく見ていきましょう。
1.演繹法(えんえきほう)
ひとつめは演繹法です。
演繹法とは、あるルールや基準にもとづいて結果を導く論理展開手法です。
すでにルールや基準があり、それが正しいものであるという前提条件が揃っている場合に有効な手法となります。
別名では「三段論法」と呼ばれ、事実と観察事項の2つの条件をもとに結論を導くというものです。
たとえば、有名な演繹法としてアリストテレスの三段論法があります。
- 1.すべての人間はいつか死ぬ(事実)
- 2.わたしは人間である(観察事項)
- 3.ゆえにわたしもいつかは死ぬ(結論)
上記の場合は、「すべての人間はいつか死ぬ」という事実(ルール)に対して、「わたしは人間である」という観察事項をあてはめます。
すると、「人間であるわたしはいつか死ぬ」という結論が導き出されるのです。
仕事に置き換えると、次のようなケースに応用できます。
- 1.利益率が120%を超える案件には、新規企画を提案する(基準)
- 2.クライアントのA社の案件は利益率が125%である(観察事項)
- 3.A社には新規企画を提案する(結論)
このように活用することで、一定の基準を満たす場合の手続きが明確になり、仕事の効率化を図れますよ。
ただし、前提となるルールや基準が間違っていると使えないので注意しましょう。
2.帰納法
次にご紹介するのは帰納法です。
帰納法とは、複数の実例から共通点を見出して結論を導く論理展開手法をさします。
たとえば、
- 施策aはA社のマーケティング案件に有効だった
- 施策aはB社のマーケティング案件に有効だった
- 施策aはC社のマーケティング案件に有効だった
などの実例から、「施策aはマーケティングに効果がある」と考えるのが帰納法です。
多くの実例を挙げることで、精度の高い結論を導きやすくなりますよ。
ただし、次の場合は帰納法そのものが成り立たなくなるので、注意が必要です。
- 実例や状況証拠に間違いがある
- 共通点を見出すときに論理飛躍がある
- 共通点から結論を導くときに論理飛躍がある
また、実例が少ない場合も正しい結論を導けなくなります。
精度の高い正しい結論を導き出すには、十分な数の実例をあげることが重要です。
3.弁証法
最後にご紹介するのは弁証法です。
物事が対立する状況で活用されています。
弁証法とは、ある命題に対してそれと矛盾する命題を提示し、それらを統合して解決する命題を導き出す論理展開手法です。
つまり、弁証法では「命題(テーゼ)」「矛盾、否定する命題(アンチテーゼ)」「テーゼとアンチテーゼを本質的に統合した命題(ジンテーゼ)」で構成されています。
たとえば、次のような例が挙げられるでしょう。
- FAXは文書を送るのに役立ちます。しかし、FAX機能付きの電話でなければ送受信できない点がデメリットです。(命題:テーゼ)
- そこで、誰もが使っているメールで文書データを送信することが一般的になりましたが、いちいちメールを送る手間がかかります。(矛盾、否定する命題:アンチテーゼ)
- 最終的に、両方の欠点を解決する方法としてデータの共有サービスが広がり、いつでも文書データをアップロード・共有できるようになりました。(本質的に統合した命題:ジンテーゼ)
このように、命題とそれに矛盾する命題を統合して解決する命題を導き出すことで、問題解決に役立てられますよ。
ロジカルシンキングについてもっと学びたい方は、下記の記事でロジカルシンキングのトレーニング方法について書いてあります!
ぜひ参考にしてください!
ロジカルシンキングの注意点3つ
ロジカルシンキングの手法をお伝えしました。
手法を知っておけば、普段の生活でも役立てやすくなります。
生活のあらゆる場面で活用したいロジカルシンキングの考え方。
しかし、注意したいこともあります。
ロジカルシンキングの注意点を理解し、目的に合わせて取り入れられるといいですね。
ロジカルシンキングの3つの注意点をご紹介します。
- 新しい物事を作り出すのには向いていない
- 行動が遅くなることがある
- 理論と感情の対立
それでは確認していきましょう。
1.新しい物事を作り出すのには向いていない
ロジカルシンキングは、新しい物事を作り出すという分野には不向きです。
ロジカルシンキングでは、ある前提や実例があって、そこから論理的に筋道を立てて結論を見に引き出すもの。
しかし、まったく新しい分野では前提や実例が乏しく、手法を用いることが困難なこともあります。
すでにある分野で正しいと判明している前提や、たくさんの実例から導き出すことは可能でも、新しい物事を0から作り出すことは難しいでしょう。
ロジカルシンキングを活用するときには、どのような状況下なのかを見極める必要があります。
2.行動が遅くなることがある
ロジカルシンキングを用いる場合、行動のスピードが遅くなることがあります。
物事に対して論理的に考えるためには、思考材料やある程度の時間が必要です。
ある物事を前提として、筋が通っているか、合理的かを確認しながら考えを発展させていく作業は時間がかかります。
思考することに時間をかけるので、行動に至るまでのスピードが遅くなるのです。
すばやい行動を求められる場面では、なかなか活用しにくいかもしれません。
3.理論と感情の対立
ロジカルシンキングは、時として感情と対立してしまいます。
コミュニケーションの場面では、人は論理だけで動かされるものではありません。
人はプライドや面子を意識することや、不信感や不安感を持っていることがあります。
論理的に正しいからと正論を振りかざしては、相手が感情を閉ざしてしまうでしょう。
「論破する」という言葉がありますが、それでは目的を見失っています。
論理だけで話を進めようとするのではなく、相手の感情を理解し、受け止めて寄り添うことが大切です。
ロジカルシンキングの目的が、最終的な意思決定や問題解決であることを忘れないようにしましょう。
まとめ:考える癖をつけてロジカルシンキングを習慣にしていくことが大切
今回はロジカルシンキングについてご紹介しました。
ロジカルシンキングを身につければ、コミュニケーション力や問題解決能力、提案力など仕事で求められる力をのばせます。
今回ご紹介したフレームワークを普段から活用することで、考える癖をつけていきましょう。
ロジカルシンキングの考え方を習慣化すると、プライベートでも仕事でも役立ちます。
ロジカルシンキングを取り入れて、充実した毎日を過ごしてくださいね。
なおロジカルシンキングは下記の記事に書かれている本を通して学ぶこともできます!
ぜひ参考にしてください!